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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■不動産登記法(担保権等に関する登記)>

<質権の登記>

<問題1> 質権の設定登記の申請情報には、債務者の氏名又は名称及び住所、債権額を記載又は記録することを要し、存続期間、利息、違約金についての定めがあるときは、その定めを記載又は記録することを要する。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 「債務者の氏名又は名称及び住所」、「債権額」は質権設定の登記申請情報の絶対的記載又は記録事項であり、「存続期間」、「利息」、「違約金」は、その任意的記載又は記録事項である(不登95条、83条)。したがって、質権の設定登記の申請情報には、債務者、債権額を記載又は記録することを要し、存続期間、利息、違約金についての定めがあるときは、その定めを記載又は記録することを要する。 【平5-20-5、平元-31-イ】

 

<問題2> 登記された賃借権を目的とする質権設定の登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 質権の目的物は譲渡可能な物でなければならない(民343条)。また、賃借権の譲渡、転貸については、賃貸人の承諾を要する(民612条1項)。したがって、賃借権は、賃貸人の承諾又はそれに代わる裁判所の許可があるときに限り、質権の目的とすることができる(借地借家19条)。 【平8-21-イ】

 

<問題3> 既登記の賃借権を目的として登記された転借権を目的として、質権設定の登記をすることはできない。○か×か?

解答

【解答3】 × 債権質は民法上認められている(民362条)。 【平10-15-ア】

 

<先取特権の登記>

<問題4> 既登記の地上権を売買により取得した場合のその地上権を目的として、地上権移転の登記と同時にする地上権売買先取特権保存の登記をすることはできない。○か×か?

解答

【解答4】 × 不動産売買の先取特権の不動産には、所有権の売買だけでなく、地上権、永小作権、賃借権の売買についても類推適用される(書式精義P455)。 【平10-15-エ】

 

<抵当権の登記>

<問題5> 親権者Aとその親権に服する子Bの共有不動産について、他人であるCの債務を担保するため、親権者Aが本人及びBの代理人として抵当権設定契約をし、その設定の登記の申請をした場合には、その申請は、却下される。○か×か?

解答

【解答5】 × 親権者とその親権に服する子とがともに物上保証人となって抵当権を設定する行為は、民法826条でいう利益相反取引行為ではない(昭37.10.9-2819号)。したがって、本問の申請が却下されることはない。 【平4-18-5】

 

<問題6> 農地について抵当権設定の登記を申請するには、申請情報と併せて農地法所定の許可があったことを証する情報を提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答6】 × 農地法の許可は、使用収益する権利の設定及び移転を対象にしたものであって、使用収益権能のない抵当権の設定については、農地法の許可を要求した規定はない。農地法3条参照。 【平8-24-2】

 

<問題7> ABC共有名義の不動産につき、AがCから持分移転登記を受けた場合、Aは、Cから譲り受けた持分にのみDのために抵当権を設定し、その登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 共有持分の一部を目的として、抵当権の設定登記を申請することは原則としてできない(昭35.6.1-1340号)。抵当権が設定されている部分を登記記録上明示することができないからである。これに対して、共有者が数回にわたって持分取得の登記を経ている場合は、その持分の一部につき抵当権の設定登記を申請することができる(昭58.4.4-2252号)。この場合は、抵当権が設定された部分を特定することができるので、不都合は生じないからである。したがって、ABC共有名義の不動産につき、AがCから持分移転登記を受けた場合、Aは、Cから譲り受けた持分にのみDのために抵当権を設定し、その登記を申請することができる(登記の目的は「A持分一部(順位○番で登記した持分)抵当権設定」の振合いとなる。)。 【平16-17-ア、平9-27-ウ、平2-25-5】

 

<問題8> 債務者が将来特定の土地を取得することを前提として当該土地を目的とする抵当権設定契約を締結した場合において、債務者がその後当該土地を取得したときは、当該抵当権設定契約の日を登記原因の日付とする抵当権設定登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答8】 × 債務者が将来取得を予定している土地について、その取得前に抵当権を設定する旨の契約を締結しても、その時点においては、物権としての抵当権は成立していないのであるから、その後債務者が当該土地を取得しても、契約締結日を原因日付とする抵当権設定登記の申請をすることはできない。なお、当該設定契約が土地の取得を停止条件とするものであると解することができる場合には、土地の取得日を原因日付とする設定登記の申請をすることができる。 【平15-12-4】 

 

<問題9> 外国通貨で債権額を指定した債権を担保する抵当権の設定の登記を申請するときは、外国通貨で表示した債権額のほか、本邦通貨で表示した担保限度額を申請情報として提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 外国の通貨をもって債権額を指定した債権を担保するための抵当権設定登記の申請の際には、外国通貨で表示した債権額のほか、本邦通貨で表示した担保限度額を申請情報の内容として提供しなければならない(不登83条1項5号、不登令別表55申イ)。 【平19-18-イ】 

 

