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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法(物権総論)>

<問題1> 共有の法的性質について、各共有者はそれぞれ一個の所有権を有するものであると解しても、一物一権主義に反しない。この場合において、一物一権主義は、一つの物に同一内容の物権は一つしか成立しないという意味で用いられている。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 所有権という権利が複数存在するが、各共有者は持分によって制約された所有権を有しており、一つの物に同一内容の物権は一つしか成立しないという意味での一物一権主義に反しない。 【平9-9-エ】

 

<問題2> 物権的請求権は一般的に行為請求権であり、費用は請求された者の負担であるが、所有物返還請求について、相手方が積極的に関与して目的物を占有したのではない場合には、例外的に所有者による取戻しを忍容すべきことを請求する権利であり、費用は請求者の負担になるとの説がある。この説によると、甲の土地の樹木が台風のため隣接の乙の土地に倒れた場合において、甲が樹木の返還請求をしたときは、費用は、乙の負担である。○か×か?

解答

【解答2】 × この説によると、原則として費用は請求された者の負担となり、例外的に所有物返還請求について、相手方が積極的に関与して目的物を占有したのではない場合には、費用は請求者の負担となる。本事例で甲の土地の樹木が台風のため隣接の乙の土地に倒れた場合はこの例外にあたるため、費用は、甲の負担である。 【平3-7-2】

 

<問題3> 売買の目的物が動産である場合には、その所有権が買主に移転するのは、その引渡した時である。○か×か?

解答

【解答3】 × 売買の目的物が特定物であれば、特にその所有権の移転が将来なされるべき約旨にでたものでない限り、契約と同時に所有権が買主に移転する(最判昭33.6.20)。また、売買の目的物が不特定物であれば、原則として目的物が特定した時に所有権は当然に買主に移転する(最判昭35.6.24)。 【平4-10-エ】

 

<問題4> Yがその所有する土地をAに売り渡したが、その旨の登記を経ないでいたところ、Aがその土地をXに転売した場合、XはYに対して土地の所有権を主張することができる。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 不動産がY・A・Xと順次移転した場合に、YはA・X間の移転について、その登記欠缺を主張することができない。YはA・X間の権利移転を否認してみても、何ら有効となる権利を有するものではないからである(大判明43.7.6)。したがって、Yは民法177条の第三者にあたらず、XはYに対して登記なくして対抗することができる。 【平7-16-エ】

 

<問題5> 自己所有の土地上に未登記建物を所有するAが当該土地に抵当権を設定し、Bが競売によって当該土地を買い受けた場合、Aは、当該建物について登記をしていない以上、当該建物の所有権をBに対抗することができず、したがって、当該建物に係る法定地上権は、成立しない。○か×か?

解答

【解答5】 × 抵当権設定当時、土地・建物が同一所有者に属していれば、建物に登記がなくとも、法定地上権は成立する(大判昭14.12.19)。 【平14-6-ア】

 

<問題6> AとBとが甲不動産を共有していたところ、Aは、その共有持分をCに譲渡したが、その旨の持分移転登記をしていない。この場合において、Cは、Bに対し、甲不動産の共有持分の取得を対抗することができる。○か×か?

解答

【解答6】 × 不動産の共有者の1人が自己の持分を第三者に譲渡した場合、譲受人にとって譲渡人以外の共有者は民法177条の第三者にあたる(最判昭46.6.18)。 【平16-11-ア】

 

<問題7> Aは、Bに対する貸金債権を担保するために、B所有の土地に抵当権を設定し、その旨の登記をした。その後、当該貸金債務は全額弁済されたが、抵当権設定登記が抹消されないうちに、Aは、たまたまBに対して債権を有していたCとの間で当該抵当権のみを譲渡する契約を締結し、その旨の登記をした。この場合、抵当権設定登記が抹消されていない以上、Bは、Cに対し、抵当権の消滅を対抗することができない。○か×か?

