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やさしく掴む国民年金・厚生年金

クレアール 金融経済研究チーム

目次

0.はじめに

国民年金や厚生年金という制度は、私達の生活に大変関係深い制度であるにもかかわらず、以外にその基本的な内容についてはあまり周知されていません。何となく毎月の給与から引き落としがなされているが、まあ将来の蓄えになるものですよね、といった感覚で捉えられている制度ではないかと思います。

社会保険労務士試験突破に向けた学習を進められておられます方々にとりましては、びっくりされるようなこの現状ですが、そもそも、年金関連の学習を社労士試験学習では中心課題の一つであるといった事実も、社労士資格を考えてことない方々には馴染みのないところであるようです。

そもそも国民年金・厚生年金は、それぞれ「国民年金法」・「厚生年金保険法」といった法律に基づいて運用されている制度でありますが、「国民年金法」と「厚生年金保険法」の違いはと問われて皆さんは、何とお答になるでしょうか? 

年金を少しでもご存じの方でしたら、「国民年金は、自営業者、厚生年金はサラリーマン向けの違いでしょう」。とでもお答になるのでしょうか。正解は多数あるとは思いますが、誰でもわかる答えとしては、「保険」という文言があるかないかです。何と思われる方がほとんどだと思いますが、「保険」について考えていきながら、何故、国民年金法であって、国民年金保険法でないかをやさしくつかみ、国民年金と厚生年金をやさしく知るという視点で、以下執筆を続けます。

1.保険を理解するための視点

今日「国民皆保険・国民皆年金」という言葉に象徴されるように、保険は日々の生活に浸透しており、保険のない生活は考えられません。
保険は社会経済的制度であり、経済的合理性と限界について十分に理解する必要がございます。

保険において考えておくべきことは「偶然性を有するとされる事象によって、攪乱される可能性があり、人間社会における物質的な資材の生産—流通—消費の過程を、いかに円滑に循環させていくか」であり、そのためには、「いかに貨幣の流通を操作すればよいか」という事になります。資財の生産—流通—消費の在り方は、時代により、国によりさまざまに変化して現在にいたっております。
したがって、現代の保険について考える事は、現代の社会と経済について考えるという事となります。

現代の保険を考えた場合、次のように理解する事が出来ます。「保険とは、多数の経済主体から、確率計算を応用した多様な方法で、予備貨幣としての分担金を徴収し、経済的保障に関わる各種の給付を行う事によって、これを再分配する社会的制度であり、その運営過程において、巨額の資金が、しばしば蓄積され投資運用される。」

2.保険の仕組み

保険は、技術的には、偶然性を有する事象や不確実な事象について、多くの事例を観察し、その結果を統計的に処理して得られた、これらの事象が発生する確率を基礎にして成り立っています。同質性・共通性・類似性を有する多くの人間や事物に対して特定の事象が発生する状況を観察すると、その事象が発生する経験的確率を見出すことが出来ます。この確率は、同種・同質の対象が増えれば増えるほど、正確に把握できます。

サイコロを転がして、一から六までのそれぞれの目が出る確率は、サイコロ投げの回数が増えると、六分の一にかぎりなく近づいて参ります。これを「大数の法則」といいます。 

保険はこの大数の法則を応用した仕組みとなります。したがって、保険では基本的に加入者が多ければ多いほど、保険の対象になっている保険事故と呼ばれる特定の事象が発生する確率を正確に把握する事が出来ます。

保険の技術的仕組みを簡単な数式で表すことができます。

① P=wZ

は「給付・反対給付金等の原則」と呼ばれます。Pは保険料、wは保険事故発生の確率、Zは保険金を表します。
保険を通じて経済的保障を求める際に負担しなくてはならない対価つまり「保険料」は、必要とする経済的保障額つまり「保険金」に保険によって備えようととしている危険が発生する確率を掛け合わせる事によって求められます。

② nP=rZ

は「収支相当の原則」と呼ばれます。
nは保険加入者総数、rは保険加入者のうち実際に保険事故に遭って保険金を受け取る人の総数を表します。n人からP円ずつ保険料を徴収しnP円の保険資金を作っておき、保険事故に遭ったr人にZ円の保険金を支払うと、保険料総額=保険資金=保険金総額になることを示しております。

Wが正確に把握でき、P=wZに基づいて計算された保険料が多数の保険加入者から事前に徴収されていると、原理的にはnP=rZの関係が無理なく、成立致します。

3.保険の役割

基本的に、保険制度が大数の法則を応用することによって成立していることからわかるように、多数の加入者の存在を前提に成立しており、保険制度は、自助の制度でありながら、社会性を帯びております。

これは、人生において、まとまったお金が必要になる思いがけない事態が生じることがあり、そういった事態を想定して、金銭的な準備を行います。

このような不測の支出に備えて保持する貨幣を予備貨幣と呼びます。
例を上げると。火災により、住宅が消失する事を想定して、火災に対する備えとしての準備金を家計が用意していれば、それが、予備貨幣となります。

保険は、同じような危険にさらされている消費者等から、予備貨幣を保険料として徴収し、保険資金として危険に対処するための基金を作成しておき、これらの消費者等の中で、火災による被害を被るものがあれば、その損害を埋め合わせるための保険金と呼ばれる貨幣を給付する仕組みです。これを保険の経済的保障機能と呼びます。

保険のもっとも根本的な役割は、この経済的保障機能を果たすところにあります。

保険を利用すると、相対的に少ない経済的な負担で、必要とするときに、タイミングよく、必要とするだけの金銭を得る事ができます。このような意味での経済的保障の適時性と適量性を同時に果たしうる所に、他の経済的保障機能を有する制度や財貨と異なる保険固有の社会経済的な存在意義があります。

すなわち、保険は、予備貨幣としての保険料を多数の経済主体から徴収し、これを一定の基準に基づいて再分配する仕組みと言えます。従いまして、保険に加入するためには、まず、保険料を負担しなくてはなりません。換言すると、保険料を負担できなければ、原則として保険には加入できない。という事です。

最初の投げかけの答えがこれです。国民年金保険法ではなく国民年金法であるのは、国民年金につきましては、国民年金の保険料を支払わなくとも、国民年金に加入できる仕組みがあり、保険ではない。という事です。

4.終わりに

以上「保険」というキーワードに注目して国民年金と厚生年金の違いを簡単にまとめてみました。

明日から新年度を迎えられる皆様も多いかと思います。同時にこの時期、ご家族の中でも就職をされ始めて社会に始めて出られる方がいらっしゃるご家庭やご親戚がおありの方々も多いことと思います。

そんな折、新社会人になられる皆様方からのよくある年金に関するご質問に、簡単にお応えいただければ何よりと思い、本稿をまとめております。

少しでもお役に立てましたら幸いです。

以上

(参考文献)
「保険の知識」  日本経済新聞出版社

 

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