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考案者が語る、非常識合格法とは...

短い期間で合格スキルを習得し、短期合格を実現する学習法が「非常識合格法」。 合格必要得点範囲の徹底トレーニングで、初学者の方でも短期合格を目指せます。

Profile
竹原 健 講師
行政書士。早稲田大学卒。数多くの企業・大学において行政書士試験、マンション管理士試験、宅地建物取引主任者試験、ビジネス実務法務検定試験等の講師を務める。その実戦を見据えた合理的な講義スタイルは的確かつ抜群の精度を誇り、業界随一との評価を得ている。 ■主な著書/「行政書士『最短最速』合格法」、「行政書士『最短最速』勉強法」、「ビジネス実務法務検定『最短最速』合格法」、「宅建試験これだけやれば36点!」(日本実業出版社)、「行政書士受験六法」(東京法令出版) 他

 

行政書士試験の合格の鍵は「行政法」と「民法」

●重点学習すべき科目と、それ以外を見極める

2科目で、ほぼ合格に必要な点が取れる!

行政書士試験の合格ラインは、300点満点中の180点(60%)です。このうち「一般知識等」は出題範囲が非常に広いので、あまり高得点は望めません。そこで、全体の採点をしてもらえる最低ラインを56点中24点(40%)とることを目標にして、残りの156点を「法令等」でどう稼ぐかを考えます。下の表を見てください。これを見ると、①行政法と②民法だけで、156点を上回る188点を稼ぐことが可能なことがわかります。逆に③憲法、④商法、⑤基礎法学の配点は非常に少なく、合否に大きな影響を与えないこともわかります。

「法令等」の科目と出題数
科目 択一式
出題数
多肢選択式
出題数
記述式
出題数
配点計 累計
①行 政 法 19問 2問 1問 112点 112点
②民法 9問 0問 2問 76点 188点
③憲法 5問 1問 0問 28点 216点
④商法 5問 0問 0問 20点 236点
⑤基礎法学 2問 0問 0問 8点 244点
合計 40問 3問 3問 244点

「非常識」かもしれませんが、行政書士試験合格のために最も効率的な学習をすると考えるのであれば、「法令等」の憲法・商法・基礎法学の学習はほどほどにしておき、「行政法」と「民法」の学習を徹底的にやれば、それで合格できるということなのです。

「一般知識等」は落ちない程度で十分

●4割取れればOK、高得点を期待すると失敗する

まともに勉強していたら時間がたりない!

「一般知識等」は出題範囲が非常に広いので、あまり高得点は望めません。最低ライン24点(40%)をとることを目標とし、その分、法令等の学習に時間を充てるのが得策です。それでは、「一般知識等」で最低限の24点(6問正解)を、どう得点するのかについて考えてみましょう。

「一般知識等」のここ数年の配点は、下の図のようになっています。まず、確実なところで「文章理解」3問があります。覚える科目と違って、その場で考えなければならないというリスクがありますが、解答のパターンは決まっていますので、時間を充分にとって解答をすれば必ず正解を得ることができます。

「一般知識等」の配点(1問4点)
年度 政治・経済・社会 情報通信・ 個人情報保護 文章理解
平成29年度 28点(7問) 16点(4問) 12点(3問)

次に、「情報通信・個人情報保護」3問です。この中の個人情報保護の分野では、必ず「個人情報保護法」が1問以上出題され、関連する「行政機関個人情報保護法」と併せて2〜3問程度の出題がされる年度もあります。この2つについては、過去問題で出題傾向を確認し、テキスト・条文等に当たれば容易に得点することが可能です。

次に、情報通信の分野では、主にインターネットに関連する用語や情報通信に関する法律が出題されます。 インターネット用語は、普段からコンピュータを使用していれば、理解できる内容がほとんどです。特に専門的な技術的知識は必要ありませんので、過去問題を検討し、ネットなどで用語検索などをして、インターネット関連のボキャブラリーを増やしておけば相当の確率で得点することが可能です。情報通信に関する法律は、主だったものはすでに何らかの形で過去の試験で出題されていますので、先に過去問題を検討し、ここで出題されている法令の概要を確認すればよいでしょう。
以上により、6問全問正解とまではいかないかもしれませんが、少なくとも文章理解と併せて4~5問程度の正解は期待できます。

