「学生寮をフル活用して合格!」

岡田 彰宏さん

クレアールに入学した理由

クレアールとの出会いは大手専門学校で試験勉強を続けていた3年目の冬、偶然書店で手にした石井和人先生の『非常識合格法』の著書がきっかけでした。2年目の短答試験は1問差で不合格でしたが、3年目の答練では前年と同じような問題が出題されていたにも関わらず思うように成績が伸びず、勉強は行き詰まっていました。焦りを覚えた私は基本よりもむしろ分からないところを無くすぐらい枝葉末節の部分へと手を伸ばしつつあったのです。そんな折でしたので、石井先生のおっしゃられていた「基本部分の重要性」や「配点のからくり」はまさに私にとって青天の霹靂でした。結局その年も不合格に終わりましたが、ここで石井先生の本を目にすることがなかったら、基本部分の疎かなまま悪循環に陥り、今年もこのようにして合格体験記を書くことはなかったでしょう。

クレアールのメリット

@無駄のないテキストとカリキュラム

私の通っていた大手専門学校では科目によってはレジメが併用されたり、レジメのみを扱いテキストは全く使わなかったりしていました。これらに答練を合わせるとかなりの分量になり、1回転するだけでも1週間近くかかるものもあり、私自身資料を繰り返し読むことも余りありませんでした。

これに対しクレアールはテキストが薄くレジメも殆どありませんが、これは決して手を抜いているのではなく、むしろ内容を必要十分な範囲に絞り込んでいるからであって、無駄を徹底的に省いたテキストです。同じ勉強時間でも、無駄のないテキストを反芻するのと分厚い資料を読み返すのでは、個人差こそあれ知識の定着率の違いは歴然だと思います。授業回数や答練も数量的に無理がなく、今年度は財務諸表論、監査論といった比較的重い科目の講義は互いに時期をずらしていた分、負担もなおのこと少なかったです。

A少人数制であること

ライブクラスの授業は殆どが夜でしたが、小規模がゆえに自習室の確保に困ることもなく、朝から授業までの時間を無駄なく自習に充てることができました。事務の方々ともざっくばらんに話せるアットホームな雰囲気がありましたし、そして何より、受験仲間同士の距離も近くて仲間が出来やすいのが良いです。すれ違いざまに挨拶をすることがなくても顔はすぐ覚えるし、何か話すきっかけがあればお互いすぐ打ち解けたものです。クレアール名物(?)の懇親会も、小規模ならではのものではないのでしょうか。

B寮制度

私はもともと大阪でしたが、どうしてもVTRではなくライブで講義を受けたかったので、上京を決意しました。それが出来たのも、クレアールの寮制度のおかげだと思います。寮であれば下手にマンションを借りるよりも低予算ですし、何と言っても朝夕の食事は味も量も栄養も申し分なく、一人暮しでありがちな偏った食生活で健康を損なう心配もありません。帰宅後も寝るまで寮の勉強仲間と部屋でスピーチをしたり、疑問点を一緒に考えたり出来るのも、寮ならではの強みです。また、寮にはクレアール以外の人もたくさんいますが、彼らと一緒に食事したりだべったりするのも意外と気分転換になりました。

*私流「非常識合格法」

@スピーチ

私は勉強仲間同士よりも単独でスピーチすることが多かったのですが、スピーチであれば自習室がない時の廊下のベンチでも行き帰りの電車でも、場所を選ばず出来るのが大きな強みではないのでしょうか。私の寮(東船橋)から水道橋までは離れている代わりに乗換えが要らなかったので、電車の通学時間は自習には最適でした。片手に吊り革、もう片手にテキストとスピーチ課題冊子を持ち、スピーチの答えがすぐに出なかったらその場ですぐテキストで確認。覚えるまで何度も反復。この繰り返しの毎日でしたが、駅に着くまでに終わらせなければという緊張感があったため、いつも集中できたものです。

仲間とスピーチするときは、特定のテーマや過去の答練等あらかじめ課題を決めて準備をした上で行いました。それまでに「間に合わせる」以上に、同じ間違いを繰り返さないようにするためでした。

私流のスピーチにあたってのコツは、定義等の暗記は早口で繰り返すこと、それ以外の論点は語尾をはっきりさせながら話すこと、定義を除いて一字一句すべて正確に暗記しようとはしないこと、手を振るだけでも体を動かすと覚えやすいこと、等です。

A勉強仲間を作る

クレアールのアットホームな雰囲気のおかげで、幸い勉強仲間にも恵まれましたが、何より強く実感したのは、「何が何でも受かってやる!」というガッツの人一倍強い友人が周りに一人でもいれば、そのエネルギーが仲間同士のみならず周囲全体にも波及してみんなのモチベーションも高まるということです。試験後、他の仲間から私のグループが羨ましかったと言われたのは、恥ずかしくも嬉しい驚きでした。仲間全員での合格こそ果たせませんでしたが、ハードな試験勉強を続けることが出来たのも、こうした仲間のおかげだと信じています。

