公認会計士合格体験記「サラリーマンの挑戦」永石 準二さん

永石 準二さん

目次

公認会計士を目指した理由

私は金融機関の不動産部門に所属しています。担当していたのは、顧客から預かった不動産に、テナントを誘致し、管理運営し、報告するというアセットマネジメント業務だったのですが、平成10年ころから不動産の証券化の流れが加速、業務の性格も変化し、財務会計の知識が一層求められるようになりました。 その頃の私は初歩的な仕訳程度の知識しかなかったので、会計知識を習得したいと思いました。そして、勉強するならば、資格試験合格という具体的な成果を出し、しかも会計分野の最高峰を目標にしようと、公認会計士を目指したのが、そもそもの理由です。

非常識合格法のメリット(クレアールを選んだ理由)

私は、クレアールに入校する前は、大手校の講座を受講したのですが、テキスト、各講師作成のレジュメ、及び答練のボリュームに圧倒され、空回り気味の勉強をしていた様に思えます。 初めて受験したのは平成13年ですが、論文試験では歯がたたず、落ちるべくして落ちました。その後、子供の中学受験、バブルの後始末や人事異動等で仕事が忙しくなり、不十分なまま2回受験、2年ほど勉強を中断した時期がありました。 勉強を再開しようと情報収集した際、石井先生の「非常識合格法」を手にし、購入しました。少ない答案練習、薄いテキスト、暗記重視という方針は、時間というボトルネックの解決に大きなヒントになると思ったからです。 なかでも、「合格必要得点配点範囲」には共感できる部分がありました。ビジネスの世界でも、2割の優良顧客が8割の利益をもたらすという「二八の法則」というものがありますが、これに近い合理的な考え方だと思い、社会人が合格する戦術にふさわしいと思い、クレアールに入校しました。

働きながらの受験について

私の勤務先は、リストラの過程で人員削減を進め、その後の不動産のミニバブル状態でも業務の拡大ほど人員が増えず、残業が恒常化、長時間化の一方でありました。そのため、平日の勉強時間の確保が非常に困難で、平均して1時間半程度が精一杯でした。平日の勉強時間不足は、休日で補う他なく、休日は7,8時間を確保し、週23時間、月100時間確保することが限界でした。 受験勉強に専念できる受験生の三分の一程度の勉強時間しか確保できないので、新試験制度のメリットを活かし、3年計画で合格しようと考えました。3年間辛抱する覚悟があれば、勉強時間のハンデは克服できるのではないかと考えました。 逆に、勤務しながらなので、その間も収入は確保できるため、社会的に「無所属」ではない精神的、経済的な安定は確保できると思います。

私の学習工程(新試験制度に限定します。)

1年目は短答試験に合格することを目標にしました。私の場合、時間が足りなかったので、租税法は勉強しなかったです。論文式試験に向けては、短答科目の中で、比較的少ない時間でまとめやすい、監査論と企業法に重点を置きました。私の場合、論文式で監査論の合格をとることができ、ほぼ予定通りの成果でありました。 2年目からは短答免除となり6月も集中して勉強する環境を得ることができました。また、答練主体の勉強にシフトし、テキストは辞書代わりに使用するようにしました。 租税法の勉強を本格的に開始し、2年目の試験に臨みましたが、企業法しか合格できませんでした。本音は2科目の合格を狙っていたので、少々落ち込みました。 2ストライクと追い込まれた3年目は、租税法、会計学、経営学の3科目が残りましたが、残った3科目の全体的な底上げに努めました。三振のプレシャーもあり焦りましたが、2年目の試験結果で合格ラインまで偏差値で2ポイント弱まで迫ったことが確認できたので、モチベーションを維持することはできました。 勤続20周年の長期休暇を取れたことと、試験日が週末に変更になったことで、今年は試験前に13日間休みを確保することができ、心身とも試験モードに切り替えることができたこともラッキーでした。

科目別の勉強法

■簿記

社会人の方にとって、最も分厚い参入障壁だと思います。これについては、覚悟を決めて、答練を中心にアウトプット練習を繰り返しながら、各論点を細かくマスターするしかないと思います。私の場合、平日に金融商品、リース会計などの新論点の個別問題を解き、週末に総合問題にチャレンジしました。追い込まれた3年目になり、答練主体の勉強がようやく軌道に乗り、論文式答練を3回(連結と企業結合は4回)繰り返すことで、ある程度の手ごたえをつかむことができました。 新試験制度になり、従来のような2時間で2問の総合問題という出題形式でなくなったので、社会人の方には朗報だと思います。ただし、受験勉強段階では、1時間の総合問題で準備しておく方が、実力と自信がつくと思います。最近の簿記と財務諸表論の融合問題には、簿記のテキストの解説部分を読むことをお勧めします。

■財務諸表論・監査論・企業法

クレアールのテキスト、講義、答練で十分だと思います。私の場合、持ち運びに便利なので、「セレクト50」をテキストのダイジェスト版として利用し、帰宅時の電車内で繰り返し読み込みました。試験会場では、大手校の受験生の方で、最後の点検でセレクト50を読んでいる方を見かけました。

■管理会計

この科目も、時間を確保し答練をこなさないと実力はつかないとおもいます。簿記ほどの論点は多くないので、効果がでるのは早いと思います。 理論はテキストを読めば大丈夫です。原価計算基準と資本コストを徹底的にマスターしておくことが意外に重要だと思います。原価計算基準は短答試験準備として、資本コストは初歩ですが経営学の財務論でも頻出の論点でもあります。

■租税法

2年目から勉強を始めました。試験会場で他校の教材のボリュームにびっくりしましたが、クレアールのテキスト、問題集、講義、答練で十分だと思います。 計算問題のパターンは限られているので、問題集と答練を繰り返し、パターンに慣れることが簿記・管理会計以上に有効だと思います。 所得税を中心とした理論問題は直前期でテキストを読み込めば間に合うと思います。

■経営学

管理論、財務論ともに、クレアールのテキスト、講義、答練を軸としました。その他に、帰宅時の電車内で簡単な基本書を読み、幅を持たせるように努めました。 今年の試験でも会計学で小売業界のポイント制度、経営学でプライベート・ブランドの問題が出されており、日経新聞等で、最新の時事問題に触れておくべきだと思います。来年は、投資不動産の時価評価、CDSの収益計上、過度なレバリッジの危険性等がホットな話題かもしれません。特に、社会人の方には、経験とセンスを生かせる貴重な分野ではないかと思います。

通信の注意点

私の場合、仕事のサイクルで月末・月初が忙しく、答練を期日までに出すことが困難だったので、期日提出は諦め、解説を聞いて、自己採点としました。計算科目では支障は少ないですが、理論科目の論述問題では、期日提出すべきだったと反省しています。 自宅では良好な環境で勉強できると思いますが、実際の試験会場は机も小さく、照明が暗いことがあり、注意が必要です。(今年受験した早稲田大学では試験会場が地下で、照明が暗く、文字が読みづらかったことを今でも覚えています。)

最後に

繰り返しますが、新試験制度では、社会人の方も戦術と少しの辛抱をもって計画的に勉強すれば会計士試験は十分クリア可能で、最後には笑って終えることができると思います。私のこの報告が社会人受験生の参考になれば幸いに存じます。

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