「昨年までの失敗の原因を克服したことが今年の司法書士試験合格につながった」 増澤 千代さん

増澤 千代さん

目次

1.なぜ司法書士を目指したか

Webデザイナーという職業に行き詰まりを感じ、75歳まで着実に働ける仕事に就きたいと考えていたところ、ちょうど親族の後見監督人に就任した司法書士の先生とやりとりをする機会がありました。司法書士の仕事が登記だけでなく成年後見の分野に広がっていることを知り、将来性を感じ、目指すことを決めました。

2.なぜクレアールを選んだか

知り合いの合格者の方から「クレアールとってもいいよ!届く教材を決められたスケジュール通りに進めていけばちゃんと力がつくから!」と勧められたのがきっかけです。実際に合格された方の言葉は重いです。また、前年の受験では午前の部択一で基準点割れしたため、今年は条文学習をしっかりやって民法・会社法の得点を底上げしたいと思っていたので、中上級講座のインプット教材が択一六法であるところも私の求めていたものと一致しました。

また、通信教育というスタイルも希望にあっていました。通学にかかる時間が省ける上、講義の配信時期も早いので、年内に学習をどんどん進められる点も魅力でした。早期合格者には通信教育で勉強した方が多いという情報も得ていましたので、今年はそれにしようと心に決めていました。

費用が安かったのもとても助かりました。4回目の受験ともなるとそれまでにかけた額も大きく、これ以上の経済的負担はなるべく抑えたいと思っていましたので。

3.クレアールで学習して良かった点

先に触れましたが、択一六法がとても役に立ちました。一般的な縦書きで字の細かい市販の六法よりも、横書きで枠をつけたり色分けされたりしているクレアールの択一六法のほうがずっと見やすく、何か少しでも曖昧な点があればすぐに択一六法で調べる習慣がつきました。また、受験生が混同しやすい論点を横断整理した表などもたくさんあり、記憶が曖昧になった時や答練でミスをした時などにササっと復習するのに便利でした。講義も、条文の素読を聴くことで耳から文言を覚えるという効果に加えて、今まで思い違いをしていた法的概念や条文解釈、判旨などを講師の解説で改めて理解し直せるという効果がありました。古川先生は講義の中で「ここは○○の条文との兼ね合いでこうした規定ぶりになっています」「この条文はこういった趣旨で作られました」という条文の成り立ちや背景についても触れてくださることがあり、私は「なるほど。そうなんだ。」と興味深く思うことがよくありました。条文についての興味が湧くと法律の勉強もぐっと楽しくなるものです。

記述式については、記述式ハイパートレーニングが便利でした。論点ごとに小問形式になっていたので、一度に勉強時間・労力がかかりすぎず、かつ記述式攻略に必要とされる重要論点のマスターが無理なくできました。繰り返し解いて苦手論点のないようにするために使いました。記述式の本試験問題は実は基本的な論点の組み合わせでできているため、あまり難しすぎる問題を解いてばかりいるのは他にもやるべきことがたくさんある中ではネガティブ要素になると思います。
またクレアールの答練は難しすぎず、本試験に近い感覚で作られたものだと感じました。

4.カリキュラムで活用しやすかった点

単元別講義というアイデアはとても素晴らしいものだと思いました。私の場合、受験も4回目となり、苦手な論点はある程度わかっていたので、苦手なところを何度も何度も繰り返し聴いて克服しました。特に苦手な論点については、学習計画表に「仮処分 33:45〜」というようにピンポイントな講義の開始時間を記入しておき、曖昧になったらすぐに頭出しして聴けるようにしました。

また、直前期には、答練で間違えたり曖昧になっている単元を早回しでザーッと聞き直すということもしました。司法書士試験は知識量が多いので、1月に覚えていたことも6月には部分的に抜け落ちてしまっていることがあります。知識が欠けた部分を見つけて意識して潰す作業にも単元別講義は有益でした。また、私は体が丈夫ではなく、11月から3月までは仕事もしていたので、細切れ時間をうまく生かした勉強方法をとりたいと思っていましたので、1単元が60分程度でコンパクトにまとまっている単元別講義は聴き進めていきやすいものでした。60分ほど講義を聴いた後、その日のうちに該当箇所の過去問を解いてアウトプットまで一体的に済ませた後に就寝するという目指していた勉強方法が実現できました。

