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一生懸命になれる瞬間

公認会計士 森 大地

目次

採用活動で成否を分ける要素

公認会計士の専門家集団である監査法人では、ここ数年、就職活動で売り手市場が続いています。各法人は毎年、採用活動に大量の人員と時間を投入し、一人でも多くの公認会計士試験合格者を採用しようと懸命です。どの法人も同じような規模で採用活動を行っているのに、毎年、採用目標を達成する「勝ち組」と採用目標に未達の「負け組」に分かれます。残念ながら、私が所属する監査法人は「負け組」になることが多かったので、採用活動に携わる後輩から現状を詳しく聞いてみました。内定受諾率が低いのが大きな課題で、その理由としてリクルーターのモチベーションにばらつきがあること、就活生とのコミュニケーションの質に問題があることが浮き彫りになってきました。

リクルーターとは、就活生との窓口として若手職員が担当する役割で、きめ細やかで個人的なコミュニケーションが求められます。就活生としても、リクルーターと信頼関係を築けると、興味のあるキャリアの経験を持つ優秀な職員を紹介してもらえたり、法人内の重要な役職の職員に会えたりと、リクルーターと関係を構築するメリットは多いです。「勝ち組」の他法人では、リクルーターが高頻度で連絡を取って就活生のニーズを適切に把握しており、就活生のニーズに直結する質の高い面談を提供しているようでした。採用活動の成否を分けるのは、就活生との信頼関係と、就活生のニーズに合致した情報の提供ではないかと考えました。

採用チームへの参加表明

監査法人に入社して約5年間で本格的に採用チームに関与したのは全員参加が強制される1年目のときぐらいで、それ以外はたまに就活生との面談に呼ばれるくらいでした。ただ、近年の採用活動の不振を重く受け止め、自分にも何かできることはないかと考えていたところ、これまで選抜メンバーで行っていた採用活動が今年から公募制になることを知りました。私は迷わず採用チームへ応募し、採用担当マネージャーが普段お世話になっている方ということもあり、あっさりと参加が決まりました。

公認会計士試験の論文式試験の終わる8月末から採用イベントが本格化するため、例年、採用活動が始動するのは3月頃です。コラム執筆時点は今年の採用活動が始まる前で、前年の反省を踏まえてまもなく今年の採用活動の方向性を決めようという時期でした。採用活動の不振を抜本的に改善するには、採用ビジョンの再考が不可欠です。5年前にいちリクルーターとして参加した当時と比べ、5年経った現在では法人の内部をよく理解しているし、会計士キャリアの経験も格段に増しています。今の私だったら採用ビジョンの策定という大きな仕事も「自分にできること」の一つなのではないかと思い、自主的に新たな採用ビジョンを考えました。

採用ビジョンは、「就活アドバイザー」

過去の採用活動の反省点は、①リクルーターのモチベーションのばらつき、②就活生とのコミュニケーションの質、でした。これらを解決するため、リクルーターの存在意義を単なる連絡係ではなく、「就活アドバイザー」として重要な役割に位置づけ、就活生とのコミュニケーションについても品質を担保するルールを作ることを考えました。

若手職員が就活生とのコミュニケーションの窓口になるリクルーター制度は、就活生との関係を構築する大きなチャンスです。「就職相談窓口」としてより深い本音の議論ができる関係になれれば、就活生、監査法人双方にメリットがあります。リクルーターは、就活生と頻繁に連絡を取り、就活の方向性を決めるサポートを行います。軸がぶれていたり、キャリアビジョンが曖昧だった場合は、率直に指摘し、自分のやりたいこと、それを実現するための法人選びの比較ポイントなどを一緒に考えます。監査法人としては、就活生に適切な判断軸を持ってもらい、その軸に照らして必要な情報を効果的に提供できれば双方が納得したうえで自法人を選んでもらうことができます。

就活生とのコミュニケーションにおいては、リクルーターからの必須質問事項を決め、面談の度に直接・間接的にこれらの質問をするようにします。法人選びの基準や入社後のビジョン、懸念材料などを満遍なく毎回、確認することで、就活生の軸づくりをサポートします。本音の議論ができるようになると、内定受諾の決定打となる要素や内定辞退の真の理由を把握できるようになります。それらをフォローする職員面談を設定できると、就活生と監査法人の双方に有意義な場を提供することができます。コミュニケーションのひな型を活用して「就活アドバイザー」を実践することで、就活生に役立っている実感を得られやすく、課題だったリクルーター自身のモチベーションも高めることができます。

一生懸命になれる瞬間

私の「採用ビジョン」をまとめたパワーポイントのスライドを採用担当マネージャーに送ると、その分量に驚きながらも笑顔で感謝の言葉を頂きました。今回の採用ビジョン策定は、誰の指示でもなく、自発的に始めたものでした。思えばどこかで採用活動に携わりたいと思い続けていたものの、選抜メンバーに選ばれず、振るわない採用活動の結果にやきもきしている自分が居ました。誰かのために役立ちたいと切望した時、私は自然と一生懸命になれる気がします。採用ビジョンの下調べのため、行きつけの本屋さんで20冊以上の関連書籍を購入し、近くのサイゼリアで3、4時間ぶっ通しで読み込んだ時間は全く苦がなく、むしろもっともっと時間がほしいくらいでした。書籍の情報を整理し、実際の採用活動に当てはめて採用ビジョンを考える過程でスライドを何度も修正していた時間は、シンプルにどうすればより良い採用活動になるか、どうしたら採用ビジョンをスライドにわかりやすく表現できるかだけを考えていたら、あっという間に時計の針が進んでいました。

こんなに集中したのは本当に久しぶりでした。裏を返せば、普段の仕事でいかに余計な事ばかり考えているのかとも思いました。「やりたいことなら努力が苦にならない」というのは事実ですが、本当にやりたいことをやっている瞬間など、普通の人なら年に数回あるかというところではないでしょうか。それ以外の「少しやりたいこと」「それなりにやりたいこと」の時間をどう活用するかを考えたいと思います。答えは、数少ない「本当にやりたいことをやっている瞬間」の感覚を忘れないようにすることではないでしょうか。自分自身の成功体験は、何よりも説得力があります。私で言えば、褒められたいとかボーナスを増やしたいといった余計なことを考えず、目の前のことだけを考えていたというのが成功体験のヒントです。普段の「それなりにやりたいこと」をする時も、意識的にその環境を整えると、「本当にやりたいこと」と同等のパフォーマンスが引き出せると思います。「本当にやりたいこと」をヒントに、日常の集中力を高めていきましょう。

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