三上 学 さん (自営業)
薄いテキストと「非常識合格法」で、効率的に学習。
中小企業診断士を目指した理由
中小企業診断士の受験を思い立った時、私は個人事業主としてすでに3年の経験がありました。しかし自営業では、大手企業のようなやりがいのある仕事を獲得するのは難しく、自分が成長する機会にめぐり合うためには、何かを変える必要があることを痛感していました。そして、活躍している個人事業主とはどのような人なのかを手当たり次第に探したところ、独立したり本を書いたりしている人に中小企業診断士が多いことがわかったのです。迷う理由もなく、私は中小企業診断士を目指すことにしました。
中小企業診断士の魅力
中小企業診断士の1次試験は7科目で、出題範囲は広範囲にわたります。このため学習の負担は少なくありませんが、過去の知識や経験を棚卸しする良い機会ととらえ、前向きに取り組むことにしました。また、個人事業主にとっては情報が非常に重要です。中小企業診断士は学習期間、合格後を通じて様々な人脈を形成することができますし、情報収集にも役立てることができる点にも大きな魅力を感じました。
クレアールを選んだ理由
受験を思い立ったのは2008年3月初旬です。1次試験が実施される8月まで残り5ヶ月を切っていたため、当年の受験には多少不安がありましたが、「思い立った以上、早く学習を開始したい」という気持ちが勝っていました。さっそく複数の受験校から資料を取り寄せ、「非常識合格法」「薄いテキスト」のクレアールでお世話になることに決めました。
1次試験の効率的な学習法
1次試験の学習をしていた頃は、効率を考える余裕などありませんでしたが、後で気付いたことも含めた学習方法について、いくつか述べたいと思います。
「最初から全て理解しようとしても無理だと知ること」
診断士試験で初めて出会う知識分野は幅広く、一度テキストを読んだだけでは理解できない論点が少なくありません。しかし、いちいち丁寧に読み込んでいては、学習ペースが遅くなってしまいます。そこで、多少の不安はありましたが、「最初の学習では全体像を広く浅く把握することに注力し、あとは問題演習で不足部分が出てきたら、その都度該当部分を復習する」という方法をとることにしました。1回目はDVD講座に合わせてテキストを読み、基本的な部分がわかればどんどん先に進みます。2回目になると全く初見という訳ではないため、理解度は1回目よりずっと高くなります。合格に必要なのは6割の得点であり、完璧を求め過ぎると、かえって挫折する心配があります。
この意味で、クレアールの薄いテキストと「非常識学習法」は、効率的に学習する上で非常に理に適っていると思いました。
「財務・会計は丁寧に」
1次試験では、苦手科目の得点不足を得意科目の得点で補うことが可能ですが、財務・会計だけは苦手で済まされません。2次試験でも最も得点差がつくと言われる財務・会計だけは、確実に得点できる実力が必要となります。財務・会計だけは、DVDを繰り返し視聴するなど他の科目の二倍以上時間を費やし、重点的に学習しました。こうして財務・会計の苦手意識をなくすことにより、得点力が安定するのではないかと思います。
「2次筆記試験に触れてみる」
経営戦略論、マーケティング論、生産管理などは、1次試験向けの学習では、無味乾燥な暗記科目のように感じられるものですが、2次試験での問われ方を知ることにより、深く理解できるようになります。私は学習開始が遅かったこともあり、1次試験が終了するまで2次試験の知識はほとんどありませんでした。このため2次試験の直前になって、1次試験知識の復習に追われる羽目になり苦労しました。クレアールでは、1次試験対策講座に2次試験対策講座が含まれておりますので、ぜひ戦略的に1次・2次試験対策を進めていただきたいと思います。
直前期の学習方法(1次試験)
テキスト中心の学習を、一通り終えたのは6月中旬でした。残る1ヶ月少々で合格できる得点力を身に付けるため、残りの期間はひたすら問題を解きました。マスター答練、ファイナル答練を時間を計りながら解答し、その得点を記録していきました。点数が少なくても気にせずに、間違った設問や論点はその都度、解説やテキストで確認し、同時に過去問を解きながら知識を補充していきました。
また、複数の公開模試を受けることは有効だと思います。受験校の模擬試験は、出題傾向を分析して作成されていますので、市販の問題集よりも実戦的な問題集となります。私は答練・模試の問題を科目毎に何度も回転させて、低得点科目の克服に努めました。
一方、中小企業経営・政策、経営法務など、暗記が必要な科目については、何度も紙に書き出して身体で覚えることを意識しました。
2次試験(筆記試験)対策について