<問題10> 清算中の会社は、自己の所有する不動産を目的とする第三者の債務のための抵当権設定契約を原因として、抵当権の設定の登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答10】 × 清算中の会社は、物上保証としての抵当権設定契約の時点がその解散の前であると否とを問わず、前記の契約による抵当権設定の登記の申請をすることができる(昭41.11.7-3252号)。 【平21-25-オ】 

 

<問題11> 債権者を異にする複数の債権を担保するために、同一の契約により1個の抵当権を設定し、その設定登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答11】 × 「債権者」を異にする複数の債権を担保するために、同一の契約により1個の抵当権を設定し、その設定登記を申請することはできない(昭35.12.27-3280号)。抵当権は特定の被担保債権に対する付従性を有するが、債権者が異なる場合に1個の抵当権の設定を認めるときは、各債権者が、他方の債権額に該当する部分についても抵当権を取得することになり、抵当権の付従性に反することになるからである。 【平8-15-イ、平5-21-2、昭57-20-3】

 

<問題12> 同一名義人が数回に分けて各別の登記により持分を取得している場合、各持分についての抵当権設定の登記の申請は、することができる。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 同一人が数回にわたって持分の登記名義を取得している場合は、その持分の一部を目的として抵当権の設定登記を申請することができる(昭58.4.4-2252号)。登記の目的は、「何某持分一部(順位何番で登記した持分)抵当権設定」となる。 【平2-25-5】

 

<問題13> 乙区1番でA持分抵当権設定がされた後、Aが持分全部を取得し、その登記がなされた場合に、1番抵当権がAの新たに取得した持分に追加設定された場合、「平成年月日金銭消費貸借平成年月日設定」を登記原因として、1番抵当権の効力をAの所有権全部に及ぼす旨の抵当権変更登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答13】 × 不動産登記法66条により、付記登記か主登記かという問題はあるが、変更登記の申請自体はできる(昭28.4.6-556号参照)。 【平11-21-イ】

 

<問題14> AB共有の不動産について、Aの持分を目的とする抵当権設定登記がされた後、AがBの持分を取得して単独の所有者となった場合、登記実務においては、Aの持分に設定されている抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更の登記を申請することができるとされている。この取扱いは、所有権の一部に対する抵当権設定登記は、その効力の及ぶ範囲が公示上不明確となるとの考え方を前提にしている。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 変更登記を申請するのは、所有権の一部に対する抵当権設定登記は、その効力の及ぶ範囲が公示上不明確となるからである。 【平13-19-4】 

 

<問題15> 抵当権の被担保債権が譲渡されたときは、債権譲渡を登記原因として、抵当権の移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答15】 ○ 抵当権は特定の被担保債権に対して随伴性を有しているため、被担保債権が移転すると、それに伴って抵当権も移転する。したがって、抵当権の被担保債権が譲渡されたときは、「債権譲渡」を登記原因として、抵当権の移転の登記を申請することができることとなる。 【平8-15-エ】 

 

<問題16> 連帯債務者A、B及びCに対する債権を被担保債権として抵当権が設定されている場合において、そのうちAに対する債権のみが第三者に譲渡されたときは、抵当権の一部移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答16】 ○ 連帯債務者の1人に対する債権のみの譲渡がなされた場合、登記原因を「年月日債権譲渡(連帯債務者何某にかかる債権)」として、抵当権の一部移転の登記を申請することができる(平9.12.4-2155号)。【平20-20-ウ】 

 

<問題17> Fの2番抵当権(債務者E)についてGに抵当権を一部移転した後に、F・Gと引受人Hとの契約により、Eの意思に反してEの債務をHが重畳的に引き受けた場合、「平成年月日重畳的債務引受」を登記原因として、2番抵当権変更登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答17】 × 判例は、免責的債務引受と異なり、重畳的債務引受は債務者の意思に反しても行うことができると解している(大判大15.3.25)。したがって、本問の場合、変更登記の申請はできる。 【平11-21-エ】 

 

<問題18> A名義の第1順位の抵当権及びB名義の第2順位の抵当権の設定登記がなされている場合において、Aの抵当権について免責的債務引受を登記原因とする債務者の変更登記を申請するときは、申請情報と併せてBが承諾したことを証する情報を提供することを要する。○か×か?

解答

【解答18】 × A名義の第1順位の抵当権及びB名義の第2順位の抵当権の設定登記がなされている場合において、Aの抵当権について免責的債務引受を登記原因とする債務者の変更登記を申請するときに、申請情報と併せてBが承諾したことを証する情報の提供は必要ない。先順位の抵当権の債務者が変わっても、後順位抵当権者が把握する担保価値は何らの影響も受けないからである。 【平6-22-3】 

 

<問題19> 所有権登記名義人がA、抵当権の債務者もAであった場合、Aに相続が発生し、Aの相続人B・C間でBのみがAの債務を承継する旨の合意をしても、債権者の承諾を得なければ、その旨の登記は申請することができない。○か×か?

