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短答式受験生応援記事②~短答式本試験をシミュレーションしてみよう!~

 

山田 和宗

 

山田 和宗 (公認会計士 クレアール会計士講座講師)

2010年公認会計士登録。大手監査法人で約4年間、国内上場企業を中心とした監査業務に従事。その後2010年11月に山田和宗公認会計士事務所開業登録。会計教育に関わる業務を中心に活躍中。

 

1. はじめに

この記事がHPアップされているのは2018年4月の終わり頃でしょうか。公認会計士試験の短答式試験(5月)を控え、本番に対する不安を感じている受験生も多いことでしょう。今回の記事では、皆さまが試験本番で実力を発揮できるよう、本試験当日のシミュレーションをしながらアドバイスを書いていきたいと思います。

 

2. 当日の朝~試験開始まで

(1) 最初の試験科目(企業法)が始まるのは9:30となっていますが、着席時刻はその20分前の9:10となっています。当然ですが、ギリギリの時間とならないよう、十分に時間の余裕をもって到着するようにしましょう!会場によって教室に入れる時間が異なると思いますが、試験開始の1時間前までに到着するように家を出ることをおススメします。余裕を持って出発することで、電車が遅れるなどのトラブルがあっても対処しやすくなります。また、早く到着すれば落ち着いて試験前の最終確認もできます。

(2) 試験前にはお手洗いを済ませておきましょう。

(3) セロハンテープなどで受験票を机に固定しておくとよいでしょう。ちなみに10年以上前ですが、私が受験したときは机に受験番号を書いたシールが貼ってあったので、それを使って固定することができました。

(4) 花粉症や風邪でティッシュを使う場合は、ティッシュを机の上に置いてよいか手を挙げて試験官に確認してください。

 

3. 試験が始まったら!

学習の仕上がり具合は人それぞれですが、順調に仕上がって完璧だという方はかなり少数派でしょう。ですが、いざ本試験が始まったら、その時点で皆さんが持っている知識をフル活用するしかありません。

その時点で持っている知識(実力)を点数に結び付けるためには、時間配分を適切に行うことが重要です。実力を付けてきたはずなのに本番で結果を出せないケースには、難しい問題に多くの時間を割いてしまって時間が足りなくなり、正答できるはずの問題まで間違えてしまうことが多いように思われます。したがって、各自、時間配分を適切に行うための方法を確立しておくようにしましょう。

ここでは、私が実際に行っていた時間配分の方法を紹介しておきます。試験時間中に問題を4回転以上する方法で、ページをめくることによる時間ロスはありますが、難問に割く時間を最小限に抑え、安定して実力を発揮することができます。

(1) 開始から試験時間の1/3くらいまで(問題をひとまず1回転)

試験が始まったら、ひとまず前から順に問題に取り掛かっていきます。ただし、ここでは瞬殺できる簡単な問題のみ解答を出していきます。知らない内容、難しそうな内容、時間のかかりそうな問題が出てきたらスルーして次の問題に進みます。私の場合、試験時間の1/3以下の時間で最後まで辿り着き、その時点で解答できている問題数も1/3以下となっていることがほとんどです。
このように、ひとまず瞬殺できる問題だけを解答して1回転する目的は、次の2つにあります。

① 簡単な問題を解きながら落ち着きを得ていく
② 難しい問題と簡単な問題の見極めを行う

上記②についてですが、ひとまず取り掛かってみないと難しい問題かどうか分からないこともあります。そこで、いったん取り掛かってみることをするのです。ただし、難しい問題は正解を出せる可能性が低く、かつそこに執着すると時間を無駄遣いしてしまう危険性があります。分からない箇所に印を付けるなどして、すぐに次に進むことが大切です。

(2) 試験時間の中盤((1)でとばした問題を2~3回転目で解く)

1回転目で飛ばした問題について、ある程度落ち着いて取り組んでいきます。1度とばした問題であっても、2度目や3度目に見たときに別の角度から取り組むことができ、解答を出せることが多くあります。

ただし、ここでも「壁を感じたらすぐ次に進む」ことが重要です。「落ち着けば時間内に解けるもの」を解答していくことが重要で、「知らない知識が問われている問題」や「時間がかかりすぎる問題」に極力時間を割かないようにしましょう!

