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司法書士試験<過去問題肢別チェック ■民法(代理)>

≪問題1≫ Aは、Bを利用して、Cと売買契約を締結し、甲動産を取得しようとしている。BがAの使者である場合、甲動産の購入に際し、Bには意思能力がある必要はないが、Aには行為能力がある必要がある。○か×か?

解答

【解答1】 ○ 使者においては、本人には意思能力・行為能力ともに必要とされ、使者には意思能力・行為能力の双方が不要とされる。使者は、本人の決定した意思を表示し、又は本人の意思表示を伝達するにすぎないからである。 【平16-5-ウ】

 

≪問題2≫ Aの代理人Bが自己の利益を図るため権限内の行為をした場合において、相手方CがBの意図を知ることができた場合には、Aは、Cに対しBの行為について無効の主張をすることができる。○か×か?

解答

【解答2】 ○ 代理人が自己又は第三者の利益を図るため権限内の行為をなしたときは、相手方が代理人の意図を知り、又は知ることができた場合に限り、民法93条ただし書の類推適用により、本人はその行為についての責に任じない(最判昭42.4.20)。 【平9-2-エ】

 

≪問題3≫ Aは、Bの代理人として、Cとの間で金銭消費貸借契約及びB所有の甲土地に抵当権を設定する旨の契約を締結した。本契約がAのCに対する詐欺に基づくものである場合、Bがこれを過失なく知らなくても、Cは、本契約を取り消すことができる。○か×か?

解答

【解答3】 ○ 相手方が代理人に対し詐欺を行った場合だけでなく、代理人が相手方に対し詐欺を行った場合も、民法101条1項が適用される(大判明39.3.31)。したがって、第三者の詐欺ではないから、本人Bの不知に関わらず、相手方Cは本契約を取り消すことができる(民96条1項)。 【平12-3-4】

 

<問題4> Aが未成年者であり、Bがその法定代理人である場合、Aが法定代理人をBとする未成年者Fとの間で遺産分割協議をすることは、Bの代理行為として許されない。○か×か?

解答

【解答4】 ○ 親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、親権者の意図やその行為の実質的効果にかかわらず、民法826条2項の利益相反行為にあたる(最判昭48.4.24)。 【平7-22-エ】

 

<問題5> AがEに対しガン予防の薬品の購入を委任し、EがBから甲薬品はガンの予防に抜群の効果があるとの虚偽の説明を受け、これを信じてAの代理人として甲薬品を購入した場合、Aは、甲薬品がガンの予防に効果がないことを知っていたとしても、Bとの間の売買契約を取り消すことができる。○か×か?

解答

【解答5】 ○ 特定の法律行為をすることを委託した場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は自ら知っていた事情、又は過失によって知らなかった事情について代理人が知らなかったことを主張することができない(民101条2項)。AはEに対して、「甲薬品の購入」を委託したわけではなく、「ガン予防の薬品の購入」を委託したに過ぎず、これは特定の法律行為の委託とはいえない。 【平13-1-エ】

 

<問題6> 甲が乙の代理人として乙所有の不動産を第三者に売却することとする旨の契約が甲乙間においてなされた。甲が未成年者であったにもかかわらず、法定代理人の同意を得ないで乙との契約を締結した場合には、その契約を締結する旨の甲の意思表示は取り消すことができる。○か×か?

解答

【解答6】 ○ 未成年者も代理人となることはできる(民102条)。ただし、代理権授与行為の基礎となった委任契約等については、未成年者を理由とする取消しが認められる(民5条2項)。 【昭59-3-1】

 

<問題7> 委任による代理人が復代理人を選任したときは、代理人は、代理権を行使することができない。○か×か?

解答

【解答7】 × 代理人が復代理人を選任しても、代理人の代理権が消滅するわけではなく、代理人は依然として代理人であるので、代理行為をすることができる(大判明44.4.28、大判大10.12.6)。 【平4-2-ウ】

 

<問題8> Aは、Bの任意代理人であるが、Bから受任した事務をCを利用して履行しようとしている。AがBの指名によりCを復代理人として選任した場合には、Aは、Cが不適任であることを知っていたときでも、その選任について責任を負うことはない。○か×か?

解答

【解答8】 × 代理人が本人の指名に従って復代理人を選任したときは、その復代理人が不適任又は不誠実なことを代理人が知りつつ、これを本人に通知又は解任することを怠ったときは、代理人はその選任について責任を負う(民105条2項)。 【平14-4-3】

 

<問題9> 甲は、乙に対して家屋を購入する代理権を与え、乙は丙との間で、甲のためにすることを示して特定の家屋の購入契約を締結したが、その家屋は丁所有のものであった。丙が自己の責めに帰すべき事由により、その契約を履行することができない場合でも、乙が契約の当時その家屋が丙の所有でないことを知っていたときは、甲は丙に対して損害賠償を請求することができない。○か×か?

