公認会計士試験合格体験記 「会計士試験は働きながらの受験でも決して無理ではない!」 安井 亮太さん

安井 亮太さん

目次

1.はじめに

私は2015年にクレアールに入校し2016年の論文式試験に合格しました。本題に入る前にまずは私の受験の略歴を紹介させて頂きます。

  • 2010年4月 会計大学院入学(会計士の勉強を開始)
  • 2011年12月 短答式試験不合格
  • 2012年4月 事業会社就職
  • 2012年5月 短答式試験不合格
  • 2014年12月 短答式試験合格
  • 2015年8月 論文式試験不合格
  • 2016年8月 論文式試験合格

上述の通り私は合格までに多くの時間を要しております。 2012年より一般事業会社(経理職)に就職し働き始めたため、2年ほど受験勉強から完全に離れてしまっていた時期があり、2014年より勉強を再開した経緯があります。この体験記が「過去に勉強をしていたが再度挑戦するかどうか」について悩んでいる方、「受験に専念すべきか就職すべきか」について悩んでいる方、「働きながらの受験」について悩んでいる方の一助となりますと幸甚です。

2.受験の動機

私は10年以上アメリカンフットボールというスポーツをやってきました。このスポーツの面白いところは何よりスペシャリストの集まりだという点です。社会においても自分の得意分野を生かしたい、プロフェッショナルとして活躍したいと考えておりました。学生時代に日商簿記2級までは難なくこなせたので、会計は自分の得意分野だと思っており(後々全く違うことに気付きます)、この道のプロフェッショナルを目指そうと思いました。

3.働きながらの受験を選んだ理由(専念か就職かの選択において就職を選んだ理由)

大学院在学中に合格する事が出来なかったため、就職せずに受験に専念するか、就職して働きながら受験するか悩んでいた時期がありました。おそらく同じような理由で悩んでおられる方もおられるのではないかと思います。当時ある企業の先輩から頂いた言葉が印象的でしたので紹介させて下さい。「一旦社会に出て働くことは会計士を目指す本気度を測るリトマス試験紙になる」。つまり本気で会計士になりたければ、仕事である程度お金を貯めてから退職して再度受験に専念するという意思決定をするはず、もしくは働きながらでも受験を続けるはず、ということです。この時に退職の決断が出来ない、もしくは働きながら受験を続けられないのであれば、会計士試験合格への本気度はその程度だったと自分を納得させる事が出来ます。私は一度社会に出てみて自分の会計士に対する本気度を試してみようと決めました。結果、ここまで続けてこられたのは会計士への憧れがそれだけ強かったという事かと思います。

もちろん合格年次は早ければ早い方が良い等、様々な考え方がありますのであくまで一つの意見として参考にして頂けますと幸いです。

4.クレアールを選んだ理由

(1)教材

私はクレアールに入校する前は別の予備校を利用しておりました。そのためある程度の前提知識があったため、クレアールの教材や講義を理解が浅い論点や改正論点をキャッチアップするための手段として利用させて頂きました。当初はクレアールの教材は必要最低限の情報量に抑えているため網羅性が相対的に低いという印象をもっていたのですが、全くそのようなことはなく、個人的にはむしろ網羅的に大変良くまとまった教材だと感じました。一通りの論点は載っているので自分がより深く知りたいと思ったところは自分で原文を検索したり、講師の方にメール質問したりすることでより記憶に定着させる事が出来たと感じています。

(2)質問体制

最も良いと思った点は24時間メールで質問が出来るという点です。社会人だとどうしても受験仲間が出来にくい分、分からないことを気軽に聞ける状況にありません。この点、クレアールの講師の方々にメールで質問が出来るという点は非常に助かりました。

(3)コスト

この点は他校の予備校と比較した時には一目瞭然です。社会人の受験勉強は長期化する可能性もあるので、コストが安いという点は非常に魅力的でした。

5.仕事と両立することについて

働きながらだとどうしても勉強時間は少なくなります。ただ、私のように過去に一度勉強をした経験のある方であればそこまで多くの勉強時間は必要でないと実感しています。事実、私はフルタイム勤務でしたので平日の勉強時間は2時間程度、休日に6~8時間程度でした。アメリカンフットボールの社会人リーグでプレーしていた事もあり、休日の勉強もままならない状態でしたので月の勉強時間は精々60時間程度でした。また合格した8月の論文式試験の前月は確定申告の時期で休日出勤及び残業時間が多くなってしまいほとんど勉強時間が確保出来ませんでした。ただそれでも合格レベルに達することが出来た要因は社会人ならではのメリットがあったこと及び自分なりに工夫したことにあると確信しています。

(1)メリット

①実務経験とのシナジー

会社の実務を知ることは受験勉強の知識の理解を深めます。どうしても座学のみだとイメージが付き辛いことは否めません。会社法の知識や会計・税務の知識が必要な仕事であればもちろん、会計に関係のない仕事であっても内部統制等の会社の構造を理解することになるので、受験勉強の知識は生かされます。私は経理職だったため、特に受験勉強の知識は実務で活かすことが出来ました。また働きながらであれば精神的余裕も生まれるため、私個人としては働きながらの受験勉強が合っていたと感じています。

②理論科目の優位性

常日頃メールの文章を作成したり議事録や報告資料を作成したりするため必然的に文章の構成を考える癖がつきます。理論が重要視されてきている近年の試験において働きながらの受験者には一定の優位性があると思います。

(2)工夫した点

働きながらの受験において最大のネックが勉強時間です。ここは最大限に工夫しました。
以下、全科目共通して私が意識していたことを紹介させて頂きます。

①備忘ノートの作成

1冊のノートにミスしたことやすぐ忘れてしまう重要論点を書き出します。問題を解きながら間違えた個所や中々覚えられない箇所は都度そのノートに書き写すイメージです。そして必ず1日の始まりもしくは終わりにそのノートに目を通します。これを継続することで苦手分野でも記憶の拠り所が出来上がります。ポイントは一冊のノートに全科目の情報を入れること(ノートを複数作らずあまり情報量を増やさないこと)です。こうすることで短い時間で一通り全科目の苦手分野を見直すことが出来ます。

②スマホでデータ化

上記のノートや論点集等、自分が覚えたい内容をスマートフォンで撮っておき、電車や隙間時間に見直すようにしていました。混雑した電車の中では小さな教材ですら出すのを躊躇してしまうのですが、携帯に撮っておけば気軽にいつでも見返すことが出来ました。

③1日の思い出し作業

寝る直前目を閉じながら一通り思い出す作業をしていました。上述の通り1日の勉強時間が少ない分、容易に実施できました。記憶の方法は人それぞれなので一概にこれとは言えませんが、私は思い出す回数をいかに重ねるかが記憶定着の鍵でした。この習慣はとても良かったと感じています。

6.最後に

会計士試験は働きながらの受験でも決して無理ではありません。もし受験経験者で就職か専念かを迷っている方がおられましたら、私個人としては一度働いてみることをお勧めします。その知識の土壌があればその後も勉強を継続することで働きながらであっても十分合格レベルに達するからです。最後になりましたが質問対応はじめ良質な教材等、受験にあたり最適な環境を作ってくださった事務局の皆様、本当にありがとうございました。

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