Read Article

面接対策のススメ 【前編:面接対策の第一歩】

今回の特集コラムは面接対策についてですが、皆さんにお伝えしたいテーマが多いため、前編、中編、後編の3部で投稿させていただこうと思います。
前編は、イントロダクションとして面接対策のファーストステップについて、今からできる事と対策の進め方をお話させていただきます。

面接対策は何からすべきか

公務員試験の学習をスタートされる前から、多くの方が面接試験について不安を感じられているようです。
しかしながら、実際に学習を開始すると、目先の筆記試験対策に追われ、「一次試験に合格できなければ面接対策どころじゃない!」と、面接試験の対策を後回しにしてしまい、一次試験が終わってから慌てて着手をされるというケースも少なくありません。
一次試験の手ごたえが薄いと、なかなか本腰を入れて対策がスタートできない…といったケースも多いのですが、一次試験の合格発表から面接試験までは数週間から1ヶ月程度しか時間がなく、その間にも併願先の一次試験が控えている場合は、面接対策に十分な時間を確保する事ができなくなってしまいます。
その結果、面接対策が不十分となってしまうことで、筆記試験対策にかけた努力が水の泡になってしまう危険性も孕んでいますので、少しでも早い時期から始めることが大切ですが、多くの方々が「それはよくわかっているけれど、志望先も固まっていなくて、面接シートもない状態では何をすればいいのかわかりません!」と思うのではないでしょうか。
今回は、そうした方に「早い段階からやっておくべき事」をアドバイスさせていただきます。

面接対策…というと、実際に質疑応答をする“模擬面接“”を思い起こすことが多いようですが、手順からいえばこれはもっと後でもいいでしょう。
筆記試験対策で言えば、模擬面接は「模擬試験」のようなもの。その前に日々の学習が必要であり、面接対策における「日々の学習」がなければ、模擬面接もその効果を発揮することはできないのです。
それでは、まず最初に何をすべきでしょうか?


面接対策における第一段階でやるべきことは、「自分についての知識を整理する事」つまり自己分析をするということです。
複数の受験先を併願する方にとって、学習をスタートしたばかりのタイミングでは志望動機を作ることは困難ですが、志望先が決まっていなくても自己分析だけは着手する事ができます。面接対策において最も時間と労力を必要とすることでもあるため、早めに進めておくことで無理なく対策を立てる事ができるとお考えください。

面接試験は自分自身という人間を「商品」として、買い手(面接官)に売り込みに行くプレゼンテーションのようなものと言われていますが、そのためにやらなければならないことは、商品知識をしっかり身につけておくことです。
「自分のことは自分が一番知っている」と言う人もいますが、それはほんの一握りの人であったり、主観的な思い込みだったりすることも往々にしてよく見られます。
また、人間が自分自身を評価すると、どうしても短所ばかりが目についてしまい、長所を見つける事ができないといったことも少なくありません。
こうしたことを踏まえると、面接対策はいかにして自分自身に客観的な視点で「商品価値」をつけることができるかどうかが大切です。そのために、どのようなやり方をすればよいのかをこれからお話していこうと思いますが、まずは、「わかっているはず」という思い込みを廃し、「自分という人間ほど自分のことを知らない人間はいない。」という視点に立ったうえで、自己分析に取り掛かっていただきたいと思います。

自己分析の進め方

自分自身の「情報」は普段、「記憶」の中に整理されない状態で保管されているため、これをアウトプットすることで「記録」され、目に見える形にしておけば、自分自身を客観的に見る事ができるようになります。
それから情報を整理した状態でもう一度頭に保管すれば、自分の事を適切な言葉で論理的にアピールしていくことも可能であるとお考えください。

【自分の歴史をまとめる】
自分の情報をアウトプットする時は、膨大な情報を整理しやすい手順で行うことが大切です。
最初は「事実(経歴)」を書き起こしながら、自分の歴史をまとめていきましょう。
可能であれば、履歴書のようなフォームを用意して、そこに時系列で辿ってきた自分の経歴を書き込んでいきます。今後、複数の受験先に出願手続きを進めるたびに、経歴書のようなものを書いていくことになると思いますが、この機会に正確な情報をまとめておくと後々で楽になります。
(中学校や高校、大学の入学・卒業年などをすぐに書き出せるようにしておくと、今後も使いまわしができます)

時系列に自分の歴史を整理した後は、思いつく限り自分に関する記憶を掘り起こしながら、それをメモ用紙などに書いていきます。
出来事だけでなく、「自分はこういう行動をとることが多い」「人からこう見られているように思う」「自分はこういうものが好きだ」「人といるときの自分はこんなタイプだ」など、“自分”に紐づけられることをどんどん書き溜めていきましょう。
書いたメモを見返しながら、前述した経歴に書いた出来事と関連するものであれば、「この出来事を通してこうなった」ということがわかるように整理していきます。時系列に並べられないものについては別にまとめておいてください。

