はじめに
- 河野上
- それでは、「2009年度税理士講座、簿財アドバンスの合格座談会」を始めたいと思います。司会は、簿財アドバンスの講師を担当しております、私、河野上がやらせていただきます。よろしくお願いします。 それでは、まず小林さんから、合格科目と合わせて自己紹介をしてください。
- 小林
- はい。小林正武と申します。このたび、簿記論と財務諸表論に合格することができました。 私は、金融機関に勤めております。土日祝日が休みで、勤務時間は朝の8時~夕方5時まで。もちろん、残業がある場合もあります。都内に単身で住んでいますので、家事全般を一人でこなしており、そうした中で受験勉強をしてまいりました。
- 河野上
- 典型的に税理士受験生にありがちな社会人の方で、しかも職場が金融機関ということと、一人暮らしなので家事等々で、例えばご両親とか奥さんのサポートは受けられないという状況ですよね。
- 小林
- はい。そうです。
- 河野上
- では次に、高島さん、お願いします。
- 高島
- はい。高島恵子と申します。このたび、簿記論と財務諸表論に合格することができました。今、仕事は、本当に少しだけですが、社会保険労務士の仕事をやっております。 また、税理士事務所の手伝いもしております。それから、子どもはおりませんけれども、一応主婦業もしております。
- 河野上
- それでは次に通信生を代表して、雨宮さん、お願いします。
- 雨宮
- 財務諸表論に合格しました、雨宮敦子と申します。派遣社員として、平日9時~5時まで働いております。子どもが2人おりまして、平日は子供を保育園に送ってから仕事に行き、終わったら子供を迎えに行って帰るというスタイル、土日は子どもと一緒に過ごすという毎日です。 私はシングルマザーなので、実家で両親と妹2人という大家族でわいわい生活しているのですが、家事の面、その他いろいろなところで両親のサポートを得て勉強することができていますので、すごく感謝する日々です。
- 河野上
- では次に、春名さん、お願いします。
- 春名
- 春名裕子と申します。今年、財務諸表論に合格することができました。仕事は週3回、簡単な経理事務のアルバイトをしています。子どもはいません。家事にとても協力的な夫と2人で暮らしています。
- 河野上
- 税理士講座というのは圧倒的に働きながら勉強している方が多いのと、やはり女性が結婚して子育てもして、あるいは年齢的にも社会復帰して、家事や子育てなどと両立させながら勉強していきたいという中で、一番人気のある資格でもあります。 でも、簿記検定とは違う難しさもあると思うのですが、そんな中で合格されたみなさんんのお話をぜひお聞きしたいと思います。
- 河野上
- まず大事なところですが、なぜ税理士になろうかと思われたのかを簡単にご説明いただきたいと思います。 まず、小林さんからお願いします。私から見ると、金融業ということで普通にお勤めされているわけで、特に税理士にならなければいけない必然性というのはあまり感じられないように思いますが。税理士になろうと思ったきっかけを、正直なところを教えてください。
- 小林
- 税理士の勉強を始めようというきっかけは、簿記の知識をもっと深く知りたかったからです。
- 河野上
- それは銀行業という仕事の中で?
- 小林
- はい。お客さまとのお付き合いの中、決算書とかを見るケースが多くて、そうした中でもっと詳しく経理について深く学びたいと思っていました。簿記2級はずっと前に取っていたので、その一つ上の資格といったら、簿記1級か税理士の簿記論と財務諸表論ということだったので、それで簿財を受けることに決めました。 ですから、きっかけとしては、切実に「税理士になりたいから」というよりも、本当に気軽な、「試しにやってみようか」と始めた経緯はありますね。
- 河野上
- ということは、税理士資格、例えば5科目を取って、仕事を辞められて独立されるなり会計事務所に行くなりして税理士業務をやるということよりも、自分の仕事の延長として、もう1個上の資格を取ることで、仕事に役立つ簿記の知識を得たいというのが最初のきっかけだったのですか?
