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独立開業司法書士インタビュー 遠藤友香先生(2)「司法書士としてのやりがい・魅力やプライベートの過ごし方」

司法書士としてのやりがい

遠藤友香先生

――ありがとうございます。では、今度は司法書士の業務を行ってきて、こんな嬉しいことがあったというお話がありましたら、お聞かせ願えますか。

遠藤:嬉しかったことは、たくさんあります(笑)。お仕事が終わった後に、お客様からお手紙をいただいたりするのも嬉しいですが、相続でお付き合いが長くなるお客様、特に数カ月で終わらないお客様ですと、何度もお家にお伺いするので、おやつを用意して待っていてくださったり、「また、遊びに来てね」と言っていただくと、嬉しく思います。もちろん、「ありがとう」とか「助かったよ」と言ってもらうのも、嬉しいのですけれども、ちょっと近付けたかな、踏み込めたかなと思うことが、すごく嬉しいです。

――そういう、お客さんのちょっとした言葉や、お菓子を用意して待ってくれているというのも、信頼されているという証ですからね。ありがとうございます。続いて、司法書士として、仕事をしていく中で、やりがいは、どのようなところにありますか。

遠藤:やりがいは、「あなたにお願いして良かった」とか「ぜひ、先生にお願いしたいんです」と言ってもらえることです。時には、もめているところに突っ込んでいかなければいけない時とか、大変なことは正直あるのですけれど、無事終わって、「良かった」と言ってもらえること。最初に来られた時に顔が暗かったのが、終わった時に、晴れやかなお顔になっていると、「ああ、良かったな」と思います。

司法書士資格のメリット、魅力

――分かりました。ありがとうございます。続いて、資格のメリットや魅力について聞かせて頂きます。一般の方にはなかなか知られていない部分ですけれども、司法書士試験の合格率は3%未満の試験で、100人受けて約3人しか受からない試験です。この難しい資格試験に合格して、今、実際に実務をやられているわけですけれども、この司法書士という資格のメリットや魅力はどのようなところにあると思いますか。

遠藤:やはり、開業しやすいということだと思います。自分の中では、結婚したり、出産した後もお仕事をしたいという気持ちがあって、その時に自分のペースでできるのではないかというふうに思ったことが、受験のきっかけであったので。今まだ、結婚していないので、そのメリットを感じられていないところではありますが...(笑)。

あとは、事務所によって違いはあるかもしれませんが、私はお客さんとの距離が、弁護士とかよりも近いということが、メリットというのかわかりませんが、開業して良かったと思うところです。

1日の業務スケジュール例

――分かりました。ありがとうございます。では、続いて司法書士さんの1日の仕事の流れについてお聞かせください。遠藤先生は、いろいろな仕事をなさっていらっしゃって、その日によって、仕事内容は違うと思います。私たちは司法書士を目指そうと思っている方から、司法書士の方はどんな1日を過ごしているのだろうと、よく聞かれます。そこで、例えば、朝起きてから、寝るまでどんな1日を過ごされているのかをお聞かせいただけますか。

遠藤:例えば、昨日だと、起きてから1時間半ぐらいで準備して、事務所に来ます。基本は、8時半に事務所出勤となっているので、10分~15分前くらいには入ります。朝はその日に提出する申請書のチェック、その日のスタッフのスケジュールや作業の指示を出します。その後、午前中か午後のどちらかは金融機関さんへ伺って、書類の回収をしたり、ご質問にお答えします。

私はほぼ半日は外出しますので、お昼を挟んで戻って来て、お預かりしたお仕事の申請書の作成、打ち合わせ、お電話、お見積もりの作成で、大体就業時間は終わります。その後はその日によって違います。―昨日は、士業の交流会に行きました。個人のお客様だと、夜しかご自宅にいないという方もいらっしゃるので、夜面談に伺うということもあります。事務所で、今とりかかっているホームページを作っていることもあります。勤務している司法書士よりは、拘束時間は長いかもしれないです。

