「答練の結果は「反省するけど気にしない」、そして復習を徹底する」 岩田 裕彦さん

答練の結果は「反省するけど気にしない」、そして復習を徹底する

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司法書士試験への挑戦

 私は大学卒業後、父が会社経営をしておりました関係で、企業人としての仕事に携わっていましたが、自己啓発かつ将来のために何か資格、とりわけ法律関係の資格が欲しいと考えておりました。そして、第1のステップとして宅建と行政書士試験の勉強を始め、この資格に関しては、同年度に1回の受験で両方とも合格できました。

 その後、大学時代の友人達との飲み会があった際に、大手メガバンクに勤務している友人から「司法書士を目指したら」というアドバイスを受けました。彼は当時、融資担当のセクションに配属されており、司法書士の方々と接する機会が多く、いろいろなタイプの先生の話をしてくれました。その時、司法書士という資格に魅力を感じ、司法書士試験に挑戦しようと決意しました。

クレアールを選んだ理由

 ただ、司法書士試験を目指すと決意はしたものの、当初は仕事の片手間に勉強しているという程度の勉強でしたので、受験勉強といえるレベルのものではありませんでした。その間に、個人的な事情で受験勉強を約2年半ほどの期間、中断せざるを得ない状況となりました。そして身辺も一段落し、今年こそ本腰を入れて勉強をしようと思い立ったのが平成18年の11月頃だったと憶えています。

 ただ、本格的に勉強し難関試験を突破するには受験指導学校へ行く必要があると痛感し、何校かのパンフレットを取り寄せました。しかし、大手の指導校は、受講料がかなり割高となっており一発合格できれば問題はないのですが、受験生活が2年、3年と続くとなるとやはり躊躇せざるを得なくなりました。その中でクレアールは、受講料もリーズナブルに設定されていました。とりわけ目を引いたのは、その成績に応じて受講料を割り引いてくれる特待生試験が定期的に実施され、さらにスケジュールの関係で都合が悪い場合、相談すれば都合の良い日時に随時個別に試験を受けさせてくれるというシステムです。私の知る限り、このシステムは他校にないもので、それと同時に相談に乗ってくださったスタッフの方々も、懇切丁寧に親身になってアドバイスをしていただき「クレアールにしよう」と決めました。

クレアールの講義・教材について

 まず、現在の私が受講するのに最適な講座選びから始まり、事務局スタッフの方から、適切なアドバイスを受け、「中上級者対象コース」と当時戸谷先生が担当なさっていた基本4法基礎講座の「商法(会社法)・商登法」の科目別講義を受講することに決めました。特に、私が一時受験勉強を中断していた間に「新会社法」が制定施行され、一から会社法を勉強しなければならない状況にあった私にとって戸谷先生の講義は、会社法全体の構造ならびに各制度趣旨をわかりやすく丁寧に解説してくださり、とても助かりました。

 また、使用したテキストも詳細な中にムダを省き、受験に必要最低限のことが記載されており、とても使いやすく何回も精読することができました。クレアールで配布された教材で特筆すべきものとして、科目別の『過去問題集』『択一六法』そして『合格書式マニュアル』があります。『過去問題集』は、体系的に科目別に整理され、私はこれを基本書代わりに使用しました。一方、『択一六法』はかなり詳細、かつ豊富な知識で構成され、参考書として活用しました。そして、記述式対策としてうってつけだったのが『合格書式マニュアル』でした。これは書式の「ひな形」のうち、試験で出題されるべきものについて、わかりやすく解説がされており、合格した本年度は毎日かかさず読み、実際に紙に書いて、手で憶えるように努めました。

答練の活用法

 年明けから、いよいよ本試験に向けてのアウトプットの集大成である「総合答練」や「書式特訓答練」等が始まります。この答練の活用法としては、受験生の方によって様々だと思いますが、一番オーソドックスな活用術としては、答練を学習の「ペースメーカー」として、その週末の答練の科目に合わせて、その一週間当該科目を重点的に勉強するというやり方です。しかし合格した年は、私はその方法を敢えて採りませんでした。それは、昨年までの自分の失敗の原因を自分なりに振り返ったからです。

弱点を分析し学習をやり直す

 私は、平成18年の11月頃から、何とか仕事をこなしながら本腰を入れて勉強をしてきました。しかし、平成19年の本試験では、「択一問題(午前・午後)の基準点を突破するも、記述式の基準点に足りず足切り」、翌年の平成20年度の本試験でも、「択一基準点突破、しかし、記述式の基準点に2.5点足りずアウト」、平成21年度本試験では、「択一・記述共に基準点を突破するも、総合点で合格点に5点足りず、またまた不合格」、でした。

