5回目の受験でつかんだ合格―教材の絞り込みと徹底した繰り返し―

令和8年度司法書士試験合格

T.Hさん

合格体験記

5回目の受験でつかんだ合格―教材の絞り込みと徹底した繰り返し―

受講コース

2026年合格目標 上級パーフェクトコース(オプション択一六法)

目次

司法書士を目指した理由

数年前、身内の相続の対応を司法書士さんにお願いしました。単に手続の代行だけではなく、遺族に寄り添い様々なアドバイスをいただき、また、こちらの要望にも臨機応変に対応していただき、大変お世話になりました。本当に頼りになる存在で、「司法書士って頼りになるし、かっこいいなぁ」と思ったのがきっかけでした。

本試験と受験経験

令和4年・5年は択一基準点に到達できませんでした。

令和6年度は午前択一32問・午後択一25問・不登記述43点・商登記述35点 総合点249点で記述が基準点に届かず不合格。

令和7年度は午前択一29問・午後択一27問・不登記述13点・商登記述35点 総合点216点で記述が基準点に届かず不合格。

令和8年度は午前択一34問・午後択一26問・不登記述50点・商登記述28点 総合点258点で合格。

「1回目で合格」とか、「総合○位で合格」といった優秀な方の体験記ではなく、試行錯誤しながら、5回目の受験でなんとか合格ラインにギリギリで滑り込んだ合格者の体験記です。

クレアールを選んだ理由

クレアールを受講する前に、市販テキストを読みましたので初心者向けコースは受講せず、(受講順は忘れましたが)複数年にわたって「中上級A・Bコース」と「上級パーフェクトコース」でお世話になりました。

ネット上で『択一六法』が評判であったこと、テキスト類が紙とPDFの両方でもらえること、経済的に比較的負担が軽かったことが決め手となりクレアールを選択しました。

受験回数が増えるにつれて、市販本や他校の講座・答練等も受講するようになりました。それらも大変有益ではありましたが、「時間がかかった一因だったかなぁ」と、合格した今となっては思います。おそらく、1回や2回で合格する方は最初に決めた講座・テキストに全集中されるのでしょう。もう一度受験をやり直すなら僕もそのようにしますが、隣の芝生は青く見えるので…。

クレアールで良かった点

○【中級】記述式解法マスター講義(商業登記法)

記述式では一般的には申請の順序や枠ズレがある不登法記述の方が難しいといわれますが、私はとにかく商登記述が苦手でした。

※編集部注:「枠ズレ」とは、司法書士試験の記述式問題において、申請すべき登記の見落としや申請順序の誤りなどにより、本来解答すべき内容と解答欄に記載した内容にズレが生じることをいいます。

不登記述は民法や不登法の知識があれば、一応、問題のストーリーを追いかけることは出来るのですが、商登記述は、問題の解き方が全くわからない。会社法・商登法のテキストを読み、雛形も覚えて、解答・解説を見ると知っていることばかり…しかし、全く解けない、というより、どう検討すればいいのかすらわからず途方に暮れていました。その悩みを解決してくれたのが、「中上級パーフェクトBコース」で受講した、浅沼先生の【中級】記述式解法マスター講義(商業登記法)でした。

浅沼先生は講義の中で、基本問題を使って、「どこに着目して」「どう落とし込むか」を解説しながら、全くゼロから答案構成を画面に書いてくださいます。商登記述の問題を解くときの合格者の頭の中を完全にトレースできるような講義で、「あぁ、こうやって解いていくのか!」と感動すら覚えました。

先生は「これは私の書き方だから、各自自分の書き方にアレンジしていってください」とおっしゃられていましたが、私は浅沼先生の書き方を全く変えずに、そのまま真似てずっと勉強しました。今年の本試験でも、もちろん浅沼スタイルで挑みました(点数が低いのは本試験が難しすぎたから…です)。

○科目別ベーシック答練 記述式編(記述答練)

答練はクレアール(毎年)と大手校2校(毎年ではない)のものを受講しました。択一問題に関しては、各校とも特に違いがあるとは思いませんでしたが、記述答練の問題に関しては断然クレアールをおすすめします。

大手校の問題は本試験並みの難易度を再現するためか、必要以上に難しすぎるという印象でした。重箱の隅をつつくような設定も多く、公開模試では意味があるかも知れませんが、記述トレーニング段階の答練で必要か?と毎回思っていました。

クレアールの記述問題が簡単という意味ではなく、重要論点や受験生一般が勘違いするような事例・設定を正面から問うてくる問題ばかりで、力試し・繰り返し演習には最適と感じます。

(バッティング練習としては、ナックルではなく、しっかりとストレート・カーブ・スライダー・フォークに対応できるように練習するべきと思います。本試験でも重箱の隅はほとんどの人は解けないので差は付きません)

あと、解説もクレアールのものは、解答のポイントがコンパクトに解説されていてよかったです。他校の解説はそれだけで1冊の本くらいの厚みがあって、本当に詳しいのですが、詳しさと使いやすさは別物だとよくわかりました。

