Read Article

「一度乗った舟は最後まで降りない」 斉藤 旭さん

クレアールで他の講座を受講後、他の法律を学びたいと思い、かつ独立開業が可能と聞き、法律系資格の登竜門(?)といわれる行政書士試験の受験を決意しました。とはいえ私の法律関係の学習経験といえば憲法を少しかじった程度で、大学も法学部でないため、最初の頃は法律用語も十分に理解できず、初受験は法令・一般知識共に足切りになりました。2回目の受験では足切りは免れたものの、正答率が50%程度、3回目の受験では170点台の壁に阻まれました。ただ3回目の受験でようやく法的思考力が身に付いてきたと感じ始め、泣きの1回として4回目の受験を決意し、何とか合格しました。一度乗った舟は最後まで降りない(撤退しない)執念が実を結びました。

科目別学習方法

行政書士試験において行政法・民法・一般知識が試験全体の80%程度を占めるため、この3科目についての学習方法を紹介したいと思います。

1) 行政法(全体の37%を占める知識優位型科目)

行政法総論・行政事件訴訟法・国家賠償法については、過去問で取り上げていない論点や判例が出題されつつあるため、テキストにある基本知識を押さえることが必要です。行政手続法・行政不服審査法・地方自治法について過去問で取り上げている論点から出題傾向を分析してから学習の強弱をつける。

特に行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・地方自治法・行政代執行法は併せて条文をよく読み込んでおくことが必要で、相変わらず条文中心の出題があります。テキストに掲載されていない条文については、テキストの該当箇所の余白スペースに書き込み、テキストの中に条文集を作っておけば六法を引く手間が省け、テキストを見て確認することで条文も同時に参照できるため、この情報の集約化・一元化が直前期の学習に役立ちます。8月末までにテキストへの情報の集約化・一元化の作業が終了していれば、9月からはこのテキストで十分ですから。

行政法は問題演習(アウトプット)よりもむしろ知識(インプット)に力点をおいて学習を進められるほうがよいと思います。本試験では行政法は択一で19問中15問は確保しておきたい科目です。

2) 民法(全体の25%を占める現場思考型科目)

民法を苦手とする受験者・合格者も多いですが、しかし苦手といっても択一で9問中5問は確保したいです。民法については行政法と異なり、ある程度論点を絞って学習したほうがよいです。テキストにある条文や判例を押さえることが先決で、本試験では覚えた条文や判例を道具にして各事例に必要な道具を選択して解いていくため、行政法よりも定着するのに時間がかかります。民法の学習は早期からされるほうが得策です。民法は事例形式の問題のため、各問題・各選択肢ごと、時間をかけてもよいので図を書いて理解するようにして下さい。これもテキスト該当箇所に書き込んでおけば、確認の際に役立ちます。

3) 一般知識(全体の20%を占める知識優位型科目。ただし、文章理解を除く)

① 政治・経済・社会

テキスト中心に学習し、テキストにある論点が出題されたら必ず点を取るようにしたいです。この分野はある意味では法令等よりも広範囲にわたるので、民法と同様、ある程度論点を絞って学習されることを勧めます。最近では時事的な論点が出題されていますので、新聞やニュースに毎日目を通す時間的余裕がない方は新聞ダイジェスト(別冊号で十分)等の時事問題の参考書を揃えておくとよいでしょう。なお、新聞ダイジェストには行政書士試験で出題されそうな論点がランキング形式で掲載されています。

②情報通信・個人情報保護

情報通信については情報通信関係の法律と情報通信用語はテキストにある範囲でよいので覚えるようにして下さい。参考文献としては情報通信白書(総務省HPにて閲覧・印刷可能)の巻末の用語集を挙げておきます。

個人情報保護については個人情報保護法と行政機関個人情報保護法は少なくともテキストにある条文は押さえるようにしましょう。政治・経済・社会と情報通信・個人情報保護の一方に力点をおくのではなく、双方でバランスよく学習するようにしたいです。一般知識は足切りが怖いので、好き嫌いがあっても双方を両立させる必要があります。

③ 文章理解

一般知識の中で唯一、現場思考型の分野といえます。毎日1日1問でもよいので問題を解き、なぜ正解・不正解なのか解説を参照し、考えながら取り組む必要があります。クレアールで配布されるテキストや暗記ノート・答練の問題で十分です。文章理解の中でも内容一致・要旨把握・並び替えの問題は本試験で3問中2問以上は出題されうるため、この3つの問題の正答率を高めておく必要があります。

最後に行政書士試験では60%得点すれば合格ですが、新試験制度移行後、試験問題の難易度に隔年傾向が見られます。09年度の一般知識は合格者を絞り込むフィルターになっていなかったため、記述で調整したように見られます。その年度の試験の難易度にかかわらず、合格ラインに乗せるには記述以外の択一等で240点中168点(正答率70%)は確保しておきたいものです。

Return Top