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司法書士2015年一発合格者インタビュー 豊田 崇宏さん(3/5)

 

時期ごとの学習

清水 では続いて、時期ごとの学習についてお伺いします。司法書士試験の学習は大きく分けると、基本講義中心の学習の初期、それから基本講義が終わり過去問の学習や初めて答練を受ける学習中盤期、それから試験の直前期、いわゆる問題演習や自身が行ってきた学習をまとめる時期に分かれます。その時期ごとにどんな点に注意して学習を進めたか、あるいはこんな工夫をしたということがあればお聞かせください。

豊田 学習の初期から中期にかけては、まずは講義を聞いて択一六法の該当箇所を読み込み、講義で提示された参考過去問を解いていくという基本の繰り返しで進めていました。その時は講義の中で話されている理由付けとか、書かれている具体的なイメージのようなものをきちんと空白にメモを書き加えて、ただ黙って聞いているということにならないようにして、自分も積極的に関わっていく気持ちで時間を無駄にしないように注意しながら進めていったと思います。過去問を解くときは理由を考えながら正誤を判断するようなかたちで進めました。私はノートを作らないので、コピー用紙のようなものをバインダーに挟んで、そこにざっと書いていって書き終わったら捨てるという感じでした。そして肢ごとに○×と、何々だからこうなるみたいなかたちできちんと正誤の理由とセットで問題を解いていくようにして、なるべく記憶の引っ掛かりを作るように意識して進めていきました。記憶に引っ掛かりを作っておくと、何か月後かに復習した時に記憶が戻ってきやすく、さらに復習を繰り返した時に知識が定着しやすいように思います。

 あとは択一六法を読み込む中で、知識の整理が行われていったと思います。何度読んでも忘れるところと、大体1回読んだらもうほとんど記憶できて、試験まで忘れないところがあると思うんですけれども、何度か択一六法を読みこむ中でここは大体分かる、ここは2~3回読んでもまだ分かっていないと区分けされます。直前期には分かっている部分は一切捨てて、分かっていないところだけ最後は力業でもいいから暗記するというように、読み込む中で整理ができて、それが結構直前期に生きたと思います。

豊田さんが使用したテキスト (クリックすると拡大します)

直前期はテキストや過去問を一通り復習していく中で、特に知識が定着していないところを絞り込んで学習しました。具体的には、テキストで分からないところだけをメモ用紙に書き出していって、家の壁に貼って勉強の合間に眺めて確認していました。試験当日もテキストを持っていくのは重かったので、このメモ用紙だけを持っていって試験直前まで自分の理解の浅いところだけを見直していました。

清水 つまり本試験までにどれだけわかっていない部分を減らせるか、そして覚えきっていないところは力業でも良いから直前に覚えるという感じですね。

豊田 そうです。試験の10分前に覚えてもいいので、苦手な部分を潰していくことに絞ってずっと勉強していました。

清水 先ほど理由付けや制度趣旨から覚えていくことを大事にしていたという趣旨のことをおっしゃっていたと思うんですが、本試験で何か応用できたというか、本試験で知らない知識が出てきたときに制度趣旨から答えを導けたとか、そういったようなことはありましたか。

豊田 そこまで多分応用力はなかったと思います。ただし試験では過去に問われたことと同じような問題が出されることは多いですが、全く同じ聞かれ方はされないので、そういう理由とか制度趣旨のようなものが何となく分かっているとちょっと聞き方を変えられてひねられたときに対応する力はついてくるかと思います。逆に難しい推論問題は多くの受験生も解けないだろうと思い、捨てるような覚悟で、難問を解くことまでは考えていなかったです。ただ、少しひねられたときでも対応できるのと記憶に残りやすいということはありますよね。

清水 学習初期段階の話に戻ってしまうんですけれども、学習を始めた当初はなかなか全体像が見えなかったりして、ある意味一番辛い時期だと思います。学習を始めた時に挫折しそうになったり、辛いという気持ちになったことはございましたか。