5.答練の効果的な活用方法

通信教育は自分のペースで無理なく勉強できる一方で、「いつまでに何をやるか」がルーズになりやすい面もあります。そのため私は、答練を必ず定められた期限までに提出するようにしました。解く際は、本試験の予行演習となるように制限時間もきちんと守りました。そのため、一度慌てて答案に名前を書き忘れたまま送ってしまったこともありました。また、解いている際に自信がなかった問題は解答冊子が届く前に択一六法で自力で正誤を調べたことも勉強になりました。
採点結果が届いたら、ほかの受験生の正答率が高いのに自分は間違えてしまった問題に注目し、なぜ間違えてしまったか、どうすれば次は間違えないで解けるか分析・反省をしました。会社法については過去問が少ないので、未出論点対策として何度か答練を解き直しました。

答練を利用する際に大切なことは、あまり答練の点数を気にする必要はないということです。むしろ受験回数が増えてしまった私の過去の苦い経験から思うのは、答練の点数を気にするあまり答練の復習ばかりして基礎論点や過去問がおろそかになることが一番良くないということです。結果よりもスケジュール通りきちんとこなしていくことが大事です。答練はあくまで本試験の予行演習であり、未知の問題を学習してきた知識を元にして解く練習であり、自分の弱点を知るための一つの方法と割り切った方が良いと思います。

6.苦手科目の克服法など

①全体的には、苦手な科目・単元について繰り返し講義を聴いて条文を読むことが大切だと思います。特に私の場合は、冊子教材だけだと飛ばし読みしてしまうので、目からの情報が脳に定着しにくく、耳から繰り返しインプットすることが効果的でした。
会社法については、講義で条文の理解を進めるとともに、予備試験の過去問を解くと良いです。予備試験で既出の肢が司法書士試験に出ているケースが見受けられるためです。

不動産登記法択一式については、昭和の問題を解くと引き出しが増える感覚があったので、時間に余裕がある方は市販の問題集などで少し古い問題を解いてみるのもいいと思います。商業登記法択一式については、記述式問題を解くことが択一の得点力アップにつながると思います。
記述式については、間違いノートを作り、記述式ハイパートレーニングや答練・模試で間違えた論点と正解をノートに書き、定期的に見直しました。そうすればいちいち問題を解かなくても論点がわかるようになります。

②午後の部の時間の使い方については、択一式に65分以上かけないこと、不動産登記記述は枠ずれの恐れがあるので、まずは商業登記記述の答案から仕上げて手堅く得点をすることだと思います。

個人的には、時間がなくても午後択一は可能な限り全肢検討した方が良いと思います。細かい文言の引っ掛けが多かったり、問題文の1番下にある肢が正解であることがかなりあるからです。

③昨年までの失敗の原因としては、

  • フルタイムで働いていたため、受講していた講座を消化するだけで精一杯で、講義→復習→問題演習というサイクルが作れなかったこと
  • 苦手論点を苦手なままにしていたこと
  • 記述で枠ずれする恐怖のあまり、記述の勉強に時間を多く割いてしまい、択一の勉強時間が足りなかったこと
  • 答練の問題ばかりやり過ぎて過去問が疎かになっていたこと
  • 過去問の肢を覚えて解いてしまっていたので、過去問論点への理解が足りなかったこと

それを受けて今年の試験で取った対策及び合格できた秘訣は、

  • 今年を最後の受験の年と決め、仕事を減らし、まとまった勉強時間を確保するなど合格のために必要と思われることは全てやったこと
  • 条文の勉強を徹底して行ったこと
  • 年内は行政書士の試験勉強をすることにより、憲法のさまざまな論点の問題演習ができ、また年内の民法、会社法の学習が目標をもって行えたこと
  • 苦手科目・単元の講義を執拗に聴いてマスターしたこと
  • 目からのインプットだけでなく耳からのインプットも多用したこと
  • 予め決めたスケジュールは全てこなしたこと
  • 記述の勉強に偏らず、択一で午前午後30問取るだけの勉強時間を割いたこと
  • 年明け以降も全科目を1.5倍速で聴き直して知識の抜け漏れのないようにした

