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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法(債権の目的・効力)>

<問題1> 弁済期の定めがある利息付金銭消費貸借契約において、借主が期限の利益を放棄するには、元本に弁済期までの利息を加えた金額を提供しなければならない。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 債務者が期限の利益を放棄して弁済期前に弁済すると、債権者にとって得られるはずであった利息が減少するという損害が生ずるので、債務者は、元本に弁済期までの利息を加えた金額を提供する必要がある(大判昭9.9.15)。 【平元-13-4】

 

<問題2> 不特定物を給付すべき債務については、債務者が債権者に債務の本旨に従った提供をした後にその物が滅失した場合であっても、債務者は、滅失の原因によっては債務不履行の責任を負う。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 不特定物を給付すべき債務の債務者が債務の本旨に従った提供をした場合は、特定が生じる(民401条2項)。よって、債務者は以後その物について善管注意義務を負うこととなり(民400条)、この義務に反する場合には、債務不履行責任を負うことになる。 【平2-3-イ】

 

<問題3> 特定物を給付すべき債務については、引渡しの時までの間に目的物が損傷しても、弁済のための引渡しをするには、債務者は、そのままの状態で目的物を提供すれば足りる。○か×か?

解答

【解答3】 ○ 債権の目的が特定物の引渡しであるときは、弁済者はその引渡しをするときの現状でその物を引き渡せば足りる(民483条)。ただし、その損傷が債務者の帰責事由に基づく場合には、債務不履行責任を負うことになる(民400条、415条)。 【平2-3-オ】

 

<問題4> 債務者が債務不履行による損害賠償債務を相殺により消滅させることはできるが、加害者が不法行為による損害賠償債務を相殺により消滅させることはできない。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 不法行為債権を受働債権とする相殺は禁止されている(民509条)。不法行為者に現実の弁済をさせることで被害者の救済を図ることのほか、不法行為の誘発を防止するのが趣旨である。一方、債務不履行による損害賠償債務を受働債権とする相殺を禁止する規定は存在しないので、相殺適状に達すれば相殺することはできる。 【平4-1-2】

 

<問題5> 金銭債務の約定利率が定められていない場合において、履行遅滞によって実際に生じた損害の額が法定利率を上回るときは、法律に定めがある場合を除き、債権者は、その超過分を請求することができない。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 金銭債務の一般原則によれば、法定利率あるいは約定利率により算出される額以上の損害が生じたことを立証しても、債権者はその損害賠償を請求することはできない。ただし、受任者の金銭消費の責任(民647条)、組合の出資債務(民669条)等法律で別段の定めがある場合には、実際の損害額を請求できる。 【平15-17-ウ】

 

<問題6> 売主甲が買主乙との間で、甲の倉庫にある材木のうちの一定数量の売買契約を締結した。材木の引渡場所を甲の倉庫と約定した場合において、甲が約定の数量の材木を選別してなわ掛けし、履行期日に乙に対してその旨を通知して受領を催告した後に、他人の放火によりその材木が焼失したときは、甲は、材木の引渡しの債務を免れる。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 取立債務の特定は、債務者が目的物を分離し、債権者に対してその受領を催告することにより生じる(民401条2項前段)。本問の場合、債権の目的物はなわ掛けした材木に特定しており、その後、そのなわ掛けした材木は甲の責めに帰すことのできない事由によって焼失しているから、甲の引渡債務は消滅し、甲は、材木の引渡しの債務を免れることになる。 【昭56-5-2】

 

<問題7> 債権の目的たる給付のうち、選択権を有しない当事者の過失により不能となったものがあるときは、選択権を有する当事者は不能となった給付を選択することができる。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 債権の目的たる給付が不能となったときは、原則として、債権は残りの給付に特定することになる(民410条1項)。ただし、債権の目的たる給付が、選択権を有しない当事者の過失によって不能となった場合には、選択権を有する当事者は、不能となった給付を選択することもできる(民410条2項)。 【昭61-10-2】

 

<問題8> 受領遅滞の法的性質は、債務者の責任を軽減するために法律が特に認めた責任であるとする見解に立った場合、受領遅滞が成立するためには、債権者の責めに帰すべき事由により受領を拒絶されたことが必要である。○か×か?

解答

【解答8】 × 法定責任説では、債権者の責めに帰すべき事由によって受領を拒絶されたことは必要とされていない。この説によると、誠実な債務者の救済のために法が特に認めた責任であるので、債務不履行責任説のように債権者に帰責事由があることは要求されていない。 【平2-11-5】

 

<問題9> AはBに対して、BはCに対して、それぞれ債権を有している。Aの債権及びBの債権がともに金銭債権である場合、Aは、Cに対し、債権者代位権を行使して、直接自己に金銭を交付することを請求することができない。○か×か?

解答

【解答9】 × 債権者が債務者に対して有する金銭債権に基づき、債務者の第三債務者に対する金銭債権を代位行使した場合、債権者は、第三債務者に対して直接自己へ給付をさせることができる(大判昭10.3.12)。 【平2-5-2】

 

<問題10> 賃借人Aは、賃貸人であるBの所有する建物の賃貸借契約をしたが、引渡しが行われていない場合、その建物をCが権原なしに占有している場合、Aは、Cに対し、Bの所有権に基づく建物の引渡請求権を代位行使して、直接自己への引渡しを請求することができる。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 第三者が賃借権の目的不動産を不法に占拠している場合、賃借人は賃借権を保全するため、賃貸人に代位して不法占拠者に対し、自己に直接不動産を明け渡すよう請求できる(最判昭29.9.24)。 【平6-8-エ】

 

<問題11> Aは、その所有する不動産につき、債権者Bとの間で抵当権設定契約を締結したが、その登記をしないうちに、この不動産をCに売却して所有権移転の登記をした。A・C間の売買契約が無効である場合でも、Bは、Aに代位してCに対し所有権移転の登記の抹消を請求することができない。○か×か?

解答

【解答11】 × 債権者代位権とは、債権者が自己の債権を保全するため、その債務者に属する権利を行うことをいい(民423条)、原則、債務者が無資力であることを要する。しかし、判例は、登記請求権のように、その保全の必要性が債務者の資力の有無に関係のない権利を代位行使する場合には債務者の無資力要件を必要としていない(大判明43.7.6)。 【平4-13-ウ】

 

<問題12> 高名な画家によるとされた絵画がAからBへ、BからCへと順次売却されたが、その後に、これが偽物と判明した場合において、無資力であるBがその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは、Cは、Bに対する売買代金返還請求権を保全するため、Bにはその意思表示の無効を主張する意思がなくても、Bの意思表示の無効を主張して、BのAに対する売買代金返還請求権を代位行使することができる。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 表意者に意思表示の無効を主張する意思がない場合には、第三者が錯誤(民95条)に基づく意思表示の無効を主張することは、原則として認められない(最判昭40.9.10)。しかし、表意者が意思表示の瑕疵を認めている場合には、表意者自らはその意思表示の無効を主張する意思がなくても、第三者たる債権者は表意者に対する債権を保全するため、表意者の意思表示の錯誤による無効を主張することができる(最判昭45.3.26)。 【平12-7-ウ】

 

<問題13> 離婚による財産分与請求権は、協議、審判等によって具体的内容が決まるまでは内容が不確定であるから、離婚した配偶者は、自己の財産分与請求権を保全するために、他方配偶者の有する権利を代位行使することはできない。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 財産分与請求権は、1個の私権たる性格を有するものではあるが、協議あるいは審判等によって具体的内容が形成されるまでは、その範囲及び内容が不確定・不明確であるから、このような財産分与請求権を保全するために債権者代位権を行使することはできない(最判昭55.7.11)。 【平16-21-オ】

 

<問題14> 譲渡の意思表示と所有権移転登記との間に日時の隔たりがある不動産の譲渡を詐害行為として取り消す場合、所有権移転登記よりも前の金銭消費貸借契約によって成立した貸金債権であっても、それが譲渡の意思表示より後に成立したものであるときは、被保全債権とすることはできない。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 物権の移転は当事者の意思表示のみによって効力を生じ(民176条)、登記は対抗要件にすぎないので(民177条)、詐害行為と主張される不動産物権の譲渡行為が債権者の債権成立前にされたものである場合、その登記が当該債権成立後になされたときであっても、債権者は詐害行為取消権を行使することはできない(最判昭55.1.24)。 【平14-16-オ】

 

<問題15> 被保全債権を詐害行為の後に譲り受けた場合には、債権者取消権を行使することができない。○か×か?

解答

【解答15】 × 債権者が債権者取消権を行使しうるためには、その行為が自己の債権発生後になされたものであることが必要である(最判昭33.2.21)。しかし、債権譲渡では、債権は主体の変更によってその同一性が失われないので、債務者の行為以前に成立した債権をその行為後に譲り受けた者であっても、債権者取消権を行使することができる(大判大12.7.10)。 【平2-10-1】

 

<問題16> Aが、その所有名義の甲土地をBに売り渡したが、その登記をしないでいたところ、AからCへの所有権の移転の登記がされた場合、Cへの所有権の移転の登記がAC間の売買契約によるものであり、その契約が甲土地の時価相当の価格でされ、AがCから代金の全額の支払いを受けているときは、Bは、AC間の売買契約によって損害を受けた場合であっても、その契約を詐害行為として取り消すことができない。○か×か?

解答

【解答16】 × 特定物引渡請求権も、究極において損害賠償債権に変じ得るものであり、債務者の一般財産により担保されなければならない点は金銭債権と同様であるので、特定物債権者は債務者の詐害行為を取り消すことができる(最判昭36.7.19)。また、相当価格による売却でも、債務者の資産が消費されやすい金銭に変ずることになるので、原則として詐害行為となる(大判明39.2.5)。 【平7-8-エ】

 

<問題17> 取引の安全の観点から、転得者が詐害の事実について善意である場合には、詐害行為の取消しは認められないとする立法趣旨に照らすと、転得者が詐害の事実について善意であれば、その転得者から更に対象物件を転得した者については、その者が詐害の事実について悪意であっても、債権者は、詐害行為取消権を行使することができない。○か×か?

解答

【解答17】 × 詐害行為取消しの相手方は、受益者又は転得者(転得者から転得した者も含む)である。そして、転得者から転得した者が悪意であるときは、たとえ転得者が善意であっても、詐害行為取消権を行使することができる(最判昭49.12.12)。 【平11-7-ウ】

 

<問題18> 債務者Aに対し、Bは300万円、Cは200万円の金銭債権を有していたが、CがAから200万円の弁済を受けたことにより、Aは、無資力となった。Cに対するAの弁済がBの請求により詐害行為として取り消された場合、責任財産の回復を目的とする詐害行為取消制度の趣旨に照らし、Cは、Bに対し、自己の債権額に対応する按分額80万円についても支払いを拒むことはできない。○か×か?

解答

【解答18】 ○ 一部の債権者に対する弁済が詐害行為として取り消された場合において、債権者の一人である受益者が、自己の債務者に対する債権をもって、詐害行為として取り消された弁済額のうちその債権に対する按分額の支払いを拒むことは、いち早く自己の債権につき弁済を受けた受益者を保護し、総債権者の利益を無視する結果になり、詐害行為取消制度の趣旨に反することになるので許されない(最判昭46.11.19)。 【平11-7-エ】

 

<問題19> 離婚による財産分与においては、分与者が債務超過であるという一事によって相手方に対する財産分与を否定するのは相当でないから、財産分与は、その額が不相当で分与者の債権者を害するものであっても、詐害行為取消権の対象にはならない。○か×か?

解答

【解答19】 × 財産分与は原則として詐害行為取消権(民424条)の対象とならないが、その額が民法768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してなされた財産処分と認められるような特段の事情があるならば、詐害行為取消権の対象となる(最判昭58.12.19)。 【平16-21-エ】

 

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