解答

【解答19】 ○ 共同相続人だけで、遺産分割協議により債務を特定の相続人に引き受けさせることはできないが、債権者の承諾があれば可能と解されている。 【平11-16-エ】 

 

<問題20> 抵当権者が、その抵当権につき自らの第三者に対する債務の担保として、転抵当権の設定登記を申請する場合には、申請情報と併せて抵当権設定者が承諾したことを証する情報を提供することを要する。○か×か?

解答

【解答20】 × 抵当権者は、目的物の交換価値を排他的に支配しており、設定者の承諾を得ることなく、その支配する交換価値を処分することができる。したがって、転抵当権を設定するに当たり、原抵当権の設定者の承諾を得ることは不要であり、転抵当権の設定登記の申請情報と併せてその承諾があったことを証する情報の提供をする必要もない。 【平7-16-3、平8-15-オ】 

 

<問題21> 抵当権消滅請求を原因とする抵当権抹消の登記は、実体法上の権利変動の内容がそのまま反映されている。○か×か?

解答

【解答21】 ○ 抵当権消滅請求は、抵当不動産の所有権を取得した者が、ある価格を支払い抵当権を消滅させる制度である(民379条)。したがって、抵当権消滅請求を原因として抵当権抹消登記することは実体法上の内容が反映されている。 【平10-27-エ】 

 

<問題22> 抵当権者の所在が知れない場合において、債権の弁済期から20年を経過したときは、所有権の登記名義人は、書面で申請情報を提供する方法によってする場合、申請情報を記載した書面に弁済期を証する書面及び供託書正本を添付すれば、単独で抵当権設定登記の抹消を申請することができる。○か×か?

解答

【解答22】 × 不動産登記法70条3項後段の規定により抵当権を抹消する場合(書面で申請情報を提供する方法によってする場合)は、申請書に弁済期を証する書面と供託書正本の他に、登記義務者の所在が知れないことを証する書面の添付も必要である(不登令別表26二(3))。 【平14-16-イ】 

 

<問題23> 債務の弁済により抵当権が消滅した後、抵当権設定登記が抹消されない間に抵当権者が死亡した場合、所有権の登記名義人は、抵当権者の相続人のうちの1名と共同して抵当権設定登記の抹消を申請することができる。○か×か?

解答

【解答23】 × 抵当権の消滅後に抵当権者が死亡した場合は、抵当権者の相続人全員を登記義務者として登記の抹消を申請しなければならない(昭37.2.22-321号)。 【平14-16-エ】 

 

<問題24> 会社の合併により移転した抵当権が、合併後に弁済により消滅した場合に、弁済による抵当権の消滅の登記を申請するためには、その前提として、抵当権の移転登記をすることを要する。○か×か?

解答

【解答24】 ○ 会社の合併により移転した抵当権が、合併後に弁済により消滅した場合に、弁済による抵当権の消滅の登記を申請するためには、その前提として、合併による抵当権の移転登記をすることを要する(昭32.12.27-2440号)。実体法上、抵当権は、合併により承継会社に移転し、その後に消滅しており、その権利変動の過程を登記記録に反映させる必要があるからである。 【平6-22-1、昭57-23-4】 

 

<問題25> Fの2番抵当権についてGに抵当権を一部移転した後に、Gの債権が弁済により消滅した場合、「平成年月日弁済」を登記原因として、2番付記1号抵当権一部移転登記を抹消することができる。○か×か?

解答

【解答25】 × 仮に、2番付記1号の抹消を認めても債権額の減少を公示できない。したがって2番抵当権の債権額を減少する変更登記の申請をする。 【平11-21-オ】 

 

<問題26> 登記義務者の所在が知れないため、不動産登記法70条3項後段の規定により、登記権利者のみで抵当権設定の登記の抹消を書面申請によってする場合には、申請書に登記義務者の所在が知れないことを証する書面として、登記義務者の登記記録上の住所に宛てた被担保債権の受領催告書が到達しなかったことを証する書面を添付すれば足りる。○か×か?

解答

【解答26】 ○ 休眠担保権の抹消を書面申請によってする場合には、申請書に登記義務者の所在が知れないことを証する書面として、供託したことを証する書面、弁済期を証する書面、登記義務者の所在が知れないことを証する書面などを添付する(不登70条3項後段、不登令別表26ニ)。所在が知れないことを証する書面の具体例としては、市区町村長作成の証明書、警察官が所在を調査した書面、民生委員の証明書(昭63.7.1-3499号、3456号参照)、などのほか本問の証明書でもよい(昭63.7.1-3456号参照)。 【平10-20-ウ】 

 

<問題27> 抵当証券が交付されている旨の付記登記がある抵当権設定登記に関して、抵当証券が交付されている旨の付記登記の抹消の申請を未指定庁に書面で申請情報を提供する方法によってする場合、申請書に抵当証券を添付しないで申請することができる(ただし、判決による登記申請の場合を除く。)。○か×か?

