勉強のスタイル
- 河野上
- いよいよ核心に入っていきたいと思います。教材、それから講義内容、あるいはカリキュラム等々でクレアールに対して「こういうところがすごく助かった」という部分もあれば、「こういうところはまだどうにかならないのか」「こうしてもらえないだろうか」というところの要望なども含めて、自分の勉強スタイルを、教材あるいは講義、カリキュラム等々を交えてご説明いただきたいのですが。 まず、小林さんは1年目はライブでしたけれども。
- 小林
- はい。講義は週3回で、そのうち平日が2回です。平日の講義は6時半から始まっているのですが、定時で上がる状況でないと間に合わないですよね。
- 河野上
- 難しいですよね、6時半に水道橋というのは。
- 小林
- はい。少しでも残業が入ってしまうと、遅刻してしまうことがどうしても多かったです。やはりライブに出ていたほうが、質問もすぐできますしメリットが大きいので、何とかライブに出ようと思って仕事の調整をしてしまうと、今度は逆に仕事がおろそかになり...、やはり仕事と勉強を両立する上で、私の個人的な意見として、どちらも全力でやらないと駄目だと思います。要は、仕事でうまくいかなかったときに、結局、試験勉強のせいにしたくないし、他の人からも指摘されたくないので、仕事でも結果を出さなくてはいけなかったので。そうしたときにライブというのはちょっと大変だったというのがありますね。仕事もしっかりやらなくてはいけない状況があるからライブに遅刻してしまったという経験はあります。
- 河野上
- 1年目のライブのときはどういう勉強スタイルだったんですか。例えば、遅刻はするにしても、とりあえずDプラスはありましたよね。
- 小林
- はい。
- 河野上
- 例えば「今日は10分遅刻したから、その10分もう1回DVDで見よう」とか、そういう気持ちにはやはりなれなかったですか。
- 小林
- それが、DプラスですとDVDができあがるのが3日後なので。
- 河野上
- そうか。タイムラグがあるから、遅刻した分をDプラスで補習しようと思ったら、もう次の授業なんですね。
- 小林
- はい。
- 河野上
- となると、やはり遅刻した分は遅刻した分でロスが出てしまうし。ライブのいいところを結局相殺してしまったんですね。
- 小林
- そうです。
- 河野上
- なるほど。特に復習だとか、ライブに出るということはいろいろ質問もできるわけですけれども、そんな余裕もなかったですか?
- 小林
- 正直......。
- 河野上
- では、計画的に復習ができるとか、問題集を回すというところまではなかなかいかなかったですね。
- 小林
- いかなかったですね。
- 河野上
- 逆にそれもあって、私も説得して、通信に移ってからは勉強のスタイルは変わりましたか?
- 小林
- やはり、通信ということによって、時間的な拘束がなくなったので、自分でスケジュールを組み立てるようになりました。まず仕事の予定を入れて、その上で自分の勉強のスケジュールを組み立てて、それをひたむきにこなすというスタイルになったので、そちらのほうが私には向いていたかもしれません。
- 河野上
- 「通信しか知らない」「ライブしか知らない」という方が多い中で、小林さんの場合は二つやっていますから、いろいろお聞きしたいと思います。最初にライブであのライブの臨場感を味わい、通信になったらDVDの画面でしか見ないですよね。何か違和感はありましたか?「DVDは勉強しづらいな」とか、そういうのはありましたか?
