公認会計士合格体験記「合格体験記」森 靖弘さん

森 靖弘さん

目次

はじめに

勉強方法は実際に自分で試してみたりじっくり考えてみたりして自分でいいと思う方法を判断して実践していくのがいいと思います。

クレアールに入学した理由

私は大学卒業後、音楽活動をしながらフリーターをしていました。音楽家になりたいという思いが1/3と就職しなくても楽しくやっていけるのではという考えを試してみたいという思いが1/3とモラトリアムの心地よさに浸っているのが1/3といった感じでしょうか。楽しく暮らしていたのですが30歳に近付いてくると世間の風当たりも強くなり、将来の恐怖や自分のふがいなさにやられてしまい、なにかしっかり稼げる能力を身につけたいと思い会計士試験の受験を思い切って決めました。

大手の専門学校も回りましたがクレアールのアットホームで親切な雰囲気が自分には合っていると思いました。また、私は試験自体には不安はなかったのですが就職には不安がありました。大手の専門学校の方に相談すると、「はっきりしたことは言えませんが挑戦する価値はあると思います。」という回答でしたがクレアールの方は違いました。「大丈夫ですよ!まだまだ若いですよ!」となんとも前向きな回答をしてくれました。無責任にも思えますが、一大決心をして挑戦しようと思っていたところだったので非常に勇気づけられました。未来のことなどわかりませんし、可能性が半分以上あるなら下手に慎重になってもしょうがないと思いました。そんなこんなでクレアールに入学することになりました。

受験勉強の概要

私は2007年3月から受験に専念して公認会計士試験の勉強を始めました。最初はDVD通信にて実家で簿記3級講座から始めましたが、ほどなくしてクレアールの寮に引っ越しました。水道橋本校で簿記1級講座までは通学DVDにて、会計士講座は通学ライブにて受講しました。簿記講座は2007年3月から8月まで受講し、2007年6月に簿記2級、11月に簿記1級に合格しました。公認会計士講座はライブのカリキュラムどおりに2007年8月の開講から受講し2008年5月に公認会計士短答式試験、8月に論文式試験に合格することができました。

2007年はほぼ簿記と管理会計に費やしました。理論科目2007年中は講義の受講と簡単な復習にとどめ、2008年になってから本格的に学習を始めました。

年内に成績優秀者に載ることはほぼなかったですが、年明けから計算科目でたまに載るようになり、直前期には他の科目も少し載るようになりました。やはり最初に成績が伸びるまでは時間がかかります。数字に表れなくても自分の手ごたえを信じて勉強していけば結果はついてくると思います。必ずしも成績優秀者に載る必要はないと思うのですが、直前期あたりに優秀者に何科目か載っていると安心できますし、いい目標になると思うので目指して勉強するのはいいと思います。

基本的な学習法

勉強のスケジュールはクレアールのカリキュラムをペースメーカーにしていました。講義や答練は公認会計士講座になってからは全てライブで受講し、ついていきました。しんどかったですが張り合いがありましたし、終わってみれば相当の力がついたと思います。

そして、まず与えられた教材をやってみて、そこから自分なりにアレンジして学習を進めていくというスタンスで勉強を進めました。

計算科目はテキストと答練を交互に繰り返しました。一番下の基礎と一番上の実戦を重視するイメージでした。テキストの例題がすんなりできるようになればかなりの力はあると思います。完璧でなくともだいたいテキストが理解できたら実践的な答練等に挑戦していきました。そのトレーニングを通して実戦的な力だけでなく基本的な考え方、処理の仕方も磨こうと意識しました。また処理の手順や勘定の流れ、P/L,B/Sの作成の手順などを丁寧に追ってみたのが理解に役立ちました。
理論科目は途中まではテキストの読み込みをしていました。企業法はテキストが素晴らしかったので条文をこまめにひきながらも最後までテキストを回していましたが、財務諸表論と監査論は法規集と委員会報告書の読み込みにシフトしました。テキストよりも詳しく、理解しやすく面白かったです。財務諸表論は最後のほうに概念フレームワークを何度か読みこんだのが非常によかったです。概念フレームワークは重要ですし、理論体系を把握するのにも役立ちますのでちょくちょく見て、ひととおり学習が終わったら読み込んでみるといいと思います。

