【公認会計士試験対策】簿記の学習方法①(現金預金・債権債務)

目次

はじめに

今回から、簿記の学習について、私が実践した学習方法を踏まえ論点別に重要な内容を書いていきます。第1回の今回は、現金預金と債権債務の論点の学習方法をご紹介します。

◆現金預金

現金預金の論点は、論文式試験ではほとんど問われることはありませんが短答式試験では頻出の論点です。現金預金は論点が少なく覚えなければならないことの量が少ない上に一度覚えてしまえば安定して得点を取ることができます。必ず押さえておきましょう。

現金預金の論点としては、現金勘定として処理される通貨及び通貨代用証券と現金として処理されない先日付小切手などの区分があります。似たような単語が並んでいて最初は難しく感じるかもしれませんが、一度暗記すればどんな問われ方をしても確実に得点できます。覚えるコツとしては、単にこれは現金でこれは現金ではないと機械的に暗記するのではなくなぜそれが現金として処理されるのか、または、現金として処理されないのかを理解することです。例えば、現金として処理される郵便為替証書や他人振出の当座小切手などは、今現在は通貨ではありませんが簡単な手続きでいつでも通貨に換金しうるため、現金として処理されます。現金として処理されないものについては、理由とともにどの勘定で処理されるべきなのかを押さえておくと確実だと思います。
その他の重要な論点としては、銀行勘定調整表があります。三種類の調整法がありますが、企業残高・銀行残高区分調整法で練習しておけばいずれの方式の問題が出ても対応できます。企業側の残高に修正が必要なのか、銀行側の残高に修正が必要なのかを理解し操作を覚えましょう。

また、現金預金に限った話ではありませんが、流動項目と固定項目の分類はうっかり忘れがちな論点なのでしっかり押さえておきましょう。

◆債権債務

債権債務の論点も簿記の考え方の基礎を理解する上で非常に重要です。また、債権債務の論点を理解していないと他の論点の理解に支障をきたすことも考えられますので、丁寧な理解を心がけてください。論文式試験で債権債務の論点が直接問われることは少ないですが、短答式試験では出題されることもあります。

債権債務の論点には、簿記初学者の方には耳慣れない用語や考え方が多くあるためとっつきにくく感じるかもしれません。理解のためには、テキストや演習を何度も繰り返し徐々に自分のものにしていくしかありませんが、少しでも効率よく反復するために私が実践した考え方やコツをご紹介させて頂きます。

初学者の方がつまずきやすい論点として、まず、手形取引が挙げられます。約束手形や為替手形、裏書・割引・不渡等多数の処理が出てきます。最終的にはこれらの処理の違いを自分で説明できるレベルまで理解を進める必要があります。私はまずそれぞれの処理の違いを暗記しようとしましたが、手形取引に初めてふれる私には何が何だか分からず全然理解が進みませんでした。そこで、一旦それぞれの処理の定義は頭の片隅に置いておくにとどめ、テキストの例題を使って自ら仕訳を切りながら学習することにしました。この学習方法の趣旨としては、そもそも手形取引の実態が分かっていないのに無理やり考え方を暗記するのは現実的ではないので、実際のビジネスの現場で起票されるような例題の仕訳を通して取引の実態ごと理解してしまおうというものです。

最初は例題の文章と解答欄で起こされている仕訳を見比べながらなぜそのような処理が行われているのか理解し、徐々に自分の頭で仕訳を切れるように反復を重ね例題を見ただけで頭の中に仕訳が思い浮かぶようになった時点で、一旦完成としました。反復をする際には、単に機会的に仕訳を起こすのではなく自分がその会社の経理担当者だと仮定しどのようなニーズがあってそのような取引をするのか、なぜその仕訳が必要なのか等を考えながら仕訳を切るように意識すると良いと思います。すごく抽象的なアドバイスではありますが、会社の当事者のつもりになって試験問題に取り組むと間違いなく理解が深まりますので、他の科目の学習でもぜひ実践してみてください。また、手形取引に関連して出てくる偶発債務の定義及び考え方は他の項で学習する引当金の設定要件と併せて理解が求められる部分ですので、偶発債務の定義についてもしっかり押さえておきましょう。

その他に理解が難しそうな論点としては、金銭債権の貸倒見積高の算定があります。定義はややこしく感じますが、以下に挙げるそれぞれの債権の特徴を理解した上で定義をご覧いただければ理解しやすくなると思います。

  • 一般債権:個別に貸倒の不安があるわけではないので、過去の実績に基づいて一定額の貸倒を見積もっておく。
  • 貸倒懸念債権:債務者に倒産のおそれがあるため、担保等現在確実に回収できる部分と倒産までに債務者が支払ってくれそうな部分を除いて貸倒を見積もる。
  • 破産更生債権:債務者が倒産してしまったため、担保等現在確実に回収できる部分のみを除いて貸倒を見積もる。

上記のほか、金銭債権の評価に用いられる償却原価法、売上債権・仕入債務以外の債権債務科目も重要な論点ですが、どちらも暗記的な要素が強い論点あり私自身も反復を繰り返して井理解しました。長い時間をかけてもしっかり理解しましょう。

まとめ

今回は現金預金及び債権債務の論点の学習方法をお伝えしました。中には複数回の反復が必要な論点もありますが、特に債権債務の論点は今後の簿記学習の要になる重要論点ですので、確実に理解しましょう。次回は簿記の中でもかなり重めの論点である商品販売取引の学習方法について書きます。

 

講座パンフレットやお得な割引情報などを無料でお届けします。
講座についてのご相談を受け付けております。お気軽にお問合せください。
講座のお申し込み案内ページです。講座をお申し込みの方はこちらからどうぞ。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次