- 小林
- やはりありました。DVDですと、カメラが黒板を映すので、俯瞰(ふかん)できないので、そのわずらわしさがまずあります。
- 河野上
- なるほど。ただ、その欠点を補うために2008年から導入したのが、いわゆる板書ノートです。それも、手書きではなくて、どこでも自分でプリントアウトしてもらえるようにワードで作成しています。その板書ノートは活用されましたか。
- 小林
- はい。板書ノートはもちろん使いました。板書ノートである程度補えるんですけれども、先生は授業をするときに、板書をすごくたくみに使う方なので...。
- 河野上
- なるほど(笑)。
- 小林
- 一から板書を書いて流れを追って説明するのと、あらかじめ印刷してあるのとではやはり少し違います。
- 河野上
- そうですよね。そのライブの良さというのは、どうしてもDVDでは確かに犠牲になってしまうかもしれないですね。
- 小林
- そうですね。
- 河野上
- 拠点校の方、通信の方はどうしてもDVDから入りますし、DVDしか知らないままになってしまいますが、極力、ライブの醍醐味をわかっていただく、あるいは大人数の中で受けるということを経験してもらうためには、雨宮さんがやられたように直前期の答練だけでも参加してみるとか、公開模試だけで参加するとか、そういう活用の仕方があるかもしれません。 あとは、教材面とか、特に答練で何か勉強のスタイルにこだわったところはありますか?
- 小林
- 応用答練や直前答練は、繰り返し勉強することを努めました。重ねたそういう答練を一通り回すと、やはり税理士試験に必要なことが一通り学べますので、それを何度もやっているうちに力がつき、押さえるべきポイントを一通り結果的に確認できていたのだと思います。
- 河野上
- ということは、特にクレアールが提供している教材については、多いだとか少ないとか、また内容面で不満があったというのはないですか?
- 小林
- はい。
- 河野上
- 逆に言うと、「もうこれを全部やれば全部範囲が終わるんだ」と。
- 小林
- はい。
- 河野上
- そこは、もう疑問に持たず回されたということですね。
- 小林
- 実は、まったく疑問を持たずというわけでもなかったですね。例えば、クレアールで勉強していないところも試験では出ているので、心のどこかで「教材以上のことをやらなければ受からないんじゃないか」とも思いました。 しかし、合格して改めてわかったのですが、クレアールで出された問題というのはスポーツでいうと基礎力、例えば走る体力とか、ジャンプ力とか、体の強さとか、そういうところをすごく重点的にやっています。たとえ難しいボールがきても基礎能力があるからそれなりに対処できるという力がつく教材なので、結果的に、クレアールを信じて、何度も与えられた教材を繰り返すことは間違っていないと思いました。
- 河野上
- 何度か浮気をしたいなというか、言葉は悪いのですが、他校さんのいろいろなものを見てみたいなと思うのは世の常なんです。しかしクレアールでは限られた時間の中、枝葉のところは追いかけませんからね。 例えば、今年の試験で、リースの貸し手の処理がありましたけれども、クレアールはやっているかというと、あえてやりませんでした。では、それをやらなかったから落ちたかというと、高島さん、小林さんは簿記論を受かっていらっしゃるからわかると思いますが、受かりましたよね。 税理士試験に受かるというターゲットの合わせ方が他校さんはちょっと広すぎるんですよ。そのときの苦痛だとか時間のロスを考えたときに、やるべきレベルが違うと思います。それをやって教える側は「こんな難しいことを教えてあげたんだよ」と自己満足になるのかもしれないけれども、受け取る側は「もう食べられません」という状態ですから。 そういう意味ではクレアールの教材というのは、小林さんが言うとおり多少不安があって「ちょっと怖いな。大丈夫かな」と思うところがあっても、蓋を開けてみて合格されて、今考えたら、「間違ってなかったな」と思います。 では、高島さん、自分の勉強スタイルについて、特に教材、講義、カリキュラムを交えてご意見をいただきたいのですが。
- 高島
- 私はやはり、他校で簿記論単科を1年目にやってから「簿財アドバンス」に来たので、非常に苦労しました。
- 河野上
- そうですか。
- 高島
- 苦労した点とすごく良かった点とがあるんですけれども。まず、簿記論だけをやってきたので、授業を聞いていてどうしても簿記論なのか財表なのかと頭の中で分けてしまうんです。そこをだいぶ長い間、実は苦労しました。
- 河野上
- 結論を言うとどちらも会計学なので......。
- 高島
- そうなんです。分ける必要はないのですが。
- 河野上
- 簿記とか財表という区分けをしているのは、本当に専門学校とか大学等の教育機関の勝手なエゴの分類であって。学問的にはそんな境界はないんです。
- 高島
- はい。ずっとそれを、結構最後の方まで切れなくて、しかも大手さんの簿記論の教材を持っているものですから。「これはやってないぞ」とか、「これは大手さんでいうと、財表でやるのかな」とか、どうしてもそこが気になって苦労をしたところです。
- 河野上
- やはり、小林さんの話にもつながりますね。クレアールの教材で大丈夫かどうかという判断。特に、他校の情報が入ってくれば入ってくるほど不安になってくるというところと。逆に良かったことは?