合格に向けて効果的だったと思った学習方法

○択一対策

択一対策としては、正確な知識を確実に頭に定着させることがすべてで、そのためには、『択一六法』の周回こそが最適解と思います。

ただ、『択一六法』の評判を聞いてクレアールを選んだにもかかわらず、最初は挫折しました。やはり条文を読むのは疲れますし、コンパクトにまとまりすぎて遊び心がないというか…。

で、市販のテキスト・まとめ本を使うようになりました。市販本は条文の内容をかみ砕いて具体例なども入れながら説明されていたり、カラフルな図表やイラストが入っていたり、途中にコラムのような読みものがあったりと読みやすいのです。しかし、その分ボリュームが大きくなったり、図表中心だと知識の網羅性に疑問があったりと、結局、『択一六法』に戻ってくることとなりました。

『択一六法』を使うメリットは、条文をベースとすることで、最もコンパクトで、知識の網羅性があり、周回させやすい点と思います。

『択一六法』に絞って繰り返すことで、周回の度に読む速度が上がり、本試験の超直前期に、他の受験生が抜粋されたレジュメ等を眺めているときでも、網羅性のある総復習が可能となります。さらに、「条文の文言そのもの」を知っていることで解ける問題もありますので、その意味でも、条文ベースの勉強は慣れるまで大変だけど、慣れると圧倒的に「強い」といえると思います。

○記述対策

とにかく記述が苦手でした。2年連続で記述基準点未達でしたので、今年は、とにかく基準点を割るような大失敗をしないことを意識しました。空振りだけはしないように、とにかくバットを短くもってミートに徹するイメージです。

〈雛形〉

頭ではわかっていても、つい後回しになっていました。今年はマイナーな雛形もすべて、実際に紙に手で書いて練習しました。258点で合格した身からすると、「あと1カ所雛形で書き損じしていたら、あと1つ添付書面足りなかったら」と考えるとほんとにぞっとしますね。

自分の雛形力に自信がもてると、その後の記述対策がかなり楽になる(精神的にも)ので、あきらめて年内からゴリゴリ暗記してください。

〈基本的な演習〉

『記述式ハイパートレーニング』を繰り返しました。解説講義は聞きませんでした。10周位したと思います。雛形が英単語だとしたら、2件申請問題は英熟語のイメージですね。フルサイズの問題も結局は単語と熟語の組み合わせでしかないので、ここが最重要と思います。

〈フルサイズ問題の演習〉

私の解き方は、問題文に3色の蛍光マーカー(アマゾン等で売っている固形タイプの蛍光マーカーが裏に写らずにおすすめ)でポイントをチェックしつつ、答案構成用紙にも書き込む派でした。

色分けのポイントは、基本的には記述式解法マスター講義で講師が指摘した問題文や別紙のポイントを自分なりに色分けしてチェックしました。答案構成も同講義で講師が示してくれたやり方(不登法はアレンジし、商登法はそのまま真似ました)で書き込みました。解き方は自由ですが、自分のやり方を確定して、それを自分自身になじませることは重要だと考えます。

答練と自分の学習のスケジュールが合わなかったので、答案はほとんど提出しませんでした。ただ、記述問題は論文ではないので、自分で解いた後に解答・解説を見れば全く問題ないと思います。

私の場合は、クレアールの答練問題を実際にA4サイズに両面印刷して問題冊子のようにして、マーカーを使いながら解くというのを各問3~4回ほど繰り返しました。

合格の秘訣

今年、今までと大きく変えたことは、教材等の絞り込みとその徹底した繰り返しです。

択一対策としては、市販本やレジュメ等を押し入れの中にしまい、インプット教材を『択一六法』のみに絞りこみ、それをひたすら繰り返しました。10周以上まわしました。

記述対策として、フルサイズ問題の演習は今年と昨年度の2年分の答練問題だけに絞って、その代わり、『合格書式マニュアル(雛形集)』や『記述式ハイパートレーニング』(2件申請レベル)をひたすら繰り返しました。

正直、今まで使ってきたたくさんの教材を絞り込むことは不安でした。この絞り込みと繰り返しで、基礎力を徹底的に強化することが結果の安定化に繋がったと思います。

最後に

記述の配点が140点になってから、択一だけで上乗せ点をとって逃げ切る方法は難しくなり、択一である程度上乗せ点を稼いで、記述でも「基準点+α」を狙うべき、ということを各予備校がいっています。

※編集部注:令和6年度(2024年)の司法書士試験から、記述式の配点が従来の70点から140点に引き上げられました。

ただ、記述が苦手な者からすると、どれだけやっても、不確実要素が多く、やはり記述は怖いです。

それに対して択一は、やることは多いですが、やったらやっただけ点数に直結します。知識問題ばかりの司法書士試験では、テキストを読み込み、CROSS STUDY等で過去問知識を確実にし、答練をしっかりと復習すれば(大変ですけどね)、午前・午後で60問以上とることは十分可能です。

確実な合格のためには、記述140点時代でも、やはり択一で何点取れるかがカギになると考えます。

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