令和8年度司法書士試験合格
畠山 彩也香さん
合格体験記
遠回りした受験生活で得た、合格以上の大切なもの
受講コース
2026年合格目標 上級パーフェクトコース(オプション択一六法)
目指した理由
司法書士を目指した当時、娘は1歳で、私は離婚を考えていました。高卒で大した職歴もありませんでしたので、娘を守り育てていくには確固たる資格が必要だと考えました。
その後、当時の夫とは離婚して実家に身を寄せましたが、保育園を探し、それと並行して司法書士事務所で正社員として勤務し始めました。
クレアールを選んだ理由・決め手
数年前に独学で宅建を取得した際にもクレアールさんに模試等でお世話になり、数か月と短期間で合格できたので元々存じ上げてはおりました。
成績に伸び悩んでいた際に、事務所の優秀な先輩に勉強方法を相談したところ、その方が以前クレアールの『択一六法』を使用して条文ベースの勉強をされていたので、自分も試してみたいと思ったからです。
クレアールで学習して良かった点
『択一六法』は構成がシンプルで見やすく、かつ一条ずつわかりやすく噛み砕いて解説されているので、一般的な六法よりもとっつきやすく、条文学習に抵抗のあった私でも民法や民訴、憲法など条文ベースで学習を進めたい科目で大変役立ちました。
合格に向けて効果的だった学習方法
テキストはどこに何が書いてあるかわかるレベルまでやりこんでいたものの、令和7年度は合格点に8点届かず、総合点で不合格となりました。過去問は何度もやりこんでいたので、今年は模試や答練をたくさん受けてアウトプットする機会を増やすことを意識しました。時間管理の練習、最新の判例や改正論点に触れられるという点においても、初見の問題を解くのはかなり重要だと感じました。それらの復習にはそこまで時間をかけず、誤った箇所の核となる部分だけ確認し、必要とあらばテキストに戻りましたが、解説を1から10まで読むようなことはしませんでした。
インプットにおいては、信託や区分建物など、一問まるごと出題されることは少ないものの、肢レベルではよく出会うもので、手薄になっていた分野(自分が何度解いても苦手意識のある分野)を一つ一つ落ち着いて確実に潰していくことを意識した結果、何を聞かれても大丈夫と自信を持って解ける箇所が増えました。
本試験と受験経験
〈令和2~4年度:受験初期の経緯〉
令和2年度…お試し受験
令和3年度…独学で受験
令和4年度…独学に限界を感じ、他社講座(中上級者向け)を受講するも、講座の終了が4月頃で、ほぼ対策をできぬまま受験。
〈令和5~8年度:本試験の成績と学習の経過〉
令和5年度…択一については初めてまともに勉強して臨むも、記述式対策がまったくできていない状態。
| 午前択一 | 午後択一 | 不動産登記記述式 | 商業登記記述式 | 総合得点 |
|---|---|---|---|---|
| 84/105 | 84/105 | 16/35 | 2/35 | 186/280 |
※令和5年度までの記述式問題は、不動産登記・商業登記が各35点の計70点満点でした
令和6年度…他社で記述式に特化した講座を受講し、記述式は伸びたものの、択一式が振るわず。
| 午前択一 | 午後択一 | 不動産登記記述式 | 商業登記記述式 | 総合得点 |
|---|---|---|---|---|
| 87/105 | 72/105 | 34/70 | 49/70 | 242/350 |
令和7年度…合格点まで8点足らず、総合点で不合格。
| 午前択一 | 午後択一 | 不動産登記記述式 | 商業登記記述式 | 総合得点 |
|---|---|---|---|---|
| 84/105 | 78/105 | 57/70 | 28/70 | 247/350 |
令和8年度…総合点では上位76位の成績で合格することができました。
| 午前択一 | 午後択一 | 不動産登記記述式 | 商業登記記述式 | 総合得点 |
|---|---|---|---|---|
| 90/105 | 96/105 | 67/70 | 36/70 | 289/350 |
学習スケジュール
最初は試験の全貌もわからず、難易度も認識しておらず、フルタイムの会社員で実務経験として仕事を覚えながらの勉強で、右も左もわからないまま独学していました。
試験に対する知識のなさと、幼い子供を抱えながら、本格的な講座を受講する余裕がなかったためです。今振り返ればこの時間が本当にもったいなかったなと感じています。悩んでいる方には、多少無理をしてでも、迷わず予備校の講座を利用していただきたいです。それが近道です。
学習を進めていくうえでの心構え
不安でテキストを何度も回したくなりますが、私はアウトプット重視に切り替えて伸びました。結局は暗記なので、テキストを読んで覚えられる方ならテキスト中心でよいと思いますが、そうでない場合はとにかく問題にあたり、自分の弱点を抽出していくのも有効だと思います。テキストを通読するだけだと強弱をつけられないので、問題を解いた上で、この知識は二度と見なくても絶対に正解できると自信がある箇所は容赦なく飛ばしてインプットすることでメリハリをつけるようにしました。また、どうしても覚えられない知識だけ、不動産登記法で一枚、民法で一枚などA3サイズの紙に項目ごとに手書きで簡単にまとめ、勉強に疲れたタイミングやトイレに立つタイミングなどで、息抜きがてらこまめに確認して思い出すようにしていました。