――なるほど。個人のお客さんと、仕事が終わった後や、家族が揃ってから面談するとなると、結構、夜遅くなってしまうこともあると思うのですが、一般的には何時ぐらいまで仕事をなさっていますか。

遠藤:夜6時までは事務所にいます。

――夜6時以降は、来客や相談が何もなければ、仕事は終わるのですか。

遠藤:そうですね。何もなければ終わるはずですが、なかなか終わらないです(笑)。スタッフは、就業時間が終わったら帰りますが...。

――遠藤先生は、何時ぐらいに事務所を出られることが多いですか。

遠藤:私が事務所を出るのは夜8時ぐらいです。夜6時前に家に帰るために事務所を出ると言うことは少ないですが、お客様とお会いしたり、交流会に参加するときは時間にあわせて外出します。このようなお約束などがないときは、基本は最後に退出します。

――土日はお休みですか。

遠藤:お客さんからの相談などがない限り、基本はお休みです。

独立開業司法書士の報酬について

――平日忙しく動いていらっしゃるので、土日はお約束がない限りお休みと言うことですね。よく分かりました。今度は、お話しにくいところもあるかもしれないですけれども、司法書士さんの報酬について伺わせて頂きたいと思います。

もちろん事務所によって、報酬は違うでしょうけれども、これから司法書士を目指そうと考えていらっしゃる方から司法書士さんの報酬はどのくらいなのかということをよく質問されますので、お聞かせ頂きたいと思います。特に独立開業していらっしゃる司法書士の方が、どのくらいの収入を得ているのか。例えば、同年代のお友達で普通に働いている方と比べたらどのような感じであるかなど、差し支えない範囲で良いですから、お聞かせ頂きたいと思います。

遠藤:やはり、事務所によると思います。売上は良い時も悪い時もありますが、勤めている方よりは、数字上はもらっていると思います。ただ、私の事務所は個人事務所なので、確定申告をすると、相当な税金が引かれて手元に残るのは...。そのことを相対的に考えると、お勤めしている方よりズバ抜けて儲かっているとは言えないかもしれないですが、勤務している時よりは多いかなと思います。

――司法書士は難関資格ですから、その難関資格を突破して、それに見合う報酬が稼げているかということが、一般の方から気になるみたいで、質問される時がありますが、どうでしょうか。

遠藤:なるほど。受験生の方は気になりますよね。私の場合は、一応なんとか大丈夫です。クリアしていると思います。

――まだ開業してからそれほど時間も経過していないですから、これからもっと、お客さんを増やしていって、比例して報酬も増やしていきたいと考えていらっしゃると思います。また今の時点がもちろんマックスではないと思いますが、難関資格を突破して開業するメリットはあると言えますか。

遠藤:そうですね。どうなんでしょう。これで、「ない」と言うと、多分、受験生の方もショックを受けますよね(笑)。でも考え方次第という面はあると思います。勤務している時と違って、独立開業すると交流会やお付き合いでの外食なども増えますし、お仕事とプライベートの境目がすごく見えにくくなる気がします。ですので、平日の17時まではきっちり働いて、アフター5は死守したい!!みたいな方は、メリットを感じられないでしょうね。そういったもの全部をお仕事だと考えると、労働時間が長い、見合ってないと思う方もいらっしゃるかもしれないです。

でも私は、交流会に行く時間や、他のことをしている時間というのも、楽しくやらせていただいているので、そういう意味でのメリットはあると思っています。そして、勤務を続けていたら出会わなかったであろう様々な方との出会いもありますね。そういう、お金には換えられないメリットもたくさんありますよ。自分次第だと思います。

司法書士としての今後のビジョン

――ありがとうございます。遠藤先生は、まだ若いので、これから事務所を拡大するチャンスはたくさんあると思います。そこで今後の将来的なビジョン、あるいは今後の司法書士としての展望みたいなものがありましたら、お聞かせいただけますか。

