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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■不動産登記法(仮登記)>

<問題1> 所有権に関する仮登記の一つに、登記すべき実体上の権利変動は既に発生しているが、登記申請に必要な手続上の条件が具備していない場合にする所有権移転仮登記がある。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 所有権に関する仮登記には、①登記すべき実体上の権利変動は既に発生しているが、登記申請に必要な手続上の条件が具備していない場合にする所有権移転仮登記、②登記すべき実体上の権利変動はいまだ発生していないが、将来その権利変動を生じさせ得る請求権が既に発生している場合に、その請求権を保全するためにする所有権移転請求権仮登記、③停止条件付その他将来において確定すべき請求権を保全するためにする停止条件付所有権移転請求権仮登記、④登記すべき権利変動それ自体が停止条件付その他将来において確定すべきものである場合に、その権利変動に基づく条件付物権を保全するためにする停止条件付所有権移転仮登記がある。そして、本問の仮登記は、①にあたる。 【平16-13】

 

<問題2> 物権変動が生じたことを前提として認められる物権的請求権及び物権変動がまだ生じていない場合に当該物権変動を求める債権的請求権のいずれも不動産登記法第105条第2号の「請求権」に該当する。○か×か?

解答

【解答2】 × 不動産登記法105条2号の仮登記(以下「2号仮登記」という。)は、請求権を保全する場合、請求権が始期付き又は停止条件付きの場合、請求権が将来確定することが見込まれる場合、請求権の目的とする物権変動が始期付き又は停止条件付きの場合にすることができる(不登105条2号)。物権的請求権は、物権変動が生じたことを前提として認められる権利であり、2号仮登記の請求権には該当しない。【平21-19-ア】

 

<問題3> 「信託」を登記原因とする所有権移転請求権の仮登記及び信託の仮登記の申請はいずれもすることができる。○か×か?

解答

【解答3】 × 「信託」を登記原因とする所有権の不動産登記法105条1号仮登記をすることはできるが、2号仮登記をすることはできない(登研508号)。不動産登記法105条2号の仮登記は、所有権が移転しない前の請求権(債権)を保全する仮登記であり、すでに所有権移転の効力が生じたものについては1号仮登記は申請できるが、2号仮登記は申請することができないからである。 【平5-12-イ】

 

<問題4> 真正な登記名義の回復を原因とする所有権の移転の請求権の仮登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 本来、真正な登記名義の回復という権利の移転原因は存しないのであるから、その請求権というものも存在せず、したがって、当該請求権保全の仮登記を申請することはできない。 【平19-23-イ】

 

<問題5> 同一の不動産について設定された数個の抵当権の順位を変更する旨の各抵当権者の合意に基づく当該抵当権の順位の変更の仮登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 不動産登記法105条1号の仮登記は、権利の保存等があった場合において、必要な情報の提供ができない場合に認められるところ、抵当権の順位の変更は登記が効力要件(民374条2項)なので、当時の順位変更にかかる合意があったのみでは、権利の保存等(本肢においては変更)が「あった」場合に該当しない。したがって、順位変更の当事者の合意があったのみでは、その変更の仮登記を申請することはできない。 【平19-23-イ】

 

<問題6> 登記原因を会社分割とし、その日付を会社分割の登記の日とする株式会社の新設分割により分割をする会社から設立する会社への不動産の所有権移転仮登記は、申請することができる。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 会社分割を原因とする所有権移転の登記は通常どおり共同申請によってするので、申請情報と併せて登記義務者である新設分割会社の登記識別情報を提供することができない場合には、所有権移転の仮登記を申請することができる(登研647号参照)。 【平15-16-4】

 

<問題7> AがBに土地を遺贈するとの遺言書を作成していた場合、法第105条第2号の仮登記をしておくことができる。○か×か?

解答

【解答7】 × 不動産登記法105条2号括弧書きの「その他将来確定することが見込まれるもの」とは、単に将来生ずる可能性のあるすべての請求権をいうのではなく、本問のような仮登記をすることはできない。 【平13-21-5】

 

<問題8> 農地について農地法所定の許可後に本契約をする旨の贈与予約を原因とする所有権移転請求権仮登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 不動産登記法105条2号の仮登記は、権利変動の請求権が条件付の場合でもすることができる。したがって、農地法所定の許可後に本契約をする旨の贈与予約を原因とする所有権移転請求権仮登記を申請することができる。 【平14-12-エ】

 

<問題9> 登記手続上、仮登記された所有権の移転の登記は仮登記に対する主登記による仮登記で登記され、仮登記された所有権移転請求権又は条件付所有権の移転の登記は仮登記に対する付記登記による本登記で登記される取扱いであるが、「実体法上の権利変動の過程と登記記録上の権利変動の過程の公示を一致させたいからである。」という記述は、このような相違を設けることの理由として適切である。○か×か?

