目次
問題
問1老齢厚生年金と雇用保険法に基づく給付の調整は、特別支給の老齢厚生年金又は繰上げ支給の老齢厚生年金と基本手当又は高年齢求職者給付金との間で行われ、高年齢雇用継続給付との調整は行われない。(令和元年)
問260歳台前半の老齢厚生年金は、雇用保険法に基づく基本手当の受給資格を有する受給権者が同法の規定による求職の申し込みをしたときは、当該求職の申し込みがあった月の翌月から月を単位に支給停止される。なお、1日でも基本手当を受けた日がある月については、その月の老齢厚生年金が支給停止されてしまうため、事後精算の仕組みによって、例えば90日の基本手当を受けた者が、4か月間の年金が支給停止されていた場合、直近の1か月について年金の支給停止が解除される。(平成24年)
問3加給年金額が加算された60歳台前半の老齢厚生年金が、雇用保険の基本手当との調整により支給停止される場合であっても、加給年金額については支給停止されない。(平成26年)
問4在職老齢年金の仕組みにより支給停止が行われている特別支給の老齢厚生年金の受給権を有している63歳の者が、雇用保険法に基づく高年齢雇用継続基本給付金を受給した場合、当該高年齢雇用継続基本給付金の受給期間中は、当該特別支給の老齢厚生年金には、在職による支給停止基準額に加えて、最大で当該受給権者に係る標準報酬月額の10%相当額が支給停止される。(平成30年)
ポイント!!
基本手当との調整 |
調整 事由 |
60歳台前半の老齢厚生年金と基本手当を同時に受けることができるとき |
調整 内容 |
基本手当に係る求職の申込みのあった月の翌月から受給期間が経過するに至った月又は所定給付日数に相当する日数分の基本手当の支給を受け終わったとき(延長給付を受ける者は延長給付が終わったとき)に該当するに至った月まで支給停止⇒基本手当の支給を受けた日とみなされる日及びこれに準ずる日として政令で定める日が1日もない月があった場合には、その月については老齢厚生年金が支給される。 | |
事後 精算 |
老齢厚生年金の支給が停止された月の数から基本手当の支給を受けた日とみなされる日の数を30で除して得た数(1未満の端数は1に切り上げ)を控除して得た額が1以上であるときは、直近の年金停止月から順次さかのぼって老齢厚生年金が支給される。 | |
高年齢雇用継続給付との調整 |
調整 事由 |
60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者であり、高年齢雇用継続給付を受けることができるとき |
調整 内容 |
在職老齢年金の仕組みにより支給停止される額に加えて、次の額を支給停止する。 ① 受給権者の標準報酬月額がみなし賃金日額×30の100分の61未満⇒標準報酬月額×100分の6 ② 受給権者の標準報酬月額がみなし賃金日額×30の100分の61以上100分の75未満⇒標準報酬月額×100分の6から一定割合で逓減するよう厚生労働省令で定める率 ③ ①又は②により計算した額×6分の15+受給権者の標準報酬月額が支給限度額を超えるとき⇒(支給限度額-標準報酬月額)×15分の6 |
○ 基本手当との調整における「これに準ずる日として政令で定める日」とは、待期期間、職業紹介拒否、職業訓練受講拒否に係る給付制限期間、離職理由による給付制限期間がある。
○ 高年齢雇用継続給付との調整において、標準報酬月額がみなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の75以上であるとき又は支給限度額以上であるときは、高年齢雇用継続給付が支給されないため支給停止は行われない。