遠藤:現在私の事務所は、私と、スタッフとして、お二人の女性がいます。つまり女性だけの事務所なのです。お仕事していて思うのは、男性がどうというわけではないですが、「女性の目をかける点、目が届く点というのは、ちょっと男性と視点が違う」ということです。特に今力を入れている相続や遺言などの部分は、その女性の目線がとても生きる内容のお仕事だと思っています。心理的な部分やデリケートな部分も多いので、気を使い過ぎるぐらいでもいいのかなということを感じます。

私としては、このまま女性の事務所として、もう少しスタッフの人数も増やして、お客様も増やしていきたいということはありますが、それ以上に女性ならではの気配りが利く事務所にしていきたいと考えています。先ほど、一般の方とお話するときに、なかなか、言葉などが難しいというお話をしましたが、やはり、まだ一般の方の司法書士のイメージは、結構、年配の先生やちょっと偉い感じの先生が来るようなイメージがとても強いようで、「こんなことを聞いたら、笑われてしまうのではないか、バカにされるのではないか、怒られてしまうのではないか」というのが、まだあるようです。私はいい意味で、そういうイメージを変えていきたい。

極端な話、以前に相続手続きをしたおばあちゃんがいらして、今度息子と二世帯住宅にするんだけど、いい工務店さん知らない?とかでもいいんです、司法書士としてのお仕事にならなくても(笑)。誰に相談すればいいか分からないから、とりあえずあの先生に聞いてみようかなって、もっと身近に、もっと気軽にお話してもらえるような司法書士、というイメージになるといいなという想いがあります。

プライベートの過ごし方

――分かりました。どうもありがとうございます。今度は、話は変わって、プライベートの時間について質問したいと思います。実際に開業している司法書士さんが、プライベートの時間をどんなふうに確保しているのか、あるいは過ごしているのかということが受験生だとなかなかイメージしにくいところです。

もしくは、情報が入らないというのもあるので、伺いたいと思います。まず、仕事の予定を組む中で、遠藤先生は事務所を経営なさっているので、完全に休みの日をフルに使えるわけではないと思いますが、仕事の予定の組み方とか、プライベートの時間の割り振りは、どのように組まれていますか。

遠藤:確かに、土曜日、日曜日に仕事が入ってしまうこともあります。それはお客さんにあわせて時間を取ります。あと開業1年目は、経費精算や入力作業なども自分でしていたので、自分で使える時間がほとんどなかったです。でも、それが長くなるときついですし、本業にも影響が出てしまうので、今はお仕事を割り振って、外注や他のスタッフに回すようにしています。

あとは、可能であれば代休を取ったり。その時間、何をしているかというと、本当に普通のOLさんと同じですね。お友達と食事やお買い物などもありますし、それこそ、他の士業の先生とプライベートでも仲良くさせていただいているので、お食事に行ったり、お茶を飲んだり、旅行に行ったりしています。あとは、私も自分でやっているゲームを使った交流会があるので、そういう打ち合わせや開催をしています。もちろん、興味を持ったセミナーや勉強会に参加することもあります。

――そうすると、お休みの日は仕事にも役立てつつ、ご自身も楽しむという感じですか。

遠藤:そうですね。楽しんでいます。

――今、開業1年目が忙しかったというお話がありましたけれども、最初は勝手がなかなか分からないということが、あったのでしょうか。

遠藤:何を、どこまで自分がやって、どこまでをスタッフにやってもらうかということが、分からなかったので、最初は、経費の入力などを全部、自分でやろうとしていました。そうすると、土日は全部つぶれてしまい、バランスがちょっと取れなかったというのはありました。ですから、その辺を少しずつ見直して、ここは少しお金を払っても、別の方にやってもらった方が私も時間が作れるし、その分本業のパフォーマンスを上げられるということが少しずつ、分かってきました。まだまだ、そのバランスを取っている途中ですけれども、1年目はとにかく、目の前のことをやるので精一杯という感じでした。

――少しずつ、慣れてきて、軌道に乗り出したということですね。

遠藤:そうですね。おかげさまで(笑)。支えてくれる周りの方に、本当に感謝しています。

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