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研究テーマ:「情報整理」に関する情報の整理

クレアール経営学研究チーム

本稿の目的

「皆さんは片づけられる人ですか?それとも片づけられない人ですか?」
私達は小さい頃から学校や家庭などで、「整理整頓」という指導・教育を受けてきております。社会人なっても、職場などで整理整頓をしなければならない事柄は非常に多くあることには変わらず、仕事ができる人の要件にもこれが含まれるほど、「片づける」「整理する」は、環境(時代)が変わっても基本的・重要度の高い行動であるものと思います。

昨今ではインターネット環境の普及を受けて、飛躍的に増大した情報が常態化しており、益々日々情報を整理し、必要な情報を素早く取り出せる環境にすること(整理整頓)が、不可欠となってきております。こうした近年の企業環境から「片づけられない人」の評価は、大きなマイナス評価になり、それは、「企業に貢献できない人」と烙印を押されてしまうかもしれません。

また、資格試験の受験生にとっても、合格の為に必要な資料・情報を整理・ファイリングしておくことは非常に重要な受験対策の1つにもなるのではないでしょうか。

そこで、仕事や受験勉強の中で溢れかえる情報(紙媒体・デジタル情報)をいかに整理し使える状態に整頓するか、という命題を、整理整頓術の様々な文献からの情報を参考に一度それこそこの情報を整理整頓し、その方法論一つのまとめをご紹介いたします。

片づけるその前に「整理整頓」の意味とは。―「整理整頓」を定義するー

今更ですが、日常無意識に使っている「整理整頓」という言葉のですが、「整理」とは、ある基準に基づいて、「いるもの」と「いらないもの」に分け、「いらないもの」を捨てることです。

また、「整頓」とは、ある基準に基づき誰もが使いやすいように配置することです。

つまり「整理整頓」とは単純な「片付け」ではなく、「必要な時に」、「必要なものを」、「すぐに使えるように整備されている状態にする」ことと思います、ここではこれを整理整頓の定義とし、以下この実現に向けましての方法論を考察していります。

「徹底的に片づける5つのステップ」

ステップ1:まずは捨てる

前提として、紙文章の整理が対象となります。

(1)時間と空間を確保する

整理には時間と空間が必要です。まず整理するためには、その書類が必要か不要かを吟味する時間を作ります。時間を確保する方法の一つは、計画を立てることです。 食事の時間や睡眠時間、通勤時間などの生活に必要な時間を確保し、次に重要な項目として、整理する時間も予定表に確保するということです。

もう一つは「細切れ時間」を活用することです。仕事と仕事の合間のちょっとした空白の時間を上手く活用しましょう。記憶に新しい直近の資料なら判断もやりやすいと思います。

また、更に不要な書類を選別するための場所の余裕がなければなりませんので、空間の確保も必要になります。空間を確保するための方法として最も有効な方法は「捨てること」です。しかし、現時点では捨てられないから書類が増えている訳ですので、捨てられない書類は個人で管理せず「共有する」ことで自分自身で管理可能な空間を生み出していくようにします。

(2)個人所有はやめて共有する書類へ

資料や文章を作成または入手したら、プライベートな情報や守秘が必要な情報以外は個人管理せず共有するようにします。仕事が属人的になればなるほど、ブラックボックス化していき、個人に管理の技術や責任が求められることになります。

個人所有をやめて共有を心掛けることで、自分自身の周りに空間が生まれ、組織にとっては仕事の状況も把握しやすくなります。
書類を共有する手順として

① 担当している業務の書類を保管するボックスを準備する。
② ボックスは自分の机ではなく、共有什器で管理する。
③ ファイルにタイトルと分類項目、作成者、作成日時を表示しておく。

(3)廃棄ルールをチェックする

ここでようやく捨てる作業を実施します。
しかし、安心して捨てるために、捨ててはいけない文章をチェックしておく必要があります。捨てても良いものかどうか迷った時は、「仮処分ボックス」にいれて当面邪魔にならない場所に保管しておきます。その後、本当に不要であれば廃棄しますが、その際に何を捨てたかがわかるように、廃棄リストを作っておくようにします。