最後に、配点の一番高い「政治・経済・社会」があります。これは、高校で学習する「政治経済」の分野に似通っており、理解すべき情報は膨大ですので、そう易々と得点できるわけではありません。そこで、過去問題の出題傾向を分析をしてみると、例えば「政治」の分野では、「選挙制度」「政治腐敗」「地方分権」、「経済」の分野では「公債発行」「国際通貨体制」、「社会」の分野では「介護保険制度」「難民」などが比較的多く出題されていることがわかります。ですから、こうした項目を中心に、「政治経済」のテキストを参照するのが効率的です。

短期合格のコツ

●1年目に合格することを考える

長期計画は挫折のもと。飽きっぽい人ほど短期で勝負!

行政書士の試験は、できるだけ思い立ったその年に合格することを考えるべきです。なぜなら、行政書士試験は例年11月の第2日曜日の年1回しか実施されないからです。

例えば、行政書士試験の勉強を始めようと思ったのが4月だとして、「夏までは仕事が忙しいから、今年の受験は難しい。来年の合格を目標にして無理のない計画で学習しよう」という受験生がいたとしましょう。たしかに、2年後を見据えて計画的に学習するのも一つの選択です。しかし、人間がやることですから、2年にもわたる長期的な計画を本当に実行していけるかといえば、途中で挫折してしまう人のほうが圧倒的に多いのが現実です。そもそも、資格取得の勉強という孤独な作業で、長期にわたってモチベーションを保っていくのは大変なことです。

通常、一番気持ちが盛り上がっているのは、行政書士試験の受験を決断し、テキストを購入したり、講座を申し込んだりする時点です。そこから、たった1カ月、2カ月の間にも、モチベーションは着々と下がっていきます。試験勉強はさぼっても、誰かに咎められるわけでもはありませんから、「今日だけはいいかな……」「今週はいいや」などと甘えも出てきます。そうしてダラダラしているうちに試験直前期になり、「もう間に合わないので、また来年頑張ろう」と言いつつ、結局は受験自体を諦めてしまう、というのがよくあるパターンです。

学習計画は「時間」でなく「量」で考える

●合格のために、これだけはこなさなければならない「絶対量」がある

「一日何問」「一日何ページ」で日々のノルマを決定!

行政書士試験に合格するには、まず学習計画を立てる必要があります。誰しも勉強のために使える時間は限られているのですから、そこにいかに学習内容を割り振っていくかが、勝敗を決めると言っても過言ではありません。とはいえ、そこで理解しておかなくてはならないのは、「1日に3時間勉強する」とか「平日は帰宅後2時間、週末はまとめて6時間勉強しよう」といったアバウトな計画の立て方では、なかなかうまくいかないということです。

私は、よく「何時間勉強したら行政書士試験に合格できますか?」という質問を受けるのですが、「それは、わかりません」とお答えしています。前述したように、行政書士試験に合格するための範囲や分量は決まっており、合格するのはこの範囲や分量をこなした人なのです。そして、この範囲の分量をこなす時間は人によって様々なので、一概に何時間勉強したら合格できると、断言することはできません。大事なのは「逆算」という考え方です。

「1日に何時間」というのは積み上げ式の勉強法で、結果的には合格に必要な範囲と分量をこなしきれないまま、試験当日を迎えてしまう可能性があります。そうではなく試験日から逆算して、「1日何問」あるいは「1日何ページ」こなせば、必要な勉強が終わるのかをまずは割り出すのです。

例えば、試験日まであと9ヵ月だとします。この期間内に3000ページのテキストを読んで理解し、問題を500問こなさなければならず、さらにこの問題を2回は復習しなければならないとしましょう。まず、6ヵ月をインプット期間と考えると、3000ページを180日で割って、1日あたり約17ページ読み進まなければならないという計算が成り立ちます。さらに、試験日から3ヵ月前をアウトプット学習の期間と仮に考えると、【500問×3回=1500問】を90日で割って、1日あたり約17問の検討が必要となります。これで1日のノルマが自ずと決まるわけです。

細切れ時間の徹底活用がカギ!