この作業は1日あればできると思いますが、これで終わりではありません。記憶の奥底に眠っていることや、後から言語化されることなど、これから時間をかけて抽出する情報もありますので、できれば1冊、ノートを用意して、今後自己分析を進めていくときに自分に関するネタを書き込めるようにしておきましょう。
また、ここまでのステップにおいては主観性が前面に出ていますので、家族の方や友人、知人など、様々な人から見た「自分」はどんな人間だと思うか聞いてみることもおすすめです。
初めは照れくささがあると思いますが、実際にこれを実践された合格者の方は、「自分の知らない自分を発見する事ができた」「友人の話を聞いて『なんだ、俺っていいヤツじゃないか!』と思えた」と振り返っていました。(欠点を言われても怒ったりケンカをしてはいけません)

長所や短所を掘り起こす際の「人間観」

自己分析をすると、自分の「長所(強み)」「短所(弱み)」、「適性」などが見えてきますが、自己分析を行う上で大切なことは「長所も短所もない人間はどこにもいない」という視点を持つことです。
先ほど述べましたが、人間はどうしても自分を過小評価してしまうことが多く、気恥ずかしさから自分をよく見せることに抵抗を感じることもあります。
また、欠点が気になってしまいすぎると、それを面接官に話すことが怖くなり、場合によっては隠したりごまかそうとしてしまうこともありますが、これもよくありません。
合格者の多くが体験記などに書かれていますが、面接対策の中で「とりつくろわず、ありのままの自分を出した」といったことが最終的に辿り着く着地点のようなものに思えます。
長所短所は、そのほとんどが表裏一体になっています。例えば「優柔不断で、決断をするのに時間がかかる」というタイプの人は「慎重に考えて冷静な判断ができる」という側面も持っています。
結局、一つの“特性”を、どの側面から見るかによって長所にも短所にも映るわけですから、短所ばかりが目についてしまうのであれば、それを裏返しに見れば同じ数の長所を発見できるのではないでしょうか。

自己分析を通して自分自身の長所や短所を掘り起こしたら、それらと関連するエピソードも必ず準備しておきましょう。例えば「私の長所は人に優しいところです」と面接で話した時、面接官はなぜそう思うかを聞いてくるでしょう。
自分でなんとなくそう思っているだけであれば、具体的な根拠を示すことができないので説得力を持たせることができません。常に面接官はあなたの発言に対して「なぜ?」「どうして?」という疑問を投げかけてくると思っておかないと、自分の発言が自分の首を絞めることにもなります。
また、面接対策の時によく目にすることですが、自己分析がしきれていない方は、自分の強みや持ち味を言語化できず、漠然としたイメージで自分を表すフレーズを持ち出してしまい、その根拠を聞いてもしっくりこないのです。
例えば、「私の長所は人に優しいところです」という回答に対して、なぜそう思うかを聞くと「人に親切にするのが好きだからです」と回答されたとしたらどうでしょう。
なんとなくムズムズした気持ちになりませんか?
こういう回答は決して珍しいことではなく、実際に多くの方が同じような根拠不足を起こしてしまっているのです。
このような「フレーズと根拠のミスマッチ」が起こる原因はなにか。それは、先にフレーズを考えてしまうことにあります。そう、順番が逆になっているということです。
自己分析の中で、自分自身の行動傾向や特性、またはよくあるエピソードなどを抽出していれば、その中からインパクトのあるものを選別し、そこからあぶりだされるのが「フレーズ」です。

例えば、これまでボランティアの経験を数多くしている方であれば、その根底にあるのは「困っている人の役に立てると喜びを感じる」という性質であったりします。

これを面接試験では逆の順番にすると、「私は人のために喜んで力を発揮できるタイプだと思います」となり、その根拠を聞かれたら「学生時代から様々な形でボランティア活動に参加する中で、人の力になれた時の充実感を感じられたからです」という流れになります。(この先もやり取りが続きますが)
あくまでも一例ではありますが、実際に行動していることや実践していることこそ、何よりも雄弁にあなた自身の持ち味を証明してくれるのです

今回はここまでとさせていただきます。次回、中編では「コンピテンシー面接対策」について、後編では「実戦的な準備の進め方」についてお話をいたしますが、早めの対策をお考えの方は、ぜひ今回ご紹介しましたブレスト式自己分析を進めてみてください。

 

 

 

 

Return Top