豊田 最初は全く勉強したこともなく触れたこともなかった法律の言い回しとか独特の用語のようなものがさっぱり分からず、講義を聞いていても択一六法を読んでいても何のことを言っているのかなと思っていました。あとはまだ自分がどう勉強すれば一番良いかも分かっていなかったので、かなり初期段階では時間がかかったと思います。クレアールさんのこういうふうに勉強しましょうというのも見返したりして、改めてどういうふうに進めていった方がいいかなと模索しながら進めていたように思います。ただ、講義の中でも「最初は分からないのは当然なので、進めていったら分かるようになります」ということを講師の方が繰り返しおっしゃられていたので、それを信頼して分からないことはあまり気にせずに進めていきました。民法と不動産登記法の講義の中盤くらいからは、講義がスムーズに入ってくるようになりました。内容的に一番大変だったのは会社法でした。

私の場合は、お試し受験のちょっと前ぐらいから会社法の講義受講を始めたんですけれども、ちょうど夏場から秋口ぐらいまでかけて結構てこずりながら進めていました。択一六法の分量というか条文の量も多かったのに加えて、さらにちょうど秋口ぐらいに改正の資料を頂いて、また変わってしまったと思って…。

清水 こんがらがってしまいましたか。

豊田 そうなんですよ。講義が終わったと思ったら結構なボリュームで改正があったので、そこは精神的にはきつかったですね。

清水 知識が定着していない段階で、それをまた覚え直したりする作業は混乱しますよね。

豊田 はい。そうでした。

 

学習時間、学習量

清水 では次の質問に進みます。時期にもよると思いますが、学習の初期から中盤期、そして直前期にどのくらい学習していたか、お聞かせください。

豊田 私の場合は勉強をスタートして1年間ぐらいは大体1日8時間ぐらいです。朝起きてから3時間、昼はちょっと子どもと一緒にお昼寝をして昼から3時間、そして夜に2時間ぐらいです。8時間ぐらいのペースであまり無理しすぎずに、ある程度このペースをキープできるように意識していました。直前期の残り3カ月は、ちょうど妻が職場復帰して子どもを保育園に預けたりして、子どもが保育園から帰ってきてから寝かし付けるまでの時間とか取られて結構大変な時期ではあったんですけども、逆に子どもを保育園に預けたり子どもが寝た後に集中して、大体直前期は10時間ぐらいやっていました。朝が4時間、昼からはもう子どもと昼寝する必要がないのでまたご飯を食べて4時間ぐらいで、子どもが寝た後に3時間ぐらいでしたか。それだと11時間ですね。多少の誤差はありますから、大体10時間ぐらいだったと思います。

 

初学者カリキュラムの活用方法

清水 毎日コツコツ学習なさっていたことがよくわかりました。では今度は、クレアールの初学者カリキュラムの活用方法について伺います。初学者コースは基本講義から始まり、最終的には直前期の答練、模試といったアウトプットで終了します。基本講義を進めていくときの学習方法や心構え、直前期の答練や模試の利用方法、注意点をお聞かせいただきたいと思います。

豊田 最初のインプットの段階では、先ほどの内容と重なりますが、講義で話された内容をきちんとメモしていったり、過去問題集できちんと理由付けを考えて解いたり解説部分で理由となるところや重要となる部分をチェックして、必要であれば紙に書いて覚えたりしました。あとは択一六法でも講義で重要と説明された部分をチェックしたり、関連知識を書き込んだりして、自分なりのオリジナル教材を完成させていくようなつもりで積極的に学習しました。ただ講義を聞いているだけだったり問題をこなすだけではなくて、どうすれば自分の記憶に残っていくかを考えながらやることは重要だと思いました。択一六法などもさっき書いたことと全く同じことでももう1回書き出したり、過去問題集で、ほとんど同じ問題でもまた理由をきちんと書き出して解いていくようにしていきました。

