『司法試験の学習経験を活かせる司法書士への転向』 佐藤 操さん

目次

なぜ司法書士資格を目指したか。

法律事務所に勤務しながら、司法試験を受けていましたが、仕事と勉強の両立ができず、年々モチベーションも下がり、全てが中途半端になっていました。「このままではいけない」と思っていたところ、司法試験制度が変更になるのを機に別の道も考えるようになりました。しかし、今までの経験を活かせる法律関係の仕事をしたいと思っていたので、事務所で何度か関わったことのある司法書士の仕事に目がいきました。そして、直接司法書士の先生の話を聞いてみるなど、色々調べた結果、

  1. 自分の経験を生かせる
  2. 将来は独立も視野に入れることができる
  3. 比較的短期間での合格が見込める、

と思えたので、司法書士試験を受けてみることにしました。

初受験

数ヶ月後が試験日だったので、とりあえず、入門講座をざっと聞いてから受けてみたところ、択一の足切りまであと数問のところまで得点できました。これならすぐ合格できそうに思えたこともあり、翌年には法律事務所を退職して、本格的に勉強を開始しました。その年の試験は、準備期間不足だとしても、前年よりは良い点を取れるものと思っていました。しかし、結果は惨敗でした。そこで初めて、前年の結果は運が良かっただけだったことに気付きました。
これは、「勉強方法をちゃんと考えなくてはいけないな」と思い、本試験の結果を分析するとともに、合格者の体験談・過去問の傾向等、情報を集めまくりました。その結果、過去問の重要性と情報の一元化の必要性を痛感しました。そこで、年末ぐらいから始まる各予備校の答練までの間に、択一の過去問を解きながら、テキストの該当箇所に何年の何問目に出題されたかを書き込むことにより、情報の一元化を図ることにしました。

予備校選び

年末からは週1・2回程度答練を受けることにしました。予備校をどこにするか検討しましたが、以下の理由からクレアールを選択しました。

  1. 非常識合格法:私は、司法書士試験は過去問をしっかり解いてその周辺知識を押さえておけば十分だと考えていたので、クレアールの『非常識合格法』に魅力を感じた。
  2. 費用が安い。

基本方針

択一については、過去問を解くことと、前記で一元化したテキストを読むことを交互に繰り返すことに終始しました。これは、最後まで変えませんでした。本試験は、120%確信をもって答えることができる肢がいくつあるかで勝負が決まると考えていましたし、時間的にそれ以上のことをする時間もないと判断したためです。なお、一元化を図るにあたり、似たような事例で混同してしまうようなものは、自分で表を作ってテキストに挟み込んでいました。自分で表を作ると、理解していないところが浮き彫りになってくるので、時間はかかりましたが、有用な作業だったと思っています。
記述式対策としては、できるだけ新作の問題を集めて解くようにしていました。記述式は、択一と違い、細かいところを間違えても何とかなりますが、大枠を間違えるとそこでおしまいです。同じ問題を何度も解いて完成度を上げるよりも、新作の問題をたくさん解くことで、勘違いして憶えていることをあぶり出し、修正する方が安全だと判断したためです。そして、書式の間違いを一元化したテキストの該当箇所に書き込むようにして、なるべく書式の問題を見直さないで済むようにしました。

答練の受け方

クレアールの答練は、むやみに細かい知識を出して不安を煽るようなことがないので、勉強の良いペースメーカーになりました。量的にも質的にも本試験に近いので、本試験の時間配分を意識して受けることができました。
なお、私は、答練はあくまでもペースメーカーと割り切っていましたので、成績は気にせず、復習はその日のうちにできる分だけにしました。また、過去問の範囲外と思われる問題については、軽く解説を読む程度に留めるようにしていました。

反省点

2年連続ともに総合点は超えましたが、記述式が数点足らずに足切りになりました。いずれも記述式の時間配分を間違えたことによるものです。疑問に思った解答欄にこだわりすぎ、簡単な解答欄に記載する時間がなくなってしまいました。さんざん「解らないところはみんな解らないんだよ」と言われていたのですが、いざ本番となるとなかなか捨てて次にいくことができませんでした。今年はそれを実践することができたことが、最大の勝因だと思っています。もっと早く実践できていればと思うと悔しくてなりません。

合格した年の試験対策

前年までの学習方法は基本的に間違いはなく、その精度が足りなかっただけだと思いましたので、今までの学習方法を繰り返しました。
また、毎年書式の時間が足りなくなるので、午後の択一を1時間で終わらすことを目標にして勉強しました(本試験では10分近くオーバーしてしまいましたが)。
記述式については、予算の許す限り新作問題を集めて、3月くらいから1日1問解くようにしました。

択一の学習方法

民法

過去問から繰り返し出題されているので、過去問を繰り返しました。つい、こだわって出題範囲を超えてしまいがちな科目なので、深く考えすぎないように気をつけました。

会社法

一度テキストに出題箇所を書き写した後は、テキストと条文を何度も読み込むようにしました。問題を解く際に条文を意識するようになってからは、知識が混乱することが少なくなりました。

民訴・民執・民保・供託

よくマイナー科目と言われていますが、過去問に関連したところを暗記さえしていればすぐ解けてしまう問題が多いので、午後の部の中では、得点源であり、一番解答時間を短縮しやすい科目だと思っています。私は、本試験で1問1分を目標にしていたので(実際はもう少しかかってしまいましたが)、かなりの時間を割いて正確な知識を身に付けるようにしました。講師の方も言われていましたが、決してマイナー科目ではないと思います。

不動産登記法

この科目は、過去問をしっかりやっておけば、確実に得点できる科目だと思います。また、過去問を解く際には、常に書式で問われたらどうするかを意識するようにしました。手元には常に書式のひな形集をおいて、申請書が思い浮かばなければ、すぐにチェックするようにしました。

商業登記法

細かい知識が多い割りに範囲が広いので、書式に関連するところは、絶対に落とせませんが、あまりこだわり過ぎず、本試験では1,2問捨ててもいいくらいに割り切るようにしていました。

記述式の学習方法

本試験の記述式の問題は、基本的に時間さえかければできて当たり前です。問われているのは如何に早く正確に解けるかです。私は、メモ用紙の書き方を工夫するなど、如何にして時間を作り出すかを常に考えるようにしていました。細かいですが、添付書類などは一文字でも少ない書き方を選ぶように心がけました。

本試験

本試験直前期に詰め込み過ぎたせいか、試験前日になって溜まっていた疲れが爆発してしまいました。頭の中が真っ白になり、今まで憶えたことが全部飛んでしまったような感じでした。「これはまずい」と思い、散歩をするなどして気分転換をはかり、ほとんど勉強せずに早く寝て疲れを取ることに専念しました。
試験当日は開き直ることができたのか、あまり緊張せずに淡々と問題を解くことができたように思います。
試験が終わり、採点してみると書式の足切りの恐れもありそうに思えました。中途半端な状態での合格発表までの3ヶ月は非常に長く感じました。法務省のHPに自分の番号を見つけたときの感想は、嬉しいというよりは緊張感から開放されて「ほっとした」というのが正直なところです。

最後に

今回の合格に至るまでに、職場の方々、友人、家族からは相当な身勝手を認めてもらいました。本当に有難うございました。
また、クレアールのスタッフ・講師の方々には、いつも気にかけて頂き、大変お世話になりました。有難うございました。

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