ある程度力が付いてきたら過去問をやってみるようにしていました。特に監査論は知るべき概念が少ないので早い時期から過去問をやってみてからテキストや委員会報告書に戻るということをしました。過去問は当然そのまま出ませんが、傾向や出題の意図が見えますし、過去問ができれば合格レベルにあるといえると思いますので自分の力を測る目安にもなります。練られている問題も多いですし最高の教材だと思います。

1日の平均学習時間は講義時間を含めて10時間くらいでしょうか。睡眠時間は平均8時間くらいだと思います。休みは特に決めず、疲れがたまったら一日中寝るようにしていました。とにかくごろごろしてしっかり休息をとると特にストレス解消といったことは考えなくても元気に机に向かうことができました。

試験について

会計士試験の受験をするにあたって拠り所にするべきは、予備校のテキストや講義ではなく、監査審査会の発表する試験実施に関する情報や会計基準、法令だと思います。出題者は監査審査会であり、習得すべきことは会計基準や各種法令だと思います。なので、審査会のHPや過去問を参照にして、試験で求められる知識・能力の傾向とレベルを知っておくといいと思います。法令集の配布や大量の処理を求める計算問題の減少をはじめとする試験の変化に専門学校が対応していない場合もありますし、専門学校というフィルターを通さずにダイレクトに元の情報に触れたほうが審査会の意図が理解しやすい場合も多いと思います。

また理論科目のテキストは会計基準や諸法令を基に作られています財務諸表論、監査論は各種会計基準や監査基準、委員会報告書等の抜粋ですし、企業法、租税法は法令の使い方の説明や使用例です。テキストで分かりにくい時は原典に当たると詳しくて分かりやすかったりしますし、法令をこまめにひいて元ネタをチェックしておくと理解が深まります。原典に当たることは、とっつきにくいかもしれませんが確実に力はつきますし、誤解が少なくて済みます。専門学校のテキストをメインに学習するのでかまわないのですが。学習すべきは原典であり、テキストは学習のためのよきガイドだという認識で臨むといいと思います。

勉強の前に

各科目の勉強をするときに、その科目は何をする科目なのかを考えながら学習するといいのではないでしょうか。
例えば会計学は、企業に起こる経済事象を数字で表現する方法を学ぶ学問だと思います。企業の活動には様々な側面があり一言で表現できるものではないのでどのような視点から見てどのように表現するのがいいのかを考える必要があると思います。

そう考えてみると、何を勉強すればいいかの指針が見えてくると思います。分からないという事のパターンは

  • (1)経済事象自体のイメージがつかない。例えば退職給付制度についての知識がない等。
  • (2)表現の仕方が分からない。例えば同じ経済事象でも、時価評価で数値化するのか原価評価で数値化するのかなど様々な方法がある。なぜその方法を採るのかが分からない。

の大きく2つに分けられると思います。

(1)は情報不足なので自分で調べたり想像したりしてみるといいと思いますし、(2)は基準に書いてあるので、なぜそのような方法をとるのかを考えながら基準の考えをなぞってみるといいと思います。

他にも企業法は主に経営者と株主と債権者の利害対立を事前回避するための取り決めだと思いますので、どのような問題解決が妥当かということを考えながら勉強すると、定められた取り決めが妥当かどうかは納得できないかもしれませんが、こんな考えもありかなとは思えると思いますし、租税法は国民全員に対する税収のルールなので不公平にならないように一定の線引きをするものだと思いますので、公平に課税するにはということを意識して勉強すると、理論的ではない部分があっても考えすぎずに済むと思います。

受験生活を振り返って

楽しい1年半でした。集中して勉強していたので充実感もありましたし、新しいことを知っていき、こんな考えもあるのだと発見するのが楽しかったです。家族や一緒に勉強した友人やクレアールの方々などたくさんの人にお世話になりました。本当にありがとうございました。

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