- 小林
- はい。
- 河野上
- 意地悪な質問ですけれども、今はどうですか。
- 小林
- 仕事を進める上で、自分の裁量では助けきれないお客様というのはどうしてもいらっしゃいます。一応、融資等は行っていますが、やはりそのようなお客様を本当に助けるとしたら、一緒になって経営に関わっていくという選択肢になると思います。いろいろ仕事がある中で、税理士という仕事はお客様のサポート・コンサルタント的な業務ができると知ったので、税理士になって本当に「顧客の力になれるような人間になれればいいな」とは思っております。
- 河野上
- 今は、「税理士になろう」という気持ちは強くなったということですか。
- 小林
- そうです。
- 河野上
- なるほど。勉強を通じてそういう気持ちになれたということですね。きっかけはどうであれ、今では、この勉強を続けてみようということですね。
- 小林
- はい。「税理士になりたい」気持ちは強いですね。やはりこの先はどう変わるかわからない中、客観的に見ても、強いスキルを持ちたいという気持ちはありますので、今のところは仕事もやりながら勉強を続けていくという姿勢を取っています。
- 河野上
- わかりました。では、次は高島さんですね。 高島さんは社会保険労務士という資格をお持ちで、さっき「少しだけ」とおっしゃっていましだが、仕事をされているわけですから、それがまた何でこの税理士資格に参入されようと思ったのですか。
- 高島
- 私は小林さんとはちょっと違って、最初から壮大な思いがありまして(笑)。本当に小さな会社ですけれども、社会保険労務士でかかわっているところで労務管理をやっておりまして、アドバイスとしては従業員さんのお給料まではちょっと口を出せないですが、やはり勤務条件のことですとかいろいろ聞かれます。会社の財政状態のことに口を出せないのに、そこにだけアドバイスを入れるというのもなんとなく中途半端というか、会社全体のことがわからないのに、きれいごとだけを言うようなことになりかねないと感じていました。本当にトータルに、この会社の財政状態はどうなっているのかというところから全部見られたら素晴らしいと思いました。
- 河野上
- なるほど。私も税理士業務をやっていますので、社労士さんと一緒に組んで仕事をすることは多いです。自分はなかなかそこまで飛び込めないので、ご協力いただくことが多いのですが、社労士さんの立場から見て、逆に財務や税務を考えたら、「ちょっとやってみようかな」という気持ちが強くなったと。
- 高島
- ありますね。それから、実は私は、会社勤めというものをしたことがないのです。 社労士は、税理士もそうですけれども、会社の社長さんとお話をするわけですね。そこで、労務管理のことから切り込むというのはきついです。自分が会社勤めの経験がない。それを考えるとやはり、会計だと言えると思います。
- 河野上
- それはどうしてでしょう。
- 高島
- 会計のほうが客観的な数字なので...。
- 河野上
- なるほど。確かに、企業だとか人事というのは、一概に法規だとか条文なんかを当てはめてられない感情的な部分がどうしてもありますからね。そういった意味では、今おっしゃったように、組織に対してアドバイスをするという意味では確かに立ち位置がちょっと違うかもしれないですね。
- 高島
- やはりそうですね。
- 河野上
- わかりました。では、次に、雨宮さん。なぜ税理士になろうと思われたのですか?
- 雨宮
- きっかけとなると、私のプライベートなことをちょっと話さなければいけないのですが、4年前に私は乳飲み子を抱えて離婚しまして、そのときに弁護士の先生に、「何年かかってもいいから必ず手に職を付けなさいよ」ともう重々言われていました。とにかくその後2~3年は生活することに精一杯で、仕事も始めたばかりで、いっぱいいっぱいの毎日が続いていたのですが、去年ぐらいから子どももだいぶ大きくなって、仕事も慣れ、自分の気持ちに余裕が出てきて、そろそろ将来のことを考えなければいけないと思っていました。 私は10年前に一度、税理士試験を受験しているのですが、そのときは本当に簿記2級の延長で「じゃあ、やってみるか」みたいな感じで始めたのですが当然途中で挫折しました。でも、心の中でどこか引っかかっているところがあって、「何か手に職を」と思ったときに、「もう一度税理士試験にチャレンジしたいな」という気持ちがありました。 あとはちょっとキザですけれども、子どものためにです。今のままでもそこそこの生活を送って、子ども2人を食べさせてという生活はできるのですが、子どもに「母の背中を見せたい」ではないけれども、一生懸命やって努力すること、そうやって生きていく姿を子どもに見せたいというのもありました。子どもたちもそうやって努力して人生を切り開いていってほしいなという気持ちもあったのでもう一度チャレンジしようと思いました。
- 河野上
- かなり突っ込んだ話をしていただいきましたが、一つ私からアドバイスをしたいのは、私たちはプロフェッショナルです。ですから、今、雨宮さんがおっしゃったような内容というのは、やはりプロとしては表には出せないですよね。だから、その部分は背負いながらも、お客さまのつらい部分だとか、困った部分も背負っていかなければいけないわけですから、やはりタフでないといけない、厳しい仕事です。それでも、雨宮さんの、お子さんに対して「そういう姿を見せたい」というのはおそらく伝わると思いますし、お客様にもやはりにじみ出て伝わります。「この人、強いな」と。 ですから、その辺はぜひ今後の勉強を進めていく上での基礎になる部分ですから、頑張っていただきたいと思います。ただし、それは決して表には出さないで、そこはぜひ自分が支える側にいるのだということをぜひ腹に決めて頑張ってください。
- 雨宮
- はい。
- 河野上
- では、春名さん、何故税理士になろうと思ったのでしょうか?
- 春名
- 独学で簿記2級の勉強をしていて、勉強が面白かったので、受かったときに「このままもうちょっと会計関連の勉強をしたいな」と思ったのがきっかけです。
- 河野上
- でも、「楽しいな。じゃあ、税理士へ」というのはすごくジャンプだと思いますが、税理士は何で目指したのだろう。やはり先の延長として見えたのですか。
- 春名
- すごいジャンプだということに、最初はあまり気付いていなかったというか。
- 河野上
- 気付かなかったのですね。そうか、なるほど。
- 春名
- はい。
- 河野上
- やはり皆さん、簿記2級の話をされていますけれども、簿記2級という知識は勉強をやっていて、ないと困りますか。 一 同 はい。
- 河野上
- そうですか。全員同意されている姿をお見せできないのが残念ですが(笑)、私もそう思います。やはり日商検定から、ブランクがあってもそのまま勉強を続けられる方が多いですね。ただ、どうしても難易度で結構ギャップがありますよね。そこで「ちょっと考え直します」とあきらめる方と、「頑張ろう」という方の差があるのだと思います。春名さんの場合は、「楽しいし、ギャップもまだ自分では感じられないので、このまま頑張っちゃおう」という感じでしたか?
- 春名
- そうですね(笑)。




