合格体験記「毎年学習法に新たなものを取り入れて合格にたどり着いた」Y.Sさん

Y.Sさん

目次

① なぜ司法書士を目指したか

第一に、現在の職において、目的を達成することができなくなったからです。ある部署のみを目指して現職を継続していたところ、当該目標部署の年齢制限の壁に阻まれ、絶望の底に突き落とされました。そんな中、これからの人生をどう生きて行くのか考えた際に、受験資格に制限のない行政書士と司法書士試験を偶然にも知ったことがきっかけです。

元々、自分で挑戦したい、何かを達成したい意欲が強かった私にとって、組織に囚われず、独立開業に有利な資格であることも相まって、一念発起し、学習を開始したのです。

② 予備校選びのポイント

私がクレアールを学習のパートナーとして選んだ理由は、1コストパフォーマンスが優れていること。2他校と違い軽量コンパクトな「択一六法」があること。3web講義専門校で、フルタイムワーカーの私に適合すること。等から判断しました。

③ クレアールで学習して良かった点

一番助かったのは、前述のとおり「択一六法」です。これは、画期的な教材で、コンパクトなサイズにまとめられていますが、本試験の主要な出題内容をほぼ網羅しています。中身は、法律学習の王道である条文を記載し、その上で、理解が進むよう超訳の掲載、そして暗記を助ける各種図表が散りばめられています。これは、私の知る限り他校ではない取り組みで、(主にテキストと思料されます)クレアールの独自路線であり、アピールポイントだと思います。

第二に、1000問ノックWebテストがあります。過去問のマスターのみでは合格できないと言われる司法書士試験ですが、過去問で解ける問題は確実に正解しないと合格に辿り着くのは至難の業となります。よって、過去問学習は必要となります。全体では、膨大な量ではありますが、1000問ノックWebテストは、その中から重要問題をセレクトしてくれています。正解への筋道が正しく、筋道をあらゆるプレッシャーの状態でもすぐに思い出せるのであれば、過去問学習は1周で終わってしまいますが、おそらく多くの人はそうではないと思います。これを助けてくれるのが、1000問ノックWebテストで、過去問知識の基盤構築に役立ち、スマホ等でスキマ時間に利用できる効率よいシステムです。

第三に、質問制度があります。学習が進むにつれて、必ず疑問点が出てくると思いますが、私は迷わずすぐに質問することをお勧めします。私自身、こんな初歩的な内容で質問していいのだろうかとか、面倒がられないかと不安に考えることもありましたが、そのような必要はなく、どんどん利用して下さい。質問をメールで入力している間に自分で閃いたり、気づいたりして解決することもあります。そして、講師の方は丁寧に回答してくれます。そうして質問した論点は、深く記憶に刻まれるので有効です。

④ 学習を進める上でのポイント

1「カテゴリー分類」2「臥薪嘗胆」3「試験本番はテキストがない」という三点が私にとってのポイントでした。無論、個人差がありますので、ここから先は、「使えると思ったことに関してのみ利用していただければ」と思います。そんな中で、自分の学習スタイルができてくると思います。

カテゴリー分類ですが、これは学習初期の方には難しいとは思われますが、最終的に合格レベルに達するには必要だと思います。少しずつ取り組めばよいとは思います。具体的には、択一六法の目次を想起(暗記)できるようにすることです。法律、編、章、節、款、目とカテゴリー分類されていますが、節の分類ぐらいまでは想起できるようにしたら良いと思います。実際のところ、私は実行していました。ただ、節でも分野によっては細かい部分もあり、民法で言いますと、総則、物権、債権は、節まで暗記していましたが、出題内容が細かくない親族、相続では、章までにしていました。なぜ、こうするのかというと、過去問や答練を解く際に、カテゴリー分類の意識ができるからです。問題の題名を見て、「占有」の内容だと分ったら、物権編の占有権の分野だなと反応し、それによって、過去問や択一六法の図表を想起します。具体的に言うと、直接占有、間接占有、現実、簡易、占有改定、指図による占有移転、即時取得、占有訴権等々のキーワードがパッと浮かんで来るようになります。そして、最終的には、これを問題文の肢を読んでいくうちに自分から当てはめて解いていくと解答のレベルが上がります。全ての肢では困難だとは思いますが、司法書士試験の問題には軸肢(絶対に外してはいけない重要肢)が2肢程度あります。この軸肢で積極解答ができるようになることを目指します。私は、この積極解答に当たって、もう一つ取り組んだことが、下敷き等で問題文を隠して一行ずつ読んで過去問演習をすることです。この目的は、過去問を暗記することではありません。問題の1行、つまり全情報を得られないうちに、カテゴリー分類によって、キーワードを想起し、問題の先を読んで答えを出します。いわゆる速押しクイズのようなものです。ただし、これは注意点があり、本試験では全文を読まないでケアレスミスをしてはいけないので、答練や模試の際にはモードを切り替えて、最新の注意を払って、肢は全文読んで下さい。

