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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法(占有)>

<問題1> 意思無能力者は、法定代理人によって物の占有を取得することができるが、物を自ら所持することによっては、その占有を取得することはできない。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 占有の取得には、その物の所持のほかに、「自己のためにする意思」が必要である(民180条)ところ、意思無能力者はこの占有意思を持つことができないため、その物を自ら所持しても占有を取得することはできない。ただし、法定代理人の所持を介して占有を取得することはできる(民181条参照)。 【平元-6-1】

 

<問題2> 所有の意思をもって平穏かつ公然に他人の物を占有した者が、占有の始めに自分に所有権があると過失なく信じていた場合には、たとえ、その後に自分に所有権がないことを知ったとしても、10年間占有を継続すれば、その物を時効取得する。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 短期取得時効(民162条2項)における善意無過失は、占有開始時点においてのみ必要とされる(大判明44.4.7)。 【平9-11-イ】

 

<問題3> 土地の占有者は、その土地の所有者である旨を主張する者からその所有権に基づき明渡しを請求された場合において、その者から土地の所有権を譲り受けた旨の主張をするときは、民法第188条による推定は働かず、所有権の譲受けに係る事実を主張立証しなければならない。○か×か?

解答

【解答3】 ○ 民法188条の推定は、権利の存在ないし帰属について適用されるのであって、権利変動(所有権の取得など)については、占有していることのみで推定することはできない(最判昭38.10.15)。 【平14-12-イ】

 

<問題4> 自分に所有権があると信じて他人の物を占有していた者は、自らの責めに帰すべき事由によってその物を損傷した場合には、現に利益を受ける限度で、回復者に損害を賠償すれば足りる。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失または損傷した場合には、所有の意思を有する善意の占有者は、現に利益を受ける限度において損害賠償をすれば足りる(民191条本文)。 【平9-11-エ】

 

<問題5> Aの自宅の隣接地にあった大木が落雷を受け、Aの自宅の庭に倒れ込んだため、Aは、庭に駐車していた車を有料駐車場に停めざるを得なかった。この場合、Aは、当該隣接地の所有者であるBに対し、占有保持の訴えにより大木の撤去を請求することができるが、損害賠償を請求することはできない。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 占有保持の訴えの内容は、妨害の停止及び損害賠償請求である(民198条)。妨害停止の請求は、妨害者の故意・過失を必要としないが、損害賠償請求は、不法行為に基づくものであるから、請求するには相手方の故意過失が必要である(民709条、大判昭9.10.19)。 【平15-9-オ】

 

<問題6> 占有代理人である賃借人が他人に任意に物の占有を移転した場合には、たとえその移転が他人の欺罔に基づいてなされたときであっても、賃貸人は、占有回収の訴えにより物の返還を請求することができない。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 占有回収の訴え(民200条1項)における「占有者がその占有を奪われたとき」とは、占有者がその意思によらずして物の所持を失った場合を指し、占有者が他人に任意に物を移転したときは、移転の意思が他人の欺罔によって生じた場合であってもこれに当たらない(大判大11.11.27)。 【平5-17-4】

 

<問題7> 甲が乙所有のゴッホの絵を他に高値で売却する目的で盗み出し、傷んだ箇所を修復するために、事情を知らない丙に修復を依頼した。修復作業終了後、乙が丙に対して、占有回収の訴えにより、絵の返還請求をしてきても、丙は、これを拒絶することができる。○か×か?

解答

【解答7】 ○ 占有者がその占有を奪われたときは占有回収の訴えによりその物の返還を請求することができる(民200条1項)が、侵奪者の善意の特定承継人に対しては当該訴えを提起することはできない(同条2項)。 【平元-3-1】

 

<問題8> Aは、Bに預けていた壺の返還を求めていたが、Bが言を左右にして返還に応じなかったので、Bの自宅に無断で入り、壺を取り戻したところ、Bから占有回収の訴えを提起された。Aは、この訴訟において、抗弁として、壺の所有権が自分にあると主張することはできない。○か×か?

解答

【解答8】 ○ 民法202条2項は、占有の訴えにおいて本権に関する理由に基づいて裁判することを禁ずるものであり、したがって、占有の訴えに対し防御方法として本権の主張をすることは許されない(最判昭40.3.4)。 【平15-9-エ】

 

<問題9> AがBに対して甲動産を貸し渡している場合に、AがBに対して甲動産の一時返還を求めたところ、Bは、甲動産は自己の所有物であるとして、これを拒否した。その後、DがBから甲動産を窃取した。この場合には、Aは、Dに対し、占有回収の訴えを提起することができない。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 代理(間接)占有は、占有代理人が本人に対して、「以後、自己又は第三者のために物を占有する」と意思表示することによって消滅する(民204条1項2号)。 【平16-13-イ】

 

<問題10> 占有者が占有物の上に行使する権利は、これを適法に有するものと推定されるので、即時取得を主張する者は、無過失を立証する責任を負わない。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 即時取得(民192条)が成立するための要件の1つとして、平穏・公然・善意・無過失に占有を取得したことが必要である。善意・平穏・公然については条文上推定される(民186条1項)。また、判例は、民法188条により譲受人が前主の占有を信頼することについては無過失と推定される、とする(最判昭41.6.9)。 【平5-9-オ】

 

<問題11> 他人の山林を自分の山林であると誤信して立木を伐採した場合、即時取得は成立しない。○か×か?

解答

【解答11】 ○ 即時取得が認められるには、取引行為によって占有を承継することが必要であり、立木の伐採等の事実行為には適用されない。 【平13-7-ア】

 

<問題12> 本人の代理人から動産を買い受けたところ、本人がその動産の所有者でなかった場合、善意無過失であるときは、即時取得が成立する。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 代理行為の効果は本人に帰属する(民99条)ので、取引の相手方となる本人が無権利者であり即時取得の規定が適用される。なお、本肢を物権取得の取引行為が代理権欠缺の理由によって無効となり、効力が生じない場合に即時取得の適用は認められないということと混乱してはならない。 【平13-7-オ】

 

<問題13> AがBに対して甲動産を貸し渡している場合に、Aは、Gに甲動産を譲渡し、Bに対し、以後Gのために甲動産を占有すべき旨を命じた。甲動産は、Aが他人から預かっていたものであった。この場合には、Gは、甲動産がAの所有物であると誤信し、そのことにつき無過失であれば、甲動産の所有権を取得する。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 判例は、指図による占有移転により即時取得の要件としての占有を取得することを認めている(最判昭57.9.7)。したがって、GはAが無権利者であることについて善意かつ無過失であれば、民法192条により甲動産の所有権を有効に取得する。 【平16-13-オ】

 

<問題14> Aは、Bに対し、A所有の指輪を売り渡し、占有改定による引渡しをした後、この指輪をCに売り渡し、Cに対しても占有改定による引渡しをしたところ、Dがこの指輪をA方から盗み出した。この場合、Bは、指輪の所有権をCに対抗することができる。○か×か?

解答

【解答14】 ○ Bは動産物権変動の対抗要件を備えており、他方Cに即時取得は認められない。すなわち、即時取得を認めるに足りる公示方法として、占有改定では不十分である(最判昭35.2.11)から、占有改定による引渡しを受けたCはその段階では所有権を取得しない。したがって、Bは、指輪の所有権をCに対抗することができる(民178条、183条)。 【昭62-13-1】

 

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