具体的な対策
午後の部は択一→不動産登記→商業登記と順番通り解き、練習の段階から常に時間を意識しました。択一はどんなに時間をかけても1時間10分までとし、記述におおむね2時間程度残すことを目標にしていました(スピードを上げすぎて50分ほどで解くと、正答率ががくっと下がりました)。また、記述を解く際は必ず2時間測り、不動産登記法と商業登記法をまとめて解くようにしていました。
択一について
- 正解のものには○、誤りを選ぶものには×をしますが、答えがわかっているのに正誤を間違うミスが多発したため、選択肢の真横に大きく○や×を記載する(離れた場所だとどんなに大きく記載していても見間違える)
- 最初の直感を信じ、明確な根拠がない限り、後から絶対に答えを変えない(なんとなくこっちが合っていそう、はだいたい間違っている)
- 問題文が長く複雑な問題は、声には出さずに口パクで問題文を読む(口パクでも自分で言おうとすると、問われている論点がスッと入ってきたりします)
記述について
〈不動産登記〉
- 区分建物の登録免許税の計算は、出たら捨てると決めていました。
- なすべき登記を確定させてから書き始め、先に登記事項などを全て埋め、最後に一気に添付書類と免許税の計算をしました。
- 問題文で重要でない情報は二度と戻ってこないよう最初から真剣に読み、不要だと判断した箇所には大きくバツをし、必要な情報だけ残すようにしました。
〈商業登記〉
- ひらめきが大事な不動産登記と異なり、商業登記は同じ問題を完璧に解けるように間を開けて何度か繰り返しました。
- 添付書類になるものは問題文を□で囲っておき、後から見たときにそのまま拾えるようにしていました。
その他
- 昼休みも会社の応接室で食事を摂りながら勉強し、駅で乗り換える際にも、歩きながら暗記カードにまとめた知識を繰り返し確認していました。
- 街の自習室を契約していたため、そこでさまざまな資格を目指す仲間と出会えたことも、大きな支えになりました。
- 集中力が切れたときは、ジムでウォーキングをしながらテキストを読んだり、カフェなど別の場所に移動して勉強したりと、気分を変える工夫をしていました。
- モチベーションが下がっている時期には、無理に知識を詰め込もうとせず、勉強する習慣だけは失わないよう、リハビリのような感覚で少しずつ続けていました。また、「ここまで問題を解いたら〇〇をしよう」といった小さな目標をたくさん設定し、モチベーションを維持するようにしていました。
- 自習室ではスマートフォンに気を取られないよう、スタッフの方がいらっしゃる時間帯には預かっていただき、スタッフ不在の時間帯はロッカーに入れて施錠していました。
最後に
離婚し、受験勉強を始めて数年、その途中で素敵なご縁に恵まれ、のちに結婚することになりました。勉強で息が詰まりそうになると、夫が食事に連れて行ってくれたり、お茶に付き合ってくれたりしたことも、よい気分転換になりました。
かなり余談になりますが、当時の私は、勉強のこと、日々の家事や育児をこなすことに精一杯で、恋愛をする余裕もなく、ただ必死に勉強を続けていました。夫は恋愛を抜きにしても一緒に走り続けたいと言ってくれ、司法書士を目指して努力を重ねた結果、資格取得だけでなく、素敵なご縁にも恵まれ、結婚に至ったのだと感謝しています。
受験生の間は、何をしていても常に勉強のことが頭から離れませんでした。「〇〇したい、でも勉強しなければ」「〇〇したい、でも合格してからにしよう」と、いつも何かに追われているような感覚で、心に余裕がなく、いっぱいいっぱいだったように思います。
受験生活が続く間に、娘もあっという間に小学生になりました。もっと一緒に過ごせばよかった、かわいい時期を逃してしまったのではないかと、自分を責めてしまうこともありました。一方で、物心がついた頃から私が必死で勉強する姿を見ていたためか、自然と勉強に取り組むようになり、現在は娘もまた、難関国家資格の取得を目指しています。
多忙な日々の中で親として子にしてやれることは限られていましたが、合格を自分のことのように喜んでくれ、努力を重ねて結果を出した姿を見せられたことは、彼女にとっても素晴らしい経験になったものと自負しております。
絶対に合格したいと思っていたので、勉強をやめたいと思ったことは一度もありません。
ただ、長い長い出口の見えないトンネルを彷徨っているような、本当に苦しい数年間でした。
しかし、ある種の修行のような受験生活を通じて、家族、友人、事務所の先輩方をはじめ周囲で支えてくださる方々の存在のありがたさを改めて実感し、心から感謝できるようになりました。司法書士試験は難しい試験ですが、正しい方向で努力を積み重ねれば、合格できる試験だと、今となっては思います。これから資格者として仕事ができる喜びはもちろんですが、合格に至るまで、諦めずに何年も勉強を続けてきた経験そのものが、今の私にとって貴重な財産です。
