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これだけは知っておきたい「Internet of Things」

クレアール 情報セキュリティ研究チーム

目次

1 はじめに

最近、よく耳にする言葉の一つに「IoT」があります。IoTとは「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」と呼ばれるものです。これは、あらゆるモノをインターネットに接続し、そこから収集した情報によって、新しい機能やサービスを生み出すことです。ここでいうモノ(Things)とは、コンピュータやスマートフォンはもとより、テレビ、冷蔵庫、エアコン、照明、空調、車、時計、靴、眼鏡、洋服、財布さらには人やペットといったあらゆるものを含みます(したがって、Thingsを本稿ではモノとカタカナで表記します)。こういったモノに様々なセンサーを搭載して情報を収集し、それらの蓄積された情報を分析・提供することで、私たちの生活を便利にしてくれるのです。例えば、近年健康ブームですが、体重計や運動靴などをインターネットにつなぐことで日々の体重や運動量を記録したり、血圧や心拍数を計測する端末を身につけてデータを蓄積して健康管理をする、なんていうのはIoTの典型的な活用例でしょう。

そこで、今回は、IoTの基本を理解していただいたうえで、その活用例の中から私たちの生活に直結する「消費・サービス」がどのように進化し、どのようなビジネスチャンスが生まれるのかを見てみましょう。

2 「モノがインターネットでつながる」とは?

ここまでの説明でIoTとは、あらゆるモノがインターネットにつながる、ということであることはお分かりいただけたと思います。もちろん、つながるだけでなく、つながったモノ同士が色々なやりとりをすることに大きな意味があります。では、「モノがインターネットでつながる」というのはどういうことなのでしょうか。

ここでM2M(Machine-to-Machine)について説明しておきましょう。M2Mはかなり以前から行われてきた仕組みであり、人が介在することなく、機械同士(モノ同士)が相互に情報をやりとりすることです。M2Mでは機械同士の情報のやりとりを指しており、その先にある情報をインターネットやクラウドに送るところまでの機能は持っておりません。例えば、エレベーターの監視については誰でも知っているでしょう。エレベーターの稼働状況、昇降回数などのログ情報を蓄積し、データとして収集しています。これなどはM2Mの典型例といえます。また、ここ数年で急激に研究・開発が進みつつある自動運転もM2Mといえます。車の周囲に設置されたカメラやセンサーが、周囲の車や人との距離を測りつつ、危険を察知した場合は緊急停止するなどのコントロールを行います。これらは「エレベーターと監視装置」「車とカメラやセンサー」といったモノ同士がやりとりをする仕組みということができます。

このM2Mの仕組みとIoTが同じものではないかと思われる方もいるかもしれません。しかし、M2Mだけの世界では機械同士の相互の連携はありますが、その情報はシステム内の中だけのものであり、インターネットにその情報が出回ることはありません。IoTではM2Mでやりとりされている情報をインターネットで収集できるようになります。収集したデータはクラウド上で共有することができます。データを共有することで新たなビジネス価値を創造します。ここがM2MとIoTとの大きな違いということができます。別の言い方で言えば、M2Mは主に効率化を目指し、IoTは主に価値創造を目指す、ということです。

2020年には、世界中で500億個以上のモノがインターネットにつながると言われています。それらが情報を送ると、インターネットには膨大な情報が蓄積されることになります。これがビッグデータで、まさにビッグデータの収集こそIoTの主な目的であるということができます。ビッグデータはそのままでは活用することはできないので、ビッグデータを分析し、何らかの価値を生み出すことが重要になります。例えば、冒頭で述べた健康管理の例では、ビッグデータによって集められた膨大な情報を分析し、個人の体質との関係性をAIによって推定することで、その人に合った最適な健康管理プランを自動的に作成することができるようになります。このように「モノがインターネットでつながる」ということは新たな価値を生み出す、ということであることがお分かりいただけたのではないかと思います。

3 いま、なぜIoTなのか

すでに見たように、「モノがつながっている」ということ自体は新しい発想ではありません。しかし、今、このIoTが非常に注目されています。それには次のような理由があるといわれています。