<迷わずに捨てるもの>
〇組織で設定した廃棄期限が来ている
〇組織として、また、個人でも利用価値がなくなった
〇複製であり、原本は別に管理されていることが分かっている
〇組織の業務としては必要ではない、組織の目的に沿った資料ではない、と思われる。
〇関連する各種の法定保存年限をいずれも過ぎていて、業務上も必要がない

(4)リサイクル・リデュース・リユースする

不要な書類を単に廃棄すればよいという時代ではなくなってきました。
環境意識の高まりにより、廃棄物はリサイクル(再資源化)、リデュース(ゴミになりにくく)することや、リユース(再利用)することが求められています。

ステップ2:分類する

(1) 収納するファイル用具を準備する

不要な書類を処分したら、次は書類を小分けできるファイル用具を選んで用意します。
A4の紙文章や名刺、はがきなどのA4判以外の用紙類も収納できる収納用品で整理していきます。

(2) 仮にファイルタイトルを付ける

何のファイルだか判るように、①鉛筆で手書き②油性ペンで手書き③ラベルライターで表示するなどして、ファイル名を付けておきます。

(3) グループに分ける(分類作業)

所有している書類を分類します。(分類例として下記があります)

A.自身が担当している業務の仕掛かり中の文章類
B.個人所有の情報
C.参照資料・情報資料

(4) 自分自身の責任の範囲を把握しておく

ステップ3:表示する

(1) ファイルタイトルを付ける

ファイル名が全体を表す言葉で表現されているかに注意しながら、タイトルを
付けます。また、捨てる時期の目安がつくように、作成時期および廃棄予定時期
(保有年限)も記載します。

(2) タイトル付けする際の注意点

〇「標題別」:文章の標題をそのまま利用してタイトル付けをおこなう
〇「名前別」相手先や商品名などを利用してタイトル付けをおこなう
〇「案件別」1つの案件を順序立ててまとめ、タイトル付けをおこなう
〇「内容別」文章の内容を要約した言葉を使用してタイトル付けをおこなう
〇「形式別」文章の形式を表す言葉(例えば稟議書や決裁書、申請書など)を使用してタイトル付けをおこなう
〇「数字別」:年月日などを使用してタイトル付けをおこなう

(3) 表示する道具

〇ファイルの付属の見出し紙に手書き
〇市販のラベルとそれに対応したラベルソフトで必要な時に作成
〇テプラなどのラベルライターでその都度作成
〇パソコンを使ったデーターベースと市販ラベル、もしくはラベルライターで大量に一括作成する

ステップ4:配置する

(1) 机の整理

机の上に書類やファイルをおいたままにしないことです。用が終わったら、元の場所に収納する習慣を身に付けるようにすること。

(2) 順序は乱れるもの

沢山のファイルを収納すると順序は変わりやすくなります。が、「順序は乱れるもの」程度に考え元に戻せる状態(戻しやすい状態)を保てるやり方であれば大丈夫思います。
しかし、ファイルを共有する場合には、誰もが分かりやすいように順列は狂わないようにすることが大切です。

(3) 机に収まりきらない場合

机の中に文書や資料が収まりきらない場合は、再度個人所有と共有、業務文書と参照資料の区分けを見直します。

  1. 個人所有しても良い文書や資料を書類のみ収納するよう再検討します。 それでも机に収まりきらない場合は、廃棄や電子化を検討します。
  2. 一時的な業務処の為に保有している文書や資料は「仕掛りファイリング」として共有棚で管理します。この際、管理者を明記して管理責任を明確にします。
  3. 参考資料として保管する資料は電子化できないか検討します。

ステップ5:使ってみる

(1) 検索する

業務をする際に必要な書類を探してみて、見つかるか確認してみましょう。

(2) 整合性を確認する

業務に必要な文書や資料が実際に揃っていて、必要なものが取り出せるかどうかを確認します。自身で作成した分類や表示内容は的確か、収納場所や使い勝手など、すぐに取り出せて、用が済めば戻しやすいかを評価します。

「二度と散らからない5つの心得」

これまでのところでは、整理整頓の基本的方法論をまとめてみましたが、これだけでは冒頭定義の目的は達成できません。大事な事は以下の維持に関する日々の心がけです。

心得:毎日の掃除

心得:廃棄のルールをつくる
ルール1:満杯になったら捨てる
ルール2:期限が来たら捨てる
ルール3:決断を下したら捨てる
ルール4:価値が無くなったと判断したら捨てる