- 高島
- やはり、視界が広いといいますか、簿記論と財表を分けていない分、大手さんの教材だと与えられたものだけしか見えないのですが、クレアールの教材は割と少ないようであって、すごく全体的に見渡せる内容になっているので、「今までやっていたのは、クレアールで説明をした全体像の中のここだけを、私は1年間前の学校でやっていたのね」というのが見えたりして。全体がとてもよく見えるようになって明るくなりましたね。
- 河野上
- 皆さんにぜひ思い出していただきたいのは、クレアールの場合、3回転目ぐらいになると固定資産をやっても固定資産ではなくて、私の場合は、それこそリースも入れたり減損も入れたりということで、固定資産からどんどんほかの領域まで合わせてパックでやっていましたよね。 例えば、新株予約券にしたって、新株予約券だけではなくてストックオプションの話もからめたりだとか、話がどんどん膨らんでいったと思います。その辺の広がりがわかって、「全体が見えてわかりやすいな」と思う方と、それをバラバラに教わって、しかも違う先生から教わって、「何を言っているのかわからない」という、おぼれて水を飲んでしまう方との差だと思います。その辺の話の膨らませ方自体は、他校さんよりもやはり趣旨一貫していると思いますね。 高島さん、どうですか。教材は少ないと思いませんでしたか?
- 高島
- 教材をたくさんもらう学校から来たので、はじめは「これだけでいいのかな」と、量的にはそういう感じでしたけれども、カバーしている範囲はそんなに少ないとも思わない。ちゃんと押さえるべきところは全部押さえてありました。
- 河野上
- そうですね。
- 高島
- 本当に、1年目の大手さんでは、最後の方にたくさん応用論点を、「これもやってみましょう、これもやってみましょう」みたいな感じで詰め込まれたこともありました。クレアールの教材はそういう余計なことは入っていなくても、入っているところも全部流れ中で入っているので。「付け足しね、付け足しね」というのではなくて。
- 河野上
- そうですね。基準の改正とかそういうものがない限り、多分直前期で無理やり新しくでてきた話はほとんどなかったと思います。
- 高島
- なかったですね。流れの中で全部入っていました。
- 河野上
- では、雨宮さん。雨宮さんは11月から始めてどうでした、追いつくのは大変だったでしょう?