第二の「臥薪嘗胆」ですが、これは、私が合格に至るまでの学習経験そのものです。答練や模試、そして本試験の復習をする度に、この問題は解けたはずなのに、なぜ読み間違えているのか。添付書面を一つ忘れた。この論点は前も間違えている。等々と悔しい思いを答練・模試・本試験の数だけ味わいました。おそらく、皆様も同じだと思います。これを防ぐため、私は間違いノートを作成していました。特に、この間違いノートは記述式で効果を発揮します。具体例を挙げますと、特別受益者を見逃し(反応できず)誤った持分による登記を記載してしまった際には、間違いノートに間違いに気づいた日時と内容を記載します。そして、単に特別受益者がいる場合の持分に注意と記載するのではなく、相続があった際には、死亡、欠格、廃除、放棄、遺産分割、特別受益がないか反応等と一つ範囲を広げ、脳にアンテナを張るように記載します。これによって、先ほどのカテゴリー分類とも似ていますが、記述を解いている際に相続にリニアに反応し、相続開始前の死亡、欠格、廃除等がないかとアンテナを張りながら、カテゴリー分類をしながら問題文を読み進めることができます。

少し話が脱線しますが、制限時間がなければ(もっと試験時間が長ければ)問題を読んでから考えて解答できるとは思いますが、午後は時間がありません。読みながら、脳の中で解答を作り上げ、読み終わった時には、手を動かすだけの状態になるのが理想です。(中々、このようにはなりませんが、理想に近づくのが目標です)

第三の、「試験本番はテキストがない」ですが、これは、誰しも当たり前だろうと思うことだと思います。法務省の受験案内書にも六法全書その他の図書の使用は認められません。との記載があります。つまり、最終的には、テキストや六法なしの学習時間がものをいうことです。当該時間は、本試験と同じ条件ということであって、電車に乗っているとき、トイレに入っているとき、入浴しているとき、就寝前など、学習したことを想起するのに絶好の時間だということです。この時に、想起できないことは、本試験でも想起できないとプレッシャーをかけてやっていました。無論、本試験では問題があるので、問題文のキーワードから想起できる可能性もありますが、人生をかけた極度の緊張状態では、100%のパフォーマンスを出すことは困難です。普段から、負荷をかけた状態に慣れておくことをお勧めします。このテキストなしの学習法には、前段階として派生があり、クレアールの学習計画表を活用するものがあります。学習計画表に記載された単元の余白に一日の学習の終わりに記憶に定着しなかった点や注意点等を簡潔に記載します。そして、次回以降の学習時に、テキストにいきなり手をつけるのではなく、学習計画表のキーワードのみを頼りに想起します。この学習法は、答練の復習で特に効果を発揮し、択一では間違えた問題のテーマを不法行為、募集設立等と記載します。そして、答練の問題は決して見ず、学習計画表の書き込みのみを頼りになぜ間違えたのか、正解への道筋を想起します。これは、初期段階では間違える問題も多く、困難ではありますが、最終段階で、答練においても30問前後得点できるようになると強力な効果を発揮します。答練に関して、少し掘り下げると、答練の解答・解説冊子は読みませんでした。なぜかというと「カテゴリー分類」効果を活かすために、常に択一六法に間違った問題の根拠を求めました。そして、択一六法に記載がなければ、それは捨肢として復習しませんでした。これは、本試験で重要で、必ず未出の知らない肢が出てくるからです。この捨肢に惑わされると前述の軸肢を見失い、解ける問題が解けなくなってしまいます。