当たり前のことですが、2次試験の出題内容を把握することが大切です。どの事例で何が問われ、どのように解答すべきなのかを過去問と受験校などの解答例などにより確認します。先に答えを見てしまうと実力がつかない気がしますが、レベル感がわからないまま自己流の答案を作り続けることの方が、何倍も非効率だと思います。
文章で解答することにも慣れる必要があります。自分もそうですが、普段手書きの文章を書く習慣がない人は100文字、200文字書くのにどの程度の時間がかかるのかは、実際に手を動かしてみて初めてわかるようになるのです。
筆記試験の80分は、あっという間に過ぎてしまうので、時間を有効に使うには自分なりの解法手順が必要です。問題を何度も読み返す、書くのが遅いなど、自分の課題を把握してどのように解答を作るのか、時間をどう使うかなどを予め決めておく必要があります。また2次試験では、問題用紙に蛍光ペンやボールペンでマークする人、しない人など様々なタイプがあるようですが、自分はマーキング方法を教えてくれるセミナーにいくつか参加して、蛍光ペンでマーキングする方法を取りました。
あとは、過去問などを80分間で解いてみて、時間内に答案を埋められるようにする必要があります。私は考えすぎる癖があったため、どうしても時間切れになり解答欄に空白を残してしまっていたのですが、勉強仲間と「時間を測りながら1日5事例を解く」という演習を3回ほどしたところ、時間配分ができるようになり、本番でも解答欄を埋め切ることができました。
働きながらいかに学習時間を捻出するか
学習時間確保の基本は、中心となる時間帯を決めることだと思います。私の場合は週7日、夜8時から11時までを必ず学習時間として確保していました。その上で、可能な限り平日は朝1時間、土日は日中で5-6時間をとるようにしました。また1日に10時間以上学習しようとしたこともありましたが、結局集中力が続かずやめました。長くやるときは必ず2-3時間毎に休憩を入れることも大事だと思います。
この他、単語の意味を印刷した紙を常に携帯して移動時間に読むよう心がけました。
クレアールの通信講座について
私は通信講座でしたが、許可をいただき可能なときは公開模試や答練に参加したことが、自宅学習の不安解消にとても役立ったと思います。
通信講座のメリットはなんといっても、自分のペースで学習できることです。講義のDVDはiPodに移すなどして、気分転換に喫茶店で学習したりしていました。
合格ゼミについて
月1回の合格ゼミには、できるだけ参加しました。中小企業診断士試験は全体像がつかみづらく、自力で解決できない疑問が少なくありません。合格ゼミはちょっとした疑問を解消し、他の受験生と情報交換できる貴重な場だったと思います。
やる気を持続するために、受験仲間は必要だと思います。他人の視点を知る、自分の意見を伝えることを通じて自分の理解度がわかる、などメリットが大きいと感じました。
学習時間と直前期の過ごし方
試験までの総学習時間は、下記の通りです。
●1次試験対策...500時間
●2次試験対策...250時間
2次試験の直前期は80分をどう使うかを考えながら、過去問を解くことに集中しました。また、毎日続けていたキャッシュフロー計算、1次試験知識の復習などで過ごしました。
本試験を振り返って(注意すべき点)
自分のコンディションを把握して、体調管理をすることが大事だと思います。自分は筆圧が強く1次試験学習の終わり頃から腱鞘炎気味になっていたため、その対策として筆圧対策のサポート付きのシャープペンシルを用意していました。本試験当日も、事例IIの終了直前に症状が出てペンを握れなくなったため、午後の試験は対策付きシャープペンシルを使って乗り切りました。
与件企業の状況は比較的分かりやすく、落ち着いて解答できました。解答を記入しているときは、全く手ごたえを感じませんでしたが、空欄を作らず全て記入できたことには達成感を感じました。
口述試験では、「○○という立場から答えてください」という想定質問が多いようで、肯定・否定の両面から回答することに慣れる必要があります。これらの対策を行っているうちに、診断士試験の解答は決してひとつではなく、「立場を明確にして、その立場に応じた答案を作ること」が重要なのだと気づきました。口述試験まで終えて、よく言われる「一貫性」の意味がようやくわかったような気がしたものです。
最後に
中小企業診断士のネットワークを活用して仕事の情報を収集し、スキルアップを図りながら活動の幅を広げていきたいと考えています。また、景気低迷が深刻化する中で、中小企業診断士の役割が一層強く問われていると感じますので、使命である中小企業支援や町おこしなどの事業にも参画して、経済の活性化や人を元気づけられるような仕事にも挑戦したいです。