解答

【解答7】 × 弁済その他の原因により債権が消滅し、その債権を担保する抵当権が消滅した場合には、債権消滅に対抗要件を要せず、かつ抵当権の付従性により抵当権消滅について登記を要しない(大決昭8.8.18)。 【平14-6-エ】

 

<問題8> Aは、その所有する甲不動産をBに譲渡した後、背信的悪意者Cに二重に譲渡して所有権移転登記をした。その後、Cは、甲不動産を背信的悪意者でないDに譲渡し、所有権移転登記をした。この場合において、Bは、Dに対し、甲不動産の所有権の取得を対抗することができる。○か×か?

解答

【解答8】 × 二重譲渡において、第2譲受人である背信的悪意者は有効に権利を取得しているものの、信義則(民1条2項)上、第1譲受人に対して登記の欠缺を主張しえないにすぎないのであって、その転得者は有効に権利取得でき、自己が背信的悪意者ではない限り民法177条の第三者に含まれる(最判平8.10.29)。 【平16-11-イ】

 

<問題9> 未成年者Aは、その所有土地をBに賃貸し、Bは、その土地上に登記した建物を所有していたところ、Aは、法定代理人の同意を得ないで、その土地をCに売却して所有権の移転登記をした。Cは、さらにその土地をDに売却した。Cが土地をDに転売する前に、Aが、AC間の土地の売買契約を未成年者であることを理由に取り消した場合であっても、AC間の所有権移転登記が抹消されていないときは、Aは、Dに土地の所有権を対抗することができない。○か×か?

解答

【解答9】 ○ 未成年(制限行為能力)を理由に取り消した場合(民5条2項)、取消後の第三者との関係では、民法177条が適用され、取消権者(未成年者)は、登記がなければ第三者に対抗することができない。 【平8-9-エ】

 

<問題10> Aがその所有する甲土地をBに売却し、さらに、Bが当該土地をCとDに二重に売却した後、AがBの詐欺を理由に売買の意思表示を取り消した場合であっても、Cは、所有権移転登記を経由しており、かつ、Bの詐欺の事実について善意・無過失であれば、A及びDに対し、自己の所有権を対抗することができる。○か×か?

解答

【解答10】 ○ AC間の法律関係につき、Cは、登記を経由しており、かつ、Bの詐欺について善意・無過失である以上、Aに対し、自己の所有権を対抗することができる。これは、Cの保護要件として、登記が必要か不要かいずれの説に立っても、さらには善意の他無過失まで必要か不要かいずれの説に立っても、本肢では、結論は同じである。次に、CD間の法律関係につき、CとDは、二重譲渡の関係にあり、CとDとは対抗関係に立つ(民177条)。したがって、Cは、登記を経由しているので、Dに対し、自己の所有権を対抗することができる。 【平10-14-イ】

 

<問題11> Aがその所有する土地をBに売り渡した後に、その売買契約が解除されたにもかかわらず、その後Bがこの土地をCに転売した場合においては、解除がBの債務不履行を理由としてAが一方的にしたものであっても、AとBとの合意によるものであっても、Cへの所有権移転の登記がされていれば、Aは、土地の所有権をCに主張することができない。○か×か?

解答

【解答11】 ○ 不動産の売買契約に基づいて買主のために所有権移転登記がなされた後に、売買契約が解除され、不動産の所有権が売主に復帰した場合、売主は移転登記を抹消しなければ、契約解除後において買主から不動産を取得した第三者に対して、所有権の復帰をもって対抗することができない(最判昭35.11.29)。また、法定解除の場合と合意解除の場合とで結論を異にしない。 【平4-15-ウ】

 

<問題12> XがYから甲土地を買い受けたが、その所有権移転の登記を受けていない場合に、XがYから買い受けるに先立ってZが20年間占有していたことにより甲土地を時効取得していたときは、Zは「Xの登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する第三者」に当たる。○か×か?

