1年1科目ごと、4年で税理士試験に合格
私は27歳のときマンネリ化したOL生活に変化を求め、何かの資格に挑戦しようと簿記講座に通いはじめました。2級合格に勢いづいた私は、税理士試験の簿記論を受験することを決意しました。その時は、私を含め周囲の誰もが、働きながら短期間で税理士試験に合格するのは無理だと思っていました。しかし、1年1科目ごとの受験と合格が自分に辛い試験勉強を乗り切る勇気と自信を与えてくれ、勉強と仕事と主婦業の兼業の末、4年後、私は税理士試験に合格することができました。
税理士試験の合格は、大手信託銀行への転職というビックチャンスを私にもたらしました。私は、信託銀行で5年半税務コンサルティングを経験した後、大手税理士法人で2年間それに係わる実務を身に付け、昨年10月に税理士事務所の開業という夢を果たしました。開業当日から上場企業を含む数社の顧問契約を獲得し、その後も金融機関から順調に顧客紹介を受けることができ、開業後3ヶ月で職員を採用するに至りました。
信託銀行への転職で得られたもの
信託銀行への転職は、私にとって3つの大きなメリットをもたらしました。1つめは莫大な顧客数で、信託銀行員時代に出会った400名以上の企業オーナーの中の数人が私の独立開業を支援してくれました。2つめは銀行員との人脈で、私の性格や仕事ぶりを直接知っている元上司や元同僚は安心して顧客に私を紹介してくれました。3つめは大手税理士法人への転職でした。信託銀行での税務コンサルティングのノウハウが評価され、中途採用されました。税理士法人での実務経験は、ビッククライアントについての税務当局との交渉や難しい案件の相談ができる高レベルの税理士達との人脈形成に役立ちました。
専門分野を持つことで差別化を図る
私は信託銀行及び税理士法人で一貫して企業オーナーや個人富裕層向けの税務コンサルティングを勉強し、これが今の私の事務所の収益の要になっています。税務コンサルティングという専門分野を持つことで他の税理士との差別化を図ったり、税理士資格を武器に他の税理士資格を有しないコンサルタントとの差別化を図ったりすることで、新規の契約獲得がスムーズに行えるのです。
私は今、大企業の看板を外し個人事業主という立場になりましたが、税理士資格のお陰でお客様からの信用は引き続き確保できています。
大企業に所属するのも良し、個人事業主として独立するのも良し、税理士資格を武器にコンサルティングをするのも良し、「税理士資格」は「私達の将来に無限の選択肢を与えてくれる資格」だと、私は思っています。