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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■不動産登記法(登記申請手続)>

<問題1> 登記記録の全部又は一部が滅失したときは、登記権利者が単独で回復の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答1】 × 登記記録の全部又は一部が滅失したときは、法務大臣は、登記官に対し、一定の期間を定めて、滅失した登記記録の回復に必要な処分を命じることができる(不登13条)。回復の登記は、登記官が行うのであって、申請で行うわけではない。 【平9-14-オ、平6-24-イ、昭62-21-1、昭60-18-3、昭58-17-2】

 

<問題2> 甲区2番で所有者をAとする所有権移転登記がなされ、甲区3番で所有者をBとする贈与を登記原因とする所有権移転登記がなされている甲土地に対して、Aの相続人からの遺留分減殺を原因とする所有権移転の登記をする場合の登記申請は、共同申請である。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 原則どおり、B、Aの相続人の共同申請による(不登60条)。 【平12-20-ア】

 

<問題3> 根抵当権者による元本の確定請求があったことを原因とする元本の確定の登記を共同して申請する場合には、根抵当権者を登記権利者、根抵当権設定者を登記義務者としてする。○か×か?

解答

【解答3】 × 根抵当権の元本の確定の登記は、根抵当権設定者が登記権利者、根抵当権者が登記義務者となって申請するものとされている(昭46.10.4-3230号)。これは、元本確定の原因を問わない。 【平19-19-イ】

 

<問題4> 登記名義人の住所の更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 登記名義人の住所の更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる(不登64条1項)。この場合には、更正があったことを証する情報(書面で申請するのであれば更正証明書)を登記原因証明情報の一部として提供(添付)することにより、登記事項の真正を確保することになる。 【平9-14-イ、昭57-17-5】

 

<問題5> 敷地権の表示が登記された区分建物につきなされた転得者名義とする所有権保存登記の抹消登記は、所有権保存登記の名義人が単独で申請することができる。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 所有権保存登記の抹消登記は、申請情報に所有権保存登記の際の登記識別情報を提供して、所有権登記名義人が単独で申請することができる(不登77条)。このことは、敷地権の表示が登記された区分建物につき、転得者名義で所有権保存登記がなされた場合(不登74条2項)であっても同様である。 【平8-19-ウ】

 

<問題6> AとBが共同で相続した不動産について、Aが単独でした申請に基づきAB共有名義の相続を登記原因とする所有権移転登記がなされている場合、Aは単独で、その所有権移転登記の抹消登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答6】 × 相続登記の抹消登記は、名義人となっている者全員が登記義務者となり、登記権利者とともに申請することを要する。たとえば、AとBが被相続人の兄弟姉妹として共同相続の登記を経たが、被相続人の子Cが相続人として存在することが判明した場合には、不動産登記法62条により、「登記権利者 (亡)被相続人の氏名 上記相続人 C」「登記義務者A・B」として、相続登記の抹消を申請することになる。 【平6-21-2】

 

<問題7> 「地上権者が死亡したときはこの地上権は消滅する」旨の定めが登記されている地上権の地上権者が死亡した場合におけるその地上権の抹消の登記は、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。なお、判決によって登記の申請をする場合は除く。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 登記した権利がある人の死亡によって消滅する旨の定めが登記されている場合において、当該権利がその死亡によって消滅したときは、登記権利者が単独で抹消登記を申請することができる(不登69条)。 【平8-19-ア、平20-12-エ】

 

<問題8> 信託の受託者が2人以上ある場合において、そのうちの1人の任務がその後見の開始により終了したときにおける信託財産に属する不動産についての権利の変更の登記の申請は、後見開始決定があったことを証する情報を提供して、他の受託者が単独ですることができる。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 受託者が2人以上ある場合において、そのうちの1人の受託者の任務が終了したときは、信託財産は、原則として、他の受託者に帰属し(信託86条4項)、信託財産に属する不動産について受託者の任務の終了による「権利の変更の登記」を申請することになる。この場合、旧受託者を申請人とすることが不可能ないし困難な本肢のような一定の場合には、共同受託者の1人について任務が終了したことを証する市区町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供して、他の受託者が単独で申請することができる(不登100条2項、不登令別表67添)。 【平20-12-ウ】

 

<問題9> 意思能力を有する未成年者は、親権者の同意を得て自己所有の不動産を売却した場合には、登記申請につき親権者の同意を得ずに、買主と共同して所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 意思能力を有する未成年者が、親権者の同意を得て自己所有の不動産を売却した場合は、新たに親権者の同意を得なくても、自ら登記の申請をすることができる(登研449号)。 【平14-17-ア】

 