私は仲間同士でのスピーチはあまりしませんでしたが、その代わり直前期にはほぼ毎日、仲間と一緒に時間を測って同じ短答問題や計算問題を解きました。この緊張感は単独で解く場合の比ではないので非常に効果的ですし、分からない箇所があれば一緒に考えて解決できるメリットもあります。

なお、初学者の中にはベテラン受験者を敬遠する人もいますが、試験会場では全く平等なのだからそんな遠慮は無用ですし、むしろベテラン受験者にプレッシャーをかけるぐらいの気概を持って欲しいし、ベテラン受験者も初学者を侮らず謙虚さや危機感を持ちながら、仲間として受け入れて欲しいと思います。

B自分だけのテキストを作る

科目によっては補助レジメが配布されたり会計法規集を用いたりすることがありますが、私はこれらのレジメや法規集のコピーをテキストに直接ホッチキスで留めました。こうすれば、必要最小限の情報がテキスト1冊に凝縮されるため、特に行き帰りの電車などでより復習を効率的に出来ます。同様の発想で、短答・論文各試験の直前には、各科目のそれぞれの直前期テキストを一旦分解して答練と税効果・リース等の各基準や監査基準、応用期のテキストの重要な箇所のコピー等とをワンセットにして綴じ直し、自分だけのテキストを作りました(このために会計諸則集をもう1冊買いました)。みなさんも是非とも、どうすれば効率的に勉強できるかを考えながら、創意工夫を凝らしてみてください。

*科目別勉強法

<簿記.原価計算>

計算科目に関しては、同じ問題を繰り返し解くのが上達の近道だと思います。私ももともと簿記は大の苦手でしたが、2年目に簿記.原計それぞれ毎日2時間ずつ、同じ問題を完答できるまで連続して3〜4回解いたことで、徐々に成績が伸びました。こうすることで解き方のパターンが身につきます(体で覚える)し、時間との勝負なので下書きも自然と改善されていきます。

原計の理論に関しては、安井先生のテキストのスピーチ課題だけでもかなりカバーできますが、私はこれと併せて原価計算基準と答練の理論問題を切り貼りして一つのファイルにまとめていました。本試験でも理論問題のウェイトは年々上がっているので、油断は出来ません。

<財務諸表論>

これは石井先生のテキストと答練をとことん消化することに尽きます。これで十分です。サディスティックなまでの(失礼!)先生の採点にも負けず、逆に先生を見返してやろうというガッツで食らいついてください。かく言う私も答練が返って来るたびに壁やロッカーを蹴飛ばしまくっていました。あの時石井先生とすれ違っていたら、どうしていたでしょうか(笑) しかしそんな私でも合格できるのです。財表に限ったことではありませんが、一番重要なのは答練の成績よりも答練での失敗を繰り返さないことです。私は間違えた箇所と他の重要な箇所とで色の異なる蛍光ペンを使い分けることで、この対策を行いました。

<監査論>

「何を書いても得点になる」というのが堀江先生の口癖ですが、要はどこまで暗記した知識を素早く吐き出して答案を埋められるかです。そのためには、スピーチによってインプットとアウトプットを繰り返し、意識的に解答欄の最後の行まで書く訓練をすることが不可欠です。また、ただ丸暗記するだけでなく、同じ内容でも解答欄に合わせて長くも短くも書けるテクニックも必要です。短く書くことが出来るなら長く書くことも出来るはずなので、堀江先生のおっしゃられる「ワンワード法」のように、一言あるいは短くまとめる練習をするのも一つの手です。短い言葉で答えるのは意外と難しいものです。

<商法>

商法は石井洋史先生の平易な講義のおかげで、覚える量も大幅に減少させることが出来ました。例えば営業譲渡と企業分割のように、実態が類似しているのに法形式が異なるケース同士を関連付け、両者の相違点を明確にしつつ共通点はワンセットで覚えるという方法が大きなミソです。しかし商法には文章構成という厄介な問題が絡んできます。構成をミスらないための方法としては、問題をよく読むこと、問題のテーマを見出す練習をすること、文章構成のパターンをつかむことなどが挙げられます。特に事例問題では問題文末尾の主語と述語に細心の注意を払ってください。商法の殆どは典型的な問題なので、問題のテーマを把握さえすれば、あとは自分の知識をアウトプットして事例に当てはめるのみです。一行問題は事例問題ほど構成に神経質になることはありませんが、今年の本試験のように少問に分かれている場合は要注意です。今年の問題は論点こそ典型でしたが、それぞれの少問に何をどこまで書けば良いのかについて気をつけなければならなかったからです。あと、答練の解答例をスピーチするか書き写すかを繰り返せば、答案構成のパターンもだんだん身についていくはずです。

<経済学>

今年でこそ得意科目でしたが、これも簿記同様最初は苦手でたまりませんでした。計算問題はどうしても短期間では伸びませんので、選択科目だからと油断せずに基本期のうちからこつこつ問題を解くしかないと思います。しかし、たとえば自由競争と独占、クールノー均衡とシュタッケルベルク均衡の違いなど、計算問題の背景を理解し、なぜそれぞれ計算方法が異なるのかが分からないと、どんなに数学に強くても前には進めないので、気をつけてください。

