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研究テーマ:「伝え方を考える」

研究テーマ:「伝え方を考える」
執筆:クレアールスタッフ心理学研究チーム

 

目次

「本稿の目的」

みなさんはビジネスの場や学校で、相手にとって芳しくないことを言わなければならない状況になったとき、適切な伝え方がわからなかったり、うまく伝えることができず、事態が悪化してしまったり、何も言えなかったという経験はありませんか?

そんな時、相手を気づかった言葉でダメージを最小限に抑えられるような伝え方ができたら、その後のビジネスや人間関係も良好を保てますし、もしかしたら言い方次第で自身の印象がアップするかもしれません。社会生活を営んでいるといろいろな状況に出逢います。当然、言いにくいことを言わなくてはいけない機会も増えてきます。

ただ、そのようなとき、自己流で言うと相手を怒らせてしまったり、伝えたいことが伝わらないこともしばしば起こります。どのように言えば相手が納得してくれるのか、相手との関係性を損なわずに受け入れてくれるのか、自分の印象を落とさずに、言いにくいことを相手に伝えるには、どんな方法があるでしょうか。
本稿ではいくつかの文献を頼りに、よくある「言いにくいシーン」を4つに大別し、話し方を考えるポイントをモデル化し、一般的にベターと思われている具体的な「伝え方文例」をまとめてみました。

 

分類1:『お詫び』が主眼となる場合の伝え方

(1)自分のミスをお詫びする

〔考えるPoint〕
お詫びの言葉は軽すぎず、言い過ぎず、ミスそのものに絞ってお詫びする。
<文例>
△ すみません
× ご不快な思いをさせて申し訳ございません
○ 私の確認不足でご迷惑をおかけして申し訳ございません
〔解説〕
「不快な〜」のフレーズはメールで謝る際の決まり文句にもなっているようですが、不快がどうかよりもミスが発生したことの方が問題。ミスそのものついて、きちんと原因を一言入れて謝ることが大切です。

(2)部下のミスをお詫びする

〔考えるPoint〕
部下をおとしめる言い方をしない。上司と部下の責任を分けて考える。
<文例>
× あいつには何度も注意したんですが
× 私の不手際でご迷惑をおかけしました
△ すべて私の責任です
○ 私の管理が行き届きませんで、申し訳ございませんでした
〔解説〕
上司としての責務に限定してお詫びをする言い方が適切です。「私の不手際で〜」は担当者レベルで使う言葉。部下のミスは「管理監督が不行き届きで」という言い方がベターです。

(3)依頼を受けられずにお断りをする

〔考えるPoint〕
失礼な言い方、誤解を与える言い方になっていないか確認する。敬意や感謝の気持ちを 伝える言い方を考える。
<文例>
× ダメです。無理です
× 御社・貴殿からのご依頼は受けられません
○ 今回はご依頼をお受けできません。申し訳ございません
〔解説〕
「御社からの」の「の」という言い方が×。「あなたの会社からの依頼は受けないが、
他の会社のなら受ける」という意味に受け取れます。依頼を受けられないのを今回だけに限定し、「次回は引き受けたい」という意志をこめることが大切です。

(4)失言を詫びる

〔考えるPoint〕
お詫びしなければならないことは何か明確にする。まわりくどい言い方にせず、ストレートにお詫びする。
<文例>
× 私の発言を撤回します
× お騒がせしましたことをお詫びいたします
× 結果として気分を害された方がいたとすれば謝ります
○ 私の物言い(表現)が不適切だったことをお詫びいたします
〔解説〕
「お騒がせ〜」や「結果として」は政治家や有名人などの謝罪会見でよく聞くフレーズですが、お詫びに値しない言い方で、お詫びのポイントがずれています。信用を回復するため、本気でお詫びをする必要があります。そのため、自分の発言そのものをお詫びする言い方をしなければなりません。

 

分類2:相手を傷つけずに『反対』や『指摘』をする場合の伝え方

(1)反対意見を言う

〔考えるPoint〕
対立をあおる言い方は避け、反対意見ではなく「一つの選択肢」としてとらえてみる。
<文例>
× 反対です。間違っています。よくないと思います。おかしいです
× 賛成できません
△ 賛成いたしまねます
○ 私の意見を申し上げてよろしいでしょうか
〔解説〕
「反対」に代わる言葉。それが「意見」「提案」です。賛成か反対かの二極論ではなく、「目標を達成するための選択肢は無限にあり、相手の考えも自分の考えもその中の一つ」 ととらえることが基本になります。

(2)批判に受け答えする

〔考えるPoint〕
すぐに反論しない。「批判」ではなく「意見」ととらえてみる。
<文例>
× ご批判はごもっともなんですが
○ 貴重なご意見ありがとうございます
〔解説〕
「ご批判は〜」は典型的な「イエス/バット」。「が」は逆説の接続詞です。批判に対しては、相手の意見を受けとめるのがベスト。相手の意見が正しいか間違っているかには触れず、感謝の言葉を示し、「あなたの意見をキャッチした」というサインを送ります。その上で「もう一度確認させていただきます」と冷静につないでいきます。

(3)相手のミスを指摘する

〔考えるPoint〕
ミスを指摘するのは何のためか考える。相手のプライドを傷つけない。
<文例>
× 揚げ足を取るようで申し上げにくいんですけど
△ Aさん、ここBになっていますが、正しいのはCですよね
○ ひとつフィードバックしていいですか
〔解説〕
ミスは誰にでもあります。それを指摘する目的は、相手の気づきと行動改善を促すことにあります。「フィードバック」は言いにくいことを言う時に大変便利な言葉で、相手に聞く耳を持たせることができます。その後に事実を指摘すればOKです