- 雨宮
- 大変でした。11月、12月は毎日、来る日も来る日もDVDを見続けて、「なかなか減らないな」みたいな感じ(笑)。
- 河野上
- なかなか減らないよね、2カ月遅れているんだものね(笑)。
- 雨宮
- とにかく応用期のDVDが送られてくる前までに見終えようと思ってやっていたみたいな感じでした。
- 河野上
- それが一つの目安なんでしょうか。遅れて始めた方は、私も「2月の応用答練が始まる前、あるいは1月の応用期が始まる前までに、なんとか年末年始を通じて基礎期に追いついてください」とよく言うのですが、やはりそれが目標になるんですかね。
- 雨宮
- そうですね。最終的には合格が目標ですが、ある段階段階で、とにかく基礎期は私にとっては追いつくことが目標でした。理解して基礎答練で点が取れるかどうかはともかくとして、とにかくDVDを消化して、追いついたということで、一つの目標は達成できたというのがありました。とにかくためないで見るということを最初のステップにしてDVDを見ていました。 また、見直す余裕もないだろうと思ったので、とにかく1回見て。本当に込み入ったところだけは直前期に部分的に見ることはあったのですが、基本的には1回だけです。それで、ノートに取って。板書ノートも本当にわかりにくかったところだけをダウンロードして見るという形にして、ある程度その辺は、ライブに近づけて板書するということを心掛けました。
- 河野上
- 春名さんはどうでした、勉強のスタイルとしては。
- 春名
- スタイルとしては、予定通りに講義に出て、先生が「例えば答練を合格者が7回以上解いているよ」と言えば、自分の解き直しの目標も7回に設定し、合格するために着々とこれをこなせばいいんだなと思いながら、素直に与えられたとおりに、とにかく遅れないようにやっていました。
- 河野上
- 雨宮さんと春名さんは、今回は財表のみの合格ですね。簿記を一発で決められなかった中で、「確かにこういうところは、ちょっとうまくなかったかな」というのはありましたか。まず、雨宮さんから。
- 雨宮
- 自分の中で、やはり苦手な部分というものを克服できなかったのかなというのはありましたね。それは今年の目標でもあるんですけれども。わかっているつもりみたいなところもいっぱいありました。 例えば、帳簿なんかも、「資料として読めればいいんですよ」と去年は言われて、「読めればいいんだ」と思って、個別計算問題集の問題は解いていなかったんです。そうすると、でも、「『読めればいい』とはいえ、書けないと読めない」みたいな、今年はそういうのがあって、基礎の大事さを改めて感じました。
- 河野上
- 春名さんは今回、簿記までいかなかったのは、何か思い当たる節がありますか?
- 春名
- 絶対に時間内で満点をとることができない試験だから、解ける問題から解かなければいけなかったというのもあるし、かつ、時間を見てどこかで「もうちょっとやれそう」と思っても次に行かなければいけなかったというところですね。
- 河野上
- 切らなきゃいけないところですよね。
- 春名
- それができなかった、そういうのがあったと思います。見切ったりとか潔く次へ行ったりとか、そういう時間配分的なところが大きいかなと思いました。
- 河野上
- 小林さんと高島さんは簿財両方うまくいった秘訣というか、コツはありましたか?
- 小林
- まず、財務諸表論は理論も一通り覚えていましたし、あとは計算も解いて、答練でも自信を持って解答できていたのですが、簿記は苦手だったんですよ。 これは合格した秘訣というのかどうかわからないのですが、簿記はクレアールの公開模試で学んだ知識で受かったと思います。というのは、公開模試の問3。これが、結構単純な仕分けで解ける問題をたくさん解かなければいけないという問題でしたよね。
- 河野上
- 本試験の第3問と、同じでしたね。
- 小林
- はい。処理自体は簡単なんですけれども、それをたくさんやらなければいけないんですよ。
- 河野上
- 解いても、解いてもという感じだね。
- 小林
- そうです。私は本試験を受ける前に、公開模試の簿記論を何度も繰り返してその訓練ができていたので。それで多分、本試験もうまくいったと思いますね。だから本当に、クレアールに感謝しています。
- 河野上
- 高島さんは簿財両方受かった秘訣はありましたか?
- 高島
- 自分に言い聞かせていたのは、「ずば抜ける必要はないぞ」と(笑)。「何も、優秀者に載る必要はない。できなければいけないことをできるようにすればいいんだ」というふうに自分に言い聞かせていました。
- 河野上
- 正にその通りですね。「簿記で1番をとろう」とか、「知らない論点を全部つぶしてやろう」とか、「他校さんのも全部含めて押さえてやろう」なんていうこと自体私は勧めていません。 簿記論だけは、本当にやらないとすぐに力が落ちてしまうし、勘だとか経験もそうですし、本人の注意力だったり集中力だったりで大きく左右されてしまいます。逆に私から言わせると、財表を1年ちゃんと勉強されて、財表がわからないとやはり理解できないんですよ。覚えれば白紙にならないし、計算部分というのはワンパターンで大抵順番も決まっているし。