解答

【解答9】 ○ (1)1号仮登記された所有権の処分は、①主登記、かつ②仮登記により、(2)2号仮登記された所有権移転請求権移転の処分は、③付記登記、かつ④本登記であり、この相違の理由を問うものである。(1)は実体法上、物権変動が生じているため、付記登記を認めると一種の中間省略登記となるから、それを避けるため付記登記が認められていない。(2)は、(1)とは逆に、実体法上、物権変動が生じていないため、主登記をなすことができないための取扱いである。このように実体法上の権利変動の過程と登記記録上の権利変動の過程の公示を一致させたいことに基づく相違といえる。 【平11-12-5】

 

<問題10> 仮登記がされた停止条件付地上権を目的として、停止条件付抵当権設定の仮登記をすることはできない。○か×か?

解答

【解答10】 × 条件付き権利は、これを処分し又は担保の目的とすることができる(民129条)。仮登記された条件付地上権を目的として条件付抵当権設定仮登記を申請することができる(昭39.2.27-204号)。 【平10-15-オ】

 

<問題11> 所有権移転請求権の仮登記に基づく本登記の申請手続につき、申請の過誤によって別個の新たな順位番号をもって登記の申請がなされた場合において、登記上の利害関係を有する第三者がいるときは、当該登記の名義人は仮登記に基づく本登記として、仮登記の余白に移記する更正登記をすることができる。○か×か?

解答

【解答11】 × 仮登記に基づく本登記と新たな順位番号による登記とでは登記の同一性がない。したがって、本問のような更正登記はできない(昭36.3.31-773号)。 【平3-20-1、平17-20-ウ】

 

<問題12> Aのための所有権保存の登記、Bのための所有権移転請求権保全の仮登記、Cのための相続による所有権移転の登記がされている場合において、Bの仮登記に基づく本登記について、Cは登記上利害関係を有する第三者とならない。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 本問の場合、仮登記義務者の相続人であるCは本登記義務者として申請人となるので、利害関係人ではない。 【昭54-16-1、平17-21-イ】

 

<問題13> A所有名義の不動産につき、Bを抵当権者とする抵当権の設定の仮登記がなされた後、AからCへ所有権の移転の登記がなされた場合には、本登記の申請は、A又はCのどちらを登記義務者としても差し支えない。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 所有権以外の権利について仮登記がなされ、その後に所有権移転登記がなされている場合、その仮登記に基づく本登記を申請するときの登記義務者は、仮登記義務者と現在の所有権登記名義人のいずれでもよい(昭37.2.13-75号)。したがって、A所有名義の不動産につき、Bを抵当権者とする抵当権の設定の仮登記がなされた後、AからCへ所有権の移転の登記がなされた場合には、本登記の申請は、A又はCのどちらを登記義務者としても差し支えない。 【平7-19-オ、平元-26-2、昭57-15-5】

 

<問題14> 担保仮登記の後に登記された抵当権を有するAが、清算金の差押えをした場合において、担保仮登記権利者Bが、清算金を供託した日から1か月を経過した後に、その担保仮登記に基づく本登記を申請するときは、清算金の差押えを受けたこと及び清算金を供託したことを証する書面をもって、申請書に添付すべきAの承諾書に代えることができる。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 所有権に関する仮登記に基づく本登記の申請情報と併せて登記上の利害関係人が承諾したことを証する情報を提供することを要する(不登109条1項)。しかし、物上代位権を有する他の担保権者(仮担4条1項、2項)が清算金支払請求権を差し押さえている場合において、仮登記担保権者が清算金を供託したときは、債権差押命令謄本及び供託書正本を添付することにより、差押債権者の承諾書に代えることができる(仮担18条本文)。この場合には、差押債権者は、仮登記担保権者が目的不動産の所有権を取得することを承認していると解することができる(清算金支払請求権は仮登記担保権者の所有権取得を前提とするものだから。)からである。 【平6-26-ウ】

 

<問題15> 条件付所有権移転の仮登記をした場合において、条件成就に基づき本登記をしたときは、仮登記をした時にさかのぼって当該権利の移転を第三者に対抗することができる。○か×か?