<問題10> 登記実務においては、胎児が不動産を相続した場合、胎児の法律上の地位について、死産を法定の解除条件として胎児にも制限的に権利能力が認められているものと考えられ、胎児のままで登記を受けることは可能である。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 判例(大判昭7.10.6)は、法定停止条件説(人格遡及説)をとり、胎児は既に生まれたものとみなす、といっても未だ出生していない者に権利を帰属させることはできないという論理のもとに、胎児が生きて生まれたときに、そこで取得した権利能力が、出生前の問題の時点(たとえば、相続)に遡って存在したものとし、この見解によると、胎児名義の登記は否定されることになる。
 しかし、登記実務においては、法定解除条件説(制限人格説)の見解により、胎児中といえども、生まれたものとみなされる範囲において制限的な権利能力を認め、生きて生まれなかったときに遡及的にこの権利能力が消滅するとし、胎児名義の登記を認めている。 【平15-27-イ】

 

<問題11> 不動産の所有者であるA男が死亡し、その時点でA男の配偶者B女、A男とB女との間の胎児C及びA男の母Dがいたという事案について、「胎児である間は相続能力がなく、生きて生まれたときには、相続開始時にさかのぼって相続能力を取得する。」とする説及び「胎児に相続能力を認め、胎児が生きて生まれなかったときには、相続開始時にさかのぼって相続能力を有しなかったものとする。」とする説のどちらによっても、胎児Cが胎児である間に、B女が相続の放棄をしたときは、DはB女とともに、所有者をDとするため、当該法定相続分による相続の登記を更正する登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答11】 × 前者の説によると、B女が相続の放棄をした場合、Dが単独の相続人となる。したがって、Dを単独所有者とする当該相続の登記を更正する登記を申請することができる。一方、後者の説によると、胎児Cが単独の相続人となり、Dは相続人とはならない。したがって、Dを単独所有者とする当該相続の登記を更正する登記を申請することはできない。 【平21-22-ア】

 

<問題12> 胎児名義の共同相続登記後、胎児が生きて生まれた場合には、その子の氏名及び住所を記録するために登記名義人の氏名住所変更の登記を申請する必要があり、死んで生まれた場合には、相続による所有権移転の更正の登記を申請する必要がある。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 胎児名義の相続登記後、胎児が生きて生まれた場合には、氏名及び住所について「登記名義人氏名住所変更」の登記を申請することになる。また、胎児が死体となって生まれた場合には、胎児は初めから権利を取得していなかったことになり、胎児を相続人とした登記は、その一部が初めから誤っていたことになる。したがって、その場合には登記の更正を申請することになる。 【平15-27-オ】

 

<問題13> ABC共有名義の不動産につき、Aがその持分を放棄したときは、AからBCへの持分移転登記は、一つの申請情報で申請しなくても差し支えない。○か×か?

解答

【解答13】 ○ ABC共有名義の不動産につき、Aがその持分を放棄したときは、AからBCへの持分移転登記は、一つの申請情報で申請しなくても差し支えない。権利の登記を申請するか否かは各当事者の任意であり(当事者申請主義)、また、持分放棄による持分の移転登記の場合には、各別の申請情報による別個の申請を認めても、特に不都合はないからである(昭37.9.29-2751号)。 【平9-27-イ、平2-23-2】

 

<問題14> 数個の不動産を目的とする累積式の根抵当権設定の登記は、一つの申請情報で申請しなければならない。○か×か?

解答

【解答14】 × 数個の不動産についての登記を一括して申請するためには、原則として、①登記所の管轄、②登記の目的、③登記原因が同一でなければならない(不登令4条)。そして、累積式根抵当権は、数個の不動産につき「独立して」極度額まで担保する根抵当権であるから、同一の契約をもって設定されていても、登記原因が同一であるとは解されない(昭48.12.17-9170号)。したがって、一括申請の要件を満たしていないことになる。 【平元-30-1】

 

<問題15> 売主Aと買主Bとの間で、A名義の甲土地及び乙土地について同じ日に売買契約を締結した場合の、甲土地については登記識別情報を提供し、乙土地については登記識別情報を提供することができないために事前通知による手続を利用して申請する所有権の移転の登記は、一つの申請情報によって申請することができない。○か×か?

解答

【解答15】 × 登記の目的と登記原因が同一であるときは、一つの申請情報によって申請することができる(不登令4条ただし書)。このことは、申請にかかる一方の不動産について、登記識別情報の提供ができないことによって事前通知手続を要する場合であっても異なるものではない(昭37.4.19-1173号)。 【平18-19-エ】

 

<問題16> 同一の当事者間において一つの契約でされた複数の不動産についての賃借権の設定の登記を申請する場合において、不動産ごとに賃料が異なるときは、賃借権の設定の登記の申請は、一の申請情報によってすることができない。○か×か?

解答

【解答16】 × 同一の当事者間において一つの契約でされた複数の不動産についての賃借権の設定の登記を申請する場合において、不動産ごとに賃料が異なるときでも、賃借権の設定の登記の申請は、一の申請情報によってすることができる(昭54.4.4電信回答、登研463号)。 【平20-16-イ】

 

<問題17> 共有者A及びBの各共有持分について買戻権者を同じくする買戻しの特約の登記が各別にされているときは、これらの登記の抹消は、当該抹消の登記原因及びその日付が同一であれば、一の申請情報によって申請することができる。○か×か?