解答

【解答27】 ○ 抵当証券が交付されている旨の付記登記を抹消する場合、申請書に抵当証券又は非訟事件手続法160条1項の規定により当該抵当証券を無効とする旨を宣言する除権決定があったことを証する書面を添付しなければならない(不登令別表26リ)。したがって、非訟事件手続法160条1項の規定により当該抵当証券を無効とする旨を宣言する除権決定があったことを証する書面を添付すれば、抵当証券を添付しなくてもよい。 【平14-11-オ】 

 

<順位変更の登記>

<問題28> 抵当権と地上権との間の順位変更の登記の申請は、することができない。○か×か?

解答

【解答28】 ○ 順位変更は、優先弁済権の順位を変更するためにあるので、用益権者は、当事者にはならない。 【平8-24-1】 

 

<問題29> 登記された不動産質権について、順位変更の登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答29】 × 不動産質権には抵当権に関する規定が準用されており(民361条)、順位変更に関する規定も準用される。したがって、登記された不動産質権について、順位変更の登記を申請することもできる。 【平5-13-5、昭57-25-4】 

 

<問題30> 抵当権設定仮登記につき本登記がなされていない場合でも、当該抵当権の順位の変更の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答30】 ○ 抵当権が仮登記の段階であっても、他の担保権との順位変更の登記を申請することができる。したがって、抵当権設定仮登記につき本登記がなされていない場合でも、当該抵当権の順位の変更の登記を申請することができる。 【平5-13-5、平3-31-1】 

 

<問題31> 甲が順位1番、乙が順位2番、丙が順位3番で登記された抵当権を有する場合において、丙の抵当権の債権額が甲の抵当権の債権額よりも少ないときは、甲及び丙の2人の申請により、丙が第1順位、乙が第2順位、甲が第3順位とする順位変更の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答31】 × 甲が順位1番、乙が順位2番、丙が順位3番で登記された抵当権を有する場合において、丙が第1順位、乙が第2順位、甲が第3順位とする順位変更の登記を申請するときは、甲乙丙の三者が申請人とならなければならない(昭46.10.4-3230号)。 【平3-31-3、昭57-25-3】 

 

<問題32> Aの1番抵当権、Bの2番抵当権の設定登記がなされており、Bの抵当権の被担保債権につきCのために質入れの登記がなされている場合において、Aの抵当権を第2順位、Bの抵当権を第1順位とする順位変更の登記を申請するときは、申請情報と併せてCが承諾したことを証する情報を提供することを要する。○か×か?

解答

【解答32】 × Aの1番抵当権、Bの2番抵当権の設定登記がなされており、Bの抵当権の被担保債権につきCのために質入れの登記がなされている場合において、Aの抵当権を第2順位、Bの抵当権を第1順位とする順位変更の登記を申請するときは、申請情報と併せてCが承諾したことを証する情報を提供することを要しない。Cの質権となる債権はBの抵当権によって担保されているが、Bの抵当権の順位が上昇した場合、Cの把握する担保価値も増大する。そのため、Cの利益とはなっても、不利益とはならないからである。 【平9-25-イ】 

 

<問題33> 抵当権の順位の変更の仮登記の申請は、することができない。○か×か?

解答

【解答33】 ○ 仮登記(不登105条1号)は、物権変動が生じているが必要な情報を提供できない場合にすることができるものであるが、抵当権の順位の変更は、登記が効力要件である(民374条2項)ので、登記するまでは順位変更の効力は生じない。したがって、その仮登記の申請は、することができない。 【平16-19-5】 

 

<問題34> 抵当権は設定登記後に発生する債権を担保することはできず、また、根抵当権は設定登記前に発生している債権を担保することはできない。○か×か?

解答

【解答34】 × 抵当権は将来発生する債権を担保することができる(昭25.1.30-254号)。根抵当権は、設定登記前に発生した債権であっても、担保することができる。 【平8-15-ア】 

 

<根抵当権の登記>

<問題35> 根抵当権の債権の範囲として、債務引受取引、商社取引、商品委託取引、年月日電気製品供給契約は、全て適法である。○か×か?

解答

【解答35】 × 根抵当権の被担保債権の範囲は、以下のものであること要する。①債務者との特定の継続的取引契約によって生じる債権(民398条の2第2項前段)、②債務者との一定の種類の取引によって生じる債権(民398条の2第2項後段)、③特定の原因に基づき債務者との間に継続して生じる債権(民398条の2第3項前段)、④手形上又は小切手上の請求権(民398条の2第3項後段)。債務引受取引(昭47.8.4-608号)、商社取引(昭46.12.27-960号)、商品委託取引(昭51.9.8-4982号)は、上記②には該当しないので、誤りである。 【平3-24-5】 

 

<問題36> 同一の登記所の管轄に属する甲土地及び乙土地を目的としてそれぞれ根抵当権設定仮登記がされている場合(元本は確定していないものとする)でも、これらの仮登記に基づいて本登記の申請をするときは、共同根抵当権設定登記として申請することができる。○か×か?

