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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法(所有権)>

<問題1> 土地の所有者が一筆の土地全部を同時に分筆の上、数人に譲渡し、そのため他の土地に囲まれて公道に通じない土地を生じた場合であっても、その後公道に通じない土地を囲んでいる分筆に係る他の土地が第三者に譲渡されたときは、公道に通じない土地の取得者は、分筆前一筆であった土地以外の土地についても、公道に至るための他の土地の通行権を主張し得る。○か×か?

解答

【解答1】 × 土地の所有者が一筆の土地全部を同時に分筆の上、数人に譲渡し、そのため他の土地に囲まれて公道に通じない土地を生じた場合であっても、その後公道に通じない土地を囲んでいる分筆に係る他の土地が第三者に譲渡されたときは、公道に通じない土地の取得者は、分筆前一筆であった土地についてのみ民法213条による公道に至るための他の土地の通行権を主張し得る(最判平2.11.20)。 【平5-16-ウ】

 

<問題2> 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、その土地について所有権の登記を経由していなくても、公道に至るための他の土地の通行権を主張することができる。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 公道に至るための他の土地の通行権は、公益上の見地から他の土地に囲まれて公道に通じない土地の有効利用を図ることを目的として法律上当然に発生する権利であり、公示制度とは無関係である。したがって、他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、その土地を囲んでいる他の土地の所有者に対し、公道に至るための他の土地の通行権を土地の所有権取得の登記なくして主張することができる(最判昭47.4.14)。 【平元-8-3】

 

<問題3> 土地の所有者から建物の建築工事を請け負った請負人が自ら材料を提供して工事をし、建前を築いた場合であっても、建前の所有権は、土地の所有者である注文者に帰属する。○か×か?

解答

【解答3】 × 請負人が自ら材料を提供している場合には、建前の所有権は請負人に帰属し(大判明37.6.22、大判大3.12.26)、建前を請負人から注文者に引き渡すことによって、所有権が注文者に帰属する。 【平6-17-イ】

 

<問題4> Aが所有する土地上に建物を建築することを請け負ったBは、自らすべての材料を提供して建物を完成させたが、Aが請負代金を支払わないので、自己名義の所有権保存登記を経由した後、この建物をCに譲渡し、所有権移転登記を経由した場合、AはCに対し、土地の返還請求をすることができる。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 請負人が材料の全てを提供して建物を完成した場合には、その建物の所有権は請負人が取得することになる(大判明37.6.22、大判大3.12.26)。よって、この請負人からその建物の売却を受け、所有権移転登記を経由した者は、その建物の所有権を取得することができる。しかし、建物の所有権は取得できたとしても、建物の敷地である土地の使用権まで取得できるのではないから、CはAからの返還請求に応じなければならない。 【平11-16-エ】

 

<問題5> A所有の建物甲及びB所有の建物乙が工事によって一棟の建物丙となった場合において、甲乙間に主従の区別をすることができないときは、甲について設定されていた抵当権は、丙のうちの甲の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして、存続する。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 互いに主従の関係にない甲、乙の二棟の建物が、その間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合においても、これをもって、甲建物あるいは乙建物を目的として設定されていた抵当権が消滅することはなく、右抵当権は、丙建物のうちの甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する(最判平6.1.25)。 【平15-10-ウ】

 

<問題6> 建物を不法に占有している者が増築をした場合において、当該増築部分が建物の構成部分となっているときは、建物の所有者は、不法占有者に対し、所有権に基づき増築部分を原状に戻すよう請求することができる。○か×か?

解答

【解答6】 × 増築部分が建物と別個独立の存在を有せず、その構成部分となっている場合には、増築部分は建物に付合している(民242条本文)。すなわち増築部分は建物所有者の所有となっている。 【平14-8-ア】

 

<問題7> 有名デザイナー甲がうっかり乙の所有する廉価な生地を使用して新作発表会のためのドレスを製作したときは、乙は、生地の所有権を失う。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 他人の動産に工作を加えた者がいるときは、その加工物の所有権は材料の所有者に属する(民246条1項本文)が、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその物の所有権を取得する(民246条1項ただし書)。 【平2-19-エ】

 

<問題8> ABの共有物につき共有物不分割の特約がある場合、Aは、Bの承諾がなければ、自己の持分を他に譲渡することができない。○か×か?