解答

【解答17】 × 共有不動産の各共有持分について、買戻権者を同じくする買戻特約の登記がされている場合、形式的に登記原因及びその日付が同一であっても、各買戻特約の登記の抹消を一の申請情報によってすることはできない。なぜなら、形式的には登記原因が同一であっても、各買戻特約の抹消の登記原因は、各共有者と買戻権者との間において生じたものであり、当事者が異なるため、実質的に同一の登記原因とはいえないからである。 【平19-24-ア】

 

<問題18> 遺贈を登記原因とする所有権の移転の登記の申請は、その遺贈が包括の名義でされた場合でも、受遺者が単独で申請することはできない。○か×か?

解答

【解答18】 ○ 遺贈による権利の移転登記は、包括遺贈、特定遺贈を問わず、権利者と義務者との共同申請による(昭33.4.28-779号)。なお、遺言執行者がいる場合には、その者と受遺者との共同で、また、遺言執行者がいない場合には、相続人全員と受遺者との共同で申請することになる。 【平7-26-4、平18-20-ア】

 

<問題19> 甲所有名義の不動産について、乙名義に遺贈を原因とする所有権移転の登記がされた後、甲の相続人丙がこの不動産につき遺留分減殺請求をした。この場合、丙は、乙の遺贈の登記を抹消した後、相続を原因とする所有権移転の登記を申請しなければならない。○か×か?

解答

【解答19】 × 第三者に対して遺贈(又は贈与)による所有権移転登記がなされた後に遺留分減殺請求がなされたときは、遺贈等の登記を抹消することなく、登記原因を「年月日遺留分減殺」として所有権(一部)移転登記を申請することができる(昭30.5.23-973号)。なお、登記原因の年月日であるが、遺留分減殺請求権は、意思表示が相手方に到達すれば、当然に効力が生じる一種の形成権であるので、裁判外で行使した場合には、その意思表示が相手方に到達した日であり、裁判上で行使した場合には、その訴状の送達を受けた日である。 【昭63-23-4、平18-13-ア】

 

<問題20> 「遺言者は、A(相続人の1人)に甲不動産を遺贈する」旨の遺言に基づき、所有権移転の登記を申請する場合は、その登記原因は、相続である。○か×か?

解答

【解答20】 × 本問の旨の遺言は、受遺者は相続人の一人であり、遺言の内容は特定の不動産を遺贈する特定遺贈であるので、Aに対する所有権移転登記の登記原因は「遺贈」である(昭48.12.11-8859号)。 【平4-16-3】

 

<問題21> Aが死亡し、BCがAを相続したが、相続登記未了のうちにB及びCが死亡し、DがBを、EがCを相続したときは、D及びEへの相続登記を申請する前提として、AからBCへの相続登記をすることを要する。○か×か?

解答

【解答21】 ○ 数次にわたって相続が開始したときは、原則として、各相続についてそれぞれ相続登記を申請することを要する(昭30.12.16-2670号)が、中間の相続が単独相続である場合には、現在の所有者名義に直接移転登記を申請することができる(明33.3.7-260号)。本問では、中間にB及びCを相続人とする共同相続が入っているため、D及びEへの相続登記を申請する前提として、AからBCへの相続登記をすることを要することになる。 【平9-22-イ、平元-24-4、昭60-21-4】

 

<問題22> 甲乙に権利を取得させる旨の遺産分割協議書を添付して、甲乙名義に相続登記がなされたが、後にこれを錯誤を登記原因として抹消した場合、新たに甲丙に権利を取得させる旨の遺産分割協議書を添付して、甲丙名義に相続登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答22】 ○ 甲乙に権利を取得させる旨の遺産分割協議書を添付して、甲乙名義に相続登記がなされたが、後にこれを錯誤を登記原因として抹消した場合、新たに甲丙に権利を取得させる旨の遺産分割協議書を添付して、甲丙名義に相続登記を申請することができる(登研428号)。最初になされた相続登記が錯誤を原因として抹消されている以上、その相続登記がなされなかったものとして処理することが可能だからである。 【平3-27-1】

 

<問題23> Aが死亡し、BCがAを相続したが、BCともに相続を放棄して相続人が存在しなくなったため、家庭裁判所が特別縁故者であるDに対して、Aの所有していた特定の不動産を与える審判をしたときは、Dは単独で、D名義の所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答23】 ○ 特別縁故者への財産分与(民958条の3第1項)の審判が確定したときは、特別縁故者が審判書の正本及びその確定証明書を添付して、単独で自己名義とする所有権移転登記を申請することができる(昭37.6.15-1606号、不登63条参照)。したがって、Aが死亡し、BCがAを相続したが、BCともに相続を放棄して相続人が存在しなくなったため、家庭裁判所が特別縁故者であるDに対して、Aの所有していた特定の不動産を与える審判をしたときは、Dは単独で、D名義の所有権移転登記を申請することができる。 【平7-15-ウ、平4-25-5】

 

<問題24> Aが死亡し、BCがAを相続したが、相続登記未了のうちにBが持分を放棄した場合、C名義とする登記を申請するためには、AからBCへの相続登記を省略することはできない。○か×か?