解答

【解答12】 ○ Xは、Zが甲土地を時効取得(民162条1項)した後に現れた者であるので、YからXとZに甲土地を二重譲渡したのと同様な関係となり、これらの者は民法177条の対抗関係となる(最判昭33.8.28)。 【平2-2-ウ】

 

<問題13> 甲が乙所有の不動産の占有を継続し、取得時効が完成したが、他方、丙が甲の時効完成後にその不動産を乙から譲り受け、その旨の登記をした。この場合、甲がその登記の時から引き続き時効取得に必要とされる期間その不動産の占有を継続したときは、甲は、丙に対し、時効による所有権の取得を主張することができる。○か×か?

解答

【解答13】 ○ 時効取得者は、取得時効完成後に権利を取得した者に対しては、登記がなければその権利の取得を対抗することができない(最判昭33.8.28)が、更に取得時効の完成に必要な期間占有をした場合、登記がなくても、時効による所有権の取得を対抗することができる(最判昭36.7.20)。 【昭59-9-5】

 

<問題14> XがYから甲土地を買い受けたが、その所有権移転の登記を受けていない場合に、ZがYの被相続人から甲土地を遺贈されたが、その所有権移転の登記を受けていないときは、Zは「Xの登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する第三者」に当たる。○か×か?

解答

【解答14】 ○ 相続人は相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(民896条本文)ので、相続人は遺贈者としての地位を承継する。よって、被相続人から特定遺贈を受けた者と相続人からの買主とは二重譲渡の関係にあるので、対抗問題となる(最判昭39.3.6)。 【平2-2-オ】

 

<問題15> 甲不動産を所有していたAが死亡し、B及びCがその共同相続人である場合において、Bが相続を放棄したが、その後Bの債権者Dが、Bに代位して甲不動産につきB・C共同相続の登記をした上、Bの持分につき差押えの登記をした場合には、Cは、Dに対して自己が単独の所有者であることを主張することができない。○か×か?

解答

【解答15】 × 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる(民939条)。相続放棄の効力は絶対的であり、何人に対しても、登記等なくしてその効力が生じる(最判昭42.1.20)。 【平4-14-イ】

 

<問題16> 共同相続を原因とする法定相続分による相続登記がされた後、共同相続人の1人が遺産分割により、特定の不動産について単独の所有権を取得した場合であっても、遺産分割により権利を失った者が第三者にその持分を譲渡してその登記をしたときは、遺産分割による権利の取得を対抗することができない。○か×か?

解答

【解答16】 ○ 遺産分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、その旨の登記を経なければ、分割後に権利を取得した第三者に対抗することができない(最判昭46.1.26)。 【平6-18-オ】

 

<問題17> Aの相続人は、B及びCであったにもかかわらず、BがCも相続人であることを知りながら、自己単独名義の相続登記をした場合であっても、相続回復請求権の消滅時効(民法第884条)が完成したときは、Cからの相続登記抹消請求に対し、Bは相続回復請求権の消滅時効により対抗することができる。○か×か?

解答

【解答17】 × 共同相続人のうちの一人又は数人が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分について、当該部分の真正共同相続人の相続権を否定し、その部分もまた自己の持分であると主張してこれを占有管理し、真正共同相続人の相続権を侵害している場合、その者が自ら相続人でないことを知っているか又は相続権があると信ぜられるべき合理的な事由がない場合には、その者は相続回復請求制度の対象とされる者ではなく、消滅時効を援用することはできない(最判昭53.12.20)。 【平6-18-エ】

 

<問題18> AがBに土地の所有権を売り渡し、Bは未登記のまま自ら植栽し、AがCに土地とともに立木を売り渡し所有権移転登記を経た場合には、BはCに立木の所有権を対抗できない。○か×か?

解答

【解答18】 ○ Bは、Cに土地所有権を対抗できなくなった結果、他人の土地に権原(当時は土地所有権に基づいていた)により立木を植裁したことになるから、民法242条ただし書の類推適用により、立木の所有権を取得する。しかし、このことをCに対抗するには、明認方法などの対抗要件を必要とする(最判昭35.3.1)。 【平4-17-ウ】

 

<問題19> Aがその所有する甲土地上の立木の所有権を自己に留保して甲土地をBに譲渡したが、Bが甲土地を立木も含めてCに譲渡し、Cが甲土地について所有権移転の登記を経由した場合、Aは、立木に明認方法を施していなくても、立木の所有権をCに対抗することができる。○か×か?

