合格体験記『今年合格できた秘訣は、全分野の基礎を固めることと苦手分野の過去問を解けるようにしたこと』伊藤 優 さん

伊藤 優さん

目次

なぜ司法書士を目指したか

私は、大学卒業後、法律事務所で事務員として勤めることとなりました。

その業務の中で、弁護士業務はゴールがなかなか見えない、一方、司法書士業務の登記は、申請書作成、添付書類の収集・作成というゴールが見えやすい働きができるのかな、と思えたのが目指したキッカケとなりました。

予備校選びのポイント(なぜクレアールを選んだか)

私がクレアールを選んだ頃は、司法書士試験を受け始めて、次回の試験が9回目の頃でした。そういう状況下で、費用を抑えたかったことと、学習の中で条文に重点を置きたかったので、クレアールを選ぶことになりました。

費用については、Web特待生試験を受けた結果、特待生試験割引がありましたし、条文学習については択一六法が最適だと思いました。

カリキュラムで活用しやすかった点

1単元の講義が60分前後なので、1単元視聴して、次にもう1単元と、どんどん視聴していけたので、講義が進んでいく感覚がつかめて、継続しやすさにつながったと思います。

答案練習の効果的な活用方法

今までの経験上、本試験では解答の見直しをすることができなかったので、答案練習では、全速力で解いて、見直しをしないで提出していました。模擬試験などでも午後の部は2時間30分で解くようにしました。

また、なるべく本番と似た状況(本試験現場での緊張で午後の時間では疲れが出ているような状況)にするため、午後の試験1回分(過去問や前年の模擬試験を利用)を解いて、ある程度、脳を疲れさせてから、提出する答案練習の問題を解いたりもしました。

しかし、本試験は、マークシートを塗りつぶし、記述式問題の解答を書き切るのに、残り3分くらいまでかかりました。本試験現場では慎重になりすぎてしまうことを想定しておくべきだと思います。

学習を進める心構え

① 今、目の前でやっていることが過去問の範囲なのかどうかを意識する。

過去問既出の箇所であれば落とせません。

② 改正分野で過去問のない分野は条文、制度趣旨を意識する。

近年の本試験は直近の改正分野が出ると思って対策する必要があります。

効果的な学習方法

(択一式)

問題を解いた時に、解説を理解するのではなく、解答根拠がテキストのどの部分なのかを意識することが良いと思います。

また、よく言われることですが、Aランク問題を落とさないことが大切なことです。Aランク問題を落とすことと、Cランク問題を落とすこととの精神的ダメージは比べることができません。

(記述式)

まずはひな形の習得。そして、わからなくても、却下にならない申請書になるように書くことが良いと思います。

本試験レベルの問題を解くときは、読む順番を決める等、解き方を確立して少しでも時間短縮を意識するのが効果的です。

また、自分が解答を書く時間はどれくらいかかるのか、分かっていた方が良いです。

一般的に記述式問題1問につき50分から60分を想定すると思いますが、実際に過去問の記述式の解答を書き写してみることをお勧めします。不動産登記、商業登記それぞれ20分前後かかるのではないでしょうか。

そうすると、おのずと、問題文を読む時間、検討する時間があぶりだされると思います。早く書ける人は才能がある人だと思います。

苦手科目の克服法

会社法の学習は本当に辛くて、最初の大きな、大きなハードルになると思います。

大丈夫です。周りの受験生も苦手です。楽じゃありません。毎日会社法・商業登記法を勉強しましょう。100人のうちの4~5人になるのです。

今年合格できた秘訣

① ヤマをはらない。全分野の基礎を固める(改正分野も含む)。

先ほどのAランク問題、Cランク問題の話になりますが、ヤマをはっていない分野でAランク問題が出題された時に、失点してしまうと厳しいので、全分野、ある程度の質は保つ必要があります。