① モノに搭載するセンサーが安くなり、その種類も多くなったこと。

② センサーが安くなったのと同様、端末(デバイス)が安く手に入るようになったこと。これにはスマートフォンの爆発的な普及が影響しています。

③ センサーから発生したデータをつなげる通信環境の整備が進んだこと。安く高速な通信インフラの発展・普及(光回線、公衆無線LAN、携帯電話回線などの整備・拡大)には目覚ましいものがあります。

④ 集めたデータを蓄積するインフラと、データを高速に分析する技術が発達したこと。これはIoTを推進する技術の進化の中で特に重要な要素といわれております。クラウドサービスの発展により、早く安く手軽にデータを蓄積できるようになり、さらに、データ分析サービスを活用することで、データ分析の基盤が安価で購入できるようになったわけです。

IoTの活用には、「モノ」と「データを集めて分析する環境」が必要ですが、ここに挙げた環境変化により、今、IoTが注目されるようになったといえるわけです。

4 モノがつながってやりとりをすること、とはどういうことか

では、実際に「モノがつながってやりとりをすること」が私たちの日常生活にどのような影響があるのか見てみましょう。ここでは分かりやすい例として「自動車」を取り上げてみましょう。

まず、もっとも基本的な「つながっている状態」としては、自動車のどこかが故障した場合に、スマートフォンに「故障しました。メーカーに連絡しますか?」という定型メッセージが自動配信されるというケースが挙げられます。ただ、これは単にモノとモノをネットワークでつなげる、ということで、古くから存在しているコンセプトであり前述したM2Mと変わりません。IoTはそこからさらに進んで新しい価値を創造できるか、ということが重要になります。これは言い方を変えると「モノがスマートであるかどうか」ということになります。「スマート」とは本来は「賢明な」「きちんとしている」という意味ですが、現在使用される「スマート〇〇」というときの「スマート」というのは、現在の状況をとらえるセンサーと、他の人や機器と通信できる機能と、自律的に何らかの制御ができる機能があるシステムを指すことが多いといえます。IoTの世界ではこのスマートさがM2Mとの違いとなるわけで、高度な情報処理能力を持つ「モノ」だということを使っている人に忘れさせて、まるでモノ自体が、人間の替わりに何かを考えて、その結果を自然な形で伝えてくるといった、高度に洗練された画面(ユーザーインターフェイス=UI)やユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス=UX)を最優先に考えられているシステムであることが「スマート」と呼ぶための条件になるわけです。以上まとめると、IoTが普及した世界でいうモノとは、ユーザーからするとモノであることを忘れさせ、モノが自律的に判断したうえで、全体の中で最適な制御をおこなうようになることといえます。これが「モノのスマート化」ということになるわけです。

このようにスマート化したモノは、他のモノとやりとりをすることができます。自動車を例にとると、「エンジンの調子がおかしいです。メーカーに連絡しておきますね。」と問いかけるだけでなく、動きがおかしい部分のデータや回転数、周辺の関係する部分のデータなどを自動車メーカーのサポート窓口に送信し、原因と対策を検討するようなやり取りを行うことになるわけです。

ところで、現在はSNS(ツイッター、フェイスブック、LINEなど)が花盛りです。このSNSにモノが自然な形で入り込むようになると、モノを中心としたコミュニティが形成されます。例えば、自動車のカーステレオを買い替えたいとあなたが考えそのことがSNS上に存在すると、自動車を中心としてカーステレオ販売店、ネット販売店、カー用品店とがやり取りができるようになります。そして、どのような人がどのような音質のカーステレオを購入しているか、商品に対する消費者の評判などが自動車というモノを通じてやりとりをすることで情報を得ることができるわけです。

このように、ただ単にモノとモノがつながるだけでなく、モノが自律的な判断をして、全体の中での最適な制御を行い、新たな価値を創造することこそがIoTということができるのです。。

5 IoT活用型O2Oによるマーケティングの変革

近年、スマートフォンなどのICTを活用したO2O(Online to Offline)が注目されています。O2Oとは、インターネット上のサービス(Online)を活用して、消費者をリアル店舗(Offline)へと送客・誘導するマーケティング手法です。例えばWeb上で商品や在庫の情報を掲載すれば、関心のあるお客様は実店舗へと足を運んでくれます。実店舗で使えるクーポンを配信したり、ポイントを付与したりすれば、もっと来店促進につながるでしょう。O2Oという言葉が使われ始めたのは2010年ごろのようです。それ以前にも「クリック&モルタル」という同様の手法が存在しましたが、スマホやSNSの拡大でO2Oに発展したといわれています。携帯やスマホの発達はアプリによる広告やクーポン配布をより効率的・効果的に実施可能にしました。また、最近ではGPSなどを使った位置情報測位機能を活用したエリアマーケティング(特定地域の消費者をターゲットにしたマーケティング)なども一般化しています。