解答

【解答24】 ○ Aが死亡し、BCがAを相続したが、相続登記未了のうちにBが持分を放棄した場合、C名義とする登記を申請するためには、AからBCへの相続登記を省略することはできない。Aの相続によりいったんBに持分が帰属し、その後にBが持分を放棄し、その持分がCに移転しているので、A→B→Cの権利変動の過程を登記記録に反映させる必要があるからである。 【平9-22-ウ、昭63-23-5】

 

<問題25> 共同相続人中に特別受益者があることを証する書面を申請書に添付して、法定相続分と異なる相続分による相続を登記原因とする所有権移転の登記を申請する場合において、その特別受益者が既に死亡しているときは、その書面は、その特別受益者の相続人全員が作成したものでなければならない。○か×か?

解答

【解答25】 ○ 共同相続人中に特別受益者があることを証する書面を申請書に添付して、法定相続分と異なる相続分による相続を登記原因とする所有権移転の登記を申請する場合において、その特別受益者が既に死亡しているときは、その相続人が代わりに証明することができる。ただし、その場合の証明書は、特別受益者の相続人全員が作成したものでなければならない(登研473号)。 【平4-25-4、昭59-15-5】

 

<問題26> 甲土地について、所有者Aが死亡し、子B・Cの共同名義による法定相続の登記がされた後に、B・Cの相続放棄の申述が受理され、Aの親Dが相続した。この事実に基づいて、B・Cを登記義務者とする所有権移転登記を申請することはできない。○か×か?

解答

【解答26】 ○ 相続放棄により、B・Cは初めから相続人でなかったことになるから(民939条)、法定相続の登記は実体に合致しない無効な登記となる。したがって、これを実体に合致させるには、移転の登記ではなく、更正か抹消の登記によるべきである。本問は、B・C名義の登記とD名義の登記ではその間に同一性がないから抹消の登記によるべきである。そして、その後AからDへの相続による所有権移転登記をすることになる。 【平11-13-3】

 

<問題27> 甲土地の所有者Aが死亡し、Aの相続人が子B・Cである事例を前提として、B・C間で、B持分4分の3・C持分4分の1とする遺産分割協議が成立した場合、Bは、相続を原因とする所有権一部移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答27】 × 共同相続人のうち一部の者が、相続人全員のために相続登記をすることはできるが、自己の持分のみについて相続登記をすることはできない(昭30.10.15-2216号)。 【平12-23-エ】

 

<問題28> Aの死亡によりB、C及びDが共同相続人となり、A所有名義の甲土地をBが単独で相続する旨の遺産分割協議が成立したが、Dが遺産分割協議書への押印を拒んでいる場合には、Bは、Dに対する所有権確認訴訟の勝訴判決正本及びCの印鑑証明書付きの当該遺産分割協議書を申請書に添付すれば、甲土地について単独でBへの相続の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答28】 ○ 共同相続人の一部の者が、遺産分割協議書への押印を拒んでいる場合は、その者に対する所有権確認訴訟の勝訴判決正本及び他の相続人の印鑑証明書付きの遺産分割協議書を申請書に添付すれば、相続の登記を申請することができる(平4.11.4-6284号参照)。 【平14-23-1】

 

<問題29> Aには離婚をした配偶者Bと子C及びDがいて、Aは公正証書による遺言をして死亡した。遺言の内容が「全財産をC及びDに2分の1ずつ相続させる。」であった場合において、CがAより先に死亡したため、Aが唯一の財産である土地の持分2分の1をBに贈与し、その登記をした後であっても、Dは、相続を原因として持分2分の1の登記申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答29】 ○ Cの死亡後にBに2分の1を贈与しその旨の移転登記をしても、その行為は「Dに2分の1相続させる。」という遺言の内容に抵触する生前処分(民1023条2項)ではないと解される。したがって、Dは当該遺言書を相続があったことを証する情報(不登令7条1項6号、別表22)の一部として添付し、相続を原因として持分2分の1の移転の登記を申請することができる。 【平15-18-オ】

 

<問題30> 債権者代位によって第1順位の法定相続人のために共同相続を原因とする所有権移転の登記がされたが、当該相続登記より前に当該第1順位の法定相続人全員が相続放棄をしていた場合には、当該第1順位の法定相続人と第2順位の法定相続人とが共同して、第2順位の法定相続人の相続による所有権移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答30】 × 第1順位の法定相続人全員が相続の放棄をしていたのであるから、これらの者を相続人とした相続による所有権移転登記は、その全部が誤っているものであり、抹消すべきものである。第2順位の法定相続人を不動産登記法62条による登記権利者とし、当該第1順位の法定相続人全員を登記義務者として相続登記の抹消をし、その後第2順位の法定相続人に相続による所有権移転登記をしなければならない(昭52.4.15-2379号)。 【平16-26-ウ】

 

<問題31> 甲土地の所有者Aが死亡してB、C及びDがその共同相続人となったが、B、C及びDがその相続分を第三者Eに譲渡した場合には、Eは、E一人を相続人とする相続の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答31】 × 相続分の譲渡を受けた者が共同相続人ではない場合には、その者に対する「相続」を原因とする所有権移転登記を申請することはできない。まず、共同相続人名義の所有権移転登記をし、次いで「相続分の売買(贈与)」を原因として、共有者全員持分全部移転の登記を申請すべきである。 【平15-25-イ】

 

<問題32> 遺言執行者が、遺言に基づき不動産を売却し、買主名義に所有権移転の登記を申請するには、その前提として相続登記を経なければならない。○か×か?