 

分類3:「なぐさめ方」など相手の心に寄り添う場合の伝え方

(1)仕事で失敗し上司などに叱られた人をなぐさめる

〔考えるPoint〕
その人をなぐさめたいとはいえ、上司などを悪者にしない。成功のイメージが描けるような言い方をする。
<文例>
× 部長ひどいなあ。あそこまで言わなくてもいいのにな
○ ずいぶん厳しい指導を受けていたみたいだけど、どんな気持ちだった?
〔解説〕
失敗した人の気持ちに寄り添うことは大事ですが、上司などを悪者にすると、その人に対する不満が増幅しかねません。失敗した人をなぐさめるには、相手の気持ちを聞いてあげる、気持ちを吐き出してあげることが大切です。失敗した人は考え方がネガティブになりがちですので、視点を変えひとことが気づきを促し、マイナス思考から脱出するきっかけになります。以前等チームで探求した「ストレスに克つ」でも言及しました“ストレスコーピング”や“ソーシャルサポート”などの取り組みに繋がる対応であると思います。

(2)家庭で不幸があった人をなぐさめる

〔考えるPoint〕
デリカシーのない表現はしない。多くを語らずに、胸の内を聞いてあげるコミュニケーションを心がける。
<文例>
× いまどんな気持ち?
× これで肩の荷がおりたね
○ 大変だったね
〔解説〕
相手が落ち込んでいる時は、気持ちを吐き出させることが大切ではあるが、この場合に使用するはNG。相手の心の中に土足で踏み込むようなものです。長年介護をしていた場合など「これで肩の〜」と献身的な努力を共感しても、家族を亡くした悲しみには、これでは共感しているとは言えません。第一声は「大変だったね」で十分。後は相手の話を聞いてあげることが大切。相手の話が済んだらねぎらいの言葉をかけ、相手の体調や今後の予定に配慮してあげます。

 

分類4:「好ましくない事を話す」「聞きづらいことを聞く」場合の伝え方

(1)トラブル発生と経過を顧客に伝える

〔考えるPoint〕
原因を伝えることは大切だが悪者を作らない表現にする。事の次第をわかりやすく 説明する。
<文例>
× うちの上司も受注部門の担当者もミスに気が付かなかったんです
○ ご迷惑をおかけして申し訳ございません。私どもと受注部門のあいだで手違いがありまして、書類のチェック体制がうまく機能しませんでした
〔解説〕
トラブルがおきた場合、まずは陳謝から入り、事故の原因を伝えます。「受注部門が間違えた」「上司が気付かなかった」という事実はあえてぼかした言い方をし、悪者をつくらない工夫をしています。あいまいな言い方にした方が対外的にも受けとめやすいものです。

(2)飲み会に参加しない、残業をしない部下の本音を聞き出す

〔考えるPoint〕
相手が本音を言いやすい環境を作る。許可取りのフレーズ、承認のフレーズを活用する。
<文例>
× また飲み会不参加かよ。最近、つきあいわるいなあ。家庭で何かあるの?
○ 今後の仕事の進め方にも関係するので、ちょっと立ち入ったことを聞いてもいいかな
〔解説〕
何か事情がありそうな人から本音を引き出したい時は、相手に最大限配慮し「本音を言いやすい状況に相手を置く」ことが大事。声をかけるタイミングも大切です。「今後の〜」のように許可取りのワンクッションを置くことが第一ステップで、その後に興味本位ではなく、責めているわけでもなく、上司として仕事の一環として事情を把握しておきたいといった姿勢を示すこともポイントです。

 

終わりに

このように「言いづらいことを言う」という意味では、危機対応のケースもあります。迅速かつ、次のアクションにどれだけ早く移れるかというのが、危機対応のすべてです。そう考えると、相手に何も言わないことや、トラブル発生を隠すことが、もっともやってはいけないことだということがわかります。

また、状況を的確に伝えることも大事なポイントです。そのためには「描写力」を磨くとよいと提言されている識者もおられます。目に入ったものを言語で描写するトレーニングだそうです。おすすめはテレビを見ている時に、目に入った人を描写する方法。例えばテレビドラマなどの場面で、ある人を事件の犯人だとして「年齢50歳くらいの男性。紺色のスーツを着用。ワイシャツはブルーのストライプ、ネクタイはエンジ色。髪は短く、右ほほにほくろ・・・」といった具合。続けているうちに言葉の出方がスムーズになっていくそうです。早速、今日からでも試してみてはいかがでしょうか。
以上本稿では、伝え方思考をテクニカルな側面から考察してまいりましたが、これはあくまでもいざという時の技にすぎず、普遍的な対人能力を高めるという意味での人間力養成は、やはり欠くことのできないトレーニングであると思います。

伝え方と人間力の関係におきましては、その功績等には賛否はありますものの、元首相の田中角栄さんなどは、人間力と言い回しの双方で、このようなテーマを考察していく場合には、参考事例としてよく取り上げられる人物です。

今年2018年は、田中角栄さんの生誕100年ということで、関係書籍が書店の店頭に数多くならんでおりますので、これなどからもヒントが得られるものと思います。   

以上

 

(参考文献)
「言いづらいことの伝え方」本間正人 日本経済新聞社

 

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