解答

【解答15】 × 条件付の所有権移転においては、条件の成就の時に所有権を取得するのであり、たとえ、条件付所有権移転の仮登記をしており、その後条件成就によって所有権移転の本登記をした場合であっても、仮登記の時に遡って、所有権の移転を第三者に対抗できるものではない。 【平15-17-イ】

 

<問題16> 売買予約を原因とする所有権移転請求権の仮登記がされた場合における当該売買予約上の権利の譲渡は、仮登記に権利移転の付記登記をしても、別に債権譲渡の対抗要件を具備しなければ、第三者に対抗することはできない。○か×か?

解答

【解答16】 × 売買予約がされた場合の予約上の権利を譲渡した場合、譲渡の対抗要件としては、債権譲渡の場合に準じて、予約義務者に対する通知又はその承諾を要する(民467条)が、売買予約に基づく所有権移転請求権仮登記がされている場合には、当該仮登記に移転の付記登記をするだけで、第三者対抗要件となりうる(最判昭35.11.24)。 【平15-17-ウ】

 

<問題17> 所有権移転仮登記の抹消登記は、申請書にその登記識別情報及び印鑑証明書を添付して、仮登記名義人が単独で申請することができる。なお、申請は指定庁に書面をもってするものとする。○か×か?

解答

【解答17】 ○ 仮登記の抹消は、仮登記名義人が申請書に仮登記を受けた際に通知された登記識別情報及び印鑑証明書を添付して、単独で申請することができる(不登110条、不登令8条1項8号)。このことは、1号仮登記と2号仮登記のいずれにも当てはまる。したがって、所有権移転仮登記の抹消登記は、申請書にその登記識別情報及び印鑑証明書を添付して、仮登記名義人が単独で申請することができる。 【平7-19-エ、平3-23-2、昭62-30-2、昭59-22-3、昭57-23-2】

 

<問題18> A所有名義の不動産につき、Bが根抵当権の設定の仮登記を受けている場合には、Aは、申請情報と併せてBが承諾したことを証する情報を提供して、単独で仮登記の抹消を申請することができる。○か×か?

解答

【解答18】 ○ A所有名義の不動産につき、Bが根抵当権の設定の仮登記を受けている場合には、Aは、申請情報と併せてBが承諾したことを証する情報を提供して、単独で仮登記の抹消を申請することができる。登記上の利害関係人は、申請情報と併せて仮登記名義人が承諾したことを証する情報を提供して、単独で仮登記の抹消を申請することができる(不登110条)が、この利害関係人には、仮登記義務者自身も含まれるからである(登研461号)。 【平7-19-ウ、昭59-22-3】

 

<問題19> Aを権利者とする抵当権設定請求権仮登記がなされた後、Bに対してその抵当権設定請求権の移転請求権の仮登記がなされているときは、Aは、申請情報と併せてBが承諾したことを証する情報を提供して、単独で抵当権設定請求権仮登記を抹消することができる。○か×か?

解答

【解答19】 ○ 仮登記の名義人は、仮登記を受けた際に通知された登記識別情報を添付して、単独で仮登記の抹消登記を申請することができる(不登110条)。ただし、権利の抹消登記であることに異ならないから、その申請情報と併せて登記上の利害関係人が承諾したことを証する情報を提供することを要する(不登68条)。そして、Aを権利者とする抵当権設定請求権仮登記がなされた後、Bに対してその抵当権設定請求権の移転請求権の仮登記がなされているときは、Aの抵当権設定請求権の抹消登記につき、Bは登記上の利害関係人に該当する。したがって、申請情報と併せてBが承諾したことを証する情報を提供しなければならない。【平9-21-4】

 

<問題20> 甲区2番でB名義の所有権移転の仮登記、甲区3番で所有権移転登記がされている場合、従前の所有権登記名義人及び現在の名義人のいずれも登記権利者として、Bと共同して、又は判決により単独で、その仮登記の抹消を申請することができる。○か×か?

解答

【解答20】 ○ 仮登記の抹消登記において、仮登記の後に所有権移転登記がされているときは、仮登記の抹消の登記権利者は、現在の所有権登記名義人又は従前の名義人でもよいとされている(登研184号)。 【平9-20-1】

 

<問題21> 仮登記の名義人がその仮登記の抹消を申請する場合には、申請情報と併せて仮登記の登記識別情報を提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答21】 ○ 仮登記名義人は、仮登記の登記識別情報を提供して、単独で仮登記の抹消を申請することができる(不登110条、不登令8条1項8号)。 【平7-19-エ】

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