 そこで、本年度は様々な角度から自分の弱点を分析して根本的に己を知り、改めて学習をやり直すことから始めました。まず第1に、今まで答練を受けてきて結果をあまりに重視し、徹底した復習を行っていないことに気づきました。したがって本年度の答練においては、「時間配分と復習」の徹底に重きを置き、答練のある週末までの一週間は答練の科目以外の勉強をし、全科目の底上げを図りました。

 答練の結果がそのたびに気になり、一喜一憂する方も多いと思いますが、戸谷先生が日頃から「答練はあくまでも練習会です。結果に一喜一憂するのはナンセンスです」と仰っているように、本年度は「結果については、反省はするけど気にしない」ようにして、とにかく復習の徹底化に努めました。具体的に申しますと、①まず誤答した問題はもちろんですが、注意していただきたいのは、②2つの肢に絞り込めたが、どちらか迷いながら何とか正解に達した問題に対する復習です。後者の場合、本試験に別の角度から出題されたとき、正解を選択するとは限らないからです。したがって、正答した問題も別の角度から出題されても迷うことなく確信して正解の肢を選べるように、それに関連する部分も復習するように心掛けました。

 幸いクレアールの答練は、過去問をベースにした良問や近時の新傾向に則したアップ・ツー・デートな問題ばかりで、その多くが本試験に的中又は類似の問題として出題されており、落ち着いて本試験に対処できました。実際、私は本格的に勉強して以来、本試験での択一は、午前の部・午後の部の問題ともに基準点に足をすくわれることは一度もありませんでした。そして、私は答練を過去問や基本書を補う「参考書」としても活用しました。
  次に、これは初学者の方から、中・上級レベルのすべての方に言えるのですが、合格への「バイブル」というべきものは、あくまで「条文」だということです。ですから、基本書等で該当する条項を読んでも、必ず同時に煩を厭うことなく登記六法等を引いて「条文」を何度も確認する作業を怠ることのないように努めてください。

直前期こそ基本事項を反復継続

 本試験まであと3カ月と迫ってきた4月からの直前期では、すべての受験生が不安を感じる時期でもあります。しかし、不安を感じたからといっても、くれぐれも新しいことに手を染めてはいけないということです。あくまで、なすべきことは今まで学習してきた基本事項を反復継続して学習するように努めるということです。私は、それまでに記述式も含めて答練等で間違えた箇所や不得意な箇所をノートに走り書き程度にその都度書き留めたものを本試験まで毎日目を通しました。特に、記述式に効果があったように思います。

 以上、述べてきた形で本年度は学習を重ね、5月から6月にかけ、某大手予備校の公開模試を3回受けたところ、3回とも「A判定」を受け、上位にランクされ自信を深めました。もっとも、本試験の2週間前に実施されたクレアールの最終の公開模試では、合格推定点に5点足りず「C判定」でした…。しかし、この時も「あくまで模試は模試だ」と自分に言い聞かせ、自信を揺るがせることなく本試験に臨み、「合格」の二文字を手にすることができました。

ご自身に合った「体験談」を参考に

 本試験が近づく直前期には、様々な無責任な情報や風説が飛び交い、心を惑わされる方も多いと思います。しかし、そのような雑音に惑わされることなく、マイ・ペースで自分が学習してきたことに自信を持ち、あくまでも「オレ流」を通して基本事項の反復・継続学習に心掛けて欲しいと思います。

 この体験談をお読みの方々の中には、当然のことながら、ご異論もあろうかと存じます。ただ、僭越ではありますが、私が申し上げたいことは、「合格者」と一口に申しましても、皆それぞれ、その人生いろいろ、今までの生き様、年齢、そして現在置かれている環境も十人十色であるということです。ですから、読者の皆様が今、現在のご自身の置かれている状況と近似している合格者の体験談をお読みになって、ご自身が最も「相性」や「考え方」が合いそうな「合格者」の体験談を参考にされてみてはいかがでしょうか。

最後に

 末筆ではありますが、クレアールで勉学に励んでいらっしゃる受講生の方々の本試験での検討をお祈りしつつ、今までご指導を仰いできました戸谷先生はじめ各講師の先生方、当時司法書士講座に従事されて貴重なアドバイスを賜りました大山さん、そして現司法書士講座のスタッフの皆々様に改めまして御礼を申し上げたいと思います。
「本当に有難うございました!!」

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