② 苦手分野でも過去問は解けるようにしておく。

苦手分野でも目標を定めて、過去問をできるようになっていれば、それだけでも精神的には良いと思います。

午後の部の効果的な解き方

マイナー科目、不動産登記法択一式、商業登記法択一式、記述式2問を順番に解くと、後半に大変疲弊し、頭も手も疲れるので順番が大事です。

私は、商業登記記述式、商業登記法択一式、マイナー科目、不動産登記記述式、不動産登記法択一式の順番で解きました。

この解く順番のメリットは

① 商業登記記述式は、登記ができない事項が見つかれば、あとは機械的に書き進めることができる科目であること。

② 商業登記法択一式の準備運動になること。

③ 不動産登記記述式まで手を休めることができること。

があげられます。

その他にも、商業登記記述式を解く前に択一式問題全体を見ることができます。

また、2ページにわたる択一式問題は後回しにすることに決めていました。

デメリットをあげると、商業登記記述式を書き切ろうとして、60分をオーバーしてしまうことがあります。

これについては、自分でルールを決めて、時間管理と次に進む決断を答練を通して訓練する必要があります。

仕事との両立

仕事:平日の月~金曜日は8時に自宅を出て、19時帰宅、3週間に1回土曜日は8時に家を出て、15時に帰宅 祝日、土日、夏季休暇5日、年末年始が休み

というライフスタイルでした。

その中で、平日は朝に1時間から1時間30分、夜に2時間から2時間30分、土日にそれぞれ約6時間から9時間という勉強時間でした。

その他には、電車の乗車時間の往復35分はテキストを読んだり、問題を解いたりしました。駅から会社や自宅までは、音声学習をしました。音声学習は往復30分くらいでした。音声学習以外には、自宅を出る前に、何かテーマや苦手箇所をピックアップして、例えば登記事項など、その日にピックアップしたものを覚えるというようなこともしました。

来年度の合格を目指す方へのアドバイス

私がクレアールを受講する直前の2019年の本試験の択一式の成績は午前25問、午後23問でした。

翌年2020年の択一式の成績は午前33問、午後22問で午後が基準点に届きませんでした。この2020年の午後の問題で数問、Aランクの問題を失点してしまい、自己採点をした当時はものすごく精神的に落ち込みました。来年度の試験を受けるかどうかを考えるほどでした。

ただ、2021年は例年より短いスパンで本試験がやってくるので、あと1回と思って学習を再開しました。今年の学習目標・テーマは「周りの受験生が分かる問題は落とさないようにする」ことでした。

今までは、答案練習の復習は「メリハリをつけて復習する」ということはあまり意識していなかったですが、今年は正答率を気にして、正答率の高い問題が不正解だった場合は、時間をかけて復習するようにしました。

迎えた本試験についてですが、私は緊張しやすいタイプだと思いますので、緊張に対する事前準備をしていました。緊張は力を発揮するための身体反応である。「緊張している」と自分に認識させると落ち着く。ということを頭に入れて少しでも落ち着くようにしました。

そして試験中ですが、午前の部は、時間が足りないということはありませんが、「いつもより時間がかかっているな」、「正解している手応えがあまりない」というのが実感でした。「午後の部を受ける意味があるか」とさえ思っていました。

それでも、今までやってきたことを出し切ろうと、何とか気持ちを切り替えて午後の部を迎えました。

午後の部は、商業登記記述式のページに行くまで、1ページずつめくっていくと、「2ページにわたる択一式問題が何問かあるな」と思いながらめくっていました。

商業登記記述式は、易しめの問題内容だったので細かいミスをしないように書いていました。商業登記法択一式、マイナー科目と解き進め、不動産登記記述式は、解答してはいけない登記に注意しつつ、第2欄最初の債務者変更登記をなぜか2件に分けて申請する解答にしてしまったり、根抵当権の分割譲渡の箇所は、債務者の住所も書くのか、などいろいろ考え、混乱しながら解いていました。そして不動産登記法択一式に入る頃には残り30分になっており、2ページにわたる問題はまず飛ばして、その他の問題に時間を使うようにして、無我夢中で解き進めていきました。

結果としては、午前33問、午後択一式27問正解、記述式の基準点も突破することができ、合格できました。

最後に、

① 模試の成績は本試験と異なる。

② 模試シーズンが終わった後の1か月や2~3週間で知識を整理すれば、さらに伸びる。

③ これからの学習態度が、超直前期の自身の支えになります。

実際の本試験の現場では、極度の緊張状態で、実力者でも崩れる場合があります。

現場での手応えもあてになりません。当日の5時間だけは目の前に集中しましょう。

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