解答

【解答32】 ○ 本問は、いわゆる清算型遺贈である。遺言者(被相続人)が死亡してから遺言執行者が不動産を売却するまでの間は、当該不動産の所有権は相続人に帰属しているからである(昭45.10.5-4160号)。 【平元-24-3】

 

<問題33> 農地法第3条の許可があることを停止条件とする所有権移転請求権を保全するための仮登記に基づく本登記をする場合において、当該許可がある前に売主が死亡していたときは、所有権移転登記の前提として相続登記をすることを要しない。○か×か?

解答

【解答33】 ○ 農地法の許可前に売主が死亡したのであるから、本来ならば、売主の相続人への所有権移転登記を申請するべきである。しかし、買主への所有権移転の仮登記がされている場合には、もし相続登記をしても、公示上の問題から、仮登記の本登記に際しては当該相続登記は職権で抹消されることになる。抹消されることが予定されている登記の申請を前提として要求することは不経済であることから、先例(昭35.5.10-328号)は、相続登記を省略して差し支えないものとしている。 【平15-21-3】

 

<問題34> Aは、甲土地をBに遺贈し、Bはその登記を経由することなく甲土地をCに遺贈するとともに遺言執行者を指定した場合、Cへの所有権の移転の登記の前提として、当該遺言執行者は、Aの相続人との共同申請により、AからBへの所有権の移転の登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答34】 ○ 特定遺贈の目的とされた甲土地を、受遺者Cの名義とするためには、前提として、AからBへの所有権の移転の登記の申請をする必要がある。したがって、遺言執行者は、特定遺贈の目的とされた甲土地を、受遺者Cに完全に移転させる任務があるから、本肢における所有権の移転の登記の申請の代理権限は、遺言執行者の職務権限に属することになる(民1012条1項)。 【平20-24-イ】

 

<問題35> 被相続人から不動産を買い受けた者は、共同相続人の1人に対する登記手続を命じる確定判決に基づき、単独で所有権移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答35】 × 登記義務者の相続人が登記を申請するときは、相続人全員が申請人とならなければならない(昭27.8.23-74号)ので、相続人全員を被告としなければならない。登記義務者の登記申請義務は相続人全員に不可分に帰属しているからである。 【平2-31-イ】

 

<問題36> 不動産に抵当権を設定した者が抵当権の設定の登記をしないまま死亡した。この場合には、抵当権者は、抵当権設定者の共同相続人全員と共同して、自己を登記権利者、当該抵当権設定者を登記義務者として、抵当権の設定の登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答36】 ○ 抵当権設定登記は、抵当権者を登記権利者、抵当権設定者を登記義務者とする共同申請である(不登60条)。しかし、当該登記の申請前に登記義務者である抵当権設定者が死亡したのであれば、その相続人が当該登記を申請することができる(不登62条)。そして、登記義務者の相続人が共同相続人である場合には、登記義務は共同相続人全員に不可分に承継されることから、その全員が申請人とならなければならない(昭27.8.23-74号参照)。 【平17-12-イ】

 

<問題37> 売買による所有権の移転の登記がされた後に売主が死亡したが、当該売買は、無効であった。この場合には、当該売主の共同相続人の一人は、買主と共同して、当該売主を登記権利者、当該買主を登記義務者として、当該所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。○か×か?

解答

【解答37】 ○ 所有権移転登記の抹消は、当該抹消によって登記名義が回復する前所有権登記名義人が登記権利者、抹消される現所有権登記の名義人が登記義務者となってする共同申請である。しかし、当該登記の申請前に登記権利者である前所有権登記名義人が死亡したのであれば、その相続人が当該登記を申請することができる(不登62条)。そして、登記権利者の相続人が共同相続人である場合には、共同相続人の一人から当該登記を申請することができる。当該登記を申請することは、共同相続人の共有財産であるところの、相続財産についてする、保存行為(民252条ただし書)となるからである。 【平17-12-エ】

 

<問題38> 判決に基づく所有権移転登記を申請するときは、申請書に登記義務者の登記識別情報、印鑑証明書及び登記権利者の住所証明書の添付を要しない。○か×か?