<経営学>

問題量は全科目中一番少ないですが、出題範囲は漠然としていて最後まで苦戦していました。そのためアドバイスできることは少ないですが、伝統的管理論と組織論・戦略論の基本(基本期のテキスト内容)を押さえるだけでも半分は答案を埋められます。財務論は馬場先生の答練と直前期のテキストの完成度が高いので、これを繰り返せば何とかなります。今年の本試験では全く知らない用語が雨あられと出て、私は分からなくても知識を総動員して推測半分・出任せ半分の解答を書きましたが、どうやら当たらずも遠からずで5割以上を確保できたようでした。せっかく時間が大幅に余るのですから、空欄だけはなくしましょう。

*直前期の過ごし方と試験本番

4月からはほぼ完全に短答対策に特化しましたが、それまでに理論3科目(財表・監査・商法)の論文対策を可能な限り固めました。短答対策の基本は基準等を頭に叩き込むことと問題を解くことですが、ただ問題をたくさん解くよりも、間違えた箇所をマークしたりその内容が記載されているテキストのページに付箋を貼るなどして、同じ間違いを繰り返さないことが肝心です。あとは友人同士で毎日携帯電話のメールで問題を交換しました。これは問題集をそのまま送ることもあれば全くの自作の問題の時もありました。特に自作であれば答える側だけでなく作問する側も頭を使わなければならないので、知識があやふやか磐石かがすぐにわかります。

短答試験は緊張でがちがちになり、頭は半分真っ白で○×の紙一重の判断が出来ているのが不思議なぐらいでした。しかも理論3科目で1時間を大幅にオーバーしてしまいました。幸い簿記が40分で解けたので態勢を立て直せどうにか間に合いましたが、全体の出来には自信がなく終わった直後は無力感に襲われしばらく席を立てませんでした。しかしその日の晩に自己採点すると40点(のち問題の不備により41点)という信じられない高得点でした。

ここで疲れをたっぷり癒したいところですが、昨年合格した友人のアドバイスに従って2日程度息抜きをしてから1週間以内に試験前のペースに戻しました。35点前後の人達よりも1ヶ月時間を稼げるからです。特に一旦気持ちが緩むと、勉強を再開しても元のペースに戻すのはなかなか大変なので、休息は程々にしましょう。

論文対策は前述の改造テキストをひたすら回し、友人と計算問題を繰り返し解くことに尽きます。論文試験までの時間を「3ヶ月しかない」と捉えるか、「3ヶ月もある」と考えるかは人によって異なると思いますが、私は後者の考えで行きました。一人よりも勉強仲間とやるほうが良いという方は、授業がなくてもよほど遠方でもない限り水道橋で頑張ってください。

論文試験は飯田橋のビジネスホテルを予約して臨みました。その日の試験を終えてホテルに戻ってからは、入浴剤を入れた風呂や銭湯で疲れを癒し、テキストを読みながら出来るだけ早めに寝、翌朝は早起きして朝風呂に浸かりました。朝の通勤時間は地下鉄の運行時間も遅くなるし、不測の事態で試験に間に合わないことだけは絶対に避けたかったからです。そして何より、3日間の長い戦いです。予算が許す限り少しでも試験会場から近い場所から通い、行きかえりで無駄な体力を使わないようにすることをお勧めします。

試験自体は短答の時ほど緊張はしませんでしたが、原計や監査で難問にぶつかった時には、頭の中で何度も「もう駄目だ」という思いと「諦めるな」という心の叫びがせめぎ合い、気を失いそうになりながらも何とか書けるところは書きました。

*そして合格発表

試験が終わった直後、短答の時と同様に解放感以上に無力感が私を支配していました。「ここはもっと出来たのではないか」「あそこは基本論点だから出来なかったのは致命的ではないのか」など、考えたらきりがありません。しかしこれは根拠のない見方ですが、出来なかったと思っている人ほど実は一番出来ているのかもしれません。そして運命の11月7日、某国の街角のネットカフェで、私はパソコンのディスプレイに表示されている自分の受験番号を見て独り涙しました。

長い戦いが終わりました。しかし同時に、監査実務の世界での新たなる戦いが始まります。それでも親の脛をかじりながら悶々と暮らしてきた4年間を思うと、「どうにかなる」いや「どうにかすることが出来る」という自信が沸いてきます。私はむしろようやくスタートラインに立てたことを、この上なく嬉しく思っています。スタートラインに立てたのも、クレアールの先生方や事務室のみなさん、そして勉強仲間、東船橋寮の寮母さんにスタッフの方々のおかげであることは言うまでもありません。この場を借りてお礼申し上げます。

これからクレアールで会計士を目指す方も、今年無念の涙を飲んだ方も、頑張って来年こそはこの体験記に名を連ねてください。

次は貴方の番です。

「すべての人間は自らふさわしいものを得る」(ボブ・マーレー)