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私が実践した会計士試験学習でのモチベーション維持法

私が実践した会計士試験学習でのモチベーション維持法

目次
  1. はじめに
  2. 勉強が続かない本当の理由
    勉強、やらされていませんか? / なぜ、合格したいのか? / その資格、必要ですか?
  3. 勉強にいちばん大切なこと=責任感
    責任とは、自由であること / 自由に選んだ結果、今がある
  4. 勉強にメンタルは、要らない
    勉強=我慢は、間違い / 今この瞬間も、会計士人生を歩んでいる
  5. おわりに

森 大地 (平成28年度公認会計士試験合格)

1.はじめに

資格の勉強は、学生時代と異なり、やるもやらないも自由です。一方で、受験を決意した当初のやる気が段々と薄れていき、日々の学習継続のモチベーションに悩まされている方も多いのではないでしょうか。今回はそういった背景のもと、学習継続のカギとなる「メンタル」について、私の考えを述べていきたいと思います。

2.勉強が続かない本当の理由

勉強、やらされていませんか?

結局のところ、自分の意思ではじめた資格学習が、いつの間にか「やらされている」状態になってしまっていることが最も多いのではないでしょうか。これこそが、勉強が続かない最大の理由です。以下、この原因を述べていきます。

なぜ、合格したいのか?

長期的な資格学習をしていると、ついつい惰性で勉強するようになりがちです。日々の勉強が苦痛や面倒と感じ、忙しさを言い訳にしてどんどん後回しになる、こうした原因は、実は
本来の受験目的を忘れてしまっていることであることが多いです。本来の目的とは、簿記1級を取得して他社分析に役立てたい、経済ニュースをもっと理解したい、会計士になって会計を極めたい、監査報告書にサインするような立派な会計士になりたいなど、わくわくするような動機だったはずです。この「わくわくするような動機」を忘れてしまうことが、勉強が続かない理由の一つだと思います。

その資格、必要ですか?

また、予備校を受講し始めたものの、思ったより内容が退屈、難易度が高過ぎる、学習範囲が多すぎるといった、受講の前後で感じる学習に対するギャップも多いです。この場合、勉強が続かないのは、本来の受験目的が不明確あるいは目指す資格への理解が足りないまま受験したケースです。たとえば、大学の会計学科に入学し、多くの同級生が会計士を目指すから自分も始めた、就職活動または社会人としての働き始め、周囲から簿記検定取得を勧められて始めた、などがあるでしょう。受験目的が主体的でない場合、継続したモチベーションを得ることは難しいと思います。

3.勉強にいちばん大切なこと=責任感

責任とは、自由であること

私が考える、勉強で最も大切なことは責任感です。しかし、責任感と言っても堅苦しいことではなく、むしろその逆である「自由」を大切にすることだと思っています。人は自由であるからこそ責任を感じ、逆に義務感は責任感を奪います。「やらされている人」は義務感から相対的にモチベーションが低く言い訳が多い反面、「やりたくてやっている人」(自由を感じる人)は自らへの期待感から継続的なモチベーションが高く、自己責任が強い傾向があるからです。自由をかみしめ、健全な責任感を持つことが、長期的な学習継続の源となるでしょう。

自由に選んだ結果、今がある

「今の勉強は、自分が自由に決めた結果なんだ」と強く思えることが大切です。自由な選択肢の中から、学習を重ねてこの資格を合格したい、という決断をしたのは自分自身のはずです。学生生活や仕事で忙殺されている方こそ、もう一度ここに立ち返っていただきたいです。その初心には、前述した「わくわくするような動機」が必ずあります。勉強が思うように進まず悩んでいる方は、一度立ち止まり、自分と向き合ってみてください。万が一、「わくわくするような動機」に関心がなくなってしまった場合、勇気を振り絞って別の道を探すのも大切な決断です。大事なのは、「自由であること=責任感を持つこと」です。どんな道を歩まれたとしても、自分に責任を持つ限り後悔することはないでしょう。

4.勉強にメンタルは、要らない

勉強=我慢は、間違い

ここまで読んでいただいておわかりのように、私は学習継続の手段としてのメンタル術や精神論は不要だと考えています。その一方で、広義のメンタル、すなわち自由をベースとした責任感や、受験目的や初心を振り返ることがとても大切だと述べてきました。実は、かく言う私自身、勉強=我慢だと信じ込み、予備校の自習室に閉じこもることが正解だと思っていた時期がありました。幸か不幸か、長期間の我慢に耐えられる忍耐力がなかったこと、実際に現場で働く会計士の方に会う機会に恵まれ、将来のビジョンが広がったこともあり、こうして我慢に遠ざかりながらも会計士試験に合格することができました。

今この瞬間も、会計士人生を歩んでいる

旅行の楽しみとは、どこにあるのでしょうか。意外と旅行当日だけでなく、当日までのわくわくする時間や、後日の土産話も旅行の楽しみだと思います。実を言うと、これは会計士のキャリアにも言えるのではないでしょか。すなわち、「受験期間も会計士人生の一部だ」ということです。ご存知の通り、監査法人では監査チームの全員が会計士試験合格者です。そして、誰もが必ず会計士試験を受験した時期があり、大なり小なり苦労話があるものです。大切なことは、合格した瞬間だけでなく、それまでの期間も「会計士人生が始まっている」と感じ、過程を楽しむことです。会計士人生を既に歩み始めている、という幸せをかみしめて、学習に励んでみてください。

5.おわりに

私自身、何度もモチベーションが上がらず、勉強から遠ざかっていた時期がありました。そんなとき、愛読書である『14歳の哲学』(池田晶子著、2003年、トランスビュー)をよく読み返していました。哲学は本質を考える学問です。そういった意味では、哲学は悩みの種を探す具体的手段として有用だったのかもしれません。大事なのは、悩んだ時は高い視点から自分を眺めてみることです。人生70年、資格勉強にかける時間はごくわずかです。長い目で見て本当にやりたいこと、心からわくわくすることを見つけることが、学習継続の要なのではないでしょうか。合格へ向けての日々の過程そのものに価値があることを意識し、一歩ずつ前進していただけたら幸いです。最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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