「自分に合った勉強法を見つけることが大切」

朝倉 雅彦さん

はじめに

私は、簿記3級の勉強を始めてから約4年、受験3回目にして合格することができました。
今思えば、私自身にとっては大変ではありましたが有意義な4年間だったと思います。ただ、こういうことが言えるのは結果的に合格できたからであって、合格していなければほとんど無駄な時間とも言えます。第一、早く合格することができればそれに越したことはありません。皆さんには、何度も受験することでの精神的(・金銭的)な負担を味わうことはお勧めしません。そこで、私個人の経験のみに基づくものではありますが、より効率的に学習するにはどうすればよいか、思うところを書きたいと思います。

クレアール会計士アカデミーに入学した理由

私がクレアール会計士アカデミーに入学したのは、「非常識合格法」が私自身の考え方に合ったからです。私自身、基本をきっちり身につけることが勉強するに当たって大切なことだと考えてきましたから、「非常識合格法」の考え方には共感することができました。それで簿記3級からクレアール会計士アカデミーにお世話になることにしました。

勉強方法について

1、集中力をもって授業を受ける

集中して授業を受けることで、話の流れを正確につかむようにしましょう。そうすることで、間違った理解を防ぐことができるとともに、どの部分が重要であるかが理解でき、復習にかかる時間を減らすことができます。私はビデオ(現在はDVDです)クラスでしたから、講義の途中でも集中力が切れそうになったら休憩していました。

2、授業・答練は、極力スケジュール通りに受ける

授業・答練は極力スケジュール通りに受けるようにしてください。科目数が多い会計士試験では、いったん遅れだすと取り戻すことは至難の業です。それに本試験は待ってはくれないのです。特に初学者の方は、いかにクレアールのテキストが薄いといっても復習が追いつかないということもあるでしょう。ですが、各科目において全く知らない分野を残したままよりは、多少あいまいな理解であってもテキストに載っている範囲は押さえておいた方が良いと思います。テキストは出題可能性を考慮して作られているのですから。勉強しているのはあくまで試験に合格するためにしていることであって、その分野の研究者になろうというわけではないのですから、ある程度割り切って勉強してください。

3、自分なりの課題を持って答練を受ける

答練はあくまで本試験において合格するための手段だということを忘れないでください。もちろん、いい点数を取って成績優秀者に名前が乗ることはいいことではあります。しかし、それ以上でもそれ以下でもありません。ですから、自分に何が不足しているかをよく考えて、それに応じて自分なりの課題を持って答練に臨んでください。

4、「ストーリー」を大切にする

ただ闇雲に暗記をしようとしてもなかなか暗記できるものではありませんし、暗記に頼っていると少し目先を変えられただけで対応できないという事態も想定されます。また、学者という人間は「ストーリー」をとても大事にします。「ストーリー」とは論旨展開の骨格部分のことです。ここを誤って理解していてはいくら細部が正確でも点数はつかないでしょう。ですから、「ストーリー」を大切にすることで、正確で応用の利く暗記を効率よくしましょう。

5、科目間のバランスを大切にする

短答式試験も論文式試験も全科目の合計点で合否が判定されます。だからといって、ある科目は最初から捨てて得意科目で点数を稼ごうとしても限界があります。得意科目で稼げる点数はおまけ程度に考えておき、不得意科目で失う点数を減らすことを考えましょう。得意科目は力を落とさない程度に勉強しておき、その分の時間は不得意科目に投入しましょう。

(おまけ)自分にあった方法・場所で勉強する

勉強方法に正解はありません。また、自習室でないと勉強できないわけでもないと思います。自分にあったスタイルを確立してください。実のところ、それが一番効率的です。

科目別の勉強方法について

簿記

なにより仕訳を覚えることが大事ですが、その際には仕訳の意味をよく考えて理解するようにしてください。そうすることで間違って覚えることも無いでしょうし、忘れにくくなると思います。また、答練を復習する際には、闇雲に仕訳を切っていくのではなく、答えにたどり着くのに必要な仕訳か否かを判断できるようにしましょう。そうすることで、時間も短縮でき、計算用紙もすっきりするため、ミスを減らすことができると思います。

原価計算

原価計算、とくに制度会計の基本は原価計算基準です。問題を解くうえで何か気になることがあればその都度原価計算基準にあたってみることをお勧めします。短答式試験対策にもなるので効率的だと思います。管理会計の分野についてはテキストや答練の範囲で十分だと思います。その中で完成度を上げることを考えた方がいいと思います。