解答

【解答38】 × 登記識別情報及び印鑑証明書は、登記義務者の登記申請意思の存在を確認するために添付が要求される書面であるが、登記をすべきことを命じる確定判決に基づき登記権利者が単独で登記を申請する場合には、判決正本を添付することによって登記義務者の登記申請意思が擬制されている事実を確認することができるので、登記識別情報及び印鑑証明書の添付は要しない。しかし、確認されるのはあくまで登記義務者の登記申請意思の擬制であり、登記権利者の住所まで確認されているとはいえないので、その住所証明書の添付は要することになる(昭37.7.28-2116号)。 【平5-23-イ、昭61-19-1、平18-21-オ】

 

<問題39> 債権者は、詐害行為取消請求訴訟で勝訴判決を得たときは、登記権利者である債務者に代位して所有権移転の登記の抹消の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答39】 ○ 申請人としての登記権利者とは、登記上、直接に利益を受ける者であり(不登2条12号)、実体法上の登記請求権者が必ずしも登記申請上の登記権利者になるわけではない。詐害行為取消判決により所有権移転登記の抹消で登記上利益を受けるのは債務者である。したがって、債権者は、債務者に代位して登記申請することになる(昭38.3.14-726号)。 【平10-18-ア】

 

<問題40> 「判決による登記の申請書に添付する判決は、被告に対して一定の登記申請手続をすべき旨を命じた給付判決でなければならず、不動産物権変動に関する確認判決では足りない。」という見解がある。「判決によって登記義務者の登記の申請意思が擬制されるからである。」という記述は、この見解の根拠となる。○か×か?

解答

【解答40】 ○ 確認判決には登記の申請意思まで擬制する内容は含まれていないから給付判決を要することの根拠となる。 【平11-15-オ】 

 

<問題41> AがB所有土地を買い受けたが、Bが死亡し唯一の相続人Cが所有権移転登記手続に協力しない場合、Aは、Cを被告として所有権移転登記手続を命ずる判決を得れば、判決理由中にBの他の相続人についての記載がないときでも、Cの相続があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した書面を添付することなく、単独でBからAへの所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答41】 × 相続人全員が登記義務者にならなければいけないので、判決により相続人全員であることが明確でない限り、相続があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報の提供が必要になる(不登62条、不登令7条1項5号イ)。 【平13-26-エ】

 

<問題42> 農業委員会の許可を条件として所有権移転登記の手続を命じた判決に基づき、登記権利者が単独で登記を申請する場合には、申請書に農業委員会が許可したことを証する書面を添付することを要する。○か×か?

解答

【解答42】 × 農業委員会の許可を条件として所有権移転登記の手続を命じた判決に基づき、登記権利者が単独で登記を申請する場合は、農地法所定の許可書を裁判所書記官に提出し、執行文の付与を得て、申請書にそれを添付する(昭40.6.19-1120号)ので、申請書に農地法所定の許可があったことを証する書面を添付することを要しない。 【平7-14-1、平5-14-ア、昭61-19-4】

 

<問題43> 被告がその債務を履行しなかったときは、登記義務者として所有権移転登記手続をする旨の記載のある裁判上の和解が成立した場合において、被告が当該債務を履行しないときは、原告は、執行文の付与を得れば、単独でその登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答43】 ○ 債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係るときは、執行文が付与された時に債務者が意思表示をしたものとみなされる(民執174条1項ただし書き、民執174条3項)。したがって、被告がその債務を履行しなかったときは、登記義務者として所有権移転登記手続をする旨の記載のある裁判上の和解が成立した場合は、原告の申立てに基づき裁判所書記官が債務者に履行の有無を確認した上で執行文を付与すれば(民執174条3項)、原告は、単独でその登記を申請することができる。 【平9-13-ウ、平5-14-イ、昭60-29-5】

 

<問題44> A名義の不動産について、Bのために所有権移転登記手続を命じる判決の確定後、その登記前にBが当該不動産をCに贈与した場合、Cは、承継執行文の付与を得ることにより、Aから自己名義に所有権移転登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答44】 × A名義の不動産について、Bのために所有権移転登記手続を命じる判決の確定後、その登記前にBが当該不動産をCに贈与した場合、Cは、承継執行文の付与を得ることにより、Aから自己名義に所有権移転登記を申請することはできない。この場合、不動産の所有権はA→B→Cと移転しており、中間者Bを除いて、直接A→Cの移転登記をすることは中間省略登記に当たるからである。この場合、当該判決に基づきB名義とする登記をした後、BとCとの共同申請により、BからCへの所有権移転登記を申請する(昭44.5.1-895号)。 【平9-13-エ、平5-14-オ、昭60-29-3】

 

<問題45> 「甲は乙に対し、別紙目録記載の不動産について所有権移転登記手続をせよ」との判決が確定したところ、事実審における最終の口頭弁論終結前に甲は当該不動産を丙に売却し、登記も経由していた。この場合、乙は当該判決に「甲の特定承継人丙に対する強制執行のためにこれを乙に付与する」との執行文の付与を受けて、所有権移転登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答45】 × 事実審における最終の口頭弁論の終結前に当事者に承継が生じたときは、訴訟承継(民訴49条)、訴訟引受(民訴50条1項)の問題となり、承継執行文の付与の問題は生じない。 【平5-14-エ】

 

<問題46> 反対給付と引換えに所有権移転登記手続を命ずる判決が確定したときは、原告は、執行文を得れば、単独でその登記の申請をすることができる。○か×か?

