「択一六法をフル活用して勝ち取った合格」 牧原 裕子さん

牧原 裕子さん

目次

1 司法書士を目指した動機とクレアールを選んだ理由

専門家として働き、生活できるような資格を取りたいと漠然と考えていました。そんな時にたまたまインターネットで見た相続についての記事に興味を持ち、何かそれに関して資格を取りたいと考え、資格の学校に勤めている人に相談したところ司法書士という職業を知りました。司法書士は街の法律家と呼ばれ、だれもが身近で相談できる人です。そして受験資格の制限がなく高卒の私にも目指す事ができることを知り、この資格を取ろうと思い、勉強を始めました。

クレアールを選んだ理由は、色々な入門講座の動画を見ていて、早口で事務的な先生ばかりの中、清水先生の物腰の柔らかい話し口調で丁寧な説明に惹かれたからです。

2 通信での勉強

通信講座は周りに同じ勉強している人もいないので孤独です。自分の学習がどの程度進んでいるかもよく不安になりました。孤独さはクレアールにメールでの相談、WEBで同じ勉強をしている人たちとのやり取り、図書館で色々な勉強をしている人たちがいる環境に行くことで解消していました。

学習の進み具合は、答練などの結果で正答率50%以上の問題を落としていないかをチェックして確認していました。このことで着実に勉強ができていることも実感できました。

3 何度不合格でも次に向くため

私は4回目で合格できました。1回目は択一式の明らかな基準点未満で勉強不足を感じ試験後からリスタートが出来、すぐ次に気持ちが向きました。

2回目で択一式の基準点未満のときはショックを受けました。気分転換に行政書士の勉強をしましたが、行政書士試験も総合点では超えていたものの足切りになってしまい、不合格でした。ダブルのショックで、なかなかやる気が出ませんでした。それでも少し法律を知っただけの人にはなりたくはないと思い、次に基準点未満ならすっぱり諦める決意で気持ちを入れ換えました。

3回目はなんとか択一式の基準点は超えましたが、記述式の基準点を超える事が出来ませんでした。不動産登記の記述式で申請する登記の順番を間違ってしまい、試験結果発表前からダメだろうなと思っていました。発表後は司法書士の勉強をどうするか決めず、行政書士の勉強に集中しました。その後改めて考えてみて、基準点未満なら諦めるという姿勢はそもそも合格する気で勉強していたんだろうかと思い、次の受験を最後として必ず『司法書士試験に合格する』と決意を新たに、1月に入ってから本格的に勉強を再開しました。行政書士試験に合格して一層気持ちが入り、また今年が最後と決めたこともあって、今まで以上に集中出来ました。

悩まずに次の受験にすぐいけるときは合格に近づいていない。悔しい気持ち、なかなか次に気持ちがいかないのは努力をしていて精一杯やったからこそ感じることです。悩みが深いほど合格に近づいていると思います。 

4 友達との付き合い

家族以外には勉強している事を言っていませんでした。地元から離れての生活を送っていたこともあり、周りにいたのは仕事の人のみでした。学生時代の友達に会いたいと思うことはありましたが、すぐに楽な方に逃げてしまう性格なのでかえって良かったかなと思っています。

5 仕事と勉強のバランス

週4日働いていました。受験専業にするとストレスが溜まり、また時間があると思うと集中した効率の良い勉強が出来ないと思ったからです。ただ直前期の6月からは勉強のみにしました。

合格した年は本格的な勉強のスタートも遅く、仕事も6月初旬までやりました。不合格だった前年までよりも勉強時間は短くなりましたが、短期間集中した日々を送ることができました。それも合格につながったと思っています。

6 科目別の勉強方法  

◆憲法

択一六法を中心に学習しました。行政書士試験の勉強をしたことで、憲法は理解ができるようになり、あまり学習に時間をかけずに済みました。 

◆民法

択一六法を何度も読んでいくうちに覚えていき、自然に点数を取れるようになりました。法改正はありましたが、1年目に買った択一六法に色々書き込みやメモをしていたため、そのまま使いたくて上から紙で改正条文を貼りました。改正前の条文が、どのように変わったのか見られるようにもしていました。午前の部の科目に関して私は民法が苦手だったため、過去問は3回まわし理解の薄い問題については4回解きました。苦手な代理や占有権などは表などにして目で覚えました。

◆刑法

択一六法を中心に学習しました。総則はなかなか理解出来ませんでしたので、表にまとめて覚えるようにしていました。過去問は2回まわしました。

◆会社法

択一六法を中心に学習しましたが、内容量が多いため、無理せず流し読みにならない程度に2か月間で読み切るように計画を立てました。過去問も3回まわしましたが、過去問より条文で内容を理解するようにしていました。大きな改正があったため、択一六法と過去問は買い換えました。改正条文は択一六法の条文の頭に“改”と書き込み、読むときに注意をしました。平成26年に改正があった特別支配株主の株式等売渡請求、自己株式の取得の手続き、苦手な譲渡制限株式の譲渡等承認請求の流れなどは図に描きました。試験前は暗記するため、毎日その図を紙に書きました。