解答

【解答36】 ○ 根抵当権は、設定登記と同時に共同担保である旨の登記をすることによって、民法392条及び393条の適用を受け、共同根抵当権となる(民398条の16)。ここで設定登記とは本登記を意味するので、同一債権を担保するために数個の不動産に設定した根抵当権であっても、仮登記の段階においては共同担保である旨の登記をすることはできない。したがって、その仮登記の本登記を申請するに際して共同担保である旨の登記を申請し、共同根抵当権とすることができるのである。 【平15-26-ウ】

 

<問題37> 同一の登記所の管轄に属する甲土地及び乙土地を目的として確定前に共同根抵当権設定登記を申請する場合、各根抵当権の被担保債権の範囲、債務者及び極度額は同一でなければならないが、確定期日は異なる日とすることができる。○か×か?

解答

【解答37】 ○ 共同根抵当権は同一の債権を担保するものであるから、債権の範囲や債務者が同一でなければならないのは当然であり、極度額についても民法392条の適用を受けるものである以上、同一であることが必要である。しかし、共同根抵当権においては、いずれかの不動産について確定事由が生じた場合には、すべての不動産の根抵当権の元本が確定する(民398条の17第2項)ので、仮に異なった確定期日を定めていても、結局同時に確定するため、不動産ごとに異なる日を確定期日とする共同根抵当権設定登記の申請を認めても差し支えないのである。 【平15-26-オ】

 

<問題38> 準共有の共同根抵当権の設定登記がされている甲・乙不動産のうち、甲不動産についてのみ優先の定めの登記がされている場合、丙不動産に対する追加共同根抵当権設定の登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答38】 × 共同根抵当権において、極度額、債権の範囲、債務者がすべての物件につき同一であることが必要とされるのは、同一の債権を担保するための根抵当権だからである。優先の定めは、債権の同一性とは関係がないから、共同根抵当権の追加設定の妨げにはならない。 【平11-22-オ、平21-26-エ】

 

<問題39> 元本確定前の根抵当権につき、根抵当権者に相続が発生した場合で、遺産分割協議書に、相続人の一人が既発生の債権を相続しない旨が記載されている場合、当該相続人を指定根抵当権者とする合意の登記は、申請することができない。○か×か?

解答

【解答39】 × 既発生の債権を相続することと根抵当権者としての地位を相続することは、無関係である。 【平10-22-イ】

 

<問題40> 元本確定前の根抵当権につき、債務者に相続が発生した場合、根抵当権の債務者兼設定者Aの相続人が配偶者B及び未成年の子Cである場合、Cの親権者であるBは、Cに代わって、根抵当権者との間でCを指定債務者とする合意をしてその登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答40】 ○ 親権者の債務を未成年者が担保することにはならないので、利益相反行為とならず、親権者が未成年者を代理して合意することができ、その登記もすることができる。 【平12-12-イ】

 

<問題41> 根抵当権の元本の確定前に債務者について相続が開始した場合において、共同相続人中に行方不明者があるときは、合意の登記をすることができない。○か×か?

解答

【解答41】 × 相続を原因とする根抵当権の債務者の変更登記は、登記権利者を根抵当権者、登記義務者を設定者として申請する。したがって、債務者以外の第三者が設定者となっているときは、根抵当権者とその第三者ですることができる。なお、行方不明者が債務者兼設定者のときでも、行方不明者のために不在者の財産管理人を選任して(民25条1項)、根抵当権者とその不在者財産管理人とですることができる。 【平4-23-2】

 

<問題42> 確定前の根抵当権の債務者について相続が開始した後に、当該根抵当権の元本が確定した場合には、相続開始後6か月以内であれば、根抵当権者と根抵当権設定者との合意により指定債務者を定めて、その登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答42】 ○ 確定前の根抵当権の債務者について相続が開始した場合、その後6か月以内であれば、根抵当権者と根抵当権設定者との合意により指定債務者を定めて、その登記を申請することができる(民398条の8)。合意の登記をすることによって、相続開始時に元本が確定したものとみなされず、その後に生じた債権も根抵当権で担保することができることになる。したがって、相続による根抵当権の移転の登記後に元本確定の登記がされている場合であっても、相続開始から元本確定までの間に生じた債権を担保させるために、合意の登記をする必要があるので、当該登記の申請をすることは認められる。 【平16-20-オ】

 

<問題43> 根抵当権の債務者をAからBに変更する契約が成立したが、その変更登記がAの死亡後にされた場合、Aの相続開始後6か月以内に指定債務者の登記をしない限り、債務者の変更登記は効力を生じない。○か×か?

解答

【解答43】 ○ Aの相続開始後6か月以内に指定債務者の登記をしないとAの相続開始の時に遡って元本が確定するので、債務者変更の効力は生じない。 【平13-17-ア】

 

<問題44> 元本確定前の根抵当権につき、根抵当権者である会社の合併を原因とする根抵当権の移転の登記の申請には、申請情報と併せて消滅会社の権利に関する登記識別情報を提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答44】 × 相続による移転登記には、被相続人の登記識別情報は不要であることと同じように、包括承継である合併による移転登記も登記識別情報は不要である。 【平10-22-エ】

 

<問題45> 根抵当権者を変更することなく2個の根抵当権に分割し、一方の根抵当権の債務者を変更する登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答45】 ○ 単有の根抵当権を分割して同一人が2つの分割された根抵当権を所有しても実益がない。分割譲渡はあくまでも譲渡の方法として認められる。 【平10-21-イ】

 

<問題46> A・B共有の根抵当権をB・C・D三者の共有にするためには、根抵当権の一部譲渡の登記と、Aの権利の移転登記とを申請しなければならない。○か×か?