解答

【解答46】 ○ 民事執行法174条による意思擬制の強制執行においては原則的に執行文の付与を要しない。しかし、民事執行法174条は例外的に3つのパターンを規定している。この場合、執行文の付与を受けることによって、登記義務者の意思が擬制される。 【昭55-19-3、平9-13-イ】

 

<問題47> A所有の不動産についてBへの所有権移転の登記を命ずる判決が確定した後、その判決に基づく登記の申請をする前に、Aが死亡し、AからCへの相続による所有権移転の登記がされている場合、Bは、この判決にCに対する承継執行文の付与を受けて、CからBへの所有権移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答47】 ○ 口頭弁論終結後、登記義務者に包括承継(相続)が生じその登記がなされた場合、包括承継人(相続人)に対して承継執行文の付与を受け、判決による登記申請をすることができる(民訴115条、民執27条2項)。 【平12-26-5、平19-15-ア】

 

<問題48> 「AからBへの所有権の移転の登記の抹消手続を命ずる判決が確定したが、判決確定後、Aがその抹消の申請をしない間に、BからCへの所有権の移転の登記が経由された場合、Cへの所有権の移転が売買等の特定承継によるものであるときは、Aがその所有権を第三者Cに対抗することができる場合に限り、承継執行を肯定することができる。」という考え方がある。「AからBへの所有権の移転の登記が錯誤により無効であった場合には、登記に公信力がない以上、AはCに対してBの無権利を対抗することができるから、Cは判決の効力を受けることになる。」という記述は、その考え方と矛盾しない。○か×か?

解答

【解答48】 ○ 本肢の考え方によれば、AはCに対しBの無権利を当然に主張し得るから、Cを民事訴訟法115条1項3号の承継人に当たるものとして、民事執行法23条1項3号の類推適用により承継執行文の付与を受け、判決による登記申請をすることができることになる(昭32.5.6-738号)。 【平20-26-イ】

 

<問題49> 「AからBへの所有権の移転の登記の抹消手続を命ずる判決が確定したが、判決確定後、Aがその抹消の申請をしない間に、BからCへの所有権の移転の登記が経由された場合、Cへの所有権の移転が売買等の特定承継によるものであるときは、Aがその所有権を第三者Cに対抗することができる場合に限り、承継執行を肯定することができる。」という考え方がある。「執行文の付与機関が、第三者の善意・悪意を判断することは困難だが、客観的に明確な場合もあり、執行文付与の訴えにより最終的な判断を得ることもできる。」という記述は、その考え方と矛盾しない。○か×か?

解答

【解答49】 ○ 承継執行文の付与手続は、一方的な審尋のシステムがとられているので、承継人が主張・証明責任を負わされている事実の判断を、執行文付与機関に委ねる形となる。これには、その資質の点から危険があるのではないかという批判があるが、本肢のように考えた場合、その危険もなく、承継執行文の付与が許容されることになる。 【平20-26-エ】

 

<問題50> 売主である公団が敷地権付区分建物を売却し、その売却代金債権を被担保債権として抵当権を設定した場合、公団は、抵当権設定登記請求権を代位原因として、代位によって買主名義への所有権保存の登記を嘱託することができる。○か×か?

解答

【解答50】 × 不動産登記法74条2項の保存登記は、実質的には売主と買主の共同申請の意味があり、敷地権付区分建物の売主が、売渡代金について抵当権を設定した場合に、抵当権設定登記請求権を代位原因として不動産登記法74条2項による買主名義への所有権保存登記を代位して申請することは、債権保全の必要性を超えると解されるため、できない(昭63.1.19-325号)。 【平12-15-ア】

 

<問題51> 仮登記権利者は、仮登記義務者の仮登記の申請に関する承諾書を代位原因証明情報として、仮登記義務者である所有権の登記名義人の住所の変更の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答51】 ○ 代位原因証明情報(不登令7条1項3号)は、登記官が当事者間に債権の存在することを確認できるものであれば足り、必ずしも公文書である必要はなく、私文書でも差し支えない(昭23.9.21-3010号)ので、仮登記権利者は、仮登記義務者の仮登記の申請に関する承諾書を代位原因証明情報として提供すれば、所有権の登記名義人の住所の変更の登記を、仮登記義務者に代位して申請することができる。 【平21-12-エ】

 

<問題52> AからB、BからCへと売買を原因として土地の所有権移転登記がされている場合において、AB間の売買契約の無効を原因として、AからBへの、BからCへの所有権移転登記の抹消を請求するときは、Aは、Bが有する登記請求権を代位行使することはできるが、Cに対する直接の抹消登記請求権は有しない。○か×か?