◆民事訴訟法・民事執行法・民事保全法

択一六法を中心に、条文を覚える気持ちでゆっくり何十回も読みました。
過去問は1問2分と決めて、時間を計りながら解いていました。本試験の午後の部の科目は時間との勝負です。普段から緊張感を持って解くと、ゆっくり読めばできる問題でもケアレスミスをしていたので、早く的確に要点を拾う練習をしました。民事訴訟の手続きのどの段階の話をしているのかを意識するために表を作り、覚えていない事を記入していきました。これにより細かい事も理解が出来、自然に間違えなくなりました。

◆供託法・司法書士法

択一六法を中心に学習しました。供託法は出題傾向が決まっているので、過去問や昔の答練を解き、問題慣れをしました。司法書士法は覚えておくべき条文だけ内容までしっかり理解しました。時間はかけませんでした。

◆不動産登記法

過去問は民事訴訟法の問題と同じように時間を計りながら、似た問題でひっかけが多いので、比較をしながら解きました。間違えたものは択一六法で条文をひいて、関連するものや似ているものも一緒に覚えるようにしていました。

◆商業登記法

記述式のひな形や問題を解くうちに理解できるようになりました。

◆記述式

合格書式マニュアルのひな形を覚えました。クレアールの記述式の各種問題集、答練、クレアールで受けた過去の答練の記述式の問題など何度も何度も解きました。時間もきっちり計りました。記述式は簡単なことの見落としが大きな減点につながってしまうので、日頃から時間を意識して、基本こそ大事だと意識していました。不動産登記は申請の順番、商業登記は就任年月日などです。間違えたものは単にひな形忘れたのか、それとも知識の覚え違いなのかを合格書式マニュアルにすべて書き込み、合格書式マニュアルを見れば済むようにまとめました。

◆答練  

以前は順位ばかり気にして、間違えた問題を正答率に関係なく復習していました。合格した年は順位を気にすることなく、正答率が40%以上の問題で間違えてしまった肢を基本知識に戻り、間違えた理由の確認を重要視していました。そして答練はあくまでも答練で、過去問ではないため、正答率の低い問題は軽く目を通す程度でながしていました。解説講義はWEBで時間短縮と集中していないと聞き逃してしまいそうなスピードで視聴しました。

◆択一六法・過去問題集・間違いノート

択一六法や教材は1年目に揃えたもののみで増やしていません(会社法、商業登記法は法改正の関係で択一六法と過去問題集は買い直しました)。市販の六法は、あまり書き込みができないので、択一六法を使っていました。初めは大事だと思うところにはマーカーを引いていました。テレビで勉強方法を紹介していて、マーカーを引くとそこに目がいき勝手にそこのみを見てしまい、見落としが出ると言っていました。“まさにその通り”と思ったので、それ以来必要最低限しか書いていない択一六法にマーカーをひく事をやめました。

そして択一六法は声に出して何度も読みました。テキストはほとんど使わず、択一六法にすべて必要な情報を書き込んでいました。過去問題集は肢毎に解き、正誤を導くための理由も理解するようにし、3回まわして理由づけまで分かったものは省いていきました。あいまいなものは択一六法を引き、関連知識、混同しやすい知識、すっぽり抜けている条文を付箋に書き間違いノートに貼っていき、付箋には間違った過去問番号と日付を書くようにしていました。間違いノートは直接書き込むのではなく、付箋を貼る方法にしたのは分かったものを外していくためです。理解していくものが増え、間違ったものが目に見えて減っていくことを実感したかったからです。

7 試験当日

当日の朝は試験開始時間に脳がしっかり活動するように3時間前に起き、時間に余裕をもって試験会場に向かいました。間違いノートのみを持って行き開始時間までながめていました。

午前の部は時間的には余裕がありましたが、会社法が自信をもって解答を導き出せず、終わった後もモヤモヤしていました。
休憩時間は食事を軽く済ませ午前と同様に過ごしていました。

午後の部は不動産登記法の択一式の問題量の多さに集中力が切れそうになりました。心の中で“絶対合格”と唱えて必死に解きました。記述式に取り掛かるまでの時間配分は良かったのですが、不動産登記の記述式で時間がかかり、途中で商業登記の記述式に移りました。時間的に役員のことすら答案構成用紙に落とすことが出来ませんでした。焦っていても役員の就任年月日や設定年月日は見直しをしました。残り10分で手が震えてしまいましたが、「試験官が「終了」と言うまで諦めないこと」と言ってくれた人がいたので、最後の最後まで書き続けることが出来ました。

8 最後に

クレアールの先生が「試験中は一人で戦い、持っている知識を問題に結び付け、いかに正解を導き出せるかが勝負です。そして自分を信じられるかです。」と講義の中で話をしていました。試験中に迷ったときにその言葉を思い出し、自分を信じるようにしました。

諦めなくて本当に良かったと思っています。私の勉強方法が少しでも役に立てれば嬉しいです。

 

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