![]() |
「税理士試験の経験を活かした合格」
<クレアールアカデミーを選択した理由>税理士に限らず公認会計士も数多の受験校があります。その選択にあたって、大学在学中に合格した税理士試験の学習経験が活きることになりました。その経験は「試験範囲はあってないようなものだから、欲張らずに自分のこなせる範囲を絞り、その代わりその範囲を徹底的に繰り返そう。税理士試験の1年あたりの受験科目数も欲張らず、その代わり受験した科目は確実に合格しよう。」ということであり、これを公認会計士試験でダイレクトに実践する学校がクレアールしかなかったということです。試験範囲が曖昧な国家試験において合格の期待値を高めるにはこの方法論しか考えられません。私は大阪校にお世話になることになりました。 公認会計士試験の受験勉強を始めてすぐに愕然としました・・・・・・往年の暗記力・計算力がなくなっていました。税理士試験は税法科目での暗記力・計算力が最終合格への分水嶺であったので、それを過去にこなしているから公認会計士試験でも通用するだろうと思っていましたが、簡単ではありませんでした。しかし、「科目合格制度を採用する税理士試験は、その1科目だけに1年間勉強する人がいるから受験者のレベルが上がるが、公認会計士試験は7科目一括受験だから1科目ごとに時間がかけられない分、受験者のレベルは思うほど高くないはずだ。」という経験則を信じて勉強していました。 仕事をしていると1年間はあっという間に過ぎます。1年間でこなせる量は案外少ないものですし、人間の頭の許容量も際限なしというわけにはいきません。そんな中で試験範囲の内容をまともにこなすことは土台無理ですし、できると思う人は自分の能力を過信しているとさえ感じます。正直なところ、私はクレアールのテキストでさえボリュームはまだまだ多いと思います。自己の責任でもっと削ってその範囲を徹底することで対応し、それ以外の範囲が出題されたら、その徹底的に理解した内容から推測できるもっともらしい解答を答案用紙に表現するというアプローチを採れば、時間制約があっても十分に合格を狙うことは可能だと思います。 <計算科目の学習方法について>やはり簿記検定試験1級は取得した方が良いです。石井和人先生が傾斜配点のことをガイダンスでお話されることがありますが、私も実感しました。どう考えても工業簿記で足切りになるはずだと思っていたところ、結果は 18 点( 25 点満点)あり、合計 90 点でした。ただ、これで「 70 点以上が 10 %しか居ないなかで 90 点取れたということは、公認会計士試験の合格はそう遠くないな。」と思ってしまったところがあり、その油断がなければもう1年くらい早く合格できたかもしれません。 簿記1級をある程度の高得点で合格できる実力があっても公認会計士試験の計算科目に対応するには、ボリュームのある問題に慣れる必要と読み取りにくい資料に慣れる必要があります。私はクレアールのテキストと答案練習の他に手をつけたものはありませんし、クレアールの答案練習の回数でも多いと感じていました。テキストの例題・練習問題については、@1回目に解いた日を問題番号の肩に書き、正答ならその日付を○で囲む、A5日後にもう1回解いて@と同様のことをする、B2回連続で正答すればその問題はもうしない、C2回連続正答するまで繰り返す、という方法を採っていました(税理士試験当時も同様)。この方法を実行すれば、自分の不出来の問題が自ずと浮かび上がってきますし、同じ時間を使うにしても自分のできる問題に時間をかけず、不出来の問題に時間を配分することができるからです。同じく答案練習については、@教室で受験し、その後自己採点して解説集に自分が理解できるように補足の書き込みをする、A5日後にもう1回解いて満点であればその問題はもうしない、B満点が取れるまで5日ごとに繰り返して解く、という方法でした。合格のためには、簿記1級でまず能力を高めて、答案練習をペースメーカーにしてその能力を維持して総合問題形式に慣れ、残りの時間を理論科目に振り向ける必要があります。 本試験の計算科目でアドバンテージを得ることはかなり難しいでしょう。