清水 どうやったら記憶に残るのか、というところを重要視されたということですね。

豊田 はい、そうです。なるべく早く記憶の中に入るところは入れておき、後々記憶に入らないところはどうしても出てくるので、そこになるべく時間を割けるようにしていました。あとアウトプットとは答練や模試ですよね。ここはもう時間を意識して解くところが大事かなと思っていました。具体的には択一は、特に午後ですけど何分ぐらいで解けたらいいか、記述は自分がどのくらい時間がかかるのか。さらにその中でなるべく初歩的なミスをなくしながら、どのくらいの時間配分でいければ一通り解けて合格に近づけるのかというところを意識して解くことが大切です。つまり、試験上の実践力のようなものを意識しながら解いていくようにしました。あとは答練や公開模試で見つけた自分の弱点を埋めていくところも並行しながらやっていきました。

清水 本試験を想定したかたちで問題を解いていたのですね。

豊田 そうです。

清水 この自分を知るということがやはり大事ですね。

豊田 直前期の答練や模試では、今自分がどのくらい安定的に得点できているのか、どういうところが弱くて、どういうところが得意なのかを見直す機会になって良かったと思います。

清水 自己分析がしっかりできていたところが良かったということですね。

豊田 そうです。直前期は、答練の回数がそれなりにあったので、前回の答練でしくじったところを次はこういうやり方でやってみようとか、やり方も模索しながらやりました。

 

クレアールの通信講座で学習を開始した直後の感想

清水 では続いて、クレアールの通信講座で学習を開始した直後の感想を伺います。司法書士は難関資格の一つであるため民法、不動産登記法、会社法等の早い段階で挫折してしまう方もいらっしゃいます。学習を開始して辛かったこと、工夫したことがあればお聞かせください。そして、辛かったときがある場合はどのようにして乗り越えて学習を続けていったか、今まで伺った話と重複してしまう部分もありますがお聞かせください。

豊田 最初はやはり初学者だったので、条文特有の法律用語とか言い回しは大変でした。これに全く対応できないとか、昨日講義を聞いたばかりなのに何の内容だったかさっぱり覚えていないとか、なかなか最初はコツを掴むまでは大変でした。それでもそういうものかと思って取りあえず自分のペースを作ることと、講師の方がおっしゃることを忠実に守っていくことを心掛けて進めていきました。進めていくと違う法律の分野になっても、用語などにも対応できるようになってきたので、途中からは不安や苦しみはなくなっていきました。

清水 わからないことがあっても、わからないなりにとにかく前に進んでいくことが大事ということですね。

豊田 はい、そうです。民法・不動産登記法一体講義もテキスト1冊目が終わって2冊目ぐらいに入るとだんだん慣れてくるというか、講義の聞き方とか学習内容にも徐々に慣れていきました。やはり一番の山場は会社法でした。民法はどちらかというとまだなじみがあるというかイメージしやすいですけれども、会社法はさっぱり具体的イメージが掴めないので勉強のコツが分からないという感じでした。どういうポイントで覚えていったらいいのか掴みにくい科目だとずっと感じていて、さらに改正があって覚えたところが変わったり、また新たな知識が入ってきたりということで、最後まで結構てこずったかなと思います。

でも会社法は知識量は多いけれども過去問を見ていると問題自体は条文に忠実な問題が多く、あまりひねった問題がないという印象があったので、きちんと択一六法などで条文を最後まで読み込んで基本だけをしっかりしておけば得点できる科目かなと途中から思ったので、最後まで択一六法をきっちりコツコツと読みながら進めていきました。

清水 会社法で引っ掛かる方は多くいらっしゃるんですよね。会社法についても、わからないなりにとにかく前に進んでいって、だんだんとわかるようになってきたようなイメージですか。

豊田 そうですね。最後に記述の勉強を進めている時に、やっとそういう意味だったのかと分かるぐらいでした。条文も同じようなことを何回も繰り返し書いているし、今、何の内容を読んでいるのかも途中から分からなくなるような科目だったので、記述で具体的にこういう出来事が起きてこうなっているんだと、分かるようになると大分イメージが掴みやすくなりました。

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