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「子育てをしながら試験に合格!」 小野 由美子さん

「子育てをしながら試験に合格!」

小野 由美子さん

司法試験の受験知識を活かして司法書士へ

私は23歳から受けていた司法試験受験を26歳の時に辞めました。家庭の事情もあって就職することになったのですが働きながら受験するまでの情熱もなく、争い事の嫌いな自分に弁護士は向いていないと思うようになったからです。
その後結婚して生活も落ち着いたのでそれまでの知識も無駄にならず弁護士ほど争い事に関わらずに済む仕事をということで、司法書士の試験を受けることにしました。

1年目は勉強量が不足

クレアールに入って初めて受験をした年の成績は択一で足切りこそ突破したものの合計で159点、書式は合計21.5点でした。沢山書いた割には、書式の点が悪いというのが印象的でした。この年は勉強量が不足していたと思います。択一の勉強をするのが精一杯で書式のひな形を最後まで目を通してはいませんでした。「私は司法試験を勉強していたから民法はできるだろう」と思っていましたが、結果的に民法も惨敗でした。過去問はやりましたが(不動産登記法では8回ぐらい)、丁寧さは欠いていたと思います。ただ、司法試験時代の知識で憲法と刑法は大丈夫そうでしたし、マイナー科目は昭和からの過去問を何回かやって点が取れていたし、不動産登記法もだいぶ理解できるようになっていました。次は民法、会社法、商業登記法に的を絞って勉強していこうと決めました。がっかりはしましたが司法試験の勉強より楽しく感じたのでこの試験で頑張っていこうかと思いました。

出産・子育てに追われ諦めかけた

翌年は5月に子供を出産し体調が悪かったため直前2ヶ月以上勉強から離れていたので7月に試験を受けることは無謀だったのですが、年明けから春までは勉強していたので記念に受けました。
もちろん成績はひどいものでした。択一は足切りすら突破できなかったのです。
予想していたにしてもかなり気落ちしました。
落ちたショックから立ち直れなかったのと、子供の世話も大変だったので状況次第ではもう試験は諦めようかなと悩み、年内は殆ど勉強していませんでした。育児に専念することも想定して、ママ友達作りに精を出していました。

受験勉強を再開

毎日子供が寝てから3,4時間しか勉強していませんでした。年明けこれから勉強時間を増やしたら間に合うかもしれないと思って、「今年も頑張ってみようかな」という気持ちになりました。
そこで急遽近くの保育園に頼み込んで生後8ヶ月の子供を2月から入れてもらい、朝10時から夕方5時まで勉強することにしました。しかし最初の1ヶ月は子供がよく熱を出し、連日保育園から呼び出されて家に連れ帰り、熱で寝ている子供の横で勉強していました。その頃は弱点だった会社法と商業登記法の勉強をひたすらしました。その合間に、元から好きで比較的得意だった不動産登記法のテキストをもう一度最初から見直し、『択一六法』を読みました。その成果かその後の答練では不動産登記法、会社法、商業登記法で安定していい成績がとれました。弱点克服するには、やはり春までが勝負だと思います。

答練の成績に合わせて勉強方法を修正

3月上旬からはやっとコンスタントに学習ができるようになり、3月中旬になんとか過去問をすべて一回しすることができました。答練は4月から本格的に受け始め、常に10位以内に入ることを目標にしました。単に問題文をよく読んでいなくて間違えることが多かったので、それに気を付けるようにしたところ、安定的に30問は取れるようになりました。また、楽天の野村監督の言葉に「自分の評価より、他人が下した評価の方が正しい」というのがありますが、私は答練の成績が下がれば勉強方法が悪いのだと判断し、他の人が使っているテキストや勉強方法を調べ、昨年の合格者や親しい人には話を聞いて参考にしながら修正しました。しかし、答練でいい成績を狙うとそれに夢中になり、本試験の為にすべき勉強からずれてしまうので、あまり下がっていなければ気にせず過去問からは離れないようにしました。