本試験問題には見たことのないような実務色の強い問題を敢えて入れているふしがあります。計算科目では合否を決するレベルの受験層の中に食い込めば、あとは理論科目で勝負すれば良いと思われます。「理論科目が弱いから計算科目でアドバンテージを得て・・・・・・」と意気込むほど共倒れになるような気がします。 計算科目について「間違いノート」を作成している方も多くいらっしゃるでしょう。しかし私は敢えて作成せずテキスト・答案練習の解説に書き込む方法を採りました。理由は理論科目の勉強方法のところで後述します。 <理論科目の勉強方法について>原価計算会計法規集で 10 数頁である原価計算基準を 1 回読むのに1時間弱ほどかかると思います。まずは内容が良くわからなくても定期的に何回も読んでみることをお薦めします。その上で短答式答案練習の選択肢について原価計算基準でチェックしていくと自ずと頻出部分もわかりますし、短答式試験で誤答することがなくなってくると思います。原価計算の短答式専用の問題集でもあれば良いのですが、ボリューム的に独立した問題集というのは難しいので、上記の対処に拠れば良いでしょう。 論文式試験については、応用期の理論テキストについているスピーチ集がよくまとまっています。それと、答案練習に出題された問題をカバーできれば十分です(それでも多すぎるくらいです)。 財務諸表論短答式試験に向けては短答式答案練習の復習と市販の短答式対策の問題集を繰り返せば良いと思います。ただし、本試験の選択肢の表現が基準に忠実ではなく判断に迷いが生じますが、あくまで「最適な選択肢を1つ選ぶ」という視点で解答してください。 論文式試験については、石井和人先生のテキストのみで十分です(それでも多すぎるくらいです)。覚える順番はやはり定義からです。実務でも実感しますが「定義に還って考える」ことは案外あるもので、定義の表現から産み出される論点(例えば「減価償却」)というものもあります。各論点についてはもちろんテキストの内容をすべて記憶できれば理想的ですが、私は初めから諦めていました。それも以前の経験があるからです。石井和人先生の教えは「カルピスの原液」のようなものですから、それをどの程度希釈して飲むかは受験生個々の能力・勉強時間その他の事情に合わせて判断するしかありません。 監査論短答式試験に向けては短答式答案練習の復習と市販の短答式対策の問題集を1冊繰り返せば良いと思います。それと監査基準の前文・本文を丁寧に勉強する必要があります(これを怠ったことが去年の短答式試験不合格を招き、これを徹底したことが今年の高得点の源でした。)。監査基準委員会報告書ですが、私は1頁も読んでいませんし受験生として読む気もありませんでした。どうせ中途半端になることが目に見えていたからです。 論文式試験ですが、堀江先生のテキストは秀逸です。個人的には財務諸表論より非常識合格法に則っているのではないかと思っています。あのテキストの程度が1科目のインプット量としての限界です。今年の本試験では必ずしもテキストの内容がそのまま的中したとは言えませんが、テキストの理解が正確であれば、それなりに答案用紙を埋めることができ足を引っ張ることはなかったと思います。 商法短答式試験に向けては短答式対策テキスト・短答式答案練習の復習と市販の短答式対策の問題集を1冊繰り返せば良いと思います。本当は条文を逐一確認することが理想ですが、私はそれをしていませんでした。ただし短答式対策テキスト付録の「図の一覧」は各規定の相違点が一目瞭然で役立ちました。 論文式試験ですが、石井洋史先生のテキストに板書や気づいた内容を書き込んで、1冊のテキストにすべての情報を集中するようにしました。理論科目全般に言えますが、ただ板書の内容を写すだけではなく、板書されず言葉で説明された箇所で自分にとって重要な部分は積極的に補足して書き留める習慣をつけましょう。その場では覚えていてもすぐ忘れてしまいますので、備忘記録程度の表現(要は自分だけがわかれば良いのです)で書き込んでおくのが効率的です。 民法勉強方法は商法の論文式試験の勉強方法と変わりませんが、応用期テキストの例題と論点集の該当箇所とのリファレンスをつけながら、「これをそのまま文章につなげば答案が作成できる」状態まで詳しく、論理構成の流れを書き込んでおきました。