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本物のやる気は、「カッコイイ自分」から

公認会計士試験合格者 森 大地

個が協力し、社会を支える

人は、単独では生きていくことが困難な弱い生き物です。古来から人間社会は集団で営まれ、相互扶助の精神で文化を築いてきました。日本の成り立ちを神話とともに記した『古事記』では、日本の国づくりは、たった一人の神様(唯一神)ではなく、八百万の神(大勢の神様)が話し合い、それぞれが役割分担をして行われたと言われています。もちろん神話はフィクションではありますが、世界中のどの国でも、神話はその国の精神やあり方を表すものです。日本人の根本には、人と人が知恵を出し合い、団結してより良い社会にするという思いやりがあるのではないでしょうか。

資格試験は、自分の価値を高め、貢献を生む

人はできることが増えた時、やりがいを感じます。趣味で言えば、自転車の整備技術が向上した、料理がうまくなった、行ったことのない遠くの街へ旅することができた、などです。仕事で言えば、難易度の高い勘定科目の監査ができるようになった、責任ある現場主査の仕事を覚えられた、仲間と協力して受験生応援事業をはじめられた、などです。

同時に、人は貢献した時にも、やりがいを感じます。趣味で言えば、友人の自転車を整備して喜ばれる、大切な人に美味しい料理を振る舞う、旅で得られた貴重な経験を家族に共有する、などです。仕事で言えば、難しい監査手続を今度は後輩に指導する、現場主査を通じて顧客に高い価値を提供する、新規事業を通じて受験生の合格の手助けをする、などです。

趣味のような目的意識のないものでも、自分の価値が高まればどこかで貢献するチャンスが生まれます。逆に、貢献が本来の目的である仕事においては、その過程で自然と自分の価値が高まることもあります。大切なことは、自分の価値を高めることです。自分の価値を高めることとは、「できなかったことを、できるようにすること」、すなわち成長です。人は成長し続けることで幸福感を得ることができる生き物だからです。

成長の敵は、恒常性

生物は、その生命を維持するために自らを一定の状態に保つ機能である「恒常性(ホメオスタシス)」を持っています。気温の高低に関わらず体温を一定に保つこと、ウイルスが体内に侵入したら免疫機能を活性化させ、発熱や咳などの症状を自ら起こすことで健康状態を維持しようとすること、そして大舞台で緊張したときに鼓動が高まるのも、危機的状況を脱するために体を戦闘モードにしようとするホメオスタシスの働きです。

恒常性は、生命を維持するために身体的、心理的に多くの役割を担っています。しかし、現代社会における人生のやりがいや幸福感とは必ずしも結びつきません。むしろ、現状維持を推進することは、これからもう一段上の世界を目指そうとしている人にとって足かせでしかありません。では、恒常性に打ち勝ち、成長を続けるにはどうすればよいのでしょう。

自分が輝くことに、価値を置く

「カッコイイ」と思えることを、生活の中で増やしてみることです。私は、一人暮らしの日常で、一人でかっこつけまくっています。朝、大好きなコーヒーをお気に入りの豆からミルで挽き、スタバのマグカップに注ぐ時間。リモートワークの日中、締切の2日前にタスクを終わらせ、上司を喜ばせようと取り組む時間。夜、大好きな自己啓発本や趣味の実用書だけでなく、仕事に直結する会計専門書をがんばって読み、受験生時代さながらにカラフルな下線を引きまくっている時間。

共通しているのは、「できなかったことを、できるようにする」ことです。コーヒーを味わう瞬間を自分なりの基準で追求すること。上司を助けるため、仕事を早く終えられるようにすること。勉強をして、新たな専門知識を増やすこと。私なりのカッコイイは、自分が輝いている瞬間です。自分が輝く瞬間とは、成長を目指し、前進している姿だと思います。努力に思い悩むことがあったら、「カッコイイ自分」をできる範囲で目指してみてはいかがでしょうか。

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