書式は、過去問で出題のクセをつかみ自分なりに研究

過去問を何度もやると間違えるのはいつも同じところであることに気づき、民法は4月から苦手な分野だけの過去問をじっくり解き、時間をかけて解説を読み、その関連条文を引くようにしただけで、霧が晴れるようによく解るようになってきました。マイナー科目も同じようにして、更に深く理解できるようになりました。
そして5月の連休明けからは毎週月曜に単年度の過去問を解き、本試験で求められるレベルというものを択一・書式ともに意識して勉強するようにしました。特に書式の過去問は同じ論点こそ出ないけれどクセは確実にあるので、それを自分なりに体得できるよう研究しました。更に2年前の本試験での書式の成績を振り返ってかなり正確に書かないと採点されないのではないかという危惧がありました。そのため書式の問題を100問以上は解いて書式対策は万全にしました。とにかく数を多くこなしたかったので、不動産登記は登記の目的と原因だけ考えて解きました。連件で問われた場合には登記する順番が重要なので、それも意識していました。その経験が振り返ってみると本試験でしっかりと活かされたと思います。

直前の不安は相談して解消

試験会場も下見しに行き、答練の成績も安定していたのですが、6月になり直前1ヶ月を切ると精神的に不安定になってきました。そういう時は事務局へ相談しました。
直前期で心に残っているのは、「1年に一度しか会えない恋人に会いに行くような気持ちで試験を受けにいって下さい」という言葉でした。確かに司法書士試験は、私の憧れの存在であるはずです。毎年7月の第一日曜日にしか会えないのにそれまでの私は鼻息も荒く彼の前に現れて、自分の喋りたいことしか喋らない空気が読めない奴だったのですから嫌われて当然だったなと思いました。
直前の2週間前からは保育園の時間を延長して9時まで勉強し、直前1週間は夫が仕事を休んで子供の世話をしてくれたので思う存分勉強しました。直前期はなかなか勉強内容が頭に入ってくるような状況ではなかったのですが、後で後悔したくない一心で机の前に座っていました。

やってきたことを振り返り「今年は受かる」と確信

試験当日は行きの電車の中で先生から頂いた手紙を読みました。そこには「小野さんは今年絶対受かりますよ」ということが書かれていて、駅で泣きそうになるのをぐっとこらえました。しかし緊張しているときに限ってアクシデントはおこるものです。会場に着いた途端、夫から初めてもらったネックレスが首からなくなっていることに気づきました。
私は、一瞬で諦めました。おそらくネックレスは今日の試験に邪魔だったからどこかへ行ったのだと都合良く解釈し、試験会場に戻って準備をしました。そのとき私は今年受かると確信しました。例年になく精神的に落ち着いていたからです。やることは全てやったような気がしていたからかもしれません。
午前の択一は回りくどい彼が喋っていることにひたすら耳を傾けるような気持ちで解き、手応えもまあまあでした。
しかし休憩時間が終わり午後の部開始前に試験官が試験の注意事項を読み上げていた時、不動産登記法に別紙が16枚もあるというではありませんか!そこで、「択一はあせらず丹念に解き、別紙はさらっと読んで不動産登記書式に時間をかけすぎず、最後の50分になったら切り上げて商業登記にとりかかろう」と午後の部が始まる5分前に決めました。

最後に

司法試験を受験していたときから答練や本試験の結果に口を挟むことなく黙って応援してくれた夫には、感謝するばかりです。
熱を出した子供を保育園に迎えに行く度に罪悪感で受験をやめようかと考えたりしました。しかし、子供を預けてまで勉強しているのに落ちたら子供に申し訳が立たないと気が引き締まる部分もありました。そんな中自分を信じることができたのも、諦めずに頑張れたのも、クレアールだったからだと思います。今年の試験でもクレアールで合格の喜びを勝ち取る人が沢山いることを、心から願ってやみません。

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