論点集の内容をただ記憶するという勉強方法は、実際の本試験では案外役立たないと思われますので、テキストの例題で覚えて論点集の該当箇所に還る方法を採るのが良いでしょう。民法も商法も実務における必要性が高い科目であることは実感していましたので、成績はともかく興味・関心を持って勉強できたことは私にとって有利に働いたと感じます。 経営学(管理論)藤原先生のテキストは相当絞り込んではありますが、特に応用期テキストは試験委員の著書を文章としてまとめてあり、1冊を読み込むというのはそれなりに苦労を要します。そこで私は藤原先生指摘の箇所のみならず、自らが重要と感じた箇所をマーカーで目立たせて、その部分だけを読んで時間を短縮しました。また定義については基本期テキストのものはすべて記憶しましたが、応用期・直前期テキストのものは答案練習に出題されたものしか対応できませんでした。 経営学(財務論)財務論初心者の方にとっては、馬場先生のテキストをもってしても内容を理解するのは難しいと思われます。しかし我々は学者になるために勉強しているのではありません。「内容を完璧に知らずとも、とにかく本試験の答案が書ければ良い」というスタイルを貫いていただいている馬場先生の作成される答案練習を徹底して消化してください。テキストは消化の過程で確認するツールとして捉えれば良いと思われます。結果は本試験問題が物語っています。 <答案練習の活用方法について>講義と答案練習が断続的に予定されている応用期には、理論科目の答案練習の復習は時間的に困難な面があります。私は短答式試験後に、基本期からの答案練習のポイントをコンパクトにまとめたレジメを作成し、それを論文式試験直前まで繰り返していました。過去の合格者の方々も仰っておられますが、まずは答案練習から復習し、出題箇所の周辺についてテキストに還る方法が最も効率的です。特に財務諸表論については石井和人先生の「財務諸表論セレクト 40 題(中央経済社)」の例題と「財務諸表論厳選問題集(クレアール出版)」についても解答例を短答式試験後に自分でコンパクトにまとめ、それを復習していました。 <短答式試験について>短答式試験は本当に怖いと感じます。計算問題 18 問を含む 50 問を3時間で解かせるという余裕のなさに加え、本年の財務諸表論の問題に見られる「基準に必ずしも正確な記述がされていない選択肢」への対処など不確定要素が多くあり、受験生を悩ませます。私も論文式試験ではある程度手応えを感じていても、短答式試験の初回受験は1点差、その翌年が2点差と辛酸を舐めてきました。 「短答式試験の対策をし過ぎると論文式試験の対策が疎かになり、最終的には不合格になる」という意見があります。しかし今年に限って言えば、短答式試験と論文式試験との間が3箇月あったことも影響しましたが、ある程度短答式試験に精力を集中する必要があろうと思います。たとえ短答式試験を突破したとしても合格ラインギリギリでは、試験後結果が気になって集中できず論文式試験の追い込みができなくなってしまいます。私は短答式試験で 40 問以上正答できたことでその翌日から論文式試験の追い込みに没頭できたのが、論文式試験合格の勝因だと思っています。 時間配分は原価計算を含む理論問題 32 題で最高1時間 10 分(本試験はどうしても慎重になるため普段の答案練習では1時間で切り上げる訓練が必要です)、原価計算の計算を終えた時点で2時間、残りの時間で簿記というペースになると思います。 <具体的勉強方法以外の留意事項ついて>自分で資金を捻出して勉強する私は税理士試験の受験期間に教材費を含めて 120 万円程度費消しましたが、家庭教師のアルバイトと日本育英会の奨学金で全額賄いました。学費を自分で捻出すると、受講に対する姿勢が変わってくると思います(まず「しっかり勉強しないともったいない」という意識が生じます)。公認会計士試験の勉強ももちろん自己が融通した資金で賄いました。 合格に貢献する勉強仲間を得ることは難しい当たり前ですが、最終的に試験は自分ひとりで受験するものです。もちろん勉強仲間と一緒に実力を高めて行くことが出来れば理想的で、合格後も大事な友人となると思います。