解答

【解答46】 ○ 本問の方法のほかに、Aが権利放棄しBの単有とした後にBがCに一部譲渡し、BCがDに一部譲渡する方法がある。 【平10-21-エ】

 

<問題47> 元本の確定前においては、債権譲渡を登記原因として、根抵当権の移転登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答47】 ○ 元本の確定前においては、債権譲渡を登記原因として、根抵当権の移転登記を申請することはできない。元本確定前の根抵当権は、特定の被担保債権に対する付従性を有しておらず、被担保債権の範囲に属する債権が第三者に移転しても、根抵当権はそれに伴って移転しないからである(民398条の7第1項)。 【平8-15-エ】

 

<問題48> 共同担保の関係にある根抵当権を全部譲渡するときは、すべての不動産につきその登記をしなければ、全部譲渡による移転の効力は生じない。○か×か?

解答

【解答48】 ○ 純粋共同根抵当権を譲渡する場合、すべての不動産について譲渡の登記をしなければ、その効力を生じない(民398条の17第1項)。 【平8-12-イ】

 

<問題49> Aが、その所有する不動産に甲を債務者とする根抵当権をBのために設定し、Bが、Eに元本確定前の根抵当権を全部譲渡する場合、申請情報と併せてAが承諾したことを証する情報を提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答49】 ○ 確定前の根抵当権の全部譲渡は、根抵当権設定者の承諾を得てすることができる(民398条の12第1項)。設定者の承諾が効力要件であるので、当該登記の申請には設定者が承諾したことを証する情報の提供を要する。 【平7-22-ウ】

 

<問題50> A・B準共有の根抵当権を元本の確定前にCに全部譲渡した場合、AとBに対する根抵当権設定者の承諾の日が異なっているときでも、一つの申請情報で根抵当権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答50】 ○ AB準共有の根抵当権をCに全部譲渡するには、ABCの契約と設定者の承諾が必要であり、仮に設定者の承諾が準共有者全員に対して必要ならば、承諾の最も遅い日に全部譲渡の効力が生じて、全部譲渡による根抵当権移転という一つの登記がなされるのであり、別々の登記ができるものではない。出題者の趣旨としては、同一の申請情報とは、AとBが別々の登記を申請できるというものではないことを示したいものであり、不動産登記令4条ただし書にいう申請情報の一括作成をいっているのではないと推測する。 【平13-27-ウ】

 

<問題51> 根抵当権の共有者の権利についての分割譲渡による登記の申請は、することができない。○か×か?

解答

【解答51】 ○ 根抵当権の共有者の権利については、全部譲渡のみが認められており、分割譲渡は認められていない。法律関係が複雑になるおそれがあるからである。したがって、根抵当権の共有者の権利についての分割譲渡による登記の申請は、することができない(昭46.10.4-3230号)。 【平6-13-ア、昭61-24-4】

 

<問題52> A名義の根抵当権をA名義の根抵当権、B名義の根抵当権及びC名義の根抵当権の3個に分割しようとする場合、当該登記を1個の申請ですることはできない。。○か×か?

解答

【解答52】 ○ 分割譲渡とは、1個の根抵当権を2個の根抵当権に分割してその一つを全部譲渡することである(民398条の12第2項)。したがって、いきなり根抵当権を3個に分割譲渡することはできない。 【平10-21-ア】

 

<問題53> 根抵当権の分割譲渡の登記は、譲受人を登記権利者、譲渡人を登記義務者として申請し、分割譲渡の登記の申請情報と併せて、根抵当権設定者及び当該根抵当権を目的として転抵当権を有する第三者が承諾したことを証する情報を提供することを要する。○か×か?

解答

【解答53】 ○ 根抵当権の分割譲渡をするためには、設定者の承諾のほか、当該根抵当権を目的として権利を有する第三者の承諾を得なければならない(民398条の12)。当該根抵当権を目的とした第三者の権利は、分割譲渡される部分について消滅するからである(民398条の12第2項)。 【平7-22-エ】

 

<問題54> 分割譲渡による根抵当権の登記をしたときは、原根抵当権の極度額は当然に減額するので、その旨の登記を、根抵当権設定者と分割譲渡した根抵当権者とで共同して申請しなければならない。○か×か?

解答

【解答54】 × 分割譲渡の登記をしたときは、分割後の原根抵当権の極度額を表示する必要があるので登記官は職権により分割後の減額した極度額の登記を付記登記により行う(不登規165条4項、3条2号ハ)。 【平10-25-イ】

 

<問題55> 根抵当権が分割譲渡された場合、分割譲渡された根抵当権の債権の範囲を変更するには、分割譲渡した根抵当権者の承諾を得ることを要する。○か×か?