財務諸表論

定義をきっちり暗記し、基本的なロジックを理解することが全てだと思います。先生の講義はメリハリが利いているので、講義を聴いていればどの部分が重要かよくわかると思います。そうすることで自然と短答式の点数も伸びますし、論述もそれらしくなっていくと思います。あと、答練の採点は厳しいですが、ほどほどに落ち込んでください。落ち込みすぎてもメリットはありません。

監査論

やはり基本を大事にしましょう。先生の講義を聴いていればどの部分が基本かよくわかると思いますので、しっかり授業を聞きましょう。また、監査基準についてですが、全て暗記できればそれにこしたことはありませんが、テキストと見比べて重要な部分を優先して覚えましょう。

商法

テキストを何回も読み込むことが確実かつ効率的だと思います。その際には条文集を傍らにおいて根拠条文にその都度あたることが大切です。そのことで、条文の位置を覚えることができますし、条文同士の関連性をつかむことができると思います。あと、直前期の短答向けのテキストは知識の整理に大変重宝しました。論文向けにも使えます。

経済学

経済学の試験問題はモデルを解くことが全てといっても過言ではありません。モデルを解く際に注意すべきことはただ一つです。それはモデルにおける外生変数(パラメータ)と内生変数を区別すること、つまりは、モデルに与えられる条件と、与えられた条件に基づいてモデルの中で決定される数値を明確に意識することです。そのことに注意して各々のモデルの典型的な問題を何度か解いてみることで点数が取れるようになると思います。

経営学

他の科目と違って出題に試験委員の色が出やすい科目ではあります。とはいえ経営学を生業としている人間にとっての共通認識・基本というべき部分は確かに存在します。その部分を理解しないでいくら試験委員の見解を暗記したところで、試験委員の見解のどの部分がオリジナルであるのか理解できないため、何を言いたいのかがわからないということになるでしょう。では、組織論・戦略論と財務論についてどの部分が基本となるかということになりますが、組織論・戦略論については基本期のテキストの内容、財務論については家計・投資家や企業についての仮定・前提や証券の価格決定に関する理論・ポートフォリオ理論などです。この部分を理解し暗記することを最優先してください。あと、新聞の経済欄や経済ニュースを見ることで論述の際の肉付けに使うことができます。伝えられていた内容が経営学に照らしてみてどのように理解できるかということを考えると力がつくと思います。

短答式試験について

まず、答練の際に自分なりの時間配分方法を確立してください。どの科目から解き始めるかや1問に何分まで費やすかといったことです。一定の方法を確立しておくことで、本試験においても平常心で受験することができると思います。参考までに私の時間配分を示しておきます。まず理論3科目を1問あたり90秒を目安に解いてしまいます。このとき、難しいと感じた問題は結論を出さず、明らかに誤っている選択肢を排除するにとどめておきます。その後、計算2科目を1問あたり4〜5分を目安に解き、残りの時間で答えの出ていない問題に戻るようにしていました。答練の復習についてですが、これは解答をもらったらすぐにするようにしておきましょう。そして、4月中旬くらいから見直してみて問題があればチェックするようにしましょう。後でまとめてするのは結構負担になりますし、どこがわからなかったのか忘れてから復習するのは非効率です。

論文式試験について

短答式試験が厳しくなる一方、最終合格者を増やしていることから論文式試験は少しは楽になりつつあります。3人に1人以上合格するような試験では、積極的に他の人に差をつけなくても、他の人に差をつけられないようにすれば合格することは可能です。1番で合格しても1300番で合格しても同じなのですから、1年に1度しかない試験である以上、保守的に行くべきだと思います。また、3日間・7科目という長丁場ですから、精神的・肉体的なスタミナを考慮して、科目内だけではなく科目間のペース配分も考えましょう。「小さなミスは誰しもあるだろうから、致命的な大きなミスさえしなければよい」と割り切ると気分的に楽だと思います。

最後に

私がこうして合格できたのは、先生方、友人や事務の人たち、両親のおかげだと思います。いささか偉そうな物言いかとは思いますが、それぞれの人たちがそれぞれの立場でそれぞれの役割を果たした結果だと思います。受験生の皆さんも自分の役割(試験に合格すること)を果たせるよう頑張ってください。感謝の気持ちを忘れずに。

「我々の間にチームプレイなどという都合のいい言い訳は存在しない。必要なのはスタンドプレーの結果として生じるチームワークだけだ。」
(攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXより)