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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法(抵当権)>

<問題1> 抵当権の目的物は、不動産に限られない。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 抵当権は不動産だけでなく、地上権及び永小作権もまたその目的とすることができる(民369条2項)。 【平元-4-5】

 

<問題2> 賃借地上の建物に設定された抵当権は、賃貸人の承諾のない限り、当該土地賃借権には及ばない。○か×か?

解答

【解答2】 × 賃借地上の建物に設定された抵当権は、特段の事情のない限り、当該土地の賃借権にも及ぶ(最判昭40.5.4)。賃借権のような抵当建物の従たる権利についても、従物の規定である民法87条2項の類推適用により、抵当権の効力が及ぶからである。 【平5-12-ア】

 

<問題3> 土地に設定された抵当権は、その設定前にその土地上にある石燈籠や取外しのできる庭石には及ばない。○か×か?

解答

【解答3】 × 土地上に存在した石燈籠や取外しのできる庭石は、土地の従物である。そして、土地に抵当権が設定された当時から存在する従物については、抵当権の効力が及ぶ(最判昭44.3.28)。 【平5-12-イ】

 

<問題4> 建物に設定された抵当権は、抵当権の実行における差押えの前後を問わず、建物の賃借人の支払う賃料にも及ぶ。○か×か?

解答

【解答4】 × 建物の賃借人の支払う賃料は、法定果実である(民88条2項)。そして、抵当権の効力は、その担保する債権につき不履行があったときに、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(民371条)。 【平5-12-エ】

 

<問題5> 抵当権の目的物である山林上の立木が、通常の用法を超えて、抵当権者に無断で伐採された場合でも、山林の抵当権者は、立木の搬出の禁止を請求することができない。○か×か?

解答

【解答5】 × 通常の用法を超えて伐採がなされた場合には、抵当不動産の交換価値を減少させる抵当権の侵害行為にあたり、抵当権の物権的請求権に基づいて、立木の搬出を禁止することができる(大判昭7.4.20)。 【平9-12-イ】

 

<問題6> 第三者が抵当権の目的物を損傷しても、残存価格が被担保債権の担保として十分であれば、抵当権者は、不法行為として損害賠償を請求することができない。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 抵当権者に抵当権の侵害による不法行為(民709条)に基づく損害賠償請求を認めるには、その前提として損害が発生していなければならない。抵当権の目的物が損傷されても、残存価格が被担保債権の担保として十分であれば、損害はないので、不法行為による損害賠償の請求をすることはできない(大判昭3.8.1)。 【平9-12-オ】

 

<問題7> 抵当権の侵害による不法行為に基づく損害賠償は、抵当権の実行により損害額が確定した場合でなければ、請求することができない。○か×か?

解答

【解答7】 × 抵当権侵害による損害賠償は、抵当権実行前でも弁済期が到来して損害の算定が可能ならば、請求できる(大判昭7.5.27)。 【平13-12-ウ】

 

<問題8> 1番抵当権者甲、2番抵当権者乙及び3番抵当権者丙の各抵当権が設定されている不動産について、甲が丙のために抵当権の順位を譲渡する場合、抵当権の処分の効力を被担保債権の債務者に主張するためには、債務者への通知又はその承諾が必要である。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 抵当権の順位の譲渡など抵当権の処分は、民法467条の規定に従って主たる債務者に抵当権の処分を通知し又はその債務者がこれを承諾しなければ、債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない(民377条1項)。 【平2-15-ア】

 

<問題9> 甲不動産には、順位1番から3番までの抵当権が設定され(第1順位の抵当権者をA、第2順位の抵当権者をB、第3順位の抵当権者をCとし、Cの抵当権の被担保債権額がAの抵当権の被担保債権額より大きいものとする。)、それぞれ登記がされている。Aは、AからCに順位の譲渡がされた場合には1番抵当権者として配当を受けることができないが、AからCに順位の放棄がされた場合には1番抵当権者として配当を受けることができる。○か×か?

解答

【解答9】 ○ AからCへ順位の譲渡がなされると、AとCの配当額の合計額からCがAに優先して配当を受けることになるが、Cの債権額がAの債権額より大きい場合、AはCの後順位となるので、Aは1番抵当権者として配当を受けることができない。それに対して、順位の放棄がなされると、配当額の合計額からAとCは各債権額の割合に応じて同順位で配当を受けることになるので、Aは1番抵当権者として配当を受けることができる。 【平9-17-4】

 

<問題10> 転抵当の法律構成につき、転抵当とは、抵当権と被担保債権とに共同して質権を設定するものであると解すると、転抵当権者は、原抵当権の被担保債権を直接取り立てることができるが、転抵当とは、被担保債権から切り離して抵当権が把握する交換価値そのものに更に抵当権を設定するものであると解すると、転抵当権者は、原抵当権の被担保債権を直接取り立てることができない。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 転抵当とは、抵当権と被担保債権とに共同して質権を設定するものであると解すると、転抵当は原抵当権の被担保債権を質に入れる権利質であるから、民法367条の規定から転抵当権者は、原抵当権の被担保債権の質権者として直接取り立てることができる。一方、転抵当とは、被担保債権から切り離して抵当権が把握する交換価値そのものに更に抵当権を設定するものであると解すると、原抵当権の被担保債権は切り離され、担保価値のみに抵当権を設定していることから、転抵当権者が被担保債権を直接取り立てることはできない。 【平13-10-3】

 

<問題11> 抵当権が設定された不動産の第三取得者は、代価弁済をすることができるが、他人の債務のために自己所有の不動産に抵当権を設定した物上保証人は、代価弁済をすることができない。○か×か?

解答

【解答11】 ○ 代価弁済は、抵当不動産につき所有権または地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したとき、抵当権がその第三者のために消滅する制度である(民378条)。物上保証人は抵当不動産の所有権を取得した者にあたらないので、代価弁済はできない。 【平13-11-イ】

 

<問題12> 抵当不動産の地上権を取得した者及び賃借権を取得した者は、抵当権消滅請求権を行使することができない。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 抵当不動産につき、所有権を取得した第三者のみが、抵当権消滅請求をすることができる(民379条)。 【平6-15-エ】

 

<問題13> 抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求権を行使した場合には、抵当権者は、抵当権消滅請求権者が同意をしたかどうかにかかわらず、競売の申立てをすることができる。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 第三取得者が抵当権消滅請求権を行使した場合でも、抵当権者が競売の申立てをするのに、抵当権消滅請求権者の同意は必要でない(民384条参照)。 【平6-15-ウ】

 

<問題14> 抵当権消滅請求をしようとする抵当不動産の第三取得者が抵当権者に対して金銭債権を有する場合において、他に抵当権者がいないときは、第三取得者は、その金銭債権をもって抵当権消滅請求の代価の支払債務と相殺することにより、抵当権消滅請求の代価の払渡し又は供託義務を免れることができる。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 抵当権消滅請求権者が抵当権消滅請求の相手方である抵当権者に対して金銭債権を有している場合、その抵当権者以外に抵当権者が存しないときは、当該金銭債権をもって抵当権消滅請求の提供金額の支払債務と相殺することができ、抵当権消滅請求の代価の払渡し又は供託義務を免れることができる(大判昭14.12.21参照)。 【平15-16-ウ】

 

<問題15> 更地を所有している甲が、更地に抵当権を設定した後、抵当権者の承諾を得て更地の上に建物を建築した場合において、競売により乙が土地を買い受けたときは、法定地上権が成立する。○か×か?

解答

【解答15】 × 更地と法定地上権の成立している土地とでは評価が異なるため、更地として評価した抵当権者や買受人を害する可能性があることから、抵当権設定当時に建物が存在することが要件とされている。したがって、更地としての評価に基づき抵当権を設定した後、建物を建築した場合には、たとえ抵当権者の承諾があっても、法定地上権の成立は認められない(最判昭36.2.10)。 【平元-11-イ】

 

<問題16> Bが、第三者所有の建物の敷地となっている自己所有の土地についてCのために抵当権を設定した後、建物の所有権を取得し、土地及び建物についてAのために抵当権を設定した場合に、抵当権者Aの申立てによる競売によって土地と建物の所有者が異なるに至ったときは、法定地上権が成立する。○か×か?

解答

【解答16】 × 土地を目的とする1番抵当権設定当時、土地と建物の所有者が異なり、法定地上権の成立要件が充足されていなかった場合には、土地と建物が同一人の所有となった後に土地に後順位の抵当権が設定されたとしても、その後に抵当権が実行され、土地が競売されたことにより1番抵当権が消滅するときには、地上建物のための法定地上権は成立しない(最判平2.1.22)。 【平6-13-オ】

 

<問題17> 土地所有者が土地を賃貸し、賃借人が建物を築造してこれに抵当権を設定した場合において、その後土地所有者が賃借人からこの建物を買い受けたときは、抵当権が実行されても、買受人は、地上権を取得しない。○か×か?

解答

【解答17】 ○ 借地人が借地上の建物に抵当権を設定した後、土地所有者がその建物の所有権を取得しても民法388条の法定地上権の規定の適用はない(最判昭44.2.14)。抵当権設定の当時、土地と建物の所有者を異にしているので建物の所有者は、あらかじめ建物のために地上権や賃借権などの約定利用権を設定できたのであり、抵当権設定の当時、土地と建物の所有者が異なる場合に法定地上権の成立を認める必要性はないからである。 【平4-19-オ】

 

<問題18> A及びBの共有である甲土地上にA及びBの共有である乙建物が存在する。甲土地のAの持分に抵当権が設定され、抵当権の実行により、Cが当該持分を取得した場合、法定地上権が成立する。○か×か?

解答

【解答18】 × 民事執行法81条の規定に基づく法定地上権の事例であるが、「土地建物がいずれも同一の2人の共有であって、土地の一方の共有持分が第三者に競落されても、本条による地上権は成立しない」とする判例(最判平6.4.7)がある。その趣旨からすると、本肢の場合も法定地上権は成立しない。 【平16-16-オ】

 

<問題19> 土地所有者が更地に抵当権を設定した後に、その土地の上に建物を築造した場合には、抵当権者は、建物の築造を承諾していたか否かにかかわらず、土地とともに建物を競売することができる。○か×か?

解答

【解答19】 ○ 抵当権者は、抵当権設定の後、抵当地に建物が築造されたときは、土地と共にその建物を競売することができる(民389条1項本文)。ただし、建物について競売代金の優先権はない(民389条1項ただし書)。 【平4-19-ア】

 

<問題20> 債務者の所有する土地と物上保証人の所有する土地とが共同抵当の目的とされている場合において、競売によって物上保証人の所有する土地のみが売却され、その売却代金から抵当権者が被担保債権の一部について配当を受けたときは、物上保証人は、配当額に応じて、債務者の所有する土地を目的とする抵当権に代位することができる。○か×か?

解答

【解答20】 ○ 共同抵当権の目的不動産のうち、物上保証人所有の土地のみが売却され、抵当権者が被担保債権の一部につき配当を受けた場合は、物上保証人は、債務者に対して求償権を有し、配当額に応じて債務者所有の不動産に対する抵当権に代位することができる(民502条、最判昭60.5.23)。 【平7-12-エ】

 

<問題21> AがCに対する2,500万円の債権を担保するために甲土地(時価3,000万円)と乙土地(時価2,000万円)について共同抵当権を有し、BがCに対する2,000万円の債権を担保するために甲土地について後順位の抵当権を有している。債務者Cが甲土地を、物上保証人であるDが乙土地を所有する場合において、Aが甲土地の抵当権を実行したときは、Bは、乙土地についてAの抵当権を代位行使することができない。○か×か?

解答

【解答21】 ○ 債務者Cが所有する甲土地と、物上保証人Dが所有する乙土地を目的とする共同抵当権で、Aが甲土地の抵当権のみを実行した場合は、Aが甲土地から債権全額の弁済を受けた場合であっても、Bは乙土地についてAの抵当権に代位することはできない(最判昭44.7.3)。 【平13-13-エ】

 

<問題22> AがCに対する2,500万円の債権を担保するために甲土地(時価3,000万円)と乙土地(時価2,000万円)について共同抵当権を有し、BがCに対する2,000万円の債権を担保するために甲土地について後順位の抵当権を有している。物上保証人であるDが甲土地及び乙土地を所有する場合において、Aが甲土地の抵当権を実行したときは、Bは、乙土地についてAの抵当権を代位行使することができない。○か×か?

解答

【解答22】 × 共同抵当権の目的たる甲・乙不動産が同一の物上保証人の所有に属し、甲不動産に後順位抵当権が設定されている場合に、甲不動産の代価のみが配当されるときは、後順位抵当権者は、民法392条2項後段により、先順位抵当権者に代位して、乙不動産に対する抵当権を行使することができる(最判平4.11.6)。 【平13-13-オ】

 

<問題23> 甲が乙に対して有する同一の債権を担保するため、乙所有の土地ABについて抵当権の設定を受け、その登記をしたが、土地Aについては、丙が次順位の抵当権を有している。甲が土地Aについてのみ抵当権を実行して債権全額の弁済を受けた場合、丙のみならず、その次の順位の抵当権者がいれば、その者も、もし、甲が土地ABの価額の割合に応じて弁済を受けたならば、土地Aの売却代価から弁済を受けることができたときは、土地Bについて甲に代位して抵当権を行うことができる。○か×か?

解答

【解答23】 ○ 民法392条2項の「次順位の抵当権者」とは、後順位抵当権者であればよい(大判大11.2.13)。 【昭60-21-4】

 

<問題24> AのBに対する債権(債権額1,800万円)を担保するために、B所有の甲不動産(時価1,000万円)及び乙不動産(時価2,000万円)に抵当権が設定された後、CのBに対する債権(債権額600万円)を担保するため甲不動産に、またDのBに対する債権(債権額1,000万円)を担保するため乙不動産に、それぞれ次順位の抵当権が設定された。Dが乙不動産についての抵当権を実行し、Aがその債権の全部の弁済を受けた場合において、甲不動産に対するAの抵当権について、Dは600万円まで代位行使することができる。○か×か?

解答

【解答24】 ○ 乙不動産の競落代金2,000万円のうち、Aが1,800万円全額弁済を受け、200万円をDが受ける。甲不動産1,000万円のうち、CがAの割付額600万円の残額400万円受け、600万円はDがAに代位する。 【昭62-4】

 

<問題25> 債務者は、被担保債権の消滅時効とは別に、抵当権自体の時効による消滅を主張することができる。○か×か?

解答

【解答25】 × 抵当権は債務者及び抵当権設定者に対しては、その被担保債権と同時でなければ時効によって消滅しない(民396条)。 【平4-9-4】

 

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