公認会計士合格体験記「社会人の方へ捧げる合格体験記」鈴木 友二さん

鈴木 友二さん

目次

最も大切なこと

この合格体験記を手に取ってくださった社会人の方に一番伝えたいことを最初に書きます。それは公認会計士という資格に挑戦して欲しいということです。私自身が社会人であるので、社会人の方が様々な不安を持ち、最初の一歩を踏み出せない気持ちはよく分かります。しかし、興味があるのなら1日も早く学習を開始することが大切です。勉強を開始すると、生活習慣が変わり、勉強に対する姿勢も変わり、仕事に対する姿勢も変わり、様々なことが変化して行きます。この変化こそが大切であり、それは学習を始めなければ絶対に味わえないことです。この合格体験記を読んだのも何かの縁です。是非、今日からでも学習を開始して欲しいと思います。

勉強環境

勉強環境を整えることは社会人にとっては特に大切です。私は職場で会計士を目指すことを宣言し、職場の方々の協力を得ました。残業もあまりせず、飲み会等もほぼ参加していません。環境はとても大切ですので、多少苦労してでも良い環境を整えるべきでしょう。

勉強の方法(総論)

各科目どこまで勉強するかがポイント

これこそが会計士試験に合格するための勉強で最も大切なものだと考えています。
はっきり言って専門学校から与えられる教材は合格するためには過剰です。よって、そこから取捨選択することが必要となります。ここで大切なのが捨て方です。分からないから捨てるというのは一番よくない判断基準です。上手な捨て方は理解して捨てる方法です。例を挙げると、財務会計では今後大きな改正があると思われる企業結合などからは細かい論点を出題しにくい等、世の中の動きを見ていると捨てる部分が見えてくるはずです。範囲さえ絞れてしまえば、勉強が大幅に効率化することは言うまでもありません。是非、このような情報収集にも力を入れて欲しいと思います。

科目間のバランスが大切

私は苦手科目がありません。逆に得意科目もこれといったものはないです。
そしてこれが論文式試験に合格するための鍵です。採点方法に適った実力の付け方です。嫌いになりそうな科目が出てきたらいかなる手段を尽くしてでも早急に対処した方が良いです。放っておくと後で手遅れになります。

キーワード中心の学習

理論科目はキーワード中心の学習を進めると良いと思います。ここで言うキーワード中心の学習とは「キーワード自体の暗記」+「キーワードを一言で説明できること」のセットを指します。このように学習対象をキーワードにすることで暗記する量を大幅に減らすことができます。

「暗記」と「理解の伴った暗記」

まず私の考える「暗記」とは箇条書きを覚えるイメージです。一方、「理解の伴った暗記」とはキーワードと関連付けが図の形でなされているイメージです(監査論応用期テキストの基本図のイメージです)。会計士の勉強では後者の「理解の伴った暗記」がとても重要です。論理的な図の形で覚えてしまえば、記憶に定着するだけでなく論文式試験を戦う論理的文章力の基礎にもなります。

短答式試験対策

社会人にとって短答式試験は手強いです。理由は2つあります。1つ目は、問題を解くスピードを時間が取れる受験生よりも鍛えられない点です。有効な対策としては(1)短答前1か月くらいは短答式に特化し、ひたすらに練習し、出来る限りスピードを向上させる(2)特に計算科目は捨てる問題を見抜く目を養っておくことです。短答式試験で最も大切なのは時間配分です。常にそこを意識して練習すると効果的でしょう。2つ目は、短答式試験は論文式試験よりも範囲が広い点です。短答式に特化する期間に入ったら短答式用の細かい知識も詰め込むことが不可欠です。短答式用だと割り切って少し無理をしても詰め込んだ方が良いと思います。

他教材の利用

私は専門学校の教材はクレアールのものしか使っていません。他校の公開模試すらも受けていません。ただ、学校の教材以外にも試験委員の先生が書いている入門書(特に経営学)やWEBで公開されている最新の会計情報などはチェックしていました。個人的には学校の教材で全く分からないものが出てきたら、悩まないで、人に聞く、または書籍やWEBで調べることをお勧めします。

勉強スタイルを模索する

私は途中から時間がなくなってきたため答練を一切解きませんでした。ただし、解答を読みながら該当箇所の復習は行いました。これにより大幅に時間を作り出すことができました。この答練のカットは一例ですが、専門学校のカリキュラムに自分なりの工夫をすることで幾らでも効率化することができます。勉強スタイルは完成形がなく、絶えず改善していくものだと思っています。

勉強の方法(科目別)

財務会計論

簿記に関しては個人的には計算(集計)力はさほど必要ないと思っています。
新会計基準の分野を確実に解けることが大切です。私はここでも時間を作り出すために答練を10回分くらいまとめて、よく出題されているところをチェックして、そこだけ繰り返し解いていました。各答練を完璧になるまでこなす必要はないと思います。
財務諸表論に関しては新会計基準を会計法規集で読むことをお勧めします。特に論文式試験会場で配布される法令集に含まれない会計基準の「前文」「結論の背景」は出題され易いので力を入れるべきでしょう。それと、近年の出題傾向は税理士の財務諸表論の理論問題に似てきているので税理士の財務諸表論を受けるのも良いと思います。

管理会計論

計算は応用短答式答練のみをやりました。原価計算・管理会計の出題のバランスがよいし、短時間でこなせるのでお勧めです。理論は短答式答練、論文式答練に出題された箇所を中心におさえました。この際、計算と理論をリンクさせて学習することが効果的だと思います。

監査論

この科目はリスクアプローチの全体図を捉えることが大切です。多少無理をしてでも早い段階で全体図を頭に叩き込んで、個別の論点を勉強する際に、その論点が全体図のどこに当てはまるのかを考えていくことが必要です。これに関しては全体図を示してくださった平林先生に感謝しております。

企業法

ある程度条文が読めるようになったら骨格を作りこむ練習をすると良いと思います。具体的には応用期テキストや答練の問題を見て、短い論点の箇条書きと大体条文がどこにあるかがメモできれば力はついていきます。条文はかならず引くようにしました。それと、たまに条文だけを眺めていると全体の構成が分かるので有益です。

租税法

計算は法人税の頻出論点と消費税は確実におさえる必要があると思います。過去問を見ると出題傾向が分かるので、早いうちから参照しておくと効率的に学習できます。
理論の法人税は損金(益金)に該当するか、どの損金(益金)に該当するかを問う問題が多いので、日頃から意識しておくと対応し易くなるでしょう。所得税は出題傾向が読みにくいので応用期、直前期のテキストや答練で地道にやるしかないと思います。

経営学

管理論は答練をしっかりやれば大丈夫でしょう。試験委員の先生の入門書もまとまっていてお勧めです。
財務論は始めに全体図を頭に入れることが大切です。やはり、入門書などで全体図を掴んでしまうと取り掛かり易いと思います。

結局一番大切なこと

以上で私の合格体験記は終了します。
最後に、繰り返しになりますが是非一歩を踏み出して欲しいと思います。
そこには必ず今までと違った道が開かれるはずです。

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