(3) 試験終了15分前(基本的な事項の見直し)

あらかじめ決めておいた時間(私の場合は終了15分前)になったら、一通りの問題について、マークミスや意図したとおりの解答をしているかといった基本的なレベルでの見直しを行います。私がミスをしやすいタイプだったのかは分かりませんが、選んだはずの番号をマークしていなかったり、「正しい組み合わせ」を選ぶ問題で「誤った組み合わせ」を解答していたりといった初歩的なレベルでのミスが各科目2~3個ありました。ただ、この見直しを行うことでその2~3個を正答に直すことができます。ほんの数分の見直しで、2~3問の正答を増やしていく感覚になります。

15分前という多少余裕のある時間に見直していたのは、大きなミスに気付いても落ち着いて対処できるからです。仮に終了5分前にマークを1段ずらして解答していることに気付いた場合、ホラー映画顔負けの恐怖となることは想像に難くないと思います。

(4) 見直し後、試験終了までの10分前後

すでに上記(3)までで確実に正答したい問題は解けているはずですが、ここでは少しでも点数を積み上げるための足掻きをします。上記(3)までを通じてまだ解けていない問題について、もう少し粘って解答が出せそうなものを粘る、粘っても正答確率を上げられなさそうな問題はテキトーな番号をマークするといった感じで、全ての解答を埋めていきます。

 

4. 休憩時間

(1) 終わった科目は即忘れる!

当たり前ですが、1つの科目が終わったら、次の科目にモードを切り替えましょう!

(2) 休憩時間は思ったより短い…

各科目の試験が終わっても、答案用紙回収の確認が終わるまでかなりの時間を要するそうです。また、お手洗いが混雑するなどして、休憩時間には思ったよりも次の科目の勉強がしづらいようです。

答案用紙の回収確認をしている間、次の科目の復習を頭の中で行うか、ほんの数分軽く仮眠をとるなどして次の科目に備えるようにしましょう。

例えば、企業法が終わった次は管理会計論となっていますので、教材を広げられない時間は管理会計論の一通りの範囲を頭の中で思い出していきます。どんな論点があって、どんな内容に注意すべきか、思い出せる範囲で考えていく感じです。そうすると、教材で確認したいことも出てくると思います。そのようなポイントを、教材を見られるようになったタイミングで確認するとよいでしょう。

(3) 水分・栄養補給について

適度な水分補給は血の巡りを良くするためにも必要ですが、飲み過ぎると試験時間中にお手洗いが近くなってしまいます。飲み過ぎにならないように注意しましょう。

休憩時間中に食事などで栄養補給する方もいると思いますが、お腹に溜まるものだと試験中の集中力にも影響します。また、甘い物を食べて血糖値を上げようとする方もいると思います。しかし、甘い物は急な血糖値上昇につながり、膵臓が大量のインスリンを分泌し、その後に血糖値を急激に低下させてしまうそうです(参考文献:笠井奈津子『甘い物は脳に悪い』幻冬舎新書、2011年)。

普段は食欲旺盛な私も、試験などの大事なときはウィダーインゼリーなどを軽く飲む程度に抑えます(終わった後はたらふく食べてしまいますが^_^;)。

 

5. 最後に

努力して実力を付けてきた人ほど、その実力を本番で発揮できるか不安になるものです。まずは不安になることは努力してきた証しであると考えましょう。その上で、今回の記事で紹介したようなシミュレーションを皆さんなりにも考えてみてください。
想定されるトラブルや不安への対処を行い、「勝つべくして勝つ」を実践できることを祈っております。

 

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