解答

【解答9】 × 丙に帰責事由があるので、債務不履行による損害賠償請求をすることができる(民415条)。なお、売主の担保責任については、売主たる丙に帰責事由がない場合でも追及することができるが、他人物売買の買主が悪意の場合には、損害賠償請求をすることができない(民561条)。 【昭57-3-1】

 

<問題10> 妻が夫の代理人として第三者とした法律行為は、妻が夫から特に代理権を与えられておらず、かつ、その法律行為が日常の家事に関するものでない場合であっても、第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当な理由があるときは、夫に対して効力を生ずる。○か×か?

解答

【解答10】 ○ 夫婦の一方が民法761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を超えて第三者と法律行為をした場合、その代理権を基礎として民法110条所定の表見代理の成立を一般的に肯定するのではなく、その越権行為の相手方である第三者において、その行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときに限り、民法110条の趣旨が類推適用される(最判昭44.12.18)。 【平6-4-ウ】

 

<問題11> 甲からコピー機の賃借に関する代理権を与えられた乙は、その代理権限の範囲を超えて、甲の代理人として丙との間でコピー機を買い受ける旨の契約をした。丙が乙に売買契約締結の代理権がないことを知っていたときは、丙は、甲に対して売買契約を追認するかどうかを確答するように催告することができない。○か×か?

解答

【解答11】 × 無権代理人が行った契約について、相手方には、本人に対して追認をするかどうかにつき催告権が認められている(民114条)。この催告権は相手方の善意・悪意を問わずにすることができる。 【平3-1-3】

 

<問題12> Aは、何らの権限もないのに、Bの代理人と称して、Cとの間にB所有の不動産を売り渡す契約を締結した。BがAに対して追認をする意思表示をした場合において、Cがこれを知らなかったときは、Cは、Aに対して、無権代理行為を取り消すことができる。○か×か?

解答

【解答12】 ○ 善意の相手方は、無権代理人がなした契約を、本人の追認のない間において、取り消すことができる(民115条本文)。そして、本人が無権代理人に追認の意思表示をしても相手方がその事実を知るまでは相手方に対抗することができない(民113条2項)。 【平7-4-ウ】

 

<問題13> 甲から代理権を与えられたことがないにもかかわらず、乙が甲の代理人として丙との間で不動産を買い受ける旨の契約を締結した。甲が丙に対してその契約の目的物の引渡しを請求したときでも、その契約を追認したことにはならない。○か×か?

解答

【解答13】 × 本人が無権代理人の締結した契約の履行を相手方に対して請求する行為は、黙示の追認と見ることが可能である(大判大3.10.3)。なお、無権代理には、法定追認(民125条)の適用はない(最判昭54.12.14)ため、追認の意思を全く有していない場合には、黙示であったとしても、追認にはならない。 【昭58-1-3】

 

<問題14> 甲は乙に対して甲所有のA土地を売却する代理権を与えたところ、乙は勝手に甲の代理人として丙との間で甲所有のB土地を売り渡す契約をした。甲がその契約の追認を拒絶したときは、乙が未成年者でその法定代理人の同意を得ないでその契約をした場合においても、丙は乙に対して履行又は損害賠償の請求をすることができる。○か×か?

解答

【解答14】 × 無権代理人が制限行為能力者である場合には、無権代理人としての責任追及は認められない(民117条2項)。 【昭55-17-2】

 

<問題15> Aは、代理権がないにもかかわらず、Bのためにすることを示して、Cとの間でB所有の甲土地を売却する旨の契約を締結した。CがAに対し、無権代理人の責任に基づく損害賠償を請求した場合、Cは、甲土地を転売することによって得られるはずであった利益に相当する額を請求することができる。○か×か?

解答

【解答15】 ○ 無権代理人の負う損害賠償責任につき、判例は履行利益の賠償責任を認めている(最判昭32.12.5)。【平14-2-オ】

 

<問題16> Aが、実父Bを代理する権限がないのに、Bの代理人と称してCから金員を借り受けた。Bが死亡し、AがBを単独で相続した場合、Cは、Aに対し、貸金の返還を請求することができる。○か×か?

解答

【解答16】 ○ 本人Bが死亡し、無権代理人Aが単独で相続した場合、本人が自ら法律行為をしたのと同様な法律上の地位が生じ、Aの行った金銭消費貸借契約は、当然に有効となるので、相手方Cは、Aに対して、貸金の返還を請求することができる(最判昭40.6.18)。 【平13-3-ア】

 

<問題17> Aは、Bの承諾を得ないで、Bのためにすることを示して、B所有の絵画をCに売却した。BがAを相続した場合において、CがAの無権限について悪意のときは、Bは、絵画の引渡義務の履行を拒むことができる。○か×か?

解答

【解答17】 ○ 本人が無権代理人を相続した場合、本人が本人の地位に基づいて追認を拒絶しても信義則に違反しない(最判昭37.4.20)。また、本人は無権代理人の責任も相続するので履行責任(民117条1項)を負うが(最判昭48.7.3)、Cは悪意なので、Bは引渡義務を拒絶できる(民117条2項)。 【平15-6-ウ】

 

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