だと思います。

④1000問ノックWebテストはたいへんよく利用しました。電車に乗っている間や仕事の合間、役所や病院の待ち時間など、いつも解いていました。過去問の仕上がりは合格を左右しますので、完璧にしておかねばなりません。

⑤仕事や家事等との両立については、クレアールで提供しているような通信教育が最も適していると思います。通学よりも通う時間と体力が省けて、その分を復習や苦手潰しや問題演習に回せるので効率的です。また、私は胃腸が弱く、通学講義のあとの夜遅くの食事が体調悪化の原因になっていたので、ちゃんと夕食を取ってから集中して講義を聴くことができたのも通信教育の大きな利点でした。そのぶんスケジュールに沿った自己管理と学習の実践が必要にはなりますが。個人的には、自宅で勉強に集中できる習慣をつけた方が良いと思います。化粧をしたり着替えたり移動したりする無駄な時間を取ることなく確実に勉強ができるためです。仕事をしていたり、育児が大変だったりする方は物理的に勉強時間を作る作業が絶対に必要です。忙しいことを言い訳にしていては合格点を取ることは無理です。まずは時間を捻出しましょう。

7.来年度の合格を目指す方へ

知り合いの合格者も皆言っていることですが、「今年絶対合格するぞ!」という気持ちがないと、司法書士試験は合格できない試験です。少しでも「今年がダメなら次の年でいいや」という甘えがあると、得点が伸びず、合格点に届かない原因となります。「今年にかける!」という気持ちを必ず持ってください。司法書士試験は頭の良い人が受かる試験ではなく、他の人がやらないような地道で的確な努力を諦めずにコツコツ積み重ねた人が受かる試験だと思います。勉強に対する高い意識と気持ちの持ちようはとても大切です。

戦略的な面では、択一式で上乗せ点をたくさん取る戦略の方が確実に合格できると思います。なぜなら、記述式の採点基準は公にされていない一方で、択一式は1問3点と明白に決まっているからです。1問多く取れば確実に3点上積みできます。記述式は大枠を外さずに他の受験生が書けるところをきちんと書ければ基準点は超えられるので、基準点プラスαを取る戦略で良いと思います。

また、自分にとって最も効果的な勉強方法を確立することも合格には必要だと思います。各自得意分野や効率的な勉強方法は少しずつ違っているからです。合格者の方々が実践していたさまざまな工夫に学びつつ、実際にやってみて、自分に合うものは続けて合わないものは止めるという試行錯誤もやるべきことの一つだと思います。

8.気分転換の方法

体調管理も受験の成功には欠かせないことです。私は、体調がすぐれない日は無理して長時間の勉強をすることはせず、ひな形の暗記や条文素読など軽めの内容にして早く就寝しました。そのかわり朝起きる時間は一定にして、本試験が行われる9時半から16時までの間にパフォーマンスが上がるような生活を送りました。勉強中あまりにも眠くなってしまった時は、机に伏して20分ほど昼寝をし、それから再び勉強に集中するようにしました。仕事が大変で帰宅したら脳が動かなくなってしまった日は、早めに寝てしまい、翌朝早く起きて勉強するようにしました。なるべく朝型の生活に切り替えた方が効率的に脳を働かせることができるように思います。食事もある程度決まった時間に取るようにした方が良いと思います。答練や模試を頑張った日は、テレビで野球観戦をして頭を空っぽにしてリラックスしました。もともとホットヨガが好きなので、腰痛予防・気分転換のために時々通いました。適度な運動も勉強の効率アップにつながりました。脳を休ませて良質な睡眠をとるために、毎日寝る前にはヨガのポーズを取って深呼吸をしてリラックスするようにしました。

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