⑤ 合格までの軌跡

私は、2016年度の行政書士試験受験後の12月より司法書士試験の学習を開始しました。2017年の初受験では、過去問題集を1周したぐらいの学習で、午前午後ともに基準点に満たず、話にならないレベルでした。

そこで、2年目は過去問学習の回数を増やし、記述も手がついていなかった記述式ハイパートレーニングに挑戦しました。これによって基礎力がつき、答練でも基準点程度は取れるようになり、本試験の結果は午前、午後択一・記述とも基準点を突破するも、総合点に足りない状態でした。

この悔しさをバネに3年目は、択一六法中心の学習に転換し、答練では30問越えもちらほら出せるようになって満を持して本試験に挑みました。しかし、結果は午前・午後ともに基準点に至らず、失意の底に落ちることとなりました。この際、あまりにも誤答が多く、午前の部の途中で採点を放棄してしまい1週間ぐらい放心状態でした。そこで、今後のことも含めてクレアールにメール相談したのです。当たり前の回答ではありましたが、「全て採点をするべき、分析をするべき、その上で今後の行動を決めればいいのでは」とアドバイスを戴き、目が覚めて、分析をしました。すると、午前は2択に絞りながら最後の決定打に欠け落とした問が5問、午後は、前述の捨肢(未出肢)にひっかかり、未検討肢で解けた問が9問という結果が判明しました。そこで、全く実力不足ではなく、解き方や対応によっては全く異なる結果が出る、今回は、想定不足と判断し、再起を誓ったのです。そこで、編み出したのが、前述の学習を進める上でのポイントで述べた手法でした。

そんな形で再度の受験に向けて学習を継続し、試験延期発表後も、スムーズに答練をこなして(これが振り返ると誤りだった。少しペースを落とすべきだった)6月末にはピークの状態で、答練、模試ともに30問越えの頻度が上がりました。その直後、7月1日に本試験日が9月27日と約3ヶ月後ということで、かなりモチベーションが下がる事態となりました。今すぐにでも本試験を受けさせてほしいと思いながら考えたことは二つです。

一つ目は、答練、模試の補充です。午後の部は特にスピード感覚が大事なので、答練と模試をやりつくしてしまっていた私は、本試験日から逆算して、試験日2から3週間前に1回、8月に1回模試を実施して、感覚を失わないようにしようと計画し、実行しました。クレアールの教材は既に使い切ってしまっていたので、他社の資料を集めましたが、これが結果的に功を奏したと思います。各予備校によって、少しずつ出題傾向の差があると思うので、いい体験でした。

そして、二つ目は、リフレッシュです。残り三か月を乗り切るのにピークにまでもって来たような学習をして走り切るのは無理だと判断し、8月の初めに夏休みを使い、5日間の旅行をしました。ここでポイントだったのは、全く5日間学習しないのではなく、夕食後、宿泊施設では、択一六法や合格書式マニュアルのひな形を学習し、状態の維持を図りました。むしろ、それまでの長時間の学習よりも、短く集中することで、効率も上がったと思いますし、結果的にこのリフレッシュがなければ、本試験までの延期期間は乗り切れなかったと思います。

そして臨んだ本試験ですが、前日心に決めたことがあります。問題をしっかり読んで解ける知識を全て得点とすることです。これを脳に刻むために、メッセージを書き、筆箱に入れました。このようにして満を持して本試験に臨みましたが、結果的には、午前の部で1問、午後の部で2問取れたのではないかと思われる問題があり、午前の上乗せがあったのと不動産登記の記述が上手くいったので合格に達することができました。

最後の最後まで、前述のとおり臥薪嘗胆を味わうこととなりましたが、私自身この合格が最終目的ではなく、この先の研修、実務、認定考査とこれからも先を見据えて進んで行きたいと思います。私のメソッドで使える部分を参考にして、更にはそれを創意工夫し新たなるものを編み出して、「不易流行」の姿勢で臨んで下さい。私は、4回の受験につき毎年学習法に新たなものを取り入れました。変わるところに本質あり。皆様の合格を祈念いたしまして、私の結びの言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

講座パンフレットや特別セミナーDVDなどを無料でお届けします。
講座についてのご相談を受け付けております。お気軽にお問合せください。
講座のお申し込み案内ページです。講座をお申し込みの方もこちらからどうぞ。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次