解答

【解答8】 × 持分権の実質は所有権であるから、自由に譲渡することができる。共有物不分割の特約がなされていても、そのことは共有物分割の請求を一定期間禁止するものにすぎず、持分の譲渡を禁止するものではないので、各共有者は持分を他に譲渡することができる。 【平7-9-2】

 

<問題9> A及びBは、甲建物を共有しているが、その持分は、Aが3分の2、Bが3分の1である。A・B間で甲建物の分割協議が調わない場合には、Aは裁判所に分割を請求することができるが、Bは請求することができない。○か×か?

解答

【解答9】 × 各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができる(民256条1項)。そして、共有物の分割に関する共有者間の協議が調わないときは、これを裁判所に請求することができる(民258条1項)。この請求は、持分の多少にかかわらず各共有者が単独でできる。 【平4-11-エ】

 

<問題10> 共有地である畑を宅地に造成する行為は、他の共有者の同意を得なければできない。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 共有物の変更とは、各共有者の使用権能を制限する結果を招く行為をいう。そして、畑を宅地に造成するような物理的な変更は、共有物の変更にあたるから、他の共有者全員の同意を得なければならない(民251条)。 【平12-10-エ】

 

<問題11> 共有不動産について、真実の所有者でない者が登記記録上の所有権の登記名義人となっている場合に、その登記の抹消を請求するには、共有者全員ですることを要せず、各共有者が単独ですることができる。○か×か?

解答

【解答11】 ○ 共有不動産について、真実の所有者でない者が登記記録上の所有権の登記名義人となっている場合に、その登記の抹消を請求することは、妨害排除の請求にほかならず、いわゆる保存行為に属する(最判昭31.5.10)。したがって、各共有者が単独ですることができる(民252条ただし書)。 【平5-10-オ】

 

<問題12> AとBの共有物をCが過失によって壊してしまった場合、Aは、Cに対して、自己の持分についての損害賠償を請求することはできるが、当該共有物の全損害の賠償を請求することはできない。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 損害賠償の請求は、各共有者が持分に応じてのみ、請求することができ、共有者の1人が全損害の賠償請求をすることはできない(最判昭41.3.3、最判昭51.9.7)。 【平10-9-ウ】

 

<問題13> 共有物につき2分の1を超える持分を有する共有者は、共有物を単独で占有する他の共有者に対しその引渡しを請求することができる。○か×か?

解答

【解答13】 × 少数持分権者も土地を使用する権利を有するので、たとえ過半数を超えて持分を有する共有者であっても、共有物を単独で占有する他の共有者に対して、当然にその引渡しを請求することができるものではない(最判昭41.5.19)。 【平元-7-5】

 

<問題14> 共有者間の協議に基づかないで一部の共有者から共有地の占有使用を承認された第三者に対し、他の共有者は、明渡しを請求することができる。○か×か?

解答

【解答14】 × 一部の共有者から承諾を得て共有地を占有している第三者に対して、他の共有者は、当然には明渡しを請求することはできない(最判昭63.5.20)。この場合、第三者は使用を承認した共有者の持分に基づいて使用権限を与えられているからである。 【平15-11-ウ】

 

<問題15> ABCが3分の1ずつの持分割合で共有する建物について、AがCに管理費用の立替債権を有している場合には、Aは、Cから持分の譲渡を受けたDに対して、その支払いを請求することができる。○か×か?

解答

【解答15】 ○ 共有者の1人が共有物につき他の共有者に対して有する債権は、特定承継人に対しても行使することができる(民254条)。なお、この共有物についての債権は、本肢のような管理費用の立替金等の債権のみならず、共有物分割契約による債権も含まれる(最判昭34.11.26)。 【平8-10-5】

 

<問題16> ABの共有物を占有している第三者Cに対し、Aが単独で取得時効についての中断の措置を採ったときは、この時効は、Bの共有持分についても中断される。○か×か?

解答

【解答16】 × 時効中断の措置とは、共有者の1人が、共有地を不法占拠する第三者に対して土地の明渡請求の訴えを提起する場合である。土地の明渡請求は、民法147条1号の「請求」にあたる。そして、共有者の1人が実際に時効中断の措置を採ったときは、当該共有者の持分についてのみ中断し、他の共有者の持分については中断されない(民148条、大判大8.5.31、時効中断の相対効)。 【平7-9-3】

 

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