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『コンビニ人間』から、社会とのつながりを考える

公認会計士試験合格者 森大地

「普通」に苦しむ36歳独身フリーターの物語

『コンビニ人間』(村田沙耶香著、文藝春秋)の主人公、古倉恵子は、36歳独身フリーターの女性で、大学から始めたコンビニのアルバイトを18年間も続けています。彼女は、世間の「普通」がわからず、幼い頃から悪意なく「常識はずれ」なことを繰り返していくうちに、周囲の人間の真似をしたり、ルールというルールに徹底して従うことで、なんとか世の中に適応してきました。恋愛経験もなければ、就職もしていない、36歳独身女性。このバックグラウンドから、次第に多くの「普通」の人間たちに干渉されるようになります。

コンビニなら、社会とつながれる

彼女が「普通」になれる唯一の場所、それがコンビニでした。定型業務が多いコンビニでは、マニュアルさえ暗記すれば誰もが平等に「店員」になれます。男性と女性、既婚と独身、18歳と36歳。コンビニ店員である限り、こうした背景の違いは、ほとんど障壁になりません。彼女はこの平等な世界を愛し、社会を構成する「普通人」としてお客様を迎える毎日に、心の底から充実感を得ていたのでした。

歯車であることに誇りを持つ

社会とは、家族から始まり、近所の住民、会社や学校などの組織、そして日本国全体というように、すべての共同体を指す言葉です。専業主婦の女性も、家族という社会で活躍できます。育児休暇を取れない男性も、会社という社会で活躍できます。最近、社会問題となっているLGBTについても、周囲を思いやり、自分の得意な分野で他者の役に立つことができれば、社会で活躍できる存在なのは言うまでもありません。

大切なことは、一人一人が社会に参加していることの実感ではないでしょうか。資格試験への挑戦も、突き詰めれば社会の歯車の一つを磨く手段です。「自分の資格取得が、社会のどこかで役に立つ」という視点で日々の学習に取り組んでみませんか。

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