第202条【本権の訴えとの関係】
① 占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
② 占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。
目次
【超訳】
① 占有の訴えと所有権などに基づく本権の訴えは、別個独立のものである。即ち、これらを別々に提起してもよいし、一方で敗訴しても他方を提起できる。
② 二つの訴えが全く別物である以上、占有の訴えについては、本来の権利があるかどうかという理由に基づいて裁判をすることはできない。
【解釈・判例】
占有の訴えを提起された場合、相手方は、単なる攻撃防御方法としての本権の主張は認められないが、本権に基づく反訴を提起することは許される(最判昭40.3.4)。
【問題】
Aから動産甲についての占有回収の訴えを提起されたBは、占有の訴えに対し、防御方法として甲の本権を主張することはできるが、本権に基づく反訴を提起することはできない
【平23-9-ウ改:×】