解答

【解答52】 × 真の所有者であるAは、Bに対してのみならずCに対しても抹消登記請求権を有する。 【平14-19-エ】

 

<問題53> 委任による代理人によってされた登記の申請を当該代理人が撤回を理由として取り下げるには、当該取下げについての特別の授権を要し、その旨の代理権限証明情報を提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答53】 ○ 委任による代理人によってされた登記の申請を当該代理人が取り下げる場合、取下げの理由が補正のためであれば、特別の授権を要しないが、その他の事由による取下げについては特別の授権を要し、その旨の代理権限証明情報を提供しなければならない(昭29.12.25-2637号)。したがって、撤回を理由として取り下げる場合には、特別の授権を要し、その旨の代理権限証明情報を提供する必要がある。 【平21-18-エ】

 

<問題54> 起業者からの収用による所有権移転の登記の申請をする場合において、裁決手続の開始の登記は、登記官が職権によって抹消することができる。○か×か?

解答

【解答54】 ○ 裁決手続開始の登記は、処分制限の登記であるから(土地収用45条の2、3)、起業者への所有権移転登記がされれば、登記官が職権で抹消する(不登118条6項)。 【平8-25-ア】

 

<問題55> 処分制限の登記の嘱託により、職権でした所有権保存の登記については、その後、嘱託により錯誤を原因としてその処分制限の登記を抹消するときは、これを職権で抹消する。○か×か?

解答

【解答55】 ×登記官の職権によって所有権保存登記がなされた後、処分制限の登記が嘱託により抹消された場合でも、登記官は職権で所有権保存登記を抹消することはできない(昭38.4.10-966号)。登記官の職権抹消を認めた規定は存在しないからである。 【平4-21-3】

 

<問題56> 添付情報が登記事項証明書であるときは、これに代わる情報を送信することにより電子申請(特例方式を除く)をすることはできない。○か×か?

解答

【解答56】 × 電子申請(特例方式を除く)の場合には、法務省令で定めるところにより、申請情報と併せて添付情報を送信しなければならない(不登令10条)。登記事項証明書が添付情報である場合は、書面を送信することはできないので、法務大臣の定めるところに従い、登記事項証明書の提供に代えて、登記官が電気通信回線による登記情報の提供に関する法律2条1項に規定する登記情報の送信を同法3条2項に規定する指定法人から受けるために必要な情報を送信することになる(不登令11条)。 【平17-17-ア】

 

<問題57> 電子申請(特例方式を除く)によって不動産登記の申請をする場合において、登記識別情報を提供することができないことから事前通知の手続によるときは、書面申請の場合と同様に、書面で通知されるが、このほかに、電子申請であっても書面で行う手続には、却下決定書の交付や取下げの申出がある。○か×か?

解答

【解答57】 × 取下げの申出は、電子申請(特例方式を除く)による場合は、電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法による(不登規39条1項1号)が、書面申請による場合は、申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法による(不登規39条1項2号)。なお、却下決定書の交付(不登規38条2項)については電子申請であっても書面でなされる。 【平20-27-ウ】

 

<問題58> Aを所有権の登記名義人とする不動産につき、Aを売主、Bを買主とする売買契約が締結された後、AからBへの売買を原因とする所有権の移転の登記の申請を司法書士に委任していたBが、当該登記の申請前に死亡した場合には、当該司法書士は、Bの死亡後もその委任に基づいてAからBへの所有権の移転の登記を申請することができる。○か×か?

解答

【解答58】 ○ 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によって消滅しない(不登17条1号)。したがって、登記の申請の委任を受けた司法書士は、委任者が死亡した後でも、当該委任に基づいて、代理人として申請をすることができる。 【平19-14-オ】

 

<問題59> 登記の申請について当事者である未成年者の単独親権者から委任を受けた場合において、当該親権者が家庭裁判所から親権の喪失の宣告を受けたときは、当該委任による代理人の権限は、消滅する。○か×か?

解答

【解答59】 × 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、法定代理人の代理権の消滅によっては消滅しない(不登17条4号)。したがって、未成年者の単独の親権者から登記申請の委任を受けた者は、その後当該親権者が親権を喪失しても、登記申請の代理権を失うものではない。 【平19-21-エ】

 

<問題60> 書面を提出する方法により登記を申請する場合に、登記義務者の登記識別情報を提供することができないため、申請代理人である司法書士が作成した本人確認情報を提供して登記を申請する場合には、当該本人確認情報に添付した司法書士の職印に係る印鑑証明書については、原本の還付を請求することができる。○か×か?

解答

【解答60】 ○ 登記原因証明情報の提供ができない場合に、申請代理人である司法書士が不動産登記法23条4項1号によって本人確認情報を提供するときは、当該司法書士が登記の申請の代理を業とすることができることを証する情報の提供を要し(不登規72条3項)、当該情報としては、当該司法書士が所属する司法書士会が発行した職印にかかる印鑑証明書がある(不登準49条2項2号)が、当該印鑑証明書は不動産登記規則55条1項ただし書によって原本還付できない書面とはされていない。 【平19-16-エ】

 

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