各分野で活躍中の先輩方に、公認会計士としてそれぞれの生き方をうかがいました。
監査では味わえない、お客様から感謝される喜び公認会計士・税理士 鈴木大輔
コンサルティング会社での業務について
当社では、大きく分けて4つの業務をメインに行っています。まず1つ目は、会社の決算対応と外部に向けて財務内容を開示するときの有価証券報告書などの作成サポートです。あわせて決算短信の作成、会社法計算書類の作成などのサポートもさせていただいています。単に決算 をこちらで組むというようなお手伝いをするケースもありますが、例えば監査法人から色々な指摘を受けたことに対応していく際のお手伝いや、決算書を監査に出す前の段階で準備するお手伝いもさせていただています。サポートの結果、監査に「スムーズに通った、ありがとう。」と喜んでいただけると大変うれしいという声を社内のメンバーからよくききます。監査とは違って、お客様側に立てるコンサルティング業務ならではの喜びではないかと思います。
2つ目は IPOの支援業務です。IPOを実現するための会社の内部管理体制構築のサポートや決算体制構築のための会計まわりのお手伝いなどに対応をしています。3つ目は内部統制(J-SOX)の対応です。IPOとの絡みで言うと、IPOをした後は必ずJ-SOXの適用対象になりますので、そのための準備のお手伝いもしています。4つ目は企業再編やM&A関係のデューデリジェンス、その他企業価値の算定などです。デューデリジェンス業務などはいろいろな事業部のメンバーが集まって短期間で作業を行うので、そこで新たなつながりが生まれたりといったおもしろさもあります。
今後業務増が予想されるIFRS(国際財務報告基準)関連業務について
かなり動きがあるので、私たち専門家も、常にアンテナを張って情報をつかみ、対応できるスキルを身につける必要があります。お客様の中にも、IFRSについて今後どうなるのだろうと関心を持って見ているところもあるので、そこにコンサルティングサービスをうまく提供していかなければいけないと感じています。この関連の需要にはかなり期待できるのではないかと思います。大手の監査法人も それを見越して募集しているところがあるようです。実際、本当にフルに適用するとなると、結構システムを変えたりとか、勘定科目の体系を変えたりといった、かなり大掛かりな話になります。そうすると、日々の業務まで影響する、例えば日常の売り上げの計上などまで影響してくる可能性があります。何か会計基準の変更が生じるというと対応が大変だという意識をもたれるお客様が多いかと思いますが、IFRS対応に関しては、業務改善の機会と捉え、積極的に取り組んでもらえたらと思います。
会計士の仕事の魅力とやりがい
監査法人には12年くらい勤務しました。もともと、「せっかく会計士になった以上は色々な仕事ができるわけですから、監査だけではなくて企業の中に入って、その企業の人たちと一緒に何か目標を目指してやっていきたい」という気持ちがあり現在のコンサルティング会社に入社しました。お客様と一緒に何か目標を目指してやっていき、達成した時の達成感は大きな魅力であり、やりがいにつながります。今後もお客様にサービスを提供して、満足していただき、それで私もハッピーになって、お互いにうまくいくというような関係を作っていけたらいいなと思っています。
今後の公認会計士の需要について
法定監査などの一般的な監査の部分は限られており、上場企業の会社数も急激に増えるわけではないので何とも言えませんが、サービス業的な部分となるアドバイザリーサービス的な部分についてはまだまだ増える余地があると思います。アメリカの監査法人のビッグ4はこのコンサルティング部門の収入が相当大きいようで、監査業務よりはどちらかと言うとアドバイザリーサービスのほうで収益を上げていると言われています。日本では逆に監査が安定収入というのが今までのパターンでした。他のことでも そうですがサービスでお金をもらうというのはなかなか難しいような文化がありますので商売になりにくかったと思いますが、日本の会計業務の分野でもそのようなアドバイザリーサービスで少しずつでもお金をいただくというようなことが増えていけば会計士の働く領域がかなり広がってくると思います。
受験されている方、これから目指そうと考えている方へ
私は金融機関に5年くらい勤めてそれから勉強して二次試験に合格したときは30歳でした。社会人の経験がある方が例えば監査の業界に入ると、前の経験が全く評価されないかというと必ずしもそうではありません。私自身もある監査法人さんから就職説明会に行って内定の通知をいただいた時は以前の会社で経験があるということで採用いただきました。またコンサルティング会社の場合、以前の企業での実務経験にプラスして会計の知識があって、やる気や積極性などがあれば、経験+会計士試験の合格、が評価されて採用されるケースは結構あるのではないかと思います。その他、会社の経理・財務部門に従事した経験があるとか内部統制業務を経験したことがあるなども採用のプラス材料になりますので、これから公認会計士を目指そうと考えている方は是非チャレンジしていただければと思います。世の中の「会計」に対する注目度も自分が勉強していたころよりも高まっています。公認会計士という資格自体の注目度が世の中でかなり高まってきていますので、当然仕事も広がっていくはずです。
現在受験勉強をされている方は、どうしても試験合格に焦点をあわせがちだと思いますが、合格してからのキャリアプランをどう実現していくかということが重要です。勉強だけで燃え尽きずに、その後についても明るい希望を持って学習していただけたらと思います。
Profile
鈴木 大輔
HSKコンサルティング株式会社 専務取締役
税理士法人 平成会計社 パートナー
早稲田大学卒業。金融機関に勤務した後、退職し、会計士試験勉強に専念。
公認会計士旧2次試験合格後、大手監査法人で監査業務に従事。
現在はコンサルティング会社、税理士法人で組織運営やマネジメントを行うとともに、様々な案件に携わる。







