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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■不動産登記法(区分建物に関する登記)>

<問題1> 表題部にAが所有者として記録され、敷地権の表示が登記された一棟の建物を区分した建物(以下「区分建物」という。)について、Aから区分建物を買い受けたBが、Aを被告とする訴訟によるBが所有権を有することを確認する旨の判決を得てするB名義の所有権保存登記の申請がされた。この場合、敷地権に効力を及ぼし得ない。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 不動産登記法74条1項2号の申請は区分建物のみにしか効力が及ばない。 【平13-24-ウ】

 

<問題2> 表題部にAが所有者として記録され、敷地権の表示が登記された一棟の建物を区分した建物(以下「区分建物」という。)について、BがAを相続し、CがBを相続している場合において、申請書にCが相続を証する書面を添付してするC名義の所有権保存登記の申請がされた。この場合、敷地権に効力を及ぼし得ない。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 不動産登記法74条1項1号の相続人名義の申請については区分建物のみにしか効力が及ばない。 【平13-24-エ】

 

<問題3> 敷地権となっていない建物の敷地たる土地の共有持分及び区分建物に所有権移転請求権の仮登記がされた後に、その土地の共有持分につき敷地権たる旨の登記がされた場合において、所有権移転請求権仮登記の登記原因、その日付、登記の目的及び受付番号が同一であるときは、その土地についての所有権移転請求権仮登記は、区分建物についてのその登記と同一の効力を有するものとして抹消する。○か×か?

解答

【解答3】 × 登記原因日が敷地権の表示の登記前の日であれば、建物のみを目的とする「所有権移転の仮登記」「抵当権設定の本・仮登記」「質権設定の本・仮登記」を申請することができ、その場合には、当該建物のみに関するものであることを公示するために、その旨の付記登記がされることになる(不登規123条1項本文)。なお、この場合に、なされていた登記が一般の先取特権、質権、又は抵当権に関する登記で、敷地権についてなされた登記と登記原因、その日付、登記の目的、申請の受付年月日及び受付番号が同一のときは、建物のみに関する旨を付記せず、敷地権についてなされた登記を抹消することになる(不登規123条2項)。しかし、本問の所有権移転請求権の仮登記に、そのような取扱いは認められていない。 【平4-17-5】

 

<問題4> 敷地権の表示を登記した区分建物のみについての所有権移転の登記の申請は、敷地権たる旨の登記がある土地が敷地権の目的となる前になされた売買を原因とするときは、することができる。○か×か?

解答

【解答4】 × 区分建物につき敷地権の表示がされたときは、原因日付が前であるか後であるかを問わず、区分建物のみを目的として所有権移転登記を申請することはできない(不登73条3項)。 【平9-19-ウ、昭62-31-3】

 

<問題5> 区分建物のみについて、敷地権が生じた後の日を登記原因の日とする不動産保存の先取特権保存の登記の申請はすることができない。○か×か?

解答

【解答5】 × 不動産保存の先取特権保存の登記は、敷地権を生じた後の日を登記原因日付とするものであっても、区分建物のみについて申請することができる(昭58.11.10-6400号)。特別の先取特権は、その目的物のみに対して法律上当然に発生するものであり、「分離処分」に該当しないからである。 【平9-19-ア、平7-23-イ、平2-18-1】

 

<問題6> 地上権が設定されている土地の所有権を買い受けた者は、その地上権について敷地権たる旨の登記がなされているときでも、その土地について所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 地上権が設定されている土地の所有権を買い受けた者は、その地上権について敷地権たる旨の登記がなされているときでも、その土地について所有権移転登記を申請することができる。地上権が敷地権であるときは、建物との分離処分が禁止されているのは敷地権である地上権であり、所有権の処分は禁止されていないからである。 【平9-19-エ、昭63-26-3、昭60-17-5】

 

<問題7> 敷地権の表示が登記された区分建物についてのみ、強制競売の開始決定に係る差押えの登記をすることができる。○か×か?

解答

【解答7】 × 敷地権の表示が登記された区分建物については、敷地権との分離処分が禁止されているため、区分建物のみを差押えの対象とすることはできず、区分建物と敷地権の目的たる土地を一体的に差し押さえなければならない。なお、敷地権が生ずる前に区分建物のみに設定された抵当権の実行としての差押えの登記は、区分建物のみに対して行うことができるので、そのことと混同しないように注意しなければならない。 【平7-23-エ】

 

<問題8> 敷地権が賃借権である場合における、区分建物の登記記録の表題部に敷地権が登記された日よりも後の日で解除を登記原因とする賃借権設定登記の抹消は申請することができる。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 敷地権の目的たる権利が賃借権であるときにも、その賃借権の放棄や解除などで、消滅するときがある。その賃借権の抹消登記をした後には、敷地権の表示をそのままにしておくのは適当でないので、変更登記をする(不登51条)。 【平9-19-オ】

 