1日のノルマを決めて学習を進める際に、大事になるのは、学習の「習慣化」です。行政書士試験の勉強は、机に座って数時間を過ごす必要はありませんし、そのような時間を毎日確保することは至難の業かと思います。そこで、細切れの時間を有効に使う必要があります。

朝起きたら顔を洗って、新聞を読んで、朝食を食べて、家を出て、決まった電車の車両に乗り、会社に着いたら会議資料に目を通すなど、誰でも日常生活の中に習慣となっている行動が数多くあります。この習慣の中に、こまごまと行政書士試験の勉強時間を組み込むのです。

1日のノルマを効率よく消化するために、朝30分早く起きて朝食の前にテキストを5ページ読む、昼の休憩時間で15分間問題を3問解答する、などです。「塵も積もれば山となる」、こまごまとした時間を使った学習を習慣化すれば、無理せず学習ノルマを達成することができます。

飽きたら別の科目を学習しよう

●せっかくのまとまった時間は、有効に使い切れ

適当な時間で、別の科目に切り替える!

こまごまとした時間での勉強を習慣化できてくると、今度は毎日、淡々とノルマをこなすことに飽きてくるものです。すると、テキストを読んでも別のことが頭に浮かび、なかなか集中できません。そんな時は、思い切ってその科目の勉強を中断し、別の科目に手を付けてみましょう。

例えば、「憲法」や「行政法」という科目は、国家と国民との、関係の規律を定めた法律なので、公務員などの特殊な仕事をしている人は別として、日常生活との直接的な関わりは薄いものです。そのため、通常は勉強をしていても、あまり面白いものではありません。それに対して「民法」という科目は、個人と個人との間で契約がこじれた場合の解決方法などを規定した法律なので、自分の生活のなかでの出来事や登場人物に置き換えて学習をすることが可能です。その点では、勉強をしてみると結構面白いものです。

そこで、憲法の学習の途中で飽きてきたら、しばらく民法の学習を挟み、また憲法に戻るという方法もあります。1日何ページとか何問というノルマをこなせばいいのですから、科目が異なっても結果は同じです。さらに、1日1科目しか学習しないと決めつける必要もありません。朝は憲法、昼は行政法、夜は民法という勉強方法でも構いません。勉強をする際に、集中力を切らさない工夫を、自分なりにしていくことが大切なのです。

忘れてもいい、とにかく前へ進む!

行政書士試験の学習は、まずテキストに書いてある内容を理解することから始まります。ところが、各科目ごとのテキストは、通常、数百ページはあるものばかりです。行政書士試験に限らず、国家試験や大学・高校の受験勉強などで、次のような経験をしたことはありませんか?「今日読んだページは理解したけど、1週間前に読んだページを見たらほとんど忘れていた。どうしよう……。もう一度戻って読み直そうかな」これは誰でも経験することです。特に法律を生まれて初めて勉強する方の場合には、なおさらでしょう。

ういう時には、後ろを振り返らずに、とにかくテキストを読み進めることが肝心です。過去に学習したところを忘れてしまうといっても、100%忘れてしまったわけではありません。何らかの形で、頭の中に残像があるものです。この残像は、後で学習した事項と繋がることもありますし、アウトプットとしての問題練習の際に、頭のどこかに隠れていた知識が蘇ることもあります。

大事なのは、何度も繰り返し確認することなので、忘れることを恐れずに、どんどんとノルマをこなしていくようにしましょう。

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