Read Article

公務員試験倍率から見る現状と採用の動向

今、知っておくべき採用の動向

意外に高くない公務員試験の競争倍率

これから公務員試験の受験をお考えの方には、「公務員試験は倍率も高い激戦の試験に違いない」というイメージをお持ちの方も少なくはないようですが、実際にデータを見ていただくと、意外な事実が浮かび上がってきます。

■2017年度代表的な主要都市の競争倍率
自治体①受験者数②1次合格者数③最終合格者数①÷②①÷③
札幌市1,361名290名186名4.7 倍7.3 倍
仙台市797名140名96名5.7 倍8.3 倍
特別区12,683名4,219名2,176名3.0 倍5.8 倍
横浜市2,537名1,175名383名2.2 倍6.6 倍
名古屋市857名155名71名5.5 倍12.1 倍
大阪市869名299名77名2.9 倍11.3 倍
広島市701名304名118名2.3 倍5.9 倍
福岡市580名57名33名10.2倍17.6倍

受験人数が最も多く、圧倒的な人気を誇る特別区であっても5.8倍の競争倍率ですが、これをさらに細かく見ると、1次合格者は4,219名で1次競争倍率は3.0倍。そのうち最終合格者者数は2,176名ですから、1次合格者は1.9人にひとりが最終合格しているという驚くべき倍率が浮かび上がってきます。 自治体によって倍率に差はあるものの、こうしたデータを見ていただくことで、少なくともイメージだけで公務員試験の厳しさを決めつけるべきではないと言えるのではないでしょうか。

 

行政サイドも公務員試験受験者を増やしたい

一方の民間企業の就職状況についてですが、有効求人倍率がバブル期を超えたというニュースまで報じられているように、ここ数年は非常に内定率も高く、雇用情勢は決して悪くない状態といえます。

こうした状況は、「官民反比例の法則(民間の採用がよくなると公務員人気が下がり、景気が悪くなると公務員人気が上がる)」という言葉が示す通り、民間企業の入りやすさが公務員試験の人気低下を招くものとして捉えられます。 (もちろん、「人気が下がった=魅力の低い仕事」ということにはなりません。実際にかつて同じような動きの中で民間に就職したものの、採用後の待遇や職場環境の変化に耐えられなくなり、転職相談をされる方が非常に多いこともお伝えしておきたいと思います。)

いずれにしても、民間企業に学生が流れてしまう状況は、行政側にとっては苦慮すべきことであり、ここ数年は従来のような筆記試験を課さず、SPIやSCOAといった試験を導入したり、専門試験なしの区分を新設することで、受験対策の労力を軽減する自治体が増えてきているようですが、これには、民間企業の就活をしている学生の方々にも公務員試験を受けて欲しいという意向があるのではないでしょうか。

 

公務員受験は今がチャンス

しかしながら、公務員試験を取り巻く状況は常に不変のものではありません。かつて2007年問題で団塊の世代が大量に退職したことを受け、採用の枠が一気に広がった頃は民間の採用状況も好調で、当時の受験生は本当に恵まれた環境にあったと思います。ところが2009年にリーマンショックが起こり、民間企業の採用状況が悪化しただけでなく、時の政権を握っていた民主党(当時)による国家公務員の大幅削減により、公務員受験生にとっては追い風が急激に向かい風となってしまったことも記憶に新しいのではないでしょうか。

こうした情勢の変化は、いつ何どき起こってもまったく不思議ではありません。多くの方が、「たまたま今、公務員試験の受験を思い立った」だけだとしても、思い立ったタイミングによってチャンスは大きく異なる事だけは間違いありません。

「付和雷同」という言葉がありますが、自分に軸を持たず周囲に流されてしまえば、道を間違えてしまった時に誰も責任を取ってくれません。すべての受験先がスイートスポットで、簡単に合格できるということはありませんが、「絶好のタイミングはいつか?」という問いに対しては、少なくとも今の方がベストであるとお答えできるのではないでしょうか。

 

Return Top