解答

【解答19】 × Aは、立木所有権を留保した場合、立木につき明認方法を施さなければ、立木所有権をCに対抗することができない(最判昭34.8.7)。 【平12-13-ウ】

 

<問題20> 乙が甲の所有地上の立木を甲から譲り受け、直ちに明認方法を施したが、しばらくしてそれが消失してしまった場合において、丙がその後にその立木を含めてその土地を甲から譲り受けたとき、乙は丙に対し、立木の所有権を主張することができる。○か×か?

解答

【解答20】 × 乙が明認方法を施したとしても、その後消失したときは、明認方法の対抗力は失われる。すなわち、明認方法を第三者に対抗するには、第三者が現れたときにそれが存続していなければならない(最判昭36.5.4)。 【昭61-14-3】

 

<問題21> Bからその所有する土地を買い受けたAがその土地をCに転売した場合には、Aは、Bに対し、BからAへの所有権移転登記を請求することができない。○か×か?

解答

【解答21】 × 買主が第三者に転売した場合でも、買主は所有権移転登記請求権を失わない(大判大5.4.1)。AはCに転売しているが、BからAへ物権変動が生じているので、物権変動の事実そのものに基づいてBからAへの所有権移転登記請求権(物権変動的登記請求権)が発生している場合である。 【平6-16-1】

 

<問題22> A所有の土地がAからBへ、BからCへと順次売却された場合、所有権の登記名義が依然としてAにあるときには、Cは、Bの同意がなくても、Bに代位してAに対し、AからBへの所有権移転登記手続を請求することができる。○か×か?

解答

【解答22】 ○ CはBに対する所有権移転登記請求権を保全するために、Bの同意がなくても、BのAに対して有する所有権移転登記請求権を代位行使することができる(大判明43.7.6)。 【平7-15-イ】

 

<問題23> 甲は、その所有する不動産を乙に売り渡し、乙は、さらにこれを丙に転売したが、その不動産の所有権の登記名義は依然として甲にある。甲と丙は、丙の乙に対する代金債務が完済された後、乙の同意を得ないで、直接甲から丙に所有権移転登記をした。この場合、乙は丙に対し、その登記の抹消を請求することはできない。○か×か?

解答

【解答23】 ○ 中間省略登記請求権は、中間者を含めた当事者全員の同意がある場合にのみ認められる(最判昭40.9.21)が、中間者に抹消登記を求める正当な利益がない場合、その登記の抹消を請求することはできない(最判昭35.4.21)。したがって、乙は、丙から代金債務の完済を受けており、抹消登記を請求する正当な利益を有しない。 【昭63-11-3】

 

<問題24> 通行地役権者が、通行地役権の登記とそれに後れる抵当権の登記がされている土地を譲り受けた場合であっても、通行地役権は混同により消滅しない。○か×か?

解答

【解答24】 ○ 通行地役権者が承役地の所有権を取得すると、原則的には混同により通行地役権は消滅する(民179条1項本文)。ただし、本事例では、地役権に後れる抵当権が存在するので、混同の例外により、地役権者が承役地の所有権を取得したとしても、地役権は消滅しない(民179条1項ただし書)。 【平3-22-ア】

 

<問題25> Aが自己所有地についてBのために1番抵当権を設定した後、Cのために2番抵当権を設定した場合、CがAからその土地の所有権を譲り受けても、2番抵当権は消滅しない。○か×か?

解答

【解答25】 × 本肢の事例に民法179条1項を形式的に適用すると、混同の例外として2番抵当権は消滅しない。すなわち、その物(土地)が第三者(B)の権利(1番抵当権)の目的となっているときは混同により消滅しないことになる。しかし、そもそも混同の例外は、地位の併存を認める意味のあるものだけを併存させようという趣旨である。したがって、2番抵当権を併存させても意味がないので混同により消滅する。 【平13-8-3】

 

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