しかし実際のところ、合格に貢献する勉強仲間を得られることは非常に稀で、ほとんどの仲間は合格にマイナスに作用しているのではないかと感じます。「目先の勉強を回避したいがために、いつもの仲間と談話スペースで1時間以上喋っていた」とか「他の受験校の情報を交換して耳年増になっているばかりで、結局情報を得るだけで満足していた」とか「綺麗な女性に取り入りたいあまり、自分に必要のない時間を使ってしまった。」という心当たりはないでしょうか。また、やたらに回りに話し掛けて一緒に行動することを誘い、結局誘われた側もただ学校に来て喋るだけの受験生になってしまったという例も見ました。 煙草・飲酒の影響本人の嗜好の問題ですのでとやかく言うことではありませんが、記憶の定着という点で少なくともプラスに作用するとは考えにくいです。受験期間中に煙草・飲酒をするというのは、「ブレーキとアクセルを両方踏んで運転している」ようなものではないのでしょうか。燃費が悪くてしょうがないと思うのですが。 専念しているから勉強に身が入るとは限らない朝から夜まで受験校に缶詰になっているからと言って、その間ずっと勉強しているとは限りません。私の印象として「みんな学校に長い時間居る割りには、実質的に勉強している時間は短いな」と良く思ったものです。むしろ適度に忙しい身分である方が、限られた時間を有効に利用しようという気持ちが働き、案外勉強がはかどるのかもしれません。少なくとも 20 歳台以下の受験生が、計算力で 30 歳台の受験生に叶わないというのは、明らかに訓練不足と言わざるを得ません。 受験勉強は「お稽古ごと」か「自分でメシを食うための手段」か計算科目の答案練習時に、私の電卓の叩く音が目障りということで、私が近くに座ると露骨に席を移動した受験生が居たという経験があります。そんなことで 12 人に1人に入れるのでしょうか。私は仕事でも電卓を叩くので、その速さに初心者の受験生にとってはプレッシャーに感じるのかもしれませんが、逆に横に居る私がプレッシャーに感じるほどの迫力をもって試験問題に向かうくらいでないと、受験勉強が趣味の域を出なくなってしまいます。あくまで将来の道を拓くために受験しているという危機意識を忘れないでください。 あくまで試験は相対評価正直申し上げて論文式試験の全体的な手応えは全然なく、最終日に試験場前で配布された解答速報は駅のくず入れに全部棄て、合格と判明するまで模範解答集を見る勇気がありませんでした。それでも合格しているのです。試験問題は難易度が高くても、試験委員と勝負しているのではなく周りの受験生と勝負しているという当たり前のことを忘れないでください。米国連結財務諸表の記載様式を知らなくても、資産負債法の定義や引当金の要件が正確であれば合格できます。 <最後に>私は大阪校から同志社前校の新設に伴い転校しました。特に同志社前校では私の受験環境を整えるために親身に相談に応じていただき、同校の第 1 期合格生となることができました。近畿財務局の掲示板に自分の名前を見つけたときは、「(私が公認会計士試験の勉強をしていることを知っている税理士さんが結構いらっしゃったので)これでまた京都の税理士業界に出て行ける。」という思いと「これで同志社前校でお世話になったスタッフの方々に顔が合わせられる。」という思いが入り混じり、嬉しさよりも安堵感が先に立ちました。ただ私が監査法人に転職することで、それまで在籍していた税理士法人に与えることとなった影響は相当大きく、「自分の受験結果が各方面に影響を与えているんだな。」と改めて実感しています。私が最終的にどちらの業界に身を置くかはわかりませんが、少なくともその選択肢をクレアールアカデミーで得ることができたことを感謝申し上げております。 私は「根性・気合」などの精神主義を強調する言葉は嫌いです。根性がなくても、気合を入れなくても、「方法論」が間違っていなければ受験勉強は成就するものと信じています。そして受験勉強に身を投じている方々に次の言葉を贈ります。 『「学ぶ」とは、心に誠実を刻むこと〜アラゴン(詩人・作家)〜』・・・・・・習得しようとする対象に誠実に接していただきたい 以 上 |