<問題9> A所有の甲土地の所有権を目的として根抵当権の設定の登記がされた後に、甲土地の所有権を敷地権の目的とするA所有の乙区分建物の表示の登記及び甲土地の所有権に敷地権たる旨の登記がされた場合において、甲土地の根抵当権の被担保債権の範囲の変更の登記は、その被担保債権の範囲の変更契約の日付が、甲土地が敷地権の目的となった日より前であるか後であるかを問わず、申請することができる。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 債権の範囲の変更登記は、極度額の増額と違って不動産登記法73条2項にある設定登記とみなされるわけでなく、ゆえに分離処分禁止の原則にも抵触しないので、その変更日付が、敷地権成立の前後を問わず申請できる。 【平10-13-イ】

 

<問題10> A所有の甲土地の所有権を目的として根抵当権の設定の登記がされた後に、甲土地の所有権を敷地権の目的とするA所有の乙区分建物の表示の登記及び甲土地の所有権に敷地権たる旨の登記がされた場合において、BがAから売買により乙区分建物の専有部分の一つを敷地権とともに取得し、所有権保存の登記をした後に、甲土地の根抵当権の全部譲渡による根抵当権の移転の登記を申請する場合、その申請には、申請情報と併せて現在の登記名義人であるA及びBが承諾したことを証する情報を提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 根抵当権自体を処分することは、専有部分と敷地権を分離処分することには当たらないので、当然に申請可能である。全部譲渡は、民法398条の12第1項により設定者の承諾が必要であるので、申請情報と併せて現在の登記名義人であるA及びBが承諾したことを証する情報の提供が必要になる。 【平10-13-オ】

 

<問題11> 敷地権の表示を登記した建物についてされる抵当権設定登記(抵当権設定仮登記を含む。) 又は所有権移転仮登記は、敷地権が生じた日の前の日を登記原因日付として、建物のみを目的とすることが可能で、かつ、建物のみに関する旨が付記される。○か×か?

解答

【解答11】 ○ 区分所有者は、その有する占有部分(以下、「建物」と表示する)と敷地利用権を分離して処分することができない(区分所有22条)。しかし、敷地権の登記をする前にされた処分については、その無効を善意の第三者に対抗することができない(区分所有23条)。すなわち、敷地権の登記前にされた処分については、実質的には有効な処分であることもある。
 そこで、敷地権の表示の登記がされた建物については、本来建物のみを目的とする処分の登記はすることができない(不登73条3項本文)が、その登記原因日付が敷地権の表示の登記前の日となっているのであれば、その登記は認められることになる(不登73条3項ただし書)。ただ、所有権については敷地権の登記(一体性の公示)があるままで、建物と敷地権者が登記記録上異なるのは相当ではないので、その移転の本登記はできず、仮登記のみが認められる(なお、その場合でも、敷地権の登記を抹消しなければ本登記はできない。)。
 以上から、登記原因日付が敷地権の表示の登記前の日であれば、建物のみを目的とする「所有権移転の仮登記」「抵当権設定の本・仮登記」「質権設定の本・仮登記」を申請することができ、その場合には、当該登記が建物のみに関するものであることを公示するために、その旨の付記登記がされることになる(不登規156条)。
 なお、建物のみについてする賃借権の設定は、区分所有法22条でいう分離処分が禁止される処分には該当しない。賃借権はその権利の性質上もともと建物についてのみ設定されるものであって、敷地権と一体的に処分すべきものではないからである。したがって、建物についてする賃借権設定の登記(仮登記・本登記を問わず)は登記原因日付いかんにかかわらず、することができ、当該登記は当然建物についてのみ効力を有するものであるから、建物のみに関する旨の付記はされない。 【平15-19-イ、エ、オ】

 

<問題12> 区分建物についての登記記録の「敷地権の表示」欄には「平成18年4月1日敷地権」と記録されている場合に、区分建物のみを目的とし、「平成18年3月1日売買」を登記原因及びその日付として同日登記された所有権の移転の仮登記を、当該区分建物に関する敷地権の登記及び敷地権である旨の登記を抹消することなく、「平成18年3月1日売買」を登記原因及びその日付としてする所有権の移転の本登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 敷地権の登記がされている区分建物については、当該建物のみを目的とする所有権移転の登記をすることはできない(不登73条3項)。これは、所有権移転の登記原因が敷地権となる前であっても、また、仮登記に基づく本登記でも異ならない。 【平18-25-ア】

 

<問題13> 敷地権のない区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者が当該区分建物について所有権の保存の登記を申請するときは、登記原因及びその日付を申請情報として提供することを要しない。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 敷地権の登記がされている区分建物については、当該建物のみを目的とする所有権移転の登記をすることはできない(不登73条3項)。これは、所有権移転の登記原因が敷地権となる前であっても、また、仮登記に基づく本登記でも異ならない。 【平18-25-ア】

 

<問題14> 敷地権のない区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者が当該区分建物について所有権の保存の登記を申請するときは、登記原因及びその日付を申請情報として提供することを要しない。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 所有権保存登記においては、敷地権付き区分建物について、不動産登記法74条2項によって申請する場合を除き、登記原因及びその日付は登記事項とはならない(不登76条1項)。したがって、敷地権のない区分建物について、不動産登記法74条2項によって所有権保存登記を申請する場合、登記原因及びその日付を申請情報の内容として提供することを要しない。 【平19-20-ア】

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