Y.Mさん（39歳、男性）
【合格科目】法人税法（1）
【受講コース】科目別合格2年セーフティコース（消費税法から法人税法に振替）
【職業】税理士法人勤務（フルタイム）
【1日の平均学習時間】約2.5時間
【試験までの総学習時間】約1年、約860時間
※合格科目のカッコ内の数字は受験回数です。
クレアールを選んだ理由
4科目目に受験した消費税法を、クレアールの「科目別2年セーフティコース」で受講していたためです。
このコースは、受講後1年目で目標とする税法科目に合格すれば、翌年は無料で別の科目に振り替えることが可能です。消費税法の自己採点結果はボーダーギリギリでしたが、落ちていたらそのとき考えようと思い、2年目の9月から法人税法に振り替えました。結果として消費税法には合格していたので、試験後から合格発表までの4ヶ月間を無駄にすることなく、効率的に学習が進めることができました。
講師・講義について
法人税法はボリュームが多いので、私のような社会人受験生は、がむしゃらに勉強するのではなく、受験上重要なポイントに絞って効率的に学習を進めていく必要があります。その点、加藤先生の講義は常に「試験に合格するための最短距離」を意識されたもので、かつ、受講生の負担を考慮して、1講義を30分前後にまとめてくださっていたため、集中を切らすことなく受講を続けられました。
私の学習方法
理論
講義が終わった論点から、理論集を暗記します。暗記は音読で覚えました。よく「内容を理解してから暗記した方が効率がいい」と言われますが、私の場合は「暗記→理解」の方が合っていました。まず丸暗記してその理論を体に覚えさせ、それを何回転もして脳に定着させていくと同時に、内容を理解していく、というやり方です。最初は全く覚えられませんでしたが、忘れてはまた覚える、を何度も繰り返すうちに、嫌でも覚えます。理論暗記に近道はありません。ある程度の根気は必要です。
暗記が終わった論点から、答練を中心に問題を解いていきます。当たり前ですが、暗記しただけでは問題は解けません。それを使うようにするためのトレーニングが必要です。理論については、より多くの問題に触れる必要があると感じ、答練のほか、市販の理論問題集も解きました。
計算
理論と同じく、講義が終わった論点から個別問題集を解いていきました。講義を聞いたときは「解けそう」と思っても、いざ問題集を開いてみると全く解けません。解けない論点は、テキストを見返して計算方法を確認し、何度も反復練習。体が覚えるまでひたすら解きまくりました。クレアールの個別問題集、上級個別問題集はおそらく7～8回は解いたと思います。加藤先生の「本試験の計算は、基礎論点をいかに落とさないかが大事」との教えから、直前期には難しい問題には手を出さず、基礎論点を重点的に再確認しました。本試験の計算問題では一部難問が出題され、案の定私はほとんど解けませんでしたが、そのような問題は他の受験生も解けず、結果としてあまり差がつかなかったのかもしれません。私の場合、その他の基礎論点で大きなミスがなかったため、合格できたのだと思います。
受験勉強での注意点
ご存知のとおり、法人税法は税理士試験の受験科目上1、2を争うボリュームがあります。ゆえに、掘り下げようとするといくらでも細かい論点が出てくるので、そういった論点を深堀りしすぎると、試験上重要な論点から離れてしまい、合格という意味では遠回りになってしまいますし、勉強に集中してしまっていると、得てしてそれに気づかないものです。加藤先生の教えにもありましたが、常に自分の現在地の把握に努め、試験合格の上で重要な論点以外の部分については、できるだけ深堀りしすぎないように心掛けていました。
私が考える合格のポイント
私見ですが、税理士試験の税法科目については、合格のポイントは「理論」にあると思います。
試験委員は、受験生の答案から、結論のみならず、そこに至るまでの法的思考の過程、論述構成までしっかり見られているような気がします。計算問題は、極端に言うと、計算方法さえ覚えてしまえば、中身を十分理解していなくても点数が取れます。しかし理論に関しては、きちんと内容を理解していないと、合格レベルの論述は書けません。法人税法を含め、私が税法科目を全て一発合格できたのは、理論問題について、思考過程や論述構成を意識しつつ「試験委員にとって読みやすい答案」の作成を心がけていたことが大きかったと思います。
最後に
他の合格者の皆様も仰っているように、税理士試験は諦めなければいつかは合格できる試験です。ただ、科目合格制であることと、合格科目が一生有効であるという特性から、受験期間が長引いてしまう傾向があります。私は早く受験生活を終わらせたかったので、どの科目も「1回で絶対合格する」という強い気持ちを持って勉強していました。合格レベルにある受験生の知識量はそう大きく変わらないはずです。とすれば、より強い気持ちを持った人が勝つと思います。
最後まで諦めずに、「強い気持ち」で頑張ってくださいね！