解答

【解答55】 × 一度分割譲渡がされるとそれぞれ別個独立の根抵当権となるので、他の根抵当権者の承諾は不要である。そもそも債権の範囲の変更は、後順位担保権者などの第三者の承諾を要しない(民398条の4第2項)。 【平10-25-ウ】

 

<問題56> 元本の確定前に、根抵当権の共有者の権利についての譲渡による移転の登記を申請する場合には、申請情報と併せて根抵当権設定者が承諾したこと及び他の共有者が同意したことを証する情報を提供することを要する。○か×か?

解答

【解答56】 ○ 元本の確定前に、根抵当権の共有者の権利についての譲渡による移転の登記を申請する場合には、申請情報と併せて根抵当権設定者が承諾したこと及び他の共有者の同意があったことを証する情報を提供することを要する(民398条の14第2項)。根抵当権設定者にとっては、根抵当権者が変わることによって被担保債権が増大する可能性があり、その場合には、他の共有者にとっても、その優先弁済権に不利益が及ぶ可能性があるからである。 【平6-13-エ】

 

<問題57> 優先の定めの登記の申請情報には、根抵当権設定者が承諾したこと証する情報を提供することを要する。○か×か?

解答

【解答57】 × 優先の定めの登記の申請情報と併せて根抵当権設定者が承諾したこと証する情報の提供は不要である。優先の定めは、極度額の範囲内において、各共有者の優先弁済に関する内部的な取り決めにすぎず、極度額を拡大するものではない。そのため、設定者の不利益とはならないからである。 【平9-23-エ、平6-13-ウ、昭63-17-1、昭58-15-3】

 

<問題58> 根抵当権の優先の定めの登記は、根抵当権の元本の確定の登記がされた後でも、申請することができる。○か×か?

解答

【解答58】 ○ 元本確定前において、根抵当権の共有者の合意により、債権額の割合と異なる割合を定め、又は共有者のうちある者が他の者に優先して弁済を受けるべき旨を定める優先の定めができる(民398条の14第1項ただし書)。しかし、優先の定めの登記については、債権の範囲、債務者や確定期日の変更登記のように登記時期の制限はなく、元本確定前に優先の定めの合意がなされていれば、元本確定後でも、優先の定めの登記を申請することができる。 【昭58-15-2、平17-19-ウ】

 

<問題59> 共同根抵当権が設定されている甲不動産及び乙不動産について、極度額を増額する旨の契約がされ、甲不動産について変更の登記がされた後に、乙不動産について変更の登記をする前に後順位の抵当権設定の登記がされた場合には、申請情報と併せてこの抵当権者が承諾したことを証する情報を提供すれば、乙不動産についての極度額増額の変更の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答59】 ○ 極度額の変更は利害関係を有する者の承諾を得なければならない(民398条の5)。極度額の増額については後順位抵当権者が利害関係人となる。共同根抵当権が設定されている甲不動産及び乙不動産について、極度額を増額する旨の契約がされ、甲不動産について変更の登記がされた後に、乙不動産について変更の登記をする前に後順位の抵当権設定の登記がされた場合には、この抵当権者は利害関係人となるので、承諾を必要とし、当該変更の登記の申請情報と併せてその承諾を得たことを証する情報を提供しなければならない。 【平16-20-エ】

 

<問題60> 共同根抵当権の目的である不動産の一部について極度額の増額による変更の登記の申請をする場合において、共同担保となっている他の不動産に他の登記所の管轄に属するものがあるときは、その登記を証する情報を提供することを要する。○か×か?

解答

【解答60】 × 共同根抵当権について極度額の増額による根抵当権変更登記を申請する場合、他の管轄の登記所に共同担保の目的である不動産あるときでも本問の情報(具体的には前に受けた登記事項証明書)は、いらない。なぜなら、追加設定の場合に前に受けた登記事項証明書が必要なのであり(不登令別表56ロ)、極度額の増額は、追加設定ではないからである。 【平5-15-オ】

 

<問題61> 根抵当権の元本確定後、登記原因を債権譲渡として、根抵当権移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答61】 ○ 元本の確定後に、「債権譲渡」を登記原因とし、登記の目的を「根抵当権移転」として登記を申請することができる。 【平14-20-3】

 

<問題62> 甲・乙不動産に共同根抵当権設定登記がされている場合には、甲不動産についてのみ元本の確定事由が生じたときでも、乙不動産についても元本の確定の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答62】 ○ 共同根抵当権は一つの不動産に確定事由が生ずると他の不動産についても確定する(民398条の17第2項)。 【平13-27-オ】

 

<問題63> 元本の確定前に債務者につき合併があった場合において、債務者である根抵当権設定者が合併があったことを理由として元本確定の請求をしたときは、根抵当権の担保すべき元本の確定の登記の申請をすることができない。○か×か?