心得:その日のうちに処理をする
共有するか、捨てるかの判断は即決するようにします。「仮置き」がどんどん
溜まる悪循環を引き起こします。

心得:最低限のルールを守る
(1) 元の場所に戻す・・・戻すまでを仕事と考えましょう。
(2) 戻しやすくする・・・使用頻度の高いものは近くのキャビネットに。

心得:文章作成時に工夫をする
(1) 作成日時・廃棄予定日を記載する
(2) 保管場所の記載

ファイリング特考:すぐに効果の出るオープンファイリングシステム

オープンファイリングシステムとは、4つのファイリングシステムを使い、情報共有する文章管理の仕組みです。情報ライフサイクルのうち、その段階ごとに最適なファイル用具を使って文書管理する仕組みです。

(1) 特性に合わせたシステム

情報のライフサイクルは以下のようになっています。この情報の流れに沿ったファイリングシステムをつくればどの企業・部署にも当てはまります。

「生成」・・・書類を作成すること
「収集」・・・情報を集めること
「加工」・・・書類を校正すること
「伝達」・・・書類を往復させること
「活用」・・・仕事に使用すること
「保管」・・・仕事に活かせるよう管理すること
「保存」・・・保存年限満了まで管理すること
「廃棄」・・・不要になった書類を捨てること 

ファイリングシステムの基本型

① 「仕掛りファイリング」
現在進行中の仕事に関わる情報を整理・保管し、業務効率アップを図るファイリングシステムです。
・仕掛りファイリングには3つの形式があります。
〇単独処理型 〇業務プロセス型 〇プロジェクト型
・仕掛りファイリングの狙いと効果
〇情報漏洩防止 〇業務対応力の向上 〇業務状況の可視化
② MAILファイリング
伝達段階のあらゆる情報を部署共有の管理下に置き、他の情報との混合を防ぎます。
また、タイムリーに情報を受け渡し、部署共有情報(保管ファイリング)へのステップ的役割を果たします。
・MAILファイリングの狙いと効果
〇確実な受け渡し 〇所在の明確化 〇進捗状況の可視化 〇有効活用
〇知識の相乗効果 〇機会損失の防止 〇情報セキュリティ対策
③ 保管ファイリング
部署共有情報として、最適なファイリングツールを使って分類・整理・管理し、今後の仕事に活かすためのファイリングです。
・保管ファイリングには3つの形式があります。
〇部署共有型 〇業務資料型 〇個人資料型
・保管ファイリング構築の狙いと効果
〇業務効率の向上 〇経費削減 〇組織運営効率の向上 〇知識創造
〇電子化への対応 〇情報セキュリティ対策
④ 保存ファイリング
部署や会社にとっての重要情報をいつでも活用できるよう、また、保存年限を設定して適宜廃棄できるよう「保存庫」で管理するファイリングです。
・保存ファイリングには2つの形式があります
〇永年保存型 〇一定期間保存型
・保存ファイリング構築の狙いと効果
〇確実性の向上 〇経費削減 〇業務効率の向上

(2) ファイル管理

サポートツールを活用。サポートツールとはファイル管理において必要な保管場所や活用・保存ルールの設定、表示といった作業を補助・支援してくれるツールのこと。
・主な機能には次のようなものがあります。
〇管理表の維持管理 〇背見出し紙などラベルの出力 〇保存リストや廃棄リストの作成

(3) 情報の共有化

オープンファイリングシステムによる文章管理を導入すると、出張や長期休暇で自分自身がオフィスにいなくても問合せへの対応が可能になります。

(4) 組織の記録

① ノウハウの継承 ②事業の継続

(5) 役割分担

文書作成時点から「仕掛りファイリング」で共有化しているなど、全員が関係者であることを意識することが重要です。

以上整理整頓の方法論に関する情報をまとめてみました。
会社でも家庭でも、情報を整理し、必要な時にすぐに取り出して使用できるよう整頓しておくということが、大切なことではないでしょうか。

(参考文献)
「ファイリング&整理術」 日本経済新聞出版社

 

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