現在、スマートフォン以外のデバイス・機器を活用することにより、新たなO2Oマーケティングが進みつつあり、これらの取り組みは「IoT活用型のO2O」といえます。一つの例がデジタルサイネージの活用です。デジタルサイネージとは屋外や店頭などで、ディスプレイを使って各種情報や広告などを表示するシステムです。クレアールにも設置されており、ご覧になったことのある方もいらっしゃるでしょう。従来型のデジタルサイネージは単に一方的に情報を表示するだけで、電子看板ともいわれていました。しかし、最近は「接客型デジタルサイネージ」という双方向性を高めることに成功したサイネージが登場しました。前を通る消費者の質問や発言を認識・解釈するだけでなく、日時や天候など消費者が置かれた状況に応じた情報提供がなされています。消費者が欲しいと思う情報をやニーズの高い情報を的確に提供するサイネージに進歩してきたわけですね。

また、IoT活用型のO2Oとしては他に「ウェアラブル端末」の活用も挙げられます。ウェアラブル端末とは「身に付けて(wearable)持ち歩くことができるコンピュータ」のことで、日本では、2015年の市場規模が130万台〜140万台であったのに対し、2020年には600万台を超える規模に成長すると予想されています。ウェアラブル端末としては、センサーを通じて脈拍、血圧などのバイタル(生体)データが取得できる端末が主流ですが、現在進められているのは、脳波を測定できるセンサーなどを搭載してヒトの心理・感情までも把握できる端末の開発です。心理や感情を測定できるウェアラブル端末は、将来的に幅広い活用・用途が期待されています。たとえば店頭で消費者が商品を選択・購入する際の心理・感情データを、様々な消費者から直接的に収集・分析することが可能になるわけです。

このようにIoT活用型のO2Oにより消費者の心理・感情、ニーズ、嗜好性などのデータが詳細かつ大量に収集・分析できるようになると、企業のマーケティングにも様々な変化が生じる可能性があります。商品を購入する際の購入者の心理・感情を把握し、デジタルサイネージや商品棚なども進化することで、商品を比較して選択する際の心理・感情までも把握できるようになる考えられます。将来的には「手には取ったが最終的には購入しなかった商品に対する、消費者の心理・感情」、「商品を購入・利用し始めた後の、消費者の満足度・不満足度」といったこれまでは企業が、収集・把握することが難しかった情報までも把握できるようになる可能性があるといえます。近年、多くの企業が「カスタマージャーニー分析」と呼ばれる消費者分析の手法に取り組んでいます。これは、消費者が商品を選択・購入〜利用するプロセスごとに消費者の具体的行動を書き出して分析する手法で、消費者の行動を時系列に沿って分析していくことから、「顧客・消費者(カスタマー)の旅(ジャーニー)」と呼ばれているのです。この分析の仕組みが構築され、分析精度が上がれば上がるほど、効果的なマーケティングの展開につながるということができます。

6 最後に

私たちの生活はここ20年で劇的に変貌を遂げました。平成初頭に携帯電話が気軽に持てるようになり、その後パソコンも日常的に利用されるようになり、いまでは携帯・スマホの契約数だけでみるとほぼ日本人の一人に一台という状況になっています。すでに見たように、IoTが活用されるためには端末の普及、通信環境の整備などが必須で、現代はまさにこれらの条件が充足された時代であり(もちろん更に進歩・発展するでしょう)、これからのビジネスはもちろん生活の様々な場面でIoTの影響は大きくなっていくはずです。現代社会においては、私たち一人ひとりが今後もIoTの理解を深め、その活用を進めることで、今までにない新しい利便性や恩恵を得ることが期待されているのです。

<参考文献>
「IoTまるわかり」 日経文庫
「IoTの全てを網羅した決定版 IoTの教科書」 日経BP社
「勝者のIoT戦略」 日経BP社
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