解答

【解答63】 ○ 根抵当権の債務者に合併が生じた時は、根抵当権設定者は、元本確定請求権を有するが、この請求権を行使することができるのは、物上保証人だけであり、債務者兼設定者からの確定請求は認められない(民398条の9第3項ただし書)。 【平9-24-2】

 

<問題64> 根抵当権の一部譲渡を受けた者を債権者とする差押えの登記がされている場合は、根抵当権の元本の確定の登記がされていなくても、債権譲渡を原因とする第三者への根抵当権の移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答64】 ○ 根抵当権の一部譲渡を受けた者が、抵当不動産についての競売の申立てをしたときは、民法398条の20第1項1号により根抵当権の元本は確定する(平9.7.31-1301号)。この場合、登記記録上元本の確定が明らかであるため、元本確定の登記がされていなくとも、元本の確定後にのみすることができる債権譲渡を原因とする根抵当権の移転の登記を申請することができる(民398条の20第1項1号、昭46.12.27-960号)。【平21-26-ア】

 

<問題65> 根抵当権者を異にする複数の根抵当権が設定されている不動産について、元本確定の登記がなされないまま一つの根抵当権の実行による差押えの登記がされている場合に、他の根抵当権につきその被担保債権を全部譲渡したことによる根抵当権移転の登記申請をするのにその前提として元本確定の登記をしなければならない。○か×か?

解答

【解答65】 ○ 債権譲渡を原因とする根抵当権移転の登記は元本確定後でなければできない。根抵当権の実行による差押えにより、当該根抵当権の元本は確定し(民398条の20第1項1号)、差押えの登記もなされている。しかし、他の根抵当権は、差押えのあったことをその根抵当権者が知った時から2週間の経過が元本の確定事由とされている(民398条の20第1項3号)。したがって、他の根抵当権については、登記記録上元本の確定が明らかとはいえないから、元本確定の登記を先行させる必要がある。 【平11-23-ウ】

 

<問題66> 元本の確定前に債務者につき合併が生じた場合において、債務者である根抵当権設定者が合併のあったことを理由に元本の確定を請求したときは、元本の確定の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答66】 × 根抵当権の債務者に合併が生じた場合には、設定者は、当該根抵当権の元本の確定を請求することができるのが原則である(民398条の9第3項本文)。ただし、その者が設定者兼債務者である場合には、債務者が合併したことによる元本の確定請求は認められない(民398条の9第3項ただし書)。 【平9-24-2】

 

<問題67> 一定の契約から生ずる債権を担保するため、特定の金額について抵当権又は根抵当権の設定登記がされた場合には、債権者が当該金額(抵当権の被担保債権額又は根抵当権の極度額)を超える債権を有しているときであっても、当該担保不動産の第三取得者は、当該金額に相当する金銭を供託して、債権者に対し、抵当権又は根抵当権の設定登記の抹消を請求することができる。○か×か?

解答

【解答67】 × 抵当権は不可分性によって、実際の債権全額の弁済供託をしないと消滅しないが、元本確定後の根抵当権の現に存する債務の額が極度額を超えるときは、民法398条の22の規定により消滅請求ができる。 【平12-16-エ】

 

<買戻しの登記>

<問題68> 売買契約において、売主が売買代金及びこれに対する利息を返還して目的物を買戻すことができる旨を定めた場合には、売買代金としてその合計額を記載又は記録して買戻しの特約の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答68】 × 買戻特約の登記を申請する場合の「売買代金」とは、買主が現実に支払った額である。売買代金に対する利息を合算した合計額を記載又は記録することはできない(昭35.8.1-1934号参照)。 【昭56-20-3、平17-15-ウ】

 

<問題69> 買戻権について質権設定の登記がされている場合において、買戻権の行使による登記を申請するときは、申請書に当該質権者が承諾したことを証する書面又は当該質権者に対抗することができる裁判があったことを証する書面を添付しなければならない。なお、申請は指定庁に書面で申請する方法によってするものとする。○か×か?

解答

【解答69】 ○ 買戻権が職権によって抹消される(不登規174条)ので、買戻権の上に権利を有する者の承諾を得なければならないからである。 【平13-15-イ】

 

<問題70> AがBに対し買戻特約付きで土地を売却して所有権移転登記及び買戻特約の登記をした後、BがCに対し当該土地を転売して所有権移転登記をした場合、Aの買戻権の行使による所有名義回復のための登記の登記義務者はCである。○か×か?

解答

【解答70】 ○ 買戻権行使による移転登記の登記義務者は現在の所有権登記名義人である。 【平13-15-エ】

 

<問題71> 買戻しの特約の登記に買主が支払った代金として登記された1,000万円を1,500万円とする更正の登記は、申請することができない。○か×か?

解答

【解答71】 × 売買代金は、買主が事実上支払った額であるから、後日これを変更するということはないので、その増額変更の登記を申請することはできないが(昭43.2.9-34号)、誤って登記されたものであれば、当然現実に支払った正しい売買代金とする旨